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おしゃれな濡れ縁をつくる7つのコツと濡れ縁にする10のメリット、デメリット

おしゃれな濡れ縁をつくる7つのコツと濡れ縁にする10のメリット、デメリット

今回の記事では濡れ縁(ぬれえん)について解説していきます。

濡れ縁ってどんな間取りのことをいうの?という基本的なことから濡れ縁と縁側の違い、濡れ縁や縁側と広縁(ひろえん)との違い、さらには縁側とウッドデッキの違いについても触れていきます。

記事の中で、濡れ縁の魅力とメリットもお伝えしていきますし、濡れ縁の注意点やデメリット、おしゃれな濡れ縁の作り方に至るまで解説していきます。

この記事一本で濡れ縁について理解していただけるような記事になっているかと思いますので、濡れ縁でお悩みの方はぜひ一度読んでいただき、あなたの家づくりに活かしていっていただけたらと思います。




Contents

濡れ縁(ぬれえん)とは

濡れ縁(ぬれえん)とは、雨風を防ぐ壁などのない雨戸の外側などにつけられた「縁側」のことを言います。

雨水に「濡れる縁側」のため「濡れ縁(ぬれえん)」と呼ばれます。

雨に濡れない室内の縁側とは違って壁面に直角方向に縁板をはり、一般的には雨水のキレを良くするために、簀子縁や竹縁が使われます。

縁側(えんがわ)と濡れ縁の違いは?

縁側(えんがわ)とは日本の和風建築特有のもので、和室の外側に設けられた板張りの通路のことを言います。

つまり建物の「外側」の突き出した部分にある「縁側」を「濡れ縁」、建物の「内側」にある板張りの通路のことを「縁側」と呼ぶと思ってください。

縁側と濡れ縁の違いは「内」か「外」か

縁側は建物の壁の「内」側、濡れ縁は建物の壁の「外」側に設置されるスペースです。

縁側は濡れ縁と違って建物の壁(外壁)の内側にあるので、雨ざらしになりません。

また、縁側には「内」と「外」を結ぶ穏やかな境界線をつくる役割があり、庭などの外部空間から入ることも出来ます。

縁側と濡れ縁はセットになることも

和風建築では、建物の内側に縁側を設け、外側に濡れ縁を設けると言ったように「縁側」と「濡れ縁」はセットでつくられます。

「縁側」と「濡れ縁」をセットでつくった場合、屋内外に奥行きが生まれたり、内外部との連続性を緩やかなものにする気持ちの良い家づくり、間取りづくりをすることができるからです。

広縁(ひろえん)との違いは?

広縁も縁側の一種です。

ただし広縁といった場合、奥行きの深い「縁側」のことを指します。

つまり、建物の外側につくる「濡れ縁」に対して建物の内部につくる「奥行きのある」縁側を広縁(ひろえん)と呼びます。

一般的には縁側の奥行きが3尺(91cm)ほどのものを縁側と呼び、縁側の奥行きが4尺以上のものを広縁と呼びます。

※広縁とは建物内部に作られる縁側で奥行きがある縁側のこと

濡れ縁とウッドデッキは何が違うの?

濡れ縁とウッドデッキはほぼ同じものと考えてもらって構いません。

現在の家づくりの現場では、この2つはそれくらい曖昧なものだと思ってください。

素材の選び方や板の張り方、またデッキ部分の広さなど、具体的な作り方や用途は濡れ縁とウッドデッキで異なる点が多いですが、家づくりの現場でいう濡れ縁とウッドデッキはほぼ同じものだと思ってください。

【濡れ縁とウッドデッキの大きな違い】

1:デッキ部分の広さの違い
2:使い方の違い
3:素材の違い
4:施工方法の違い

以上の4つが濡れ縁とウッドデッキの違いだと思ってください。

そしてこれにより、家の雰囲気や見た目が大きく変わってきます。

濡れ縁とウッドデッキは広さや使い方が違う

ただしウッドデッキと呼ばれる場合は隣接した空間と同じ高さで設置することが多く、屋外用のチェアやテーブルなどをおいてアウトドアスペースとして使うことが多いです。

だから広さもある程度確保し、長さで言えば180cm以上を標準的な大きさとすることが多いです。

「動」的な用途か「静」的な用途か目的が違う

ウッドデッキは複数人でバーベキューをしたりパーティーを楽しんだり、カフェスタイルで楽しむと言ったような「動」の空間として使われます。

一方で濡れ縁は縁側に腰をおろし一休みするといったような使い方をされることが多く、室内側にいる人と話をしたり庭を眺めたりすると言ったような「静」の役割と佇まいを重視した空間になります。

広さとしては大体90〜120cmほどの長さとすることが一般的ですがそれよりも長くすることもあります。

濡れ縁とウッドデッキは板の張り方が違う

また濡れ縁とウッドデッキは用途も違えば板の張り方も違います。

濡れ縁は雨のキレを良くするためにスノコ状にあえて隙間を設けて板を張ってつくっていきます。

一方ウッドデッキでは、床に隙間があると椅子やテーブルの脚が隙間に落ちていってしまいますので、隙間がない、もしくは隙間をなるべくつくらないようにして設置します。

この2つの違いにより縁側としての使われ方が変わってきます。

濡れ縁とウッドデッキでは施工方法が違う

濡れ縁とウッドデッキでは取り付け方の違いもあります。

濡れ縁はそのものを独立して取り付けることも出来ますが、住宅の壁に打ち付けて設置する壁付け型とすることも多く、室内外の一体感をうみだしやすくなります。

一方でウッドデッキは壁に打ちつけるタイプもありますが、基本敵機には独立して取り付けるため、見た目に大きな違いが生まれます。

ウッドデッキは大きさも大きくすることができるのでより様々な場面で設置することができます。

家の雰囲気によって「縁側」の呼び方が違うだけのケースも

ただし家づくりの現場では濡れ縁とウッドデッキは、厳密に使い分けられていないことも多いです。

ですから、濡れ縁とウッドデッキの違いは特に区別されないこともあります。

だから、一般的な会話では和風住宅では濡れ縁とよび、洋風住宅ではウッドデッキというと言った認識で問題ないと思います。

実際、プロ同士で会話をしていても和風住宅の時には濡れ縁とよび、洋風住宅ではウッドデッキと呼ぶと言ったように家の雰囲気で使い分けていることが多いです。

だから静寂を感じさせる縁側を「濡れ縁」と呼び、活動的な縁側を「ウッドデッキ」と呼ぶくらいに理解しておいた方が、会話がスムーズになると思います。

濡れ縁の魅力とメリットについて

続いて濡れ縁の魅力とメリットについてお伝えして行きます。

【濡れ縁の魅力とメリット】

1:内外部が緩やかにつながる
2:庭との距離が近くなる
3:独特な「間」を感じられる空間になる
4:和風住宅と相性が良い
5:室内に入る光が柔らかくなる

濡れ縁の魅力とメリット1:内外部が緩やかにつながる

濡れ縁をつくると内外部とのつながりを緩やかにすることができます。

この程よい距離感が絶妙で、間取りのバランスであったり、濡れ縁には気持ちを整えてくれる作用があるため、内と外との間に介在する気持ちの切り替えがスムーズになります。

外にあるけれどもまるで屋内にいるかのような、余白を建築の現場に取り入れることができるので外との結びつきが強くなります。

濡れ縁の魅力とメリット2:庭との距離が近くなる

濡れ縁をつくると庭との距離を近くすることができます。

物理的には庭との距離が生まれるため遠くなりますが、不思議なことに濡れ縁をつくると庭がより一層近くに身近に感じられるようになります。

濡れ縁をつくることで庭との結びつきが強くなり、外との境界線が曖昧になることで、家の中にいても庭を身近な存在として感じられるようになるメリットが濡れ縁にはあるのです。

また濡れ縁がある部屋からは外にも出やすくなり、下足に履き替えなくてもテラス戸を開けてそのまま裸足で外に出ることができるようになります。

濡れ縁の魅力とメリット3:独特な「間」を感じられる空間になる

特に縁側とセットで濡れ縁をつくると日本の和風建築独特の「間」が感じられるようになります。

縁側とセットの濡れ縁にすれば建物外部との境界線がより緩やかにゆったりしたものとして感じられ、それが独特の「間」となり心地よく感じられるようになるのです。

内(部屋)、半屋内(縁側)、半屋外(濡れ縁)、外(庭)というように屋内側の部屋から庭に向かうに従って間を取ることで、心地よさと同時に奥行きのある景観を、意図的に生み出すことができるようになります。

濡れ縁の魅力とメリット4:和風住宅と相性が良い

濡れ縁は和風住宅と非常に相性が良いです。

建築における間の取り方であったり、庭との距離感であったり、和風住宅にするのであればぜひ適切な設計で濡れ縁がデザインされた家となるように工夫してみてください。

特に中庭をつくって、中庭を囲むようにして濡れ縁をつくると非常に心地よい空間になります。

中庭はプライバシー性の高い庭になりますので、天気の良い日には人目を気にせず縁側に座って、ゆっくりと庭を眺めながらお茶や紅茶、コーヒーを飲んだり、お菓子を摘んだり、読書をする空間として使うことができます。

濡れ縁の魅力とメリット5:室内に入る光が柔らかくなる

また濡れ縁をつくると、室内に入り込む自然の光を柔らかいものに変えてくれる効果があります。

濡れ縁に反射した光が、部屋の奥の方まで届くようになるので、部屋の奥まで柔らかい光を届けてくれ、天気の良い日には優しい自然な光で部屋を明るくすることができるのです。

ただし、間取りによっては暗くなってしまうこともあるので、濡れ縁で光を調整するときは、採光に注意して家全体をデザインすることが大事です。

濡れ縁の注意点やデメリット

つづいて濡れ縁をつくる上での注意点とデメリットについても触れて行きます。

【濡れ縁の注意点とデメリット】

1:汚れやすい
2:定期的なメンテナンスが必要
3:掃除が面倒くさい
4:維持コストがかかる
5:屋外の汚れを室内に持ち込みやすくなる

濡れ縁の注意点とデメリット1:汚れやすい

まず、濡れ縁は屋外のため汚れやすいです。

泥や砂埃、枯れ葉などがたまりやすく、定期的な掃除を心がけていないとすぐに汚くなってしまいます。

素足で歩けることが濡れ縁の魅力ですが、汚れた状態のままデッキを歩くと外の泥や砂埃などの汚れを室内に持ち込んでしまうので注意してください。

濡れ縁の注意点とデメリット2:定期的なメンテナンスが必要

濡れ縁は屋外の空間に設置する縁側のため、雨ざらしの状態になるので傷みやすいです。

天然木を濡れ縁の素材として使うのであれば最低でも半年に一回、少なくとも1年に一回は塗り直しなどをして防水性を高める必要があり、メンテナンスを怠っているとすぐに腐りが生じてしまいます。

天然木を使うと雰囲気が出ますが、定期的なメンテナンスが必要になり、メンテナンスを怠っていると腐食も早く、耐久性に難があることが多いので気をつけてください。

特にジメジメとした場所や日当たりが良すぎる場所の濡れ縁は素材の傷みが発生しやすいので注意してください。

素材を樹脂製などに変えることでメンテナンスにかかる手間を軽くすることはできますが、それでも定期的な掃除は不可欠なものとなると思ってください。

また、コストをかけて濡れ縁をつくってもたいして活用しないのであれば、濡れ縁を作らないということも選択肢に入れておくことが必要です。

濡れ縁の注意点とデメリット3:掃除が面倒くさい

濡れ縁は意外と掃除が手間だと感じられる方は多いようです。

掃除を毎日の日課としている人なら問題ありませんが、共働き世帯など生活が忙しい人の場合、ちょっとのことでも手間になりストレスを抱えるてしまうことがあるので注意が必要です。

濡れ縁があるかぎり見た目のデザインと濡れ縁の性能を保つためには掃除をする必要があるからです。

濡れ縁の注意点とデメリット4:維持コストがかかる

濡れ縁に限った話ではありませんが、濡れ縁としてのデザインや機能を維持するためには、それを維持するためのコストがかかります。

特に濡れ縁は、屋根がなく、壁もない空間で、常に雨や紫外線に晒され続けている空間に設置されますから、傷みが進行しやすい劣悪な環境にあります。

防水処理はもちろん、防腐処理のための塗り替えなどデザインや機能を維持するためのコストは当然かかってくるものだと思ってください。

濡れ縁の注意点とデメリット5:屋外の汚れを室内に持ち込みやすくなる

濡れ縁は屋外に近い半屋外という曖昧な空間になります。

濡れ縁は「屋根」や「軒」がない屋外の空間になりますから、当然泥やホコリなどで縁側が汚れてしまいます。

その汚れは縁側から室内に入り込みやすく、外の汚れを持ち込みやすい間取りになってしまうことは覚悟しておいてください。

家づくりで雰囲気のでるおしゃれな濡れ縁をつくるコツ

最後に雰囲気のでるおしゃれな濡れ縁をつくるコツやポイントについても触れて行きます。

【おしゃれな濡れ縁をつくるコツやポイント】

1:濡れ縁を庭に張り出す
2:濡れ縁で中庭を囲む
3:色合いを統一させる
4:開口部を広く取る
5:床の高さを揃える
6:間接照明を調整する
7:奥行きを出す

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ1:濡れ縁を庭に張り出したL字形でつくる

一般的には濡れ縁は直線的なものとすることが多いですが、庭に張り出すようにL字形して濡れ縁をつくると庭と一体化して、より雰囲気がでます。

例えば濡れ縁を歩きながら中庭を眺められるようにするとより一層おしゃれな雰囲気が出ますので、家づくりの際は設計士と相談の上検討してみてください。

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ2:濡れ縁で中庭を囲む

濡れ縁の魅力とメリットでも少しお話しましたが、中庭を囲むようにして濡れ縁をつくると屋外をより近くに感じられる親しみやすい空間をつくることができます。

また濡れ縁で中庭を囲むことで、雰囲気が出る上に外に出やすくなるため、庭いじりが楽になります。

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ3:色合いを統一させる

おしゃれな濡れ縁にするには、色合いや素材も統一させてください。

例えば全体のテイストをナチュラルなものにしたいのであれば、濡れ縁の素材感や色までナチュラルなものを使ってください。

濡れ縁だけが変に主張するものになってしまうと全体としての家のデザインが損なわれてしまうので、色合いには十分に注意してください。

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ4:開口部を広く取る

濡れ縁をつくる際は、窓などの面積を広く取り、家の開口部を広くすると室内外に奥行きが生まれるため実際の床面積よりも広く感じることができます。

この時、天井の高さに合わせて窓の高さも設定すると、重心が落ちるためよりおおらかな印象になり、おしゃれな濡れ縁とすることができます。

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ5:床の高さを揃える

おしゃれな濡れ縁にしたいのであれば、部屋の床の高さと濡れ縁の床の高さを揃えて、段差のない濡れ縁を作ってみてください。

部屋と濡れ縁の床の高さを揃えると、空間に連続性が生まれ、より奥行きのある空間になります。

ただし、床の高さを揃えた場合は、外の汚れが室内に入り込みやすくなるので、外の汚れがなかに入らないようにする工夫が必要になります。

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ6:間接照明を調整する

坪庭や中庭の項目でもお話ししましたが、間接照明を使ってライトアップするようにすると、縁側がおしゃれになります。

昼と夜ではまた違った表情になるような印象的な濡れ縁にするといいでしょう。

同時に中庭に植えられた植物を照らすようにすれば中庭や濡れ縁をより華やかな場として演出することができます。

おしゃれな濡れ縁をつくるコツ7:奥行きを出す

濡れ縁の奥行きをつくり、庭に向かって2脚の椅子と机を1つ置けるようなスペースを確保すると家事の合間にホッと一息できる濡れ縁をつくることができます。

この時、濡れ縁と隣接する部屋の床の高さを揃えれば、よりアクセスしやすい濡れ縁になります。

濡れ縁と庭の間に段差を設ければそのまま中庭に出ることも便利になり、テラスやウッドデッキに近い空間として利用することもできます。

ただし椅子や机を濡れ縁におこうと考えている場合は溝の幅には注意してください。

一般的な濡れ縁のように溝の幅が広いと隙間に脚が挟まってしまうからです。

まとめ

今回は濡れ縁について解説してきました。

濡れ縁と縁側の違い、広縁やウッドデッキとの違いから始まり、濡れ縁の魅力とメリット、濡れ縁をつくる時の注意点とデメリット、さらにはおしゃれな濡れ縁をつくるコツについても解説してきました。

【濡れ縁とウッドデッキの大きな違い】

1:デッキ部分の広さの違い
2:使い方の違い
3:素材の違い
4:施工方法の違い

【濡れ縁の魅力とメリット】

1:内外部が緩やかにつながる
2:庭との距離が近くなる
3:独特な「間」を感じられる空間になる
4:和風住宅と相性が良い
5:室内に入る光が柔らかくなる

【濡れ縁の注意点とデメリット】

1:汚れやすい
2:定期的なメンテナンスが必要
3:掃除が面倒くさい
4:維持コストがかかる
5:屋外の汚れを室内に持ち込みやすくなる

【おしゃれな濡れ縁をつくるコツやポイント】

1:濡れ縁を庭に張り出す
2:濡れ縁で中庭を囲む
3:色合いを統一させる
4:開口部を広く取る
5:床の高さを揃える
6:間接照明を調整する
7:奥行きを出す

ぜひ、今回の記事を参考にしていただきおしゃれで魅力的な濡れ縁を作ってみてください。




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