窓やドア、換気口や点検口など住宅の壁には様々な穴があいていますが、建築用語で、これらを総称して「開口部」とよんでいます。
これらの開口部をつくる目的は4つあり、まず1つ目は人が通る為の「通行」としての役割、2つ目は眺望の為の「視認」としての役割、3つ目は太陽の明るさを室内に取り入れる「採光」としての役割、そして最後4つ目が風を通す為の「通風」としての役割です。
ここで見ていきたいのは、「開口部」のうち「窓」としての機能と役割ですが、それぞれ何を目的とするかによって、その用途やタイプ、種類は大きく異なってきます。
今回の記事では、窓とはそもそも何なのかからお話し、窓のもつ役割と機能の話し、それに窓のタイプの話し、窓のカタチと位置の話し、窓の配置で失敗しないために抑えておくべき点についての話し、窓ガラスの話し、性能の高い窓の選び方など、家づくりに関わる窓にまつわることでしたら、ご理解頂けるように順序立ててお話していこうと思います。
注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります。
1:家を安く建てるための方法
注文住宅ではほとんどの場合、当初の予算を上回ってしまいますが、予算内で家を建てるにはコツがいります。
予算内でいい家を建てるための7つの基本は「家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本」をご覧ください。
2:家の形の話
家にはお金のかかる形の家と、お金がかからない形の家があります。
どのような家の形はお金がかかり、どのような形にすればお金がかからないのか、またそれぞれの家の形の特徴については「家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い」をご覧ください。
3:無料でカタログを請求し理想の家を建てる方法
注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。
無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して理想の家を建てる方法については「無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ」をご覧ください。
Contents
- 1 窓とは
- 2 窓の持つ役割と機能とは
- 3 7つの窓の種類
- 4 家の窓のタイプ
- 5 家づくりでよく使われる窓
- 6 家づくりであまり使われなくなった窓
- 7 窓の形と窓の位置、それに採光の特徴
- 8 2つの窓の形
- 9 窓の位置と採光の特徴
- 10 失敗しない窓の配置と場所
- 11 窓の配置で失敗しがちな特に注意すべき点と場所
- 12 絶対に窓を設置した方が良い、家の中で暗くなりがちな場所
- 13 窓を上手に配置するコツ
- 14 窓の使い方で家の外観を良くする方法
- 15 窓の断熱性能について
- 16 サッシ(窓枠)の素材と性能
- 17 窓ガラスの種類
- 18 「単板ガラス」と「複層ガラス」
- 19 用途や目的別「ガラスの種類」
- 20 性能の高い窓の選び方
- 21 まとめ:家づくりの窓の話
- 22 こだわりの注文住宅を安く建てませんか?
- 23 予算内でいい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと
- 24 【家づくりを失敗しないための住宅会社の選び方】
窓とは
窓とは、壁面や屋根に、おもに「視認」「採光」「通風」を目的として設置し、窓枠(サッシ)とガラスで構成されているものをいいます。
窓の持つ役割と機能とは
窓には3つの役割と機能があります。「視認」と「採光」と「通風」です。
1:視認
1つめの窓の基本的な役割のひとつが「視認」です。窓の外を「見たり」「眺めたり」「確かめたり」する機能です。
2:採光
2つめの窓の基本的な役割のひとつが「採光」です。太陽からの明るさを室内に取り入れる役割です。
3:通風
3つめの窓の基本的な役割のひとつが「通風」です。風を通したり、外の音を室内できいたりする役割です。
以上の3つ「視認」「採光」「通風」が、窓の持つ役割と機能です。ちなみに余談ですが、開口部の役割としてみると、ドアとしての機能はこれに「通行」としての機能が入ります。
以上にみられるように、ひと言で窓と言っても、素材、デザイン、開閉方法など、実に様々な要素が組み合わさっており、住宅建築の中で最も多いバリエーションが多い部位です。
しかし一方で家づくりの際、窓選びは間取りに比べるとさほど重要視されません。
窓のことをきちんと理解せずに、家づくりをはじめてしまうと、窓の種類や位置などの組み合わせを間違え、室内に光が入らなかったり、風が通りにくかったり、住まいの快適さを失ってしまう結果をうんでしまいます。
窓の設置を考える時は、どこに取りつけるのかはもちろん、どの種類の窓を採用するのか、求める機能によって種類を選ぶ必要があります。
※快適な間取りにするコツについては「家族が快適に暮らせる、心地いい間取りの家をつくる11のポイント」をご覧下さい。
※窓は家の外観はもちろん、室内の風通しや日当り、しいては家の性能にも影響してきますので、窓をうまく使える会社または窓をうまく使える設計士かどうかは、意外に重要です(窓を活かすもころすも、設計士次第です)。
室内のカーテンや、屋外の軒などをうまく利用することで、ある程度、窓の性能を補うことが出来ますが、完成してからハード面で変更を加えるには、手間暇はもちろん、莫大なコストがかかります。また、場合によっては変更がきかないこともあります。
各会社の特徴など見極め方に関しては、私が書いた過去の下記リンク先の記事を参考にしてください。
7つの窓の種類
窓の基本的な役割と機能は「視認」「採光」「通風」ですが、「住まい解剖図鑑(発行:エクスナレッジ)」の増田奏氏によれば、窓のモードは「視認」「採光」「通風」の役割において結局は、窓は7つの種類でわけることができると言います。
(当然、私も同意しています)
そこで、ここでは、普段何気なく利用している「窓って一体何ぞや」という角度から窓についてお話しし、窓についての理解を深めて頂こうとおもいます。
窓は目的と機能である「視認」「採光」「通風」と、それを実現するにあたっての窓のカタチや性質である「位置」「透過性」「開閉」に分けることが出来ます。
そしてそれらを組み合わせると窓は結局7種類のタイプに分けられるということがわかります。
例えば窓のタイプDについて見てみましょう。
例)
4:【窓の種類:Dタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:×
「採光」:○
「通風」:○
【窓のカタチや性質】
「位置」 :目的と役割による
「透過性」:透明、半透明
「開閉」 :可能
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
高窓(ハイサイドライト)
地窓(ローサイドライト)
天窓(トップライト)※開閉タイプ
縦長窓
上下窓
など
上の場合、【窓の目的と機能】の「視認」が「×」とありますから、視認性の悪い位置にあるか、それを目的としていない窓であることがわかります。しかし「採光」と「通風」に「○」がついていますから、この窓は景色を見る目的ではなく、主に「採光」と「通風」という、機能にこだわって設置される窓だということがわかります。
次に、窓を実現するにあたっての「窓のカタチや性質」をみていくと「位置」は「目的と役割による」とありますから、目的と役割によって位置が変化することがわかり、主に「視認」を目的としているものではないことがわかります。
つづいて「透過性」についてですが、「透明」か「半透明」とありますから、「採光」を目的として設置されるタイプの窓だということがわかります。
最後に「開閉」は可能とありますから、開閉できない「FIX窓(はめごろし窓)」では、ない窓ということになります。
それらの条件を満たしている窓が7つあるうちの「Dタイプ」の窓だと言うことです。ということは、「Dタイプ」の窓とは「高窓(ハイサイドライト)」「地窓(ローサイドライト)」「天窓(トップライト)」「縦長窓」「上下窓」だということがわかります。
それでは例をもとに、7つの窓の目的と種類について下記に記していきます。
1:【窓の種類:Aタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:○
「採光」:○
「通風」:○
【窓のカタチや性質】
「位置」 :見える位置
「透過性」:透明
「開閉」 :可
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
引違い窓
滑り出し窓
上下窓
開き窓
など・・・
2:【窓の種類:Bタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:○
「採光」:○
「通風」:×
【窓のカタチや性質】
「位置」 :見える位置
「透過性」:透明
「開閉」 :不可
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
FIX窓
3:【窓の種類:Cタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:○
「採光」:×
「通風」:○
【窓のカタチや性質】
「位置」 :見える位置
「透過性」:不透明
「開閉」 :可能
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
板戸(引違い窓、開き窓)
4:【窓の種類:Dタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:×
「採光」:○
「通風」:○
【窓のカタチや性質】
「位置」 :目的と役割による
「透過性」:透明、半透明
「開閉」 :可能
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
高窓(ハイサイドライト)
地窓(ローサイドライト)
天窓(トップライト)※開閉タイプ
縦長窓
上下窓
など
5:【窓の種類:Eタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:○
「採光」:×
「通風」:×
【窓のカタチや性質】
「位置」 :見える位置
「透過性」:透明
「開閉」 :不可
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
のぞき窓
確認用窓
6:【窓の種類:Fタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:×
「採光」:○
「通風」:×
【窓のカタチや性質】
「位置」 :目的と役割による
「透過性」:透明、半透明
「開閉」 :不可
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
天窓(トップライト)※FIXタイプ
7:【窓の種類:Gタイプ】
【窓の目的と機能】
「視認」:×
「採光」:×
「通風」:○
【窓のカタチや性質】
「位置」 :適宜
「透過性」:不透明
「開閉」 :可
【具体的な窓のタイプとカタチと位置】
ルーバー窓
家の窓のタイプ
ひと言で窓と言っても、それこそたくさんの種類の窓があります。だからこそ、家づくりをするにあたって、どの窓を採用するのかは悩むところでしょう。しかし家づくりにおいて、窓は、ポイントを抑えれば、そこまで難しいことではありません。
家づくりにおいて、窓の基本は、先ほどお話した通り「視認」「採光」「通風」です。それを各部屋にあわせて、「上下」「縦横」と、適材適所に設置して行けばよいのです。
そこでここでは、まず家の窓を理解して頂くために、窓を設置するにあたっての実用的な窓のメリットとデメリットの面をお話し、わかりやすく紹介することにします。
まずは、家づくりでよく使われる「実用的な窓」からご紹介し、その後家づくりで「あまり使われない窓」、もしくは様々な理由から「あまり使われなくなった窓」をご紹介します。
家づくりでよく使われる窓
滑り出し窓とは
滑り出し窓とは、窓枠の溝にそって動くタイプの窓です。
滑り出し窓には2種類あり「縦滑り出し窓」と「横滑り出し窓」があります。ふたつの滑り出し窓の違いは回転軸の違いです。
つまり、窓枠の上下に設けられたレールに沿って、垂直方向に窓の開閉を行なう窓を「縦滑り出し窓」と呼び、窓枠の左右に設けられた軸に添って、水平方向に窓の開閉を行なう窓を「横滑り出し窓」といいます。
1:縦すべり出し窓
回転軸が垂直方向にある為、ドアのように開けられる窓です。ちなみに、縦すべり出し窓は、全開にすると窓が90度になります。
・縦すべり出し窓のメリット
縦すべり出し窓の一番のメリットは、屋外の風を屋内に呼び込みやすい点にあります。つまり、家の風通しを考えたとき、風が一番良く入ってくる窓が、縦すべり出し窓です。
縦すべり出し窓は、正面からの風はもちろん、全開にすると90度になる為、建物に沿って吹く風でも、窓ガラスがウインドキャッチャーの役割を果たし、本来家の外を通過するはずだった壁側面を流れる風を、家の中に取り込んでくれる役割を果たします。
縦すべり出し窓は、一般的な窓で知られる、横すべりの引き違い窓との差は歴然としており、引き違い窓を縦すべり出し窓にかえるだけで、室内への通風量が約10倍アップするという結果報告もされているほど室内への風の取り込みには定評があります。
もちろん、風が正面から来る場合は引き違い窓であろうが、縦すべり窓であろうが、あまりそこまで差はありませんが、正面以外からの風を室内に取り込もうとした場合、縦すべり窓の方が圧倒的に室内に風を運んでくれます。
縦すべり出し窓を効果的に使うことで、住宅密集地や、風の通りにくい間取りでも、室内に風を呼び込むことが出来ます。それだけではなく、窓を開閉する角度によっては、外からの視線を遮りながらも室内に風を呼び込む役割を果たしてくれます。
※吹き抜けなど高い位置に取り付けたい場合は、電動もしくはチェーンであける方式もあります。
また、案外知られていないのですが、縦すべり出し窓は気密性も高く、家の性能を高くすることが出来ます。
・縦すべり出し窓のデメリット
縦すべり出し窓はその性質上、外気を取り込みやすい半面、雨が降った時に雨も取り込むため、室内が濡れやすくなるデメリットもあります。
縦すべり出し窓を開けた状態で雨が降ると、外気の取り込みやすさが裏目に出て、窓ガラスの内側、つまり室内まで濡れてしまいますので注意が必要です。
ただし、これを回避することも出来、縦すべり出し窓の上部に、庇をつくればある程度は雨の侵入を防ぐことが出来ます。
また、縦すべり出し窓は、窓が外側に開く為、外側に網戸や面格子、ルーバーを取り付けることが出来ません。縦すべり出し窓を採用すると、必然的に網戸は室内に取り付けられることになりますので注意が必要です。
2:横すべり出し窓
回転軸が水平方向にある為、窓を開けると庇のようになるのが大きな特徴の窓です。
・横すべり出し窓のメリット
横滑り出し窓は、回転軸が水平方向に開く為、窓をあけると窓が庇のような役割をはたし、縦すべり出し窓と比べ、室内への雨の侵入を防ぎながらも、通風を確保できるメリットがあります。
横滑り出し窓は、洗面所やお風呂場などの水まわりでよく使われます。
横滑り出し窓が、洗面所やお風呂場などの水まわりでよく使われる理由としては、窓を開けたい角度を自由に調整でき、お風呂に入っている時にお風呂場が熱くなってきたら、お風呂の中を見られずに空気だけを換気することが出来、人目を避けながらも風を通す機能が優れている点にあります。
横滑り出し窓は、開ける角度によってうまく視線を遮ることが出来ます。ですから、水まわりの洗面所など、人目を避けながらも、窓を開けっ放しにして換気がよくできる、プライバシーを配慮しなければならない場所に非常に適しているのが横滑り出し窓です。
洗面所に横滑り出し窓をつけることで、洗面所を明るくすることができます。またトイレに設置すればこもった空気を換気したい時に、プライバシーに配慮しながら換気することが出来ます。
縦すべり出し窓と同じように気密性が高く、高機密高断熱の住宅と相性が良いのも横滑り出し窓のメリットのひとつです。
・横すべり出し窓のデメリット
横滑り出し窓は、縦すべり出し窓と同様に、窓を外側に開ける仕様のため、外側に、網戸や面格子、ルーバーなどをつけることが出来ません。
また、風通しの面を考えるのならば、やはり縦すべり出し窓にはかないません。縦すべり出し窓は外気を取り込むのに非常に適しており、非常に有効に働きますが、横すべり出し窓は、その恩恵に預かることが出来ません。もちろん設置する場所によりますが、ほとんど風通しがないと思ってもらって構いません。
風が通る涼しさを室内で体感したいのであれば、縦すべり出し窓の方が良いでしょう。
3:FIX窓(はめ殺し窓)
開閉できない窓のことをFIX窓(フィックス窓)または「はめ殺し窓」といいます。
FIX窓の主な用途は、外からの光を取り入れる「採光」としての役割、そして外の景色を楽しむ為の「視認」としての役割を担う窓です。
・FIX窓のメリット
FIX窓は窓をあける機能、つまり「通風」としての機能がありません。しかし、窓を開ける必要がない為、窓の枠(サッシ)をかなり細く作ることが出来ます。窓の枠が細くなるとどうなるのかというと、見た目を非常にスッキリさせることが出来ます。
FIX窓では、窓枠を細く作ることで、必然的にガラス面が広くなるため「視認」としての機能に非常にすぐれ、家の庭などの景色等、家から見える風景を、まるで絵画のように切り取り見せる「ピクチャーウインドウ」として、見せる窓として使用することが出来ます。
また、吹き抜けの上部に取り付けて、光を取り入れる窓「天窓(トップライト)」としての用途で、よくみかけるのがこのFIX窓です。
窓というと、四角い形ばかりが連想されますが、FIX窓は形の自由度が非常に高く、FIX窓には丸形のものや台形の物などがありますので、家のデザインに合わせて使うことが出来ますのでデザイン性にも優れています。
また、FIX窓は窓が開かないので気密性にも非常に優れていますし、断熱性にも優れている窓といえます。
さらに、FIX窓は開閉を目的としない窓なので、一般的な開閉式の窓よりも大きな窓を取り付けることが出来ます。一面を大きなガラス張りにしたい場合、採用されるのがFIX窓です。
ただし、窓が大きくなればなるほど断熱性は当然落ちます。
・FIX窓のデメリット
当たり前ですが、FIX窓は開けることが出来ないからこそ、便利な面もあれば不便な面もあります。FIX窓に「通風」としての機能はなく、「視認」と「採光」としての機能のみです。ですので洗面所やお風呂場など換気が必要な場所には適しません。
また、案外見落とされがちですが、開閉が出来ないため、掃除が非常に難しいというデメリットもあります。ですから、FIX窓は、例えばトップライトとして使用する時などは特に、よく検討する必要があります。
トップライトとして、FIX窓を使用する場合は、当然掃除を業者に頼むことになるでしょうから、自ずと維持管理するコストが高くなります。
さらに、FIX窓は断熱性がいいといわれますが、窓としての機能をもつものの中ではということを伝えておかなければなりません。断熱性という点で見れば、どんなに良いガラスを使っても、壁の断熱性能には及びません。
トップライトとして使用する場合に気をつけたいのが、夏は直射日光が室内に降り注ぐ為、暑くなりすぎる傾向にあり、何らかの対策が必要になる場合が多いということです。
さらにガラス面が増えると冷暖房のコストが上がりますので注意が必要です。
※補足情報
・ガラスブロック窓
ガラスブロック窓とは、FIX窓のひとつで、ガラスで出来た箱形の四角いブロックを複数枚組み合わせたものをいいます。断熱性や遮音性にすぐれており、サイズやパターンはもちろん、光の接し方、色など種類が豊富なのが特徴です。
横引き窓とは
横引き窓は、溝に添ってレールを往復して横に開閉する窓です。左右どちらにも開けられる「引違い窓」、片方だけ開けられる「片引き窓」、中心から左右に開ける「両引き窓」があります。
日本で一般的によくみる窓でなじみ深い窓が、この横引き窓です。
4:引違い窓
日本で一般的に見られる横すべり方式の窓です。左右2枚ある窓を右と左に動かして開閉するタイプの窓を「引違い窓」と言います。
・引違い窓のメリット
引違い窓は、互い違いになっている為、特に室内外への出入りにおいては、使い勝手の良い窓です。
引違い窓は、窓を開けた時に場所を取らないため、狭いバルコニーや、面格子、シャッターなどあらゆる要求をクリアすることが可能です。引違い窓は、リビングやバルコニーなど庭に繋がる場所で、庭に出る為の掃き出し窓として使われることも多いです。
引違い窓は、横すべりのため、出入りがし易く、開き戸よりも出入りのし易さの点においてはまさります。さらに開け閉めしやすく、バリアフリーにも対応しているので設置する場所によっては、非常に使い勝手の良い窓になります。
引違い窓は、正面からの風を受け入れやすく、正面からの風が入りやすい場所に設置すると室内に風が通りやすい家を建てることが出来ます。
さらに、引違い窓は、一般的に価格も安いため、ローコストで家を建てたい方に取っては非常に重宝する窓です。
引違い窓は、場所を限定せず設置することが出来るので、汎用性が非常に高い窓です。
・引違い窓のデメリット
引違い窓は、その性質上、隙間ができるため気密性が悪くなります。せっかく気密性をあげた家づくりをしているのに引違い窓を多用したことによって、家の気密性が悪くなり、性能の悪い家になってしまったら元も子もありません。
気密性の面で考えれば、次に記述する片引き窓の方が片方の窓が固定されているため、性能が良い家が出来上がります。
さらに見た目もあまりよくありません。引違い窓を多用すると、外観デザインが非常に悪い家が出来上がります。引違い窓をデザインに取り込むのは非常に難しいため、引違い窓を得意とする設計者に依頼しなければ、うまくデザインに取り込むことが出来ないと言っても良いと思います。
引違い窓は、正面からの風には強いのですが、縦すべり出し窓と違い、建物の脇を通る風を室内に呼び込むのは苦手です。
また、引違い窓は、外観や性能をあまり考えずにつくった家やコスト重視の建売の家、ローコストで建てた家によくみられるためあまり印象はよくありません。
さらに、引違い窓は出入りがし易い半面、防犯には不向きで、防犯を意識すると防犯ガラスを採用するなどガラスの性能をあげ対応せざるを得ず、基本的には防犯には向いていません。
加えて、引違い窓は、窓を開けた時に視線が通るので、トイレ、浴室、洗面所などプライバシーを必要とされる場所にはあまり向いていない窓です。
余談ですが、アパートなど、賃貸住宅で引違い窓が多いのは安く設置できるため、建築コストを抑えられるからです。
その他、家を安く建てる方法については、私が書いた「家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本」や「家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い」を参考にしてください。
補足情報:窓の取り付け位置による窓の呼び名
窓は設置する位置によって、その名前がかわります。ここでは、位置によってかわる窓の呼び名を簡単に補足していきます。
・掃き出し窓
ほうきで掃いて、窓から室内に溜まったほこりを吐き出していたことから、「掃き出し窓」という名前がつけられました。
掃き出し窓は、別名を「テラス窓」といわれるほど、主に人が出入りしやすいバルコニーに面した場所やリビングなどに設けられることが多いのが特徴です。
・肘掛け窓(ひじかけまど)
床に座った時に、肘をかけることが出来るくらいの高さの窓のことを肘掛け窓と言います。肘掛け窓は和室との相性がよく、和室で、畳に座った時にちょうど肘がのることで精神的にも落ち着いた空間をもたらしてくれます。
※肘掛け窓は、掃き出し窓に対して、床面から窓の底辺の高さがおよそ36cmから45cmに設けた窓を言います。
肘掛け窓は、窓のそばに座った時の目線が、ちょうどよく外に抜けるため、視覚的にもちょうど良い高さだと言われています。
・腰高窓
腰高窓とは、窓枠の底辺が腰の高さにある窓のことを言います。
※掃き出し窓に対して、床面から窓の底辺の高さが80cmから90cmに設けられた窓を腰高窓といいます。
腰高窓は、ちょうど成人の腰の高さの位置の窓で、ちょうどいい高さもあって、比較的場所を選ばずに設置が出来るほか、換気の役割も兼ね備えています。
・高窓(ハイサイドライト)
高窓とは、天井近くなど壁の高い部分に設ける、主に明かり取りを目的とした窓のことで、別名を「ハイサイドライト」とも言います。
高窓は、天井近くにつける窓の為、外からの視線が入りにくく、プライバシーを守りながらも、室内に柔らかなあかりをもたらしてくれます。
低い位置から見上げるカタチになりますので、視線を外すことで窓から空が切り取って見えるなど、心理的にも安らぎを与えてくれる窓です。
・天窓(トップライト)
天窓(トップライト)とは、天井や屋根に設けられた窓のことです。別名を「トップライト」「ルーフウインドウ」などともいいます。
天窓の主な目的と役割は「採光」で、小さな窓でも外からの光を効率よく取り込んでくれます。
天窓は特に住宅密集地など、近隣の家との距離が近く、側面からのあかりを取りづらい時にも利用され、外部から効率よくあかりを取り入れることが出来ます。
・地窓
地窓(ぢまど)とは、床面に接して設置される窓のことを言います。
掃き出し窓と比べ高さはなく、和室に多く用いられ、主に自然換気に利用されます。地窓を作る目的としては4つあり、
1:床面の掃除に便利であること
2:床面からの採光のため
3:室内換気をよくするため
4:室内意匠のため
に地窓は設置されます。
地窓は小さく低い位置に設置することが一般的なため、ほのかに柔らかな光を室内に取り込むことが出来ます。
地窓を高窓と一緒に併用すれば室内全体に空気の循環がうまれ、効率的な自然換気を促すことが出来ます。
小さく低い位置にある地窓は、ある特定の風景を素朴に切り取ることができ、和のデザインと非常に相性が良いのが特徴的な窓です。
地窓は床面に小さく作られるため、外を歩いているひとと視線が交わることはほとんどなく室内の様子が丸見えになる心配がいりません。
柔らかな光を取り込むことができますので、玄関などの暗くなりがちな場所にも、地窓は非常に有効的に働きます。
・出窓
出窓とは、建物の外にはり出す形で設置する窓のことです。
※建築基準法では、床面からの高さが30cm以上で、外壁からはり出した長さが50cm未満等の条件を満たしていれば、突き出した部分は床面積に参入されないことになっています。詳しい内容については「家づくりで後悔しない為に抑えておきたい土地購入で役立つ5つの言葉」内の「建築面積とは」をご参照ください。
長方形、台形(ベイウインドウ)、弓形(ボウウインドウ)、多角形など様々なデザインの出窓があり、片開き窓やFIX窓と組み合わせて使うことが多い窓です。よく見られる出窓は2つのタイプで、1つ目のタイプは両サイドにFIX窓を使用し、前面に引違い窓を設置する場合、2つ目のタイプは、前面にFIX窓を使用し、両サイドに縦すべり窓を設置するタイプです。
窓が外にはり出す形になる為、室内側に圧迫感を与えず、広く使えるメリットがあります。
5:片引き窓
片引き窓は、一方だけに開けられる横すべり方式の窓のひとつです。片側がFIX窓など固定されているため片側にしか開くことが出来ません。
・片引き窓のメリット
一方の窓だけ開け閉め可能なので、同じ横引きタイプの引違い窓や、両引き窓に比べ気密性に優れています。寒い地域では引き違い窓のかわりに、一方だけがFIXされている片引き窓を使用している家をよくみかけることができます。
横すべり窓を採用したくて、気密性を気にするのであれば、片側だけが開く片引き窓を採用するという選択肢もあります。
・片引き窓のデメリット
両方の窓が開く引違い窓や両引き窓に比べて風通しが悪く、室温の調整にあまり向きません。
6:両引き窓
両引き窓は、片引き窓を2つ合わせたタイプの窓で別名を「引き分け窓」といいます。
・両引き窓のメリット
両引き窓は、窓枠の両サイドが壁になっているか、FIX窓になっているので、窓を全開にすると窓2面分の大きな開口部となるのが特徴であり、風通しが良いのが最大のメリットです。
両引き窓は、引違い窓と違い、窓枠の鴨居(かもい)や敷居のレールが一本化されており、窓枠の幅を狭くすることが出きるので、見た目がスッキリするのが特徴の窓です。
片引き窓と比べ、風通しがよく室温の調整に向いている窓です。
・両引き窓のデメリット
両開き窓よりは気密性に優れていますが、片引き窓よりは気密性がよくありません。両引き窓は3つの横すべり窓のうち、ちょうど中間に位置するような役割を持つ窓です。
開き窓
開き窓は欧米で一般的に見られる窓で、左右どちらかを軸に、ドアのように開くタイプの窓です。左右どちらかを軸に開く「片引き窓」、窓が2枚で、開閉できるタイプの「両開き窓」があります。
7:片開き窓
片開き窓は、一般的なドアのように開閉するスタイルの窓で、欧米では両開き窓と並んで一般的なタイプの窓のひとつです。
片開き窓は、窓枠の左右どちらかを軸に、一方に開く窓です。開き窓のうち、窓が一枚のものを片開き窓といい、2枚のものを両開き窓と言います。
縦すべり出し窓と違い、ドアのように開け締めするのが特徴で、外開きのタイプと内開きのタイプがあります。強風などで開けておいた窓が破損しないようストッパーがついたタイプも多いです。
8:両開き窓
両開き窓は、ドアのように開閉するスタイルの窓で、欧米では片開き窓と並んで一般的な窓のタイプのひとつです。
両開き窓も、片開き窓と同様に、左右の窓枠を軸に一方に開く窓ですが、窓が中央を中心に2枚重なっており、開閉できるタイプの窓です。
片開き窓と同様に、窓ガラスの破損や飛散防止の為にストッパーがついたタイプも多いです。
家づくりであまり使われなくなった窓
続いて、その機能的特徴から、近年あまり使われなくなった窓を紹介します。
1:ルーバー窓(ジャロジー窓)
ルーバー窓は、水平に重なった細長いガラス板が何枚も組み合わさって、ハンドルやチェーン操作、電動で開閉する窓のことです。
・ルーバー窓のメリット
ルーバー窓は、別名「ジャロジー窓」とも呼ばれ、キッチンや洗面室やトイレ、浴室など通風や換気が必要な場所に適している窓です。
ハンドル操作で角度を変えることにより雨天時でも換気が可能で、ガラス面に磨りガラスをや型板ガラスを採用することにより、外からの視線を避けることができます。
掃除面も非常に楽でハンドル操作で角度を変えれば、室内でも掃除をすることが可能です。ただし構造上部品が多いため、掃除には手間がかかります。
ルーバー窓は、開口率が高いため室外からの空気を取り込むことは期待できます。
断熱性を高めたダブルタイプもありますが、ルーバー窓はその性質上、断熱性を期待することはできません。
・ルーバー窓のデメリット
実はルーバー窓は「防犯」「断熱」「気密」どれをとっても劣っています。
まず、防犯の面で見れば、ルーバー窓は、機能的な特徴から、ガラス面を簡単に取り外すことが出来ます。
強度も弱く、他の窓と比べると著しく防犯的に弱いという最大の欠点があります。
さらに、ルーバー窓は複数の羽板状のガラスが重なり合う構造の為、負荷をかけると意外に脆く破損する恐れがあります。
またルーバー窓は、窓を閉め切ったとしてもガラスが重なっているだけという構造上、隙間が多く、断熱性、気密性も非常に悪いため性能で劣ります。強風豪雨などの場合、雨水がガラス面の隙間から滴り落ちることもあります。
ルーバー窓は、温室など屋外での使用を前提に開発された窓の為、その構造上、気密性や防犯性によくありません。
ルーバー窓は、断熱性にも弱く隙間からどうしても冷気が室内に流れ込んできます。そのため寒冷地では使用することは滅多にありません。
ルーバー窓は、引き違い窓と同様に気密性が良くない窓の代表格と言われています。が、その気密性の悪さは引違い窓の比ではなく、気密性、防犯性においてルーバー窓の方が圧倒的に劣ります。
ルーバー窓は、デメリットが目立つ割に価格も高く、最近ではあまり使われることはありません。
2:上げ下げ窓
上げ下げ窓とは、二枚の窓を窓枠に沿って上下にスライドさせて開閉するタイプの窓のことです。片側だけ(下側)スライドできる片上げ下げ窓(シングルハングウインドウ)、上下両方にスライドさせることの出来る両上げ下げ窓(ダブルハングウインドウ)、上下が連動して一緒に動く「バランス上下窓」があります。
・上げ下げ窓のメリット
上げ下げ窓は、洋風の外観の家に非常にマッチします。そのため、洋風の外観にするなら上げ下げ窓は欠かす事の出来ない窓となります。
洋風の外観を検討しているなら、外からよく見える部分には、上げ下げ窓を採用すると非常に見栄えがよくなります。
上げ下げ窓は、FIX窓との相性もよく、上げ下げ窓の上部にアーチ型のFIX窓を設置すれば、映画などでよく見られる洋風のスタイリッシュな外観にすることが可能です。
上げ下げ窓は、開口部を大きく出来ない部分において縦長のスペースに用いる窓で、引違い窓にみられる戸車がないため、隙間がほとんどありません。そのため気密性や断熱性も高く、上げ下げ窓の構造上外から侵入しにくく防犯性にも優れています。
・上げ下げ窓のデメリット
上げ下げ窓は、窓の金額は、縦すべり出し窓とそれほど変わらないにもかかわらず、機能性を考えると縦すべり出し窓と比べ風通しがあまりよくありません。
そのため機能面を重視するなら、上げ下げ窓を採用するなら、縦すべり出し窓を使う方が価値が高く、また優れています。
外から見えるところは上げ下げ窓を使用し、外から見えない場所には機能性を重視し、縦すべり出し窓を採用するなどバランスをとった間取りにすると良いと思います。
上げ下げ窓は、引違い窓よりも防犯性に優れている半面、開閉の操作は引違い窓と比べるとやりにくく面倒に感じてしまう面もあります。
また意外と盲点なのが、窓が上下に動く為、両開きのカーテンでは不都合が多く、カーテンもブラインドやロールスクリーンなどに限定されることです。
上げ下げ窓は、デザイン面にばかり気を取られますが、掃除が非常にしにくく、片上げ下げ窓の場合は、特に、構造上上部が固定されているため、室内からは窓を拭くことが出来ません。なので、二階に設置する時は注意が必要です。
もちろん窓が外せるタイプもありますが、外側に落下する危険性もありますので慎重に取り扱うことが必要です。
上げ下げ窓は、上下にスライドするタイプの窓なので、引違い窓のような横にスライドするタイプと比べ、開閉時に力が必要になる場面も多いので注意が必要です。
3:片上げ下げ窓(シングルハング窓)
上げ下げ窓のうち、片側だけ(下側)スライドできる窓を片上げ下げ窓(シングルハングウインドウ)といいます。
・片上げ下げ窓のメリット
上げ下げ窓のうち、ダブルハング窓やバランス上下窓と比べると安価ですが、気密性が確保しやすく、他の上げ下げ窓のダブルハング窓やバランス上下窓と違い、網戸がスライドするので窓の外に顔を出すことが出来ます。
・片上げ下げ窓のデメリット
窓を開けて換気する場面においては、上げ下げ窓の中では一番劣ります。
4:両上げ下げ窓(ダブルハングウインドウ)
上げ下げ窓のうち、上下両方にスライドさせることの出来る窓を、両上げ下げ窓(ダブルハングウインドウ)といいます。
・両上げ下げ窓のメリット
上下開ける事が出来るので、換気するのに便利で、効率的に換気を促すことが出来ます。また気分によって上だけ開けたり、下だけ開けたりと、窓を開けるバリエーションが他の2つの上げ下げ窓と比べると豊富で便利です。
・両上げ下げ窓のデメリット
片上げ下げ窓(シングルハング窓)と比べると気密性が確保しにくく、網戸は基本的に窓全体を覆い、固定式であるため窓の外に顔を出すことが出来ません。
5:バランス上下窓
上げ下げ窓のうち、上下が連動して一緒に動く窓を「バランス上下窓」といいます。
・バランス上下窓のメリット
バランス上下窓は、上下両方を開けて換気することが出来るので、他の上げ下げ窓と比べると、非常に効率的に室内を換気できます。上下の窓が同時に動く為、開閉の操作も楽です。
・バランス上下窓のデメリット
バランス上下窓は、やはり片上げ下げ窓(シングルハング窓)と比べると気密性が確保しにくく、網戸も基本的に窓全体を覆い隠すので、窓の外に顔を出すことが出来ません。
さらに片上げ下げ窓(シングルハング窓)や両上げ下げ窓(ダブルハング窓)と比べると高価になります。
6:フルオープンサッシ(全開口サッシ)
フルオープンサッシ(全開口サッシ)とは、底辺が床についており、窓のほとんどが開くタイプの窓です。
・フルオープンサッシのメリット
フルオープンサッシを採用するメリットは主に3つあります。
1:開放感を感じることが出来る
2:外部とのゆるやかな繋がりを持たせることが出来る
3:開口部の条件を全て満たしており、「視認」と「採光」と「通風」と「通行」が良い
フルオープンサッシは、コートハウスとの相性が良いので、コートハウスを希望している方で中庭との緩やかな繋がりを持たせたい方は採用を検討してみてもよいでしょう。
※コートハウスについては、「家づくりで中庭のある家「コートハウス」にする15のメリットとデメリット」をご覧下さい。
ロの字型のコートハウスでフルオープンサッシを採用すれば、プライベートな中庭を存分に楽しむことが出来ます。
さらに、ロの字型のコートハウスでフルオープンサッシを採用すれば人目を気にすることなく家族や友人を招き、中庭でバーベキューなどを楽しむことも出来ます。
視界の抜けがよくなることも非常に大事なポイントです。
コートハウスの場合はフルオープンサッシを利用することで、段差なく中央の庭を通ることが出来るので室内間の移動が非常に楽になります。
設置方法次第では、風の抜けが良いため夏場は涼しく、冬は暖かな日差しが部屋の中に降り注ぎます。自宅に居ながらにして、オープンカフェのテラス席にいるような気分に浸ることが出来ます。
フルオープンサッシを、リビングルームとウッドデッキを繋ぐ窓として使用すれば、天気のいい日にはフルオープンサッシを全開にしリビングルームとウッドデッキを一体化させて空間に緩やかな繋がりを持たせることも出来ます。
また、フルオープンサッシはマンションなどではインナーバルコニーを設ける時に採用されたりもします。
※インナーバルコニーについては「インナーバルコニーで抑えておきたい7つのメリットとデメリット」をご覧下さい。またバルコニーについては「家づくりでバルコニーは必要?バルコニーをつくる時に注意すべきこと」をご覧下さい。
・フルオープンサッシのデメリット
フルオープンサッシ(全開口サッシ)は、窓のほとんどが開くことが最大の特徴となりますが、時にそれがデメリットともなります。
例えば、フルオープンサッシは、フルオープンできる機能のかわりに気密性が犠牲になってしまいます。断熱性もよくありません。
また、フルオープンした時は気持ちがいいですが、虫が入りやすくなってしまいます。虫の侵入を防ぐ為に網戸にしてしまうと、解放されている部分全てが網戸となる為、せっかくの開放感が台無しになってしまいます。
さらに、フルオープンサッシで網戸を使用しても、夏場は特にフルオープンにしている最中に虫が室内に侵入し、それを防ぐ術はありません。
半分オープンにし、半分を網戸にということもできますが、多くの場合は網戸とサッシの間に隙間が出来るため、その間から虫が侵入してくることも把握しておかなければなりません。
また、フルオープンサッシを採用する時に意外と見落としがちなのが窓枠の目立ち具合です。
フルオープンサッシといえども、普段は窓を閉めている状態なのでサッシの縦のラインがあまり主張しすぎる窓枠はかなり気になるでしょう。
さらに、フルオープンにすることでプライバシーもなくなりますから、隣の家との距離などをきちんと計算して採用する必要があります。レールに溜まるゴミやほこりなども気になるところです。
強風などの時に半開きにしているとガタガタと音がしたり、窓が勝手に動いて開いたり閉まったりすることもあります。
フルオープンにどれだけの価値を感じるか、フルオープンサッシのデメリットをしっかりと把握した上で採用の可否を慎重に選んだ方がいいでしょう。
例えば屋上を設置し、屋上にフルオープンサッシを使うと、ある程度プライバシーを守りながらも、非常に開放感のある空間をつくることができます。屋上設置に関しては「屋上のある家ってどう?家づくりで屋上のある家のメリットとデメリット」で詳しくメリットとデメリットをお伝えさせて頂いております。
また、開放感のある間取りを希望されている方はスキップフロアを検討してみても良いかもしれません。スキップフロアのメリットとデメリットは「スキップフロアの間取り27のメリットとデメリットと7つの活用実例」を参考にしてください。
7:オーニング窓
オーニング窓は、2枚から4枚ほどの横長のガラスの板を縦に連結した窓です。
・オーニング窓のメリット
オーニング窓はルーバー窓にも似ていますが、ガラスの一枚一枚にサッシ枠がついているのが大きな特徴でルーバー窓よりもしっかりとしたつくりになっています。
オーニング窓は、一枚一枚のガラス板にサッシ枠がついているので、ルーバー窓よりも気密性が高く、窓の開く角度が調整できることから、マンションの廊下などによく使われるデザインの窓です。
・オーニング窓のデメリット
最大のデメリットは、やはり防犯性の低さです。ルーバー窓と比べると丈夫に出来ていますが、工具があれば外すことが出来ます。
防犯対策としては室内側に鉄格子などを取り付けることですが、部屋の美しさを損ねてしまいます。
さらに大変なのは掃除です。ルーバー窓と比べると取り外しが困難な半面、掃除の時には外開きの窓を掃除するのに大変な労力を要します。
メンテナンスや掃除を専門の業者に頼む必要性も出て来ますので維持管理面でコストがかかります。
また、オーニング窓はその構造上、網戸は部屋の内側になります。
倒し窓
倒し窓とは、窓の下部、または上部を軸として開くタイプの窓を言い、窓の下部を軸に部屋の内側に倒す窓を「内倒し窓」、外側に倒す窓を「外倒し窓」、上部を軸に外側に開いて倒す窓の「突き出し窓」があります。
8:内倒し窓
内倒し窓とは、窓の下部を軸にガラスの上部が内側(室内側)に倒れる窓のことです。全開にすることは出来ず、ある程度の角度まで倒すとストッパーによって止まります。
・内倒し窓のメリット
内倒し窓は、ガラス戸が内側に開く為、窓の外に何らかの障害物があっても設置することができます。
曇りガラスや不透明なガラスを採用すれば、外からの視線を遮りながら室内の換気をすることが出来ます。キッチンや洗面所など、水まわりの天井近くに「採光」と「通風」の効果を期待して設置されることが多いのが内倒し窓です。
・内倒し窓のデメリット
内倒し窓は、上部が内側に開くタイプの窓のため、カーテンやブラインドと干渉してしまうというデメリットがあります。
そのため、通常は内側にカーテンを使用することはおろか、ロールスクリーンなども設置することはできません。
ガラスの外側が掃除し辛く、またガラスが汚れやすいのも内倒し窓のデメリットと言えるでしょう。
9:外倒し窓
外倒し窓とは、窓の下部を軸にガラスの上部が外側(室外側)に倒れる窓のことです。「押し出し窓」のひとつです。
打ち倒し窓と同じように全開にすることは出来ず、ある程度まで倒すとストッパーによって自動的に止まります。
・外倒し窓のメリット
外倒し窓は、外に向かって空気が流れやすいので、一般的には室内の高い位置に取り付けられます。
外倒し窓は、窓の大きさに対して通風量が大きいため、主に浴室やキッチンなどの水まわりの小さなスペースに「通風」を目的として使用されます。
・外倒し窓のデメリット
湿気をスムーズに外に逃がすことが出来る半面、雨が降った時に雨が室内に侵入しやすいというデメリットがあります。
10:突き出し窓
突き出し窓とは、窓枠の上部を軸に、窓を外側(室外側)に突き出して開ける窓をいいます。
・突き出し窓のメリット
突き出し窓は、窓を開けた時、横すべり出し窓のように、窓のガラス面が庇になる為、雨が室内に侵入するのを防いでくれます。
・突き出し窓のデメリット
突き出し窓は、横滑り出し窓と違い、吊元が動かないため、ガラスの外側を室内から拭くのが困難となります(吊元が移動する滑り出し窓の場合はガラスの外側を室内から拭くことが出来ます)。
11:フランス窓
フランス窓とは、掃き出し窓の一種で、リビングやダイニングからテラスやバルコニーに出入りするための洋風の両開きのドア(ガラス製の観音開きのドア)を言います。
窓面は格子状になっており、そこにガラスがはめ込まれていることが多く、フランス窓は窓の一種ですが、設置個所によってはドアとしての役割にもなるため「フレンチドア」と呼ばれることもあります。
回転窓
回転窓とは、窓枠の中央の軸を中心に回転して開閉する窓です。回転窓には「横軸回転窓」と「縦軸回転式窓」があります。
12:横軸回転窓(水平回転窓)
横軸回転窓は、窓枠の中央を軸に水平方向に回転して開閉する窓です。横軸回転の窓を横軸回転窓と言います。
・横軸回転窓のメリット
窓が窓枠から横軸に回転する為、室内から窓ふきがしやすいメリットがあります。
また、気密性にも優れています。
・横軸回転窓のデメリット
回転窓の構造のため、カーテンや網戸の取り付けが難しいというデメリットがあります。
13:縦軸回転窓(垂直回転窓)
縦軸回転窓とは、窓枠の中央を軸に垂直方向に回転して開閉する窓です。縦軸回転の窓を縦軸回転窓と言います。
・縦軸回転窓のメリット
窓が窓枠から縦軸に回転する為、家の中から掃除がしやすいメリットがあります。
また、水平回転窓と同様に、気密性にも優れています。
・縦軸回転窓のデメリット
回転窓の構造上、カーテンや網戸の取り付けが難しいというデメリットがあります。
窓の形と窓の位置、それに採光の特徴
窓は種類に関わらず、取り付ける位置と大きさ、目的や形によってその呼び名が変わります。例えば屋根に窓が取り付けられれば「天窓」とか「ルーフ窓」とか呼ばれます。
「通風」を重視していたり「採光」を目的としたり、窓を取り付ける位置によって、窓の役割は様々ですが、ここではそんな取り付ける位置によって目的と役割が変わる窓を見ていきたいと思います。
まずは、2つの窓の形からみていきます、
2つの窓の形
横長窓
横長窓とは、横に長いタイプの窓のことを言います。とりつける場所にもよりますが、主に「採光」「通風」「視認」を目的として設置されます。
・横長窓のメリット
横長窓の最大の特徴は、外部からの光を部屋の奥まで行き渡らせることが出来る点にあります。
室内に行き渡る光も柔らかくなり、プライバシーを守りながら、一般的な窓を取り付けるよりもリラックスできる空間づくりができます。
また、南側にハイサイドライトとして横長窓を採用すると安定した光を取り入れることが出来ます。その際、両端の部分など一部を開閉できるようにすると、夏場は特に、天井に溜まった熱い空気を逃がし、換気を促すことが出来ます。
・横長窓のデメリット
つける位置によりますが、縦長窓と比べあかりが部屋に行き渡りにくい傾向があります。
縦長窓
縦長窓は、縦に長いタイプの窓のことを言います。設置する場所によりますが、「視認」「採光」「通風」を目的として設置されます。
・縦長窓のメリット
縦長窓の最大の特徴は、横長窓よりも外からの光を室内に均一に照らし出すことの出来る点にあります。同じ面積の場合、横長窓よりも部屋の奥に光が差し込みます。
さらに縦長の窓にすることで、天井が高く見える効果があります。
また、外から見える範囲が狭くなるため、プライバシーの保護にもなります。
・縦長窓のデメリット
横長窓のような、安定した光を室内に取り入れることが出来ないのがデメリットですが、つける位置によってはそれを補うことも出来ます。
窓の位置と採光の特徴
ハイサイドライト
ハイサイドライトとは、天井近くにつける窓で、横長の窓のことです。高い位置につけられる窓のため、外からの視線が入りにくくプライバシーを保護するのに役に立つ窓です。主に「採光」と「通風」を目的に設置されます。
・ハイサイドライトのメリット
ハイサイドライトは、高い位置から部屋の奥まであかるい光を届けてくれます。高い位置の窓から入った光が、壁や天井に反射することで、部屋全体にやわらかく暖かい光を隅々まで届ける効果があります。
天窓(トップライト)に比べるとコストがかからないのが特徴です。
また、一般的な位置にある窓は、窓と同じ目線であるため、隣に建物があるのなら隣家が見えたりと、あまり家からは見たくないものも見えてしまうこともありますが、ハイサイドライトは下から見上げる形になるので、窓から空が切り取ってみえます。
住んでみるとわかりますが、「視線を外すことで空が切り取ってみえる」というのは住まいを考える上で非常に違います。ふと窓を見上げた時に、青い空と雲がみえるとやはり心が和みます。
・ハイサイドライトのデメリット
主なデメリットは3つあります。
1:掃除がしにくい
ハイサイドライトは、高い位置にあるため梯子や脚立、もしくは窓まで届く専門の道具が必要になるので、通常の掃除が非常に面倒になります。
高い位置にあるため、クモの巣がはったり虫の死骸やほこりが溜まりやすく、中からも外からも掃除をするのが面倒という声をききます。
2:開閉がしにくい
ハイサイドライトは通常、「採光」と「通風」を主な目的としますが、窓の開閉が非常に面倒くさいという一面を持っています。ハイサイドライトなので、設置する際、高い位置につくことになるため、引違い窓にすることはないかと思いますが、例えばハンドルチェーンタイプの横滑り出し窓などを採用すると、見た目も、使い勝手もあまりよくなく開閉が面倒だという話しもききます。
※電動式のタイプならこれらの問題を避けることが出来ます。
3:網戸が面倒
ハイサイドライトは、窓の開閉時に虫が室内に侵入しやすくなります。滑り出し窓を採用した場合、内側に網戸がくる形になりますが、窓の開閉時に網戸と窓の隙間に虫が侵入してしまったり、100%虫の侵入を防ぐことは出来ません。
ロール網戸にすると虫を巻き込む場合があったりと、ハイサイドライトは何かと網戸の問題が山積みだったりします。
・ハイサイドライトの窓を採用するのに適した場所や用途
住宅が密集している土地での「採光」や「通風」を目的として。
玄関や吹き抜けのリビングなど。
※吹き抜けの家については「吹き抜けの家にする12のメリットとデメリット」をご覧下さい。
住宅が密集している土地で、外部に向けての開口部を取ることが難しい場合、「採光」や「通風」を効果的に確保できるのがハイサイドライトです。
ハイサイドライトを取り付けることによって、外からの視線を遮りプライバシーを保護しながらも、自然光を取り入れることが出来ます。
ハイサイドライトは高い位置にあるため、室内からは空が切り取られているようにみえ気持ちのよい空間にすることができ、熱くなった室内の空気を換気したり、循環させたりする通風用の窓としても使用できます。
また、北側の暗くなりがちな場所に設置することで安定した柔らかい光を室内に取り入れることができます。
ローサイドライト
ローサイドライトとは、床の近くにつける横長の窓のことを言います。主に「採光」と「通風」を目的として設置します。
・ローサイドライトのメリット
ハイサイドライトと違い、直射日光が入らず、部屋の奥まで光は届きませんが、熱を遮りながらも床から柔らかな光と風を室内に届けてくれます。
ローサイドライトは、目線の低い和室や暗くなりがちな廊下との相性が非常に良く、床から明るくしてくれる効果があります。ローサイドライトは重心の低い落ち着いた空間をつくることができます。
道路沿いの部屋に採用すると、プライバシーを守りながらも柔らかい光と風を室内に届ける効果があり、じめじめとした印象が強く、暗くなりがちな玄関に採用すれば、足下から玄関を明るくしてくれます。
またハイサイドライトなどと併用すれば、空気の循環が生まれ、室内を換気してくれます。
・ローサイドライトのデメリット
ローサイドライトはあくまで床面の明かり取りのため、同じ横長窓でもハイサイドライトのように部屋全体を明るくすることは出来ません。
あくまで足下を照らす柔らかな明かり取りに限ります。
またローサイドライトを利用することにより、気密性は悪くなるので注意が必要です。
・ローサイドライトの窓を採用するのに適した場所や用途
また、道路沿いの部屋など
トップライト(天窓)
トップライトとは、天井や屋根についている窓のことです。別名を「天窓」や「ルーフウインドウ」ともいいます。主に「採光」を目的として設置されます。
トップライト(天窓)の主な目的と役割は「採光」によるもので、比較的小さな窓でも外部からのあかりを効率よく取り込んでくれます。
・トップライトのメリット
トップライトをつけることにより、部屋が非常に明るくなります。同じ大きさの、一般的な壁側につけるタイプの3倍の明るさが得られるとも言われています。
トップライトは、空に向かい窓がつくタイプですので遮るものがなく、あかりが取りやすいという特徴を兼ね備えています。
トップライトは特に住宅が密集している場所などにおいて、隣家との距離が近く、側面からあかりを取ることが出来ない場合などに非常に重宝されます。
・トップライトのデメリット
あまり知られていませんが、トップライトは、施工方法と扱い、取り付けが難しい窓のひとつです。
トップライトは「採光」と「通風」にはとても優れている一方で、取り付け場所や窓の使い方を間違えると、とてもじゃないですが、快適とは言えなくなってしまいます。
トップライトは、空に向かって窓がつくため、明かり取りには優れている一方で、その分、日差しも家の中に降り注いできます。一般的な側面の窓の3倍とも言われていますから、想像以上に明るくなりますが必然的に、その分、明るくなりすぎるというデメリットが生まれます。
そのため、夏場は暑くなりすぎる傾向があり何らかの対策が必要となります。
遮熱性能の高いトップライトや紫外線カットができるトップライトもありますが、それらでは完全に防ぎきることが出来ません。
特に南向きの屋根にトップライトをつけた場合ですが、日の当たる場所が想像以上に熱くなってしまい、部屋が暖まりすぎて、部屋にいることが出来ないという問題も起きてきますので注意が必要です。
さらに、トップライトをつける場合、設置するために屋根に穴を開ける必要があります。ですので雨漏りの可能性を否定することはできません。
もちろん、トップライトには雨漏り対策がされていますが、経年劣化により雨漏りのリスクが高くなってしまう不安はぬぐい去ることはできません。
屋根の勾配が緩いとトップライトが取り付けられないこともあります。屋根の勾配が緩い場合は、屋根に段差をつける方法をとることも出来ますが、その分、雨漏りの心配も高まります。
トップライトは、定期的な点検やメンテンナンスが必要となり、維持管理のコストも必然的に高くなってしまいます。
・トップライトの窓を採用するのに適した場所や用途
北側の階段や玄関など、暗くなりがちな場所。
トップライトは主にあかりを取り部屋を明るくする「採光」の目的で使われます。
トップライトはあかりを取ることが目的なので、空気を入れ替えることが出来る開閉式のトップライトもありますが、あくまで主な目的は明かり取りです。
ピクチャーウインドウ
ピクチャーウインドウとは、眺めることを目的とした「視認」を目的とした窓で、風景を枠で囲うように設けた窓のことです。
・ピクチャーウインドウのメリット
大きめのFIX窓をリビングはもちろん、廊下や踊り場に設置したり、丸窓などのデザイン性の高い窓と組み合わせて使用することで、室内からでも、屋外からの外観も独創的なデザインに仕上げることが出来ます。
窓枠もスッキリした細いものがあるので、オシャレに窓を設置することが出来ます。
ピクチャーウインドウはデザイン性にすぐれ、内部の空間に、間接的に外部との緩やかな繋がりをもたらせてくれます。また、窓そのものが最上のインテリアとなり、見た目に美しく、上質な空間づくりを演出してくれます。
特に、こだわりの庭など風景を切り取りたい時に、ピクチャーウインドウは活躍します。季節のうつろいを感じられる場所に設置すると、室内にいながらも美しい風景を切り取れるのでより上質な空間を演出できます。
ピクチャーウインドウを浴室に取り入れれば、リゾートさながらの空間を演出できます。暗くなりがちな浴室も非常に明るくなり、のびのびと贅沢にリラックスしたバスタイムを楽しむことが出来ます。
人目につかない場所にバスルームがあるのならば、ピクチャーウインドウの設置を検討してみるといいかもしれません。
暗い場所や狭い場所に、ピクチャーウインドウを取り入れると、自然と外に目線が引きつけられるので、奥行きが生まれ、空間に広がりを持たせてくれます。
また、余談ですが、階段にピクチャーウインドウを設置すれば程よく自然光を取り入れてくれ、気持ちよく室内を移動できるようになります。
・ピクチャーウインドウのデメリット
当然のことですが、ピクチャーウインドウを多用しすぎると、家の性能が落ちますので注意が必要です。
また、ピクチャーウインドウは窓の外の風景とセットな面もありますので、窓の外の風景があまり良くないと、その分、採用するメリットが減り、逆に居心地の悪い空間になってしまう危険性もあるので注意が必要です。
・ピクチャーウインドウの窓を採用するのに適した場所や用途
リビング、ダイニング、キッチンなど家族がくつろぐことを目的とした場所など
コーナー窓
コーナー窓とは、部屋のコーナー部分に設けるL字型の窓のことです。主に「視認」と「採光」を目的に設置されます。
・コーナー窓のメリット
部屋のコーナーに窓を設けることで壁がなくなりますが、採光面で優れ、空間に広がりを持たせることが出来ます。
またコーナー窓を採用することによって家の表情が豊かになります。
・コーナー窓のデメリット
コーナー窓は自由度はあまりなく、設置する場所が限られます。
コーナー窓の角にはどうしてもカーテンなどで遮ることの出来ない隙間が生まれがちになるので注意が必要です。
小窓
小窓とは、小さな窓のことです。主に「採光」と「通風」のために設置されます。
・小窓のメリット
住宅建築の、小窓のメリットは外部からの視線を遮り、プライバシーを確保しながら「採光」と「通風」が出来る点にあります。
小窓をうまくデザインに取り込むことで、外観上もデザイン性に優れ、外部との自然な距離感を築き、心地よい暮らしを演出してくれます。
また、小窓を適宜設置することで、内部空間においても、程よいアクセントとなり、圧迫感を排除し、空間に広がりを持たせてくれます。
・小窓のデメリット
小窓の種類にもよりますが、一般的に小窓を設置すると、気密性に劣ります。また寒い冬場は窓から冷気が流れてきます。
・小窓を採用するのに適した場所や用途
小窓の使い方で面白い使い方をしている家は、保坂猛建築都市設計事務所の「ROOM ROOM」という家です。
上の2枚は外観ですが、四角い家で小窓を多用し外観上のデザイン性に優れた家を設計しています。
また外観だけではなく、小窓を多用することで室内の様子も明るくすることに成功しています。
また、小窓は暗くなりがちな場所に設置すると心地よい空間を提供してくれます。
失敗しない窓の配置と場所
冒頭でもお話しましたが、窓は家の外観はもちろん、室内の風通しや日当り、さらに家の性能にも影響してきますので、窓をどの部屋の、どの場所に配置するのかは、その後の住み心地を考えると、非常に大事になります。
窓の持つ役割と機能は「視認」「採光」「通風」の3つですが、それぞれの部屋の役割によって、どのように窓を配置するのかを考えなければなりません。
図面ではわかりづらいため、あまり窓の配置と場所を考えずに作ってしまうと、どうしてこんな場所に窓があるのだろうと、家が出来上がってから後悔してしまったり、窓の開け閉めが非常に困難な場所に開閉式の窓を設置してしまったり、日当りが良すぎて夏場は暑くなりすぎていられない場所、逆に寝室なのに冬場はスースーして寒くていられない場所、風通しが悪くカビが発生しやすい場所などが出来てしまいます。
そこでここでは、窓の設置で後々後悔しないための失敗しない窓の配置と場所についてお話していきます。
まず、設置してから失敗したと思いがちな場所の窓をお話します。次に、家の中で暗くなりがちな場所を明るくする窓の使い方について、そして最後に、各部屋に窓を配置する時に、窓を上手に配置するコツについてお話します。
窓の配置で失敗しがちな特に注意すべき点と場所
窓の配置で失敗しがちな、特に注意すべき点は下記の3つの場所です。
1:階段の手すりと、階段の窓の高さ
2:1つの部屋に対して複数の窓をつくる
3:寝室の枕元
まずはじめに、以上の3つの場所についてみていきます。
1:階段の手すりと、階段の窓の高さ
普段あまり意識しませんが、階段の窓は、一般的な部屋につける窓と違う部分を注意する必要があります。
まず一番に気をつけたいのが、階段の手すりと階段の窓が被ってしまう場所です。階段の手すりと階段の窓が被ってしまうと、みばえも悪くなりますが、それ以上に、とても使いづらい窓になってしまいます(ハンドル部分など窓の開閉部分が被ると、さらに開けづらくなります)。
※また、余談ですが、電気のスイッチが階段の手すりの裏に隠れてしまわないようにも気をつけた方が良いです(非常に稀ですが、たまにみます)。
次に、階段の窓の、どの部分を注意しなければならないのかと言えば、高さです。
一般的に業界のルールでは窓の上の高さを床から2mでそろえることになっています。つまり、何も言わなければ、窓は床から2mの場所に設置されます。(なかには、窓の上の高さを2.2mとしている会社もあります)
床から2mは、窓を開け閉めするのにちょうどいい高さですが、階段にこれを適用すると物凄く不便な窓になってしまいますので注意が必要です。
例えば、階段の踊り場に窓を設置しようとした場合で、2階の床の高さを基準としてしまった場合です。
そこで、ここで一般的な、木造住宅の例をもとに少しお話します。
一般的な木造住宅は、のぼり始めから、のぼり終わるまでの階段の長さが1間半(2730mm)で、1階から2階までの階高は2900mmとすると、中間は1450mmとなります。
この場合、2階の床の高さを基準にしてしまいますと、「採光」の面で考えれば、明るいあかりをもたらしてくれるかもしれませんが、開け閉めの時に、非常に不便で何か道具を使わないと開けられない窓になってしまいます(※写真:開けづらい窓の例を参照のこと)。
もちろん、この高さにFIX窓を使うのなら問題ありませんが、「通風」としての役割を加えるのならば、とても不便な窓になってしまいます。
2:1つの部屋に対して複数の窓をつくる
次に間取りの関係で、窓をひとつしか設置していない部屋は注意が必要です。
一面だけの開口部ですと、風の出口がないので風が通りにくく、「視認」と「採光」の役割は果たしても、「通風」の機能を著しく損ねてしまいます。
風通しが良い部屋にするには、風の通り道をつくってあげることが非常に大事です。
つまり、風の入り口と出口を分けてあげることが非常に大切になります。
ですから、間取りの関係で窓をひとつしか設置できない場合は、大きな窓をひとつ配置するのではなく、大きな窓で収まるスペース内にもうひとつ、ないし複数の窓を設置してあげることが大事です。
横長の窓でもいいですし、縦長の窓でもいいので複数窓を設置することで、風の抜けがよくなり空気が循環する部屋になります。
・窓の位置と風通しの関係
窓の位置と風通しは密接に関係しています。窓は大きければ良いわけではなく、小さくても、その設置場所によっては、風通しの良い部屋をつくることができます。
例えば、下記の図をご覧頂くとわかりやすいかと思います。
1つの部屋に対して窓が1面だけでは、空気が入ってきても、出口がないため循環が難しく、行き場をなくした空気は循環することが難しくなってしまいます。
それに対して、1つの部屋に2つ以上窓を設置すると、風の通り道が出来るので、空気の循環を促すことが出来ます。
開口部を対面させた場合は風が通りやすくなり、窓を上下につけると風の通り道が長くなり部屋の上に溜まった暖かい空気が外に出て行くことを促してくれます。
さらに開口部を3つ設けると風向きに影響されずに風を循環させることが出来るようになります。
3:寝室の枕元
最後に、寝室の枕元に窓を設置しようとした場合、注意が必要です。
明かり取りのために、寝室の枕元に窓を設置しようとする方がいますがあまりお勧めできません。なぜなら、どんな窓でも壁よりも断熱性が悪く、特に寝室の枕元に窓を設置してしまうと、冬場の寒い時期はスースーして眠れなくなってしまうからです。
FIX窓など、固定された窓で気密性が守られている窓でしたら、まだ我慢できるとして(それでもスースーします)、引違い窓を設置してしまった場合は寒くて眠れなくなってしまいます。
絶対に窓を設置した方が良い、家の中で暗くなりがちな場所
次に見ていきたいのは、家の中で暗くなりがちな場所です。暗くなりがちな場所に効果的に窓を配置することで、外部からの光が差し込み、明るく、風通しのよい場所にすることが出来ます。
主な場所は下記の3つの場所です。
1:玄関
2:2階の廊下やホール
3:キッチン
「窓の設置に失敗しがちな場所」に続いて、「絶対に窓を設置した方が良い暗くなりがちな場所」についてみていきます。
1:玄関
玄関が暗くなってしまう原因の一つとして窓の存在があげられます。現在のように気密性が重視され開き戸がメインになるにつれ、ガラスを使用した引き戸が使われることがなくなりました。
ガラスを使用した引き戸だと、ガラスを通して、外の光が玄関に差し込んできましたが、一般的な開き戸にはガラスが使用されることはありませんから(ガラスが使用されていてもドアのごく一部にのみ)、玄関に窓がありません。そして玄関に窓がないと暗くてじめっとした玄関になってしまいます。
もちろん、玄関の近くに明るいリビングを持ってくればリビングの光を玄関に取り込むことも可能です。
しかし、玄関に窓があると換気も出来ますし、外の光も室内に入ってきますので明るく気持ちのよい空間をつくってくれます。
玄関に窓をつける場合は、ローサイドライトをはじめハイサイドライト、玄関ドアに高さを合わせた縦長の窓などを使用するとより柔らかい光の差し込む空間になります。
2:階段や2階の廊下やホール
階段部分に窓を設置することは階段を明るくする上で大事ですが、階段部分の窓だけに頼ってしまうと、2階の廊下やホールが暗くなってしまいます。
2階の廊下や、ホールにも窓を設置することで非常に活発で明るい空間に仕上げることが出来ます。周辺環境の問題などで、もし窓を設置するスペースがないのなら、天窓(トップライト)でまかなっても良いです。
天窓(トップライト)は、通常の側面の壁に取り付ける窓よりも3倍の明るさをもたらしますから、天窓(トップライト)をひとつつけるだけで一気に階段が明るくなります。
また、リビングの吹き抜けをうまく利用すると、階段をかなり効果的に明るく出来ます。
また、階段に設置する窓は小さな窓よりも、ある程度の大きさのある窓の方が奥まで光が入り込みますので暗くて不気味な雰囲気を緩和してくれる効果があります。
※吹き抜けについては、私が書いた過去の記事「吹き抜けの家にする12のメリットとデメリット」を、リビング階段については「リビング階段のある家の10のメリットとデメリット」をご覧下さい。
3:キッチン
最後に意外と盲点なのがキッチンです。
キッチンはリビングダイニングと一括りにされることが多いですから、リビングを明るくさえすれば、キッチンも明るくなると思い込んでいらっしゃる方がおりますが、それは大きな間違いです。
キッチンにもしっかりと光を届ける間取りを考えなければ、通常南側や家の中央に配置されるキッチンまで明るくなることはありません。
家の南側に設置されているキッチンなら、できることなら縦型の窓を設置する方がより効率的に光を取り込むことが出来ますが、スペースの問題などで出来ない時は、小窓を数カ所に設置するだけでも随分と明るさは変わります。
また間取りの関係で、キッチンは、はじめの段階で明るさを確保しておかないと、後で変更がきかなくなって結果的に暗いキッチンになってしまいがちなので、しっかりと明るさを確保できるキッチンをはじめの段階でプランしておくことが大事です。
窓を上手に配置するコツ
続いて、窓を上手に配置するコツについてお話していきます。様々な窓があり、窓によって役割と目的が違うことは既にお話した通りですが、ここからは、そんな窓のメリットを引き立てるために大事なことをお話していきます。
窓の配置の組み合わせは「上下」と「縦横」
窓を配置するコツは非常に単純で「上・下」と「縦・横」を意識して組み合わせることです。つまりまず、窓をつける位置は「上にするのか」「下にするのか」を考え、その後に、「縦に長くするのか」「横に長くするのか」の順番に考えて頂くと意外とスムーズに窓の位置を決めることが出来ます。
その際、窓の配置や形によって、光の入り方が大きく変わってきますので、どのように変わるのか、その特徴を予め知っておくことが非常に大事なポイントとなります。
また次の項で話す外観にも大きく依存してきますので、窓の配置のポイントをしっかり抑えておくことは、外観上も素敵な家を作るにあたって非常に大切な要素です。
「上」に配置する窓
ハイサイドライトと天窓(トップライト)が代表的な「上」に配置する窓です。
ハイサイドライトは、側面の壁の高い位置に窓を設けることで、部屋の奥まで光が差し込みます。吹き抜けのリビングや玄関などにオススメの窓です。
トップライトは、屋根や天井に設置する窓ですが、側面につける窓の3倍の採光が得られ、同時にプライバシーも守ってくれます。
あかりの取りづらい北側や東側の室内に設置のオススメの窓です。
「下」に配置する窓
地窓やローサイドライトを使用すると柔らかな光を室内に取り入れることが可能です。
特に和室や廊下との相性がよく、和室に地窓やローサイドライトを使えばプライバシーを守りながらも、柔らかな光を室内に取り入れてくれます。
また、ローサイドライトや地窓など低い位置に設置する窓は、重心の低い落ち着いた空間を提供してくれます。
「縦」に配置する窓
縦に設置する窓としての代表的なカタチである縦長窓を設置すれば、外から見える範囲を狭くできるので、プライバシーを守りながらも、室内の奥にまで均一な光を届けてくれる明るい部屋を作ることが可能です。
また縦長窓を、上げ下げ窓や縦すべり出し窓などの開閉式の窓にすると、効率よく室内に空気を取り入れることも出来、2つ以上の窓を設置すれば空気の循環を促すことが出来ますので通風の面で優れています。
「横」に配置する窓
横長窓は、高い位置、低い位置、両方に設置することが出来ます。
例えば室内の上部に配置する窓の代表格であるハイサイドライトと組み合わせれば、一日中安定した光を室内に取り入れることが可能ですし、空気の通り道をつくってあげれば、暖められた空気を効率的に室外に排出してくれます。
また、地窓やローサイドライトに使用すれば、柔らかい光の幅を広げてくれ、より室内に光を取り込み、適度に外部からの光を取り入れることで、雰囲気の暖かい空間づくりをすることができます。
窓の使い方で家の外観を良くする方法
最後に、窓と外観の共通項についてみていきます。窓は室内はもちろん、外観にも大きく影響してきます。窓の役割と目的である「視認」「採光」「通風」にだけ目をとられ、室内の空間は居心地が良いのだけれども、外観が良くないんだよなぁとならないために、大事な要素をお話していきます。
外観と内観、合わせて家ですから、最後に外観を良くする窓の使い方についてしっかりとポイントを抑えておきましょう。
四角い家では引違い窓を多用しない
実は日本では一般的な窓である引違い窓は外観デザイン上、非常に失敗しやすい、デザインに取り込みにくい難しい窓と言う側面を持っています。
ひと言で言えば、引違い窓を多用すると外観上、魅力がない一般的な普通の家に見えてしまいます。
昔建てられた家でよく見ますが、引違い窓が横に2つ並ぶとさらに野暮ったい印象を与えます。
ではどうすれば良いのかというと、縦長の窓や横長の窓、丸窓や四角い窓などのデザイン性に優れた窓を外観に取り入れると、外観デザイン上の良いアクセントとなり、野暮ったさを軽減してくれます。
特に四角い家の場合は、何も考えずに引違い窓を使用すると、外観デザイン上魅力のない家になりがちなので、縦長の窓を使用するなどをし洗練された印象を残すことが大事となります。
逆に外壁面が広い家の場合は引違い窓を適切に使用すれば、窓の面積を増やすことでそれがアクセントとなり、非常に整った印象を与えることが出来ます。
総じて引違い窓は、家のカタチを考えて適切な場所に窓を設置することが前提の窓で、うまくデザインに取り込む必要があります。
窓を組み合わせる
窓の大きさや、窓のカタチや、窓の種類によって、外からの家の見え方は随分と変わってきます。
その点、枠の少ないFIX窓は外観上もスッキリした洗練された印象を残すことが出来ます。ただし、FIX窓を多用すると窓の機能のひとつである「通風」の機能を著しく損ねることになりますから注意が必要です。
その場合は、1つの場所にFIX窓+○○窓のように、上手に窓の種類を組み合わせると機能性を損なわずに窓を配置することが可能です。
窓の位置はそろえる
最後に窓の位置をそろえると外観がスッキリして見えます。
縦のラインと横のラインの高さ、それに長さをそろえるカタチで窓の位置を考えると、外観上整った印象を残すことが出来ます。もちろんあえて、バランスを崩すことで、外観デザインに活かす方法もありますが、一般的にデザインに取り組むことは非常に難度が高く難しいです。
あえてバランスを崩してアンバランスな配置にすることで外し、洗練されたデザインとしている窓を見ますが、やはり非常に稀です(アンバランスで洗練されたデザインの家とは、先に紹介した、保坂猛建築都市設計事務所の「ROOM ROOM」のような家です)。
窓の位置を崩した外観は、窓の位置をそろえる外観よりも、それだけデザインセンスと実用性を兼ね備えた設計士の実力が問われる非常に難しい配置になるので、信頼できる設計士に頼まなければなりません。
窓の断熱性能について
実は、窓は家の断熱性能を考える上で切っても切り離せない関係にあります。
あまり知られていませんが、家の断熱性能をあげる上で、一番手間とコストをかけずにあげる方法が、実は「窓の断熱性能を高める」ことです。
家づくりで一般的に使用される窓は壁の10分の1ほどの断熱性能しかありません。壁から逃げる熱や入ってくる熱は、10%から20%と言われている一方で、窓の場合は、冬場の暖房時に窓から逃げる熱は約50%で、逆に夏場の暑い時期には70%の熱が窓から入ってくると言われています。
それだけ窓があるだけで、暖めたり、冷やしたりした熱が窓からどんどん逃げていってしまっているということになります。
窓は、断熱性能を高める上で、一般的に知られている断熱材のように、全ての家に高性能な窓が設置されているわけではありませんが、窓次第で3倍ほど性能に差が出てきます。
極端な話しにはなりますが、窓をできるだけ排除し、開口部を減らすことで家の断熱性能を高めることは出来ますが、そうして家づくりを行なうと、部屋は暗くなるし、開口部がないので、風は通らず、湿気が溜まりやすく、圧迫感もあり居心地の悪い家が出来上がってしまいます。
だからこそ、窓の配置と性能は非常に大切で、適切な場所に適切な種類の窓を設置すれば、居心地をキープしながらも、断熱性能の高い家にすることができます。
窓の配置については、先にあげた「窓の配置」を参考にして頂くこととして、これから、窓の性能についてのお話をしていきたいと思います。
窓の性能はサッシ(窓枠)の性能と、ガラス部分の性能に分けられます。
ここから先は、一般的な家の性能を高めるための代表的なサッシ(窓枠)の性能を話した後、つづいて一般的な家に使われる代表的な窓の種類など、窓の性能についてみていきます。
サッシ(窓枠)の素材と性能
サッシ(窓枠)は、素材により断熱性、耐久性などの性能が大きく変わってきます。素材は「アルミ」「樹脂」「木」が代表的ですが、性能が低い順に並べると「アルミサッシ」「アルミ樹脂複合サッシ」「樹脂サッシ」「木製サッシ」の順番になります。
断熱性を高める為にペアガラスの利用も増えており、2枚のガラスの中間層によって断熱性が高まることで結露の発生を抑えられる仕組みになっています。
地域によって利用できないサッシもありますが、性能と素材だけをみるのではなく、それぞれの地域の特性にあったサッシを選ぶことが大事です。
アルミサッシ
アルミサッシは、軽くて錆びにくく、安価なので日本で一番普及率が高いサッシです。
アルミは樹脂や木材の1000倍熱を通しやすい素材ですが、価格が安く、耐久性と、気密性の高さから熱を通しにくい木材ではなくアルミサッシが普及しました。
アルミサッシは熱伝導率が高く、断熱性に劣る点が一番のデメリットとなります。
アルミサッシは耐候性や防火性に優れており、また強度もあり、重量も軽いため開閉操作がしやすく利便性がよい素材です。腐食しにくく錆びにも強いですが定期的なメンテナンスをせずにホコリが付着していると、腐食することもあります。
また結露がしやすいのもアルミサッシの特徴のひとつです。
アルミ樹脂複合サッシ
アルミ樹脂複合サッシは、室外側を耐久性の高いアルミに、室内側を熱が伝わりにくい樹脂にし、耐久性と断熱性を高めた機能を合わせもつサッシです。
つまり、樹脂と組み合わせることによってアルミの弱点を補っているサッシがアルミ樹脂複合サッシです。
・複合サッシ:代表的なものは先にあげたアルミ樹脂複合サッシですが、異なる素材を組み合わせたサッシを複合サッシと言います。
先にあげたアルミ樹脂複合サッシに見られるように、互いの短所を補い、長所を活かすもの同士を複合させたサッシです。
樹脂サッシ
樹脂サッシは、主に断熱性が高い塩化ビニール樹脂を材料にしており、基本的にはメンテナンスも不用ですが樹脂の種類や環境によって、経年劣化により割れを生じることがあります。枠が熱を通しにくい樹脂で出来ているため樹脂サッシと呼ばれます。
樹脂サッシは、アルミに比べると約1000分の1と圧倒的に熱伝導率が低く、断熱性も高いのが大きな特徴で、アルミと比べて結露も発生しにくく、気密性にもすぐれています。
そのため寒冷地である北海道や東北ではよくみられるサッシのひとつです。
ただしデメリットもありアルミサッシよりも強度が弱いこと、強度を出すために厚くする必要があるので、構造的に厚みがあること、さらに傷がつきやすいことなどあります。そのため、どうしても重くなってしまいます。
また、樹脂サッシはアルミサッシよりも塩害に非常に強いのも大きな特徴ですが、樹脂サッシの価格はアルミサッシよりも高くなります。
樹脂サッシは塩化ビニール樹脂で出来ており、一般的に塩化ビニールは劣化に弱いですが、塩化ビニールの表面にアクリル層で塗膜がしてあるため紫外線や温度など外部環境にさらされることによる劣化を防いでいます。
木製サッシ
木製サッシは、断熱性が高く結露しにくく、着色も可能で、木独特の風合いや質感、さらにデザイン性にすぐれ高級感もあります。ただし定期的な塗装やメンテナンスは必要となる為、維持費用も高価になります。
木製サッシは結露には強いですが、腐食しやすいというデメリットもありますのでやはり定期的なメンテナンスは必須となります。
木製サッシは、使用しているうちに、反りや狂いが出てくることもあり、他のサッシ素材と比べると扱いづらいという欠点もあります。
ただし他のサッシと比べると非常に高価になりますので、コストをできるだけ抑えたいという方には向いていません。
木製サッシについては、「こだわりの家づくりの26のオプションとそれにかかる費用と特徴」の「木製サッシ」の項も参考にしてください。
断熱サッシとは・・・断熱性能を高めたサッシのことです。複合サッシや樹脂サッシなど断熱性が高いサッシのことを、総じて断熱サッシと言います。
遮音サッシとは・・・遮音性能を高めたサッシのことです。二重サッシにしたり、防音ガラスにしたり、遮音性能を高めたサッシのことを、総じて遮音サッシと言います。
窓ガラスの種類
窓の性能を高めるためには、サッシ(窓枠)だけではなく、ガラスの性能も大事な要素となります。そこでここでは、窓ガラスの種類とその性能による特徴を見ていきたいと思います。
ガラスは大きく分類すると「単板ガラス(一枚ガラス)」と「複層ガラス(複数ガラス)」さらに紫外線防止や飛散防止、防犯機能を高めたガラスなど、用途や目的ごとにわける「ガラスの種類」にわかれます。
まずは、ガラスの枚数による違いを見ていきます。
「単板ガラス」と「複層ガラス」
単板ガラス
平板の一枚ガラスを単板ガラスと言います。表面が滑らかで透視や採光に優れているガラスです。現在の新築住宅では性能が悪いことから、単板ガラスを使うことはほとんどありません。
複層ガラス
2枚のガラスの間に乾燥した空気を密閉することで断熱性能を高めたガラスを複層ガラスと言います。「ペアガラス」とも呼ばれ、現在使われているガラスの主流となるのがこの複層ガラスです。(ガラスの層が3枚になったトリプルガラスもあります。)
スペーサーと呼ばれる金属部材で2枚のガラスの間に中空層を持たせ、2枚のガラスの間に空気の層を挟むことによって断熱性能を向上させてあるガラスです。
通常、2層となるガラスの間に乾燥した空気層が入っていますが、より断熱性能を高めるために空気層にアルゴンガスを入れたものや、真空にした複層ガラスもあります。
複層ガラスは、結露を減少させてくれる効果もあります。また合わせガラスにすることで遮音効果や防音効果も高まり、防犯性も高くなります。
Low-Eガラスとは
Low-Eガラスとは、複層ガラスの内面部に特殊金属膜をコーティングした低反射の複層ガラスのことをいいます。また金属膜をつける位置によっても性能がかわり、遮熱型と断熱型に分けることが出来ます。
複層ガラスのうち外側の内面部に金属膜をコーティングしたガラスを遮熱ガラス、内側ガラスの外側に金属膜をコーティングしたものを断熱ガラスといいます。
用途や目的別「ガラスの種類」
次に用途や目的別の「ガラスの種類」について見ていきましょう。
透明ガラス
基本となるガラスです。フロートガラスとも呼ばれます。一般的に見られる透明ガラスはフロートガラスで、フロートガラスを重ねたり、厚みがあると緑がかって見えます。厚みがあっても、重ねても、透明に見えるガラスは「高透過ガラス」と呼ばれます。
強化ガラスや防音ガラスなどの機能ガラスもフロートガラスを加工することでつくられ、ガラスのなかでも加工しやすいのが透明ガラスが一般的に用いられる理由です。
すりガラス
すりガラスとは、俗にいう曇りガラスのことです。ガラスの表面に細かい傷を付けたり、表面を加工することでスリ(曇り)ガラスにしたガラスを言います。表面はさらっとしています。
一般的には透明ガラスの片面に金剛砂や金属ブラシで不透明に加工します。
すりガラスを採用する上での注意点は、すりガラスは雨に濡れると透明度が増す点にあります。
また、曇っているから透過率が悪いと思われがちですが、同じ厚みの透明ガラス(フロートガラス)と比べても透過率に変化はありません。ただしすりガラスの方が表面に加工を施しているため、光が拡散して広がるので、光の透過率が低いように見えます。
厳密に言えばフロストガラスはデザインガラスに分類されます。見た目の違いで言えば二つを並べてみると、フロストガラスの方が透け具合が高いです。最大の違いは、手で触った時に手垢がつくものがすりガラス、手垢がつかないものがフロストガラスです。
フロストガラスは、サンドブラストによって表面に細かい傷をつけることでつくりますが、表面を化学的なフッ素加工を施し滑らかにすることで手垢をつきにくくしてあります。
合わせガラス
合わせガラスとは、2枚以上のガラスを強靭な樹脂の膜で接着して張り合わせたガラスのことを言います。
樹脂の膜により、ガラスが割れても飛び散る危険性を極力排除でき一般的なガラスと比べて安全性が高くなります。防犯ガラスや防音ガラスなどにも合わせガラスが使われることがあります。
合わせガラスは熱圧着された特殊なフィルムにより紫外線を99.9%カットする効果もあります。
また、中間膜に装飾を施すことで、柄や色などをかえることが出来ます。
複層ガラスは、2枚のガラスの間に中空層がありますが、合わせガラスは2枚のガラスを圧着してつくります。
強化ガラス
通常の透明ガラスに熱処理を加え、空気を均一に吹き付け急激に冷却することで強化ガラスは作られます。強化ガラスは、一般的な透明ガラスに比べて、約3倍〜4倍の耐風、耐強度を持つガラスです。
また急激な温度変化に対して一般的な透明ガラスと比べて数倍の耐熱性があります。
強化ガラスは、先にあげたようなしっかりとした強度があり、割れた時に粉々になる特徴があります。粉々になることにより、一般的なガラスが割れた時のように割れ目が鋭利にならないので、ガラスの破片で怪我をすることを未然に防いでくれます。
強化ガラスは危険を防止したガラスで、別名が安全ガラスとも呼ばれます。
その強度が特徴ですが、見た目は人間の目では一般的なガラスと見分けることが出来ません。
網入りガラス
網入りガラスとは、ガラスにワイヤーを封入したガラスのことをいいます。網入りガラスは、他にも線入りガラス、ワイヤー入りガラス、防火設備用ガラスと呼び方は様々です。
網入りガラスの中のワイヤーは防火設備の一種で、ワイヤーが封入されていることにより、火災時にガラスが飛散するのを防止する役割をします。火災時に破損した場合、ガラスの中の網により破片を支えることで、崩れ落ちたり穴があくのを防ぎます。
また網入りガラスは火災や火の粉の侵入を防ぎ、開口部からの延焼などを防ぐ効果が期待できます。
網入りガラスは、ガラスのなかに組み込まれている金属製のワイヤーとガラスの膨張係数が違うため、強化ガラスにすることは出来ません(膨張係数が違い熱処理加工すると割れてしまうためです)。
網入りガラスは防犯用と勘違いされがちですが、防犯用のガラスではありません。ガラスの中の網は一般的な工具で簡単に切断することが出来ます。
ワイヤーが封入されているためガラスが割れても飛び散ることはないですが、強度的には普通のガラスとかわりがありません。
デザインガラス
デザインガラスとは、様々な工夫を施した装飾ガラスのことをいいます。
◎型板ガラス
型板ガラスとは、ガラスの片面に型模様(凹凸)をつけたデザインガラスを言います。ロールアウト製法という、2本のロールの間に溶けたガラスを直接通して板にする方法で作られます。
型板ガラスの、特徴としては光は通しますが適度に視線を遮る効果があります(日射透過率は透明ガラスと変わりません。)。
型板ガラスは、その性能からプライバシーを守りながらも光を通したい場所に使われ、例えば浴室や洗面所、トイレなどのスペースや、近隣や道路側にある部屋に使用されます。
◎フロストガラス
フロストガラスとは、透明ガラスの片面をサンドブラストして、化学的なフッ素加工を施し滑らかな肌触りにしたガラスです。サンドブラストした面はざらざらしています。
見た目はすりガラスと同じですが、すりガラスと違い、触った時に手あかがつきにくいのが大きな特徴です(すりガラスは手で触ると油による指紋がつきます。)。
またすりガラスは水に濡れた時、ガラスの透明度が増しますが、フロストガラスは雨で濡れてもすりガラスのように透明度があがることはありません。
すりガラスと同様、乳白色のガラスで、片面は普通のガラスと同じような手触りで、片方はサンドブラストによる凹凸が施してあります。
◎クラックガラス
クラックガラスとは、3枚の合わせガラスで、強化ガラスを透明ガラスで挟んだガラスをいいます。
中央の強化ガラスだけがひび割れしており、ひび割れた感じがそのままデザインガラスとして採用されており、見た目がオシャレなガラスです。
割れた強化ガラスが挟まれているため、ガラスの破片を直接手で触ることができないので安全に使用することが出来ます。
性能の高い窓の選び方
窓の構成部分である代表的なサッシ(窓枠)と、住宅建築でよく使われるガラスの主な特徴は先にあげた通りです。
窓を選ぶ時には、その特徴と性能をしっかりと見極め、適切な場所に、適切な組み合わせの窓を設置することが重要です。しかし、家づくりを行なう中でも、窓はもっとも選択肢が多い部位のひとつで、どの窓がいいのかわからなくなることも多いかと思います。
そのため、この記事の最後に、素人でも簡単に窓の性能を見分けられる省エネ建材等級についてお話していきます。
性能のいい窓の簡単な選び方
平成23年3月31日までは、窓等の断熱性能表示ラベルである省エネ建材等級が「窓ラベル」「サッシラベル」「ガラスラベル」と分かれていましたが、平成23年4月1日より、このラベル表示が「窓ラベル」に一本化されました。
カタログなどに記載されている数値を見れば窓の性能を見比べることが出来ますが、表示ラベルが一本化されたことで、断熱性能を見分けるのが非常に簡単になりました。
熱エネルギーが壁や窓ガラスを通し、温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象を「熱貫流」と呼び、そのときに熱の伝わりやすさを表す数値を「熱貫流率」といいます。
1㎡の面積あたり、1時間でどれくらい(何キロカロリー)の熱が流れるかを表すもので、数字が小さいほど、熱を逃がしにくく暖房のききやすい、冬暖かいガラスといえます。
上のラベル表示をまとめた表を見て頂くとわかりやすいのですが、単純に黄色く塗りつぶされた「★」の表示が多いほど断熱性能の高い窓であるということがわかります。
窓の種類は、断熱性能があがるほど少なくなってきますので、極論すれば、デザインを取るか、性能をとるかという話しにもなってきますので、それを見極めて取捨選択し、適切な性能の窓を選ぶことが大事になってきます。
いくら、性能のいい家を建てたとしても、性能だけが良い家になってしまったら逆に居心地の悪い家になってしまいますから、このあたりのバランス感覚は非常に大事になります。
つまり、価格が安く設定されていても、窓のグレードを下げているから、家の価格が安くなっているだけであり、標準かそれ以上の性能にしようとするとオプションで価格が跳ね上がることがありますので注意してください。
まとめ:家づくりの窓の話
窓は意外に軽視しがちですが、家づくりにとって家の快適性を左右する非常に大事な要素のひとつです。
適切な場所に適切な窓を配置すれば、住み心地もよくなり、自然と家族との会話も進むでしょう。窓の配置は、それだけ家づくりに取って重要です。
家づくりで抑えておきたい基本的な窓の話しは、今回の記事に全てまとめたので、何度も読み込んで理解し、家づくりのプランに役立てていって頂ければと思います。
最後に重要なので繰り返しますが、窓は「採光」「視認」「通風」を目的として設置するもので、設置は「縦横」「上下」を意識して、窓の種類を組み合わせることで素敵な窓のプランが出来ます。
迷ったら一度立ち止まり、基本に立ち返ることで、見えてくるものがありますので、窓の配置で迷ったら、このページを参考にして窓のプランニングを進めてください。
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予算内でいい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと
予算内で、いい家を安く建てるために知っておいて欲しいことが、実は、3つあります。
ここでは、いい家を安く建てるために知っておきたい3つの記事をご紹介します。
1:予算内でいい家を建てるための7つの基本
注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーします。
予算をオーバーする原因は様々ですが、打ち合わせを重ね、プランを進めてしまうと、一度プランを白紙に戻さないと引き返すことができなくなるなど、後戻りができなくなってしまうケースもあります。
もちろんプランを白紙に戻した際は、余計なコストがかかることは言うまでもありません
ですから、家を検討しはじめた、早い段階で依頼する側が、最低限の家を安く建てるための基本やコツを知っておき、しっかりとコストをコントロールをする必要があります。
また、何も知らずに依頼先の住宅会社と契約をかわしてしまうと、依頼先の住宅会社では希望している家が建てられないということが、家づくりのプランを進めてからはじめてわかり、納得しないままに家づくりを進めなくてはならないこともあるので、契約をする前にベースとして持っておきたい知識があります。
下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因やコストダウンの基本などについてお話ししていますので、参考にしていただき、予算内でいい家を安く建ててください。
2:注文住宅を予算内におさめるために知っておきたい家の形の話
家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。
また家の形次第で、間取りに制限がかかるなど、暮らしやすさが大きく左右されたり、長期間住むことで建物がダメージを受ける部分が違うためメンテナンスにかかる費用(維持費用)が変わってきたり、家の形によるメリットやデメリットが少なからずあります。
特に角の多い家は、注意が必要で、角が一箇所増えるにつれて、見積もり金額に10万円から20万円の金額差が生まれます。
下記の記事では、お金のかかる家とお金のかからない家の形の違いについてお伝えすると同時に、どのような家の形はコストが上がるかなどの例も載せておきますので、注文住宅で家づくりを検討しはじめたら、長い目で、家の形にも注意して家づくりを進めていくことをお勧めします。
家の形については下記の記事を参考にしてください。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
3:無料でもらえる住宅カタログを使って家づくりを進める方法
注文住宅での、家づくりは情報を集めるところからスタートします。
そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。
実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に違いが生まれますし、予算の違いだけではなく、同じ要望でも依頼先次第で提案されるプランも違ったり、できることやできないことも違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。
だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決める必要があります。
依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、押さえておきたいポイントなどがあります。
下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、押さえたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。
>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ
以上、参考にして家づくりを進めてください。
【家づくりを失敗しないための住宅会社の選び方】
家づくりは依頼する住宅会社次第で成功するかそれとも失敗に終わるのかが大きく分かれてきます。
それでは、家づくりを失敗しないための住宅会社選びのポイントはどこにあるのでしょうか?
下記の記事では、3つのポイントに絞り失敗しない住宅会社の選び方をご紹介しています。