家の中の動線をスムーズにする設計方法の一つに回遊動線があります。
家の中に回遊動線をつくると家の中を効率よく移動できるようになるので、うまく回遊動線を取り入れると家事効率がアップしたり、家の中を楽に移動できるようになります。
ただ、この回遊動線、メリットもあればもちろんデメリットもあります。
そこで今回は家づくりで一度は検討されることの多い人気の高い回遊動線について、回遊動線を取り入れることのメリットとデメリットを中心にお話し、その他回遊動線で失敗しないための回遊動線のとり方だったり、どんなケースで回遊動線を取り入れるとうまくいくのか、回遊導線の注意点などについてもお話ししていこうと思います。
Contents
回遊動線とは
回遊動線とは、家の中に行き止まりをつくらずに、家の中をぐるぐると回れる動線のことを言います。
家の中をぐるっと一周できる行き止まりのない動線と言っても良いかもしれません。
家の中を回遊できる動線にすると同じ場所を行ったり来たりすることなく、そのまま通り抜けてぐるりと一周し移動する前の場所に戻ってこれるようになるので、家の中の移動が楽になるメリットがあります。
ただし設計の仕方次第では回遊動線が必要じゃない間取りになったり、いらない間取りになってしまったり、逆に回遊動線があることにより迷路となってしまうなど不便になるケースもあるので回遊動線で失敗しないために注意が必要な間取りでもあります。
回遊動線の特長は移動が楽になること
一般的には、家の中のそれぞれの部屋を廊下でつなげてぐるぐると回れる動線にして、行き止まりをなくし部屋間の移動を楽にする目的で回遊動線が採用されることが多いですが、最近では間取り内の移動をスムーズにする用途であったり、関連する間取りを行き来しやすくする目的で回遊動線が用いられることも多いです。
例えばキッチンをアイランド型にして左右どちらからもアクセスできる動線にしてみたり、水まわりを回遊動線にすることで家事効率をアップさせると言った目的で回遊動線は取り入れられます。
回遊動線を家の間取りに上手に取り込むと家の中の移動がスムーズになるのです。
回遊動線のある間取りのイメージ
次に回遊動線のある住まいのイメージについてお話しします。
回遊動線がないと、買い物から帰ってきた際、一旦玄関で靴を脱ぎ、廊下を抜けてリビングにはいり、リビングからキッチンへと言った動線になることが多いですが、回遊動線を取り入れることによって下記のように便利な動線にすることができます。
例えば、帰宅時に玄関から入り靴のままシュークロークを通り抜けてそのまま土間仕様のパントリーに行き保存用食料を棚に移動し、残りのものは靴を脱いでキッチンへと言ったように家の中の移動をスムーズにすることができるのです。
ちょっとしたことですが、回遊動線を意識した間取りにすることで、余計なストレスを感じることなく家の中を移動できるようになるのです。
回遊動線の間取りのメリットと魅力
間取りに回遊動線をうまく取り入れると下記のようなメリットを得ることができます。
【回遊動線のメリット】
1:移動時間を短縮できる
2:各部屋へアクセスしやすくなる
3:マルチアクセスできる
4:家事効率がアップする
5:奥行きが生まれ開放感が出る
6:家族が渋滞しない間取りになる
回遊動線のメリットと魅力1:移動時間を短縮できる
回遊動線のある間取りにすると移動時間を短縮できます。
例えば先ほど「回遊動線のある間取りのイメージ」で紹介したように買い物から帰ってきた際、近道するルートを確保したり、目的の場所に移動の際に、関連する部屋を通り抜ける動線をつくることで「ながら家事」のような形で家事を片付けることができるようになるのです。
家の中の移動時間移動が短縮できることで、時間のストレスをなくすことができます。
回遊動線のメリットと魅力2:各部屋へアクセスしやすくなる
回遊動線をつくることで家の中のそれぞれの部屋へ移動しやすくなります。
平屋の家の形を「ロの字型」にし、廊下を回遊動線にすれば、中庭を囲んでぐるりと一周できる雰囲気のある間取りになりますし、キッチンからパントリー、玄関へと言ったように各部屋へスムーズに移動できる動線を用意しておけば家の中の移動にストレスを感じづらくなります。
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回遊動線のメリットと魅力3:マルチアクセスできる
回遊動線をつくるとそれぞれの部屋にアクセスする方法が増えます。
朝の忙しい時間帯などに廊下を行き来する場合や、お客様が家にいる場合でも、回り込んでアクセスできるルートが生まれるので、移動にストレスを感じづらくなります。
玄関まわりだけを回遊動線にするだけでも効果的で、例えば玄関脇にシュークロークをつくり、シュークロークから廊下に出られるような回遊動線にすると、帰宅時に外出時に羽織るコートや鞄などをしまっておくことができるので出かける時もシュークロークの中で身支度が済ませられると言ったような間取りにすることもできるようになります。
回遊動線のメリットと魅力4:家事効率がアップする
しっかりと考え抜いて回遊動線のある間取りにすると家事効率は間違いなくアップします。
先ほどの「玄関→シュークローク→パントリー→キッチン」のルートはもちろんですが、それぞれのご家族に合わせた暮らしの動線を考えて回遊動線をつくると、毎日の家事をする際に感じるストレスを軽減させることができます。
回遊動線は特に水まわりのキッチン、トイレ、ユーティリティスペース(家事室)、洗面脱衣所、浴室などにうまく取り入れると有効で、うまく取り入れれば間違いなく家事効率が良い間取りにすることができます。
例えば、「洗う」、「干す」、「取り込む」、「畳む」、「収納する」スペースを近い位置にまとめてぐるりと一周できるような動線にするとなお効果的で、回遊動線の良さが際立つ設計になると思います。
回遊動線のメリットと魅力5:奥行きが生まれ開放感が出る
家の中に行き止まりがあると窮屈に感じることがありますが、回遊動線をうまく計画して取り入れれば、家の中に奥行きが生まれ、行き止まりのない開放感が感じられる家になります。
ただし、回遊動線は失敗してしまうと迷路のようになってしまうので注意は必要です。
回遊動線のメリットと魅力6:家族が渋滞しない間取りになる
目的の部屋にアクセスできる動線を増やすことで家の中で渋滞が起きにくい間取りになります。
例えば、間取りの一つとしてファミリークローゼットをつくるケース。
この場合ファミリークローゼットを回遊動線にすれば、複数箇所からアクセスできるようになり、朝の忙しい時間帯でも渋滞が起きづらくクローゼットの使い心地が良くなります。
廊下にファミリークローゼットをつくる場合も複数箇所からアクセスできるようにすると、快適になります。
回遊動線のデメリットと注意点
一方で回遊動線のある間取りにすることで下記のようなデメリットが生じてきます。
【回遊動線のデメリット】
1:居住空間が狭くなる
2:収納スペースが狭くなる
3:間取りが左右されることがある
4:建築コストがかかる
5:プライバシーが確保しづらくなる
6:無駄なスペースが生まれやすい
回遊動線のデメリット1:居住空間が狭くなる
回遊動線をつくると、通路を確保するための「床面積」が必要となり、居住空間が狭くなってしまうことがあるので注意してください。
回遊動線をつくるときは、床面積にさける割合に余裕がない場合は、他の居室の面積を十分に確保してから取り入れるようにしてください。
回遊動線のデメリット2:収納スペースが狭くなる
また回遊動線を取り入れると、収納スペースも狭くなります。
回遊動線をつくろうとした場合、多くのケースで本来であれば収納スペースに当てる部分を利用して通路を作っていきますが、この時収納スペースを削ることで、収納スペースを十分に確保できない問題が起こってきます。
ある程度床面積を確保できる場合は問題ありませんが、回遊動線を無理して作ろうとした場合は、かえって不便な間取りになってしまうこともありますので注意が必要です。
収納スペースは通路や階段を利用してつくると便利な収納スペースを確保できると思います。
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回遊動線のデメリット3:間取りが左右されることがある
回遊動線の取り入れ方や、間取りによっては、壁がない部分が多くなってしまうことがあり、その場合、建物が構造的に弱くなってしまうこともあります。
回遊動線を取り入れるとで壁が減り開口部が増えることになるので、間取りはもちろん耐震性とのバランスをきちんととって家づくりを検討することが大事です。
日本の建築基準法で定められた耐震性の基準を満たしていない家は建築許可がおりず建てることができませんから、耐震性を高めるために間取りに変更を加えたり、構造上の強度を高めるために余計なコストがかかってしまうこともあります。
回遊動線のデメリット4:建築コストがかかる
回遊動線にすると材料費はもちろん回遊するための廊下を作るなどが必要となりそれに関連する施工費用がかかるため建築コストが高くなります。
もちろん間取りによっては建築コストが下がるケースもありますが、一般的には回遊動線を取り入れると建築コストがアップすると思って下さい。
回遊動線のデメリット5:プライバシーが確保しづらくなる
回遊動線を取り入れて複数箇所からアクセスできるようになると移動しやすくなりますが同時に家族間のプライバシーを確保することが難しくなってしまうこともあります。
例えば、水まわりに回遊動線を設け2カ所からアクセスできる洗面脱衣所をつくると家事効率はアップしますが、同時に入浴時などに人の出入りが気になる場所になってしまうこともあります。
他の居室でも同じで、複数箇所からアクセス可能とするとどうしても落ち着かない部屋になってしまいがちですので注意してください。
回遊動線のデメリット6:無駄なスペースが生まれやすい
実は回遊動線は設計の難易度が高く、回遊動線に慣れた設計士に依頼しないと無駄なスペースが生まれてしまったり、居心地が悪くなってしまいやすくなります。
例えば回遊動線にするには部屋の中に最低でも2箇所の出入り口が必要になります。
本来であれば出入り口部分にあてるスペースを利用して置ける家具が配置できなくなってしまうのです。
回遊できる動線は家の中にいくつ作っても問題ありませんが、家具などのレイアウトが制限されてしまい無駄なスペースが生まれやすくなってしまうので注意してください。
回遊動線を活かす間取りへの取り入れ方のコツ
回遊動線を活かしやすい間取りの取り方は下記の通りです。
【回遊動線を生かす間取りのコツ】
1:水まわりを回遊動線にする
2:玄関周りを回遊動線にする
3:シュークロークとパントリーをつなぐ回遊動線にする
4:玄関とガレージとつなぐ回遊動線にする
5:ウォークスルー型のクローゼットを回遊動線にする
6:中庭を囲んだ回遊動線にする
このうち、特に水まわりや玄関周りに回遊動線を取り入れると暮らしやすい間取りが叶いやすくなると思います。
1:水まわりをまとめて回遊動線にする
水まわりをまとめて回遊動線にする間取りの取り方は、回遊動線のある家ではよく目にしますし回遊動線の良さが活きる間取りになります。
具体的には「リビング」「キッチン」「ユーティリティ」「洗面脱衣所」「浴室」「トイレ」をぐるりと回遊動線にする間取りにするのです。
ここに玄関ホールを加えることもあり、その場合は「玄関ホール」「リビング」「キッチン」「ユーティリティ」「洗面脱衣所」「浴室」「トイレ」を行き止まりがないぐるぐると回れる動線になります。
この場合のメリットとしては帰宅後に洗面所に直行できることや身支度を整えやすくなること、水まわりの家事動線を楽にできることなどがあります。
ただし間取りによっては玄関から直接洗面脱衣所や浴室、トイレなどが見えてしまうように配置されてしまうこともあるので、プライバシーの確保には注意が必要になります。
2:玄関脇にシュークロークをつくり回遊動線にする
玄関脇に広めのシュークロークを設け、シュークロークからも家の中に上がれるような動線を用意すると、玄関周りを使い勝手の良い回遊動線にすることができます。
具体的には「玄関」「シュークローク」「玄関ホール」をぐるりと回遊できる動線を確保していくのです。
シュークローク内で身支度ができるほどの広さがあれば理想的で、コートはもちろんカバンなどや全身がうつし出せる鏡なども置いておけば、出掛けの際にその場所で身支度を整えられるようになります。
帰宅時には家に上がる前にコートや鞄をかけて、部屋着に着替えられるような収納スペースも用意しておけば、外の汚れを家の中に持ち込まず家に上がることができます。
また玄関からそのまま洗面所に直行できるルートを確保しておけば、帰宅時の手洗いやうがいなどもスムーズにこなせるようになります。
ただし玄関と洗面所を結ぶ動線に回遊動線を取り入れる場合は、同時に気をつけたい点もあります。
玄関と洗面所を結ぶ動線に回遊動線を取り入れると動線そのものは便利になることもありますが、「水まわりをまとめて回遊動線にする」でも話したように、玄関ドアを開けると洗面所が丸見えになってしまい快適性が失われることになってしまうこともあるからです。
動線が便利になるからと言って、闇雲に回遊動線を取り入れるのではなく、それぞれの部屋の間取りの取り方には注意してください。
3:シュークロークとパントリーをつなぐ回遊動線にする
玄関脇のシュークロークとパントリーをつなぐ動線も回遊動線が活きやすい間取りの取り方だと思います。
具体的には「玄関」「シュークローク」「パントリー」「キッチン」「リビング」へと抜けられる動線にしていきます。
この動線を取り入れた場合、買い物から帰ったら靴を脱がずにシュークロークからパントリーに入り、パントリーに収納してから残りのものをキッチンへといった動線が確保できるので買ってきたものをスムーズに家の中に運び込むことができるようになります。
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4:玄関とガレージとつなぐ回遊動線にする
玄関とガレージをつなぐ回遊動線もおすすめです。
玄関脇にガレージへと続く扉をつけた動線を確保すると雨天時でも荷物の持ち運びがしやすくなるからです。
「玄関」「ガレージ」のみの動線とすることもあれば間に土間仕様の広めの「シュークローク」を挟んで「玄関」「シュークローク」「ガレージ」とすることもあります。
ガレージと玄関がつながることで家の中と車への移動がスムーズになったり、アウトドア用品をシュークローク内にまとめて収納しておくことができるようになり、出かける時も帰宅時にもアウトドア用品の片付けが便利な動線になるのです。
玄関脇のシュークローク内に手洗い場所や全身鏡を用意しておけば、帰宅時にすぐに手洗いできるようになりますし、出かける前の身支度が済ませやすい空間になります。
5:ウォークスルー型のクローゼットを回遊動線にする
通路にウォークスルー型のクローゼットを配置する場合、回遊動線とすると使い勝手が良くなるケースは多いです。
例えば洗濯室や家事室の近くに、家族全員の衣類をまとめて収納できるウォークスルー型のクローゼットを配置し、複数箇所からアクセスできる回遊動線を取り入れると朝の忙しい時間帯などでも混み合うことが少なく、使い勝手が良い動線にすることができます。
複数箇所から通り抜けられるウォークスルー型のクローゼットにすることで通路だったスペースを有効活用できたり、そこでの暮らしを意識して効果的な動線上にクローゼットを用意することで家事も楽になるメリットが生まれます。
6:中庭を囲んだ回遊動線にする
家の中央に簡単な中庭を設け、その周りを取り囲むように回遊動線とすると、どの部屋からも中庭を眺めることのできる間取りになります。
また、中庭を通して家のどの場所にいても、家族の気配が感じられる家になったり、中庭と室内の床の高さを合わせれば、中庭を突っ切って部屋間の移動をショートカットできる間取りになります。
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回遊動線がおすすめの家族は?
家族が多いと動線が重なりやすくなるため、そこに住まう家族が多いほど回遊動線はおすすめです。
けれども同時に注意点があります。
回遊動線は視線が通りやすくなるため、部屋の配置やドアの位置を工夫しないと家族間のプライバシーが侵害されてしまうからです。
回遊動線はそれぞれの間取りや、部屋間のアクセスを向上させることができますが、一方でプライバシーが失われてしまう可能性も生まれてきます。
例えば絶対にやっていけないことは主審室と子供部屋を繋ぐ回遊動線です。
子供が小さいうちはいいかもしれませんが、子供が成長するにつれて落ち着かない間取りになってしまうので主審室と子供部屋は回遊動線で繋がない方がいいと思います。
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家の外部からプライベートな空間が見えないように気をつける
回遊動線にするとオープンになってしまいがちですが、オープンになりすぎないように注意してください。
住み心地が悪くなるからです。
特に外部からプライベートな空間が見えないように気をつけることも必要です。
回遊動線で失敗しない間取りのポイント
最後に回遊動線で失敗しないための間取りのポイントについて解説していきます。
【回遊動線で失敗しないための間取りのポイント】
1:動線の目的を明確にする(意味のない回遊動線はつくらない)
2:広さを確保する(諸室の広さを最初に確保する)
3:通路幅を確保する
4:収納スペースを確保する(収納スペースをきちんととる)
1:動線の目的を明確にする(意味のない回遊動線はつくらない)
回遊動線を検討するときは、そこに本当に回遊動線が必要になるのか実際の生活を思い浮かべて検討してみてください。
またどのような目的で回遊動線を取り入れるのかを明確にし、意味のない回遊動線は極力作らないことを心がけることが回遊動線で失敗しないためには大切です。
特に子育て世代のご家庭で子供に家の中で楽しんでもらおうと回遊動線をつくろうとした場合は注意が必要です。
例えば、両親の寝室と子供部屋をオープンにつなぐ回遊動線には絶対にしないことです。
なぜならそうした動線で子供が喜ぶのは幼いうちの一時的な期間だけで、子供が大きくなるとお互いに気を使ってしまう落ち着かない間取りになってしまう可能性があるからです。
それに子供が家を出て行ってからもその家での生活は続きます。
他の記事でも度々お伝えしていますが、家づくりを失敗しないためには、だからこそ、子供を中心に考えるのではなく、長いスパンで考えて間取りを計画することが大事な考え方になります。
回遊動線を迷ったときは、そこの場所に回遊動線をつくるメリットとデメリットを棚卸しし、回遊動線にするとどのように動線が活きてくるのか、またどのような面で不都合なことが起こるのかをしっかりと考えてください。
2:広さを確保する(諸室の広さを最初に確保する)
回遊動線を取り入れると部屋から部屋へのアクセスは便利になり、廊下などの通路が込み合わなくなりますが、間取りの取り方次第では収納スペースが少なくなってしまったり、動線が複雑になってしまい住みづらくなってしまいこともあります。
そのためまず何よりも先に居住空間にあてるスペースを確保してください。
回遊動線は家づくりの計画段階では魅力的にうつることも多いですし、メリットばかりが先行してしまいがちです。
ですが回遊動線を取り入れることが家づくりのメインになってしまうと生活スペースや収納スペースが圧迫され住み心地が悪くなってしまい家を建ててしばらくしてから後悔することともあります。
まずは諸室にあてるスペースをしっかり確保してから回遊動線を検討するようにしてください。
回遊動線はあくまで脇役で、家の中の動線を便利にする設計方法の一つであると心得ておくことが必要です。
3:通路幅を確保する
回遊動線をつくるときは十分な通路幅も確保してください。
家族とすれ違っても問題なく通れるくらいの通路幅を意識して通路を作らないと回遊動線の良さが活きてこず失敗する確率も高くなると思います。
そのためには十分な家の広さが必要になります。
もちろん狭い家でも効果的に取り入れれば快適なものとすることができますが、回遊動線の基本は十分な通路幅を確保するために、ある程度ゆとりのある家で取り入れるものだと思ってください。
4:収納スペースを確保する(収納スペースをきちんととる)
回遊動線のある家では、収納スペースが不足してしまいがちです。
はじめに収納スペースをしっかりと確保しそれから回遊動線を検討するようにしてください。
例えば、リビングのテレビボード裏に背面収納として広い収納スペースを確保し、複数箇所からアクセスできる回遊動線とすると使い勝手の良い回遊動線にすることができます。
リビング裏の背面に収納スペースを設けると必要なものをサッと取り出したりしまえる空間になり、回遊動線と組み合わせればアクセスも良くなるので非常に使い勝手の良い収納スペースにすることができるのです。
>>>注文住宅であると意外と便利な5つの収納の活用方法とポイント
まとめ
今回は家づくりで人気の高い回遊動線についてメリットやデメリットを中心に解説してきました。
本文でもお伝えしましたが、回遊動線のメリットとデメリットは下記の通りです。
【回遊動線のメリット】
1:移動時間を短縮できる
2:各部屋へアクセスしやすくなる
3:マルチアクセスできる
4:家事効率がアップする
5:奥行きが生まれ開放感が出る
6:家族が渋滞しない間取りになる
【回遊動線のデメリット】
1:居住空間が狭くなる
2:収納スペースが狭くなる
3:間取りが左右されることがある
4:建築コストがかかる
5:プライバシーが確保しづらくなる
6:無駄なスペースが生まれやすい
また回遊動線を活かす間取りへの取り入れ方のコツとしては
【回遊動線を生かす間取りのコツ】
1:水まわりを回遊動線にする
2:玄関周りを回遊動線にする
3:シュークロークとパントリーをつなぐ回遊動線にする
4:玄関とガレージとつなぐ回遊動線にする
5:ウォークスルー型のクローゼットを回遊動線にする
6:中庭を囲んだ回遊動線にする
をあげさらに回遊動線がおすすめの家族はどんな家族なのか、また回遊動線で失敗しない間取りのポイントでは回遊動線で見過ごしがちな注意点についてもお伝えしてきました。
【回遊動線で失敗しないための間取りのポイント】
1:動線の目的を明確にする(意味のない回遊動線はつくらない)
2:広さを確保する(諸室の広さを最初に確保する)
3:通路幅を確保する
4:収納スペースを確保する(収納スペースをきちんととる)
ぜひ、ポイントを抑えていただいて、素敵な回遊動線を取り入れた家づくりをされてみてください。