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片流れ系の屋根6種のメリットやデメリットについての解説と屋根選びの注意点

屋根の形は、外から見た家の印象を大きく左右します。

しかし、そうした表面的な形だけではなく、屋根本来の役割である「建物を守る」目的、それにそれぞれの屋根の形における「機能性」を考慮して選ぶ必要があります。

よくありがちな失敗として、先に間取りを決めてから、最後に後付けで屋根の形を決める、といった間違いが家づくりの現場ではよく見られますが、家全体のバランスを考えた場合、それではバランスが崩れてしまい、住む人にとって本当にいい家を建てることができません。

屋根の形を決して後回しにしてはいけません。

本来、屋根の形と、間取りは別々に決めるものではなく、全体のバランスを見て「間取り」を考えながら、同時に「屋根の形」も検討していくといったように、総合的に決めていくものだからです。

そのためには、まずは、それぞれの屋根にどんな特徴や、メリット、それにデメリットがあるのかを知らなくてはなりません。

今回の記事では、「片流れ系の屋根」についてお話ししていきますので、あなたの家づくりの役に立てていただければ幸いです。

【いい家を安く建てるために知っておきたい3つのこと】

予算が限られた中で注文住宅をプランニングしていきますから、現場では常に予算との戦いです。

これから建てる注文住宅を、予算内におさめるためにおさえておきたい具体的なポイントについては、それぞれの下記リンク先の記事にまとめておきましたので参考にしてください。

1:いい家を安く建てるための基本とコツ

下記リンク先の記事では、注文住宅を予算内で建てるための基本やコツを7つご紹介させていただいています。

どれも大きくコストを削減できる方法について、下記リンク先の記事でまとめさせていただいていますので、これから家を建てることを検討されている方はぜひ、一度ご覧になり参考にしてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家を安く建てるために抑えておきたい、家の形の話

家には「お金のかかる形の家」と、「お金がかからない形の家」があります。

それぞれの家の特徴について、下記リンク先の記事でまとめておきましたので、あなたの家づくりの参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でカタログを請求し理想の家を建てる方法

注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に決める必要があります。

下記リンク先の記事では、家を建てようと思い立ってから、どのような家にしたいのかをまとめる方法から、住宅カタログを請求し、理想的な依頼先を探す方法までをまとめさせていただいています。

これから、注文住宅で家づくりを予定されている方は、一度読んでいただくと参考になる点が多いと思いますので、読んでいただいてから依頼先を検討されることをお勧めします。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ




屋根の形は大きく分けると3つの形(系統)に分けられる

主な屋根の形:左から切妻屋根、片流れ屋根、寄棟屋根、方形屋根

注文住宅に使われる屋根の種類は、大きく分類すると下記の3系統にまとめることができます。

【注文住宅で使われる屋根の種類】

1:切妻系の屋根
2:片流れ系の屋根
3:寄棟・方形系の屋根

注文住宅で用いられる片流れ系の屋根一覧

注文住宅で使われる屋根のうち、片流れ系の屋根をまとめると下記の通りとなります。

今回の記事では、下記6種の片流れ屋根について、屋根の特徴とメリット、デメリットを解説しています。

【片流れ屋根の基本】

1:片流れ屋根
2:陸屋根

《片流れ屋根+切妻屋根》

3:招き屋根
4:腰折の片流れ屋根

《片流れ屋根の応用パターン》

5:湾曲片流れ屋根
6:鋸屋根

※「切妻系の屋根」の特徴については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

※「寄棟・方形系の屋根」の特徴については下記リンク先の記事にまとめてあります。

>>>もう、屋根の形で悩まない!寄棟・方形屋根の特徴と押さえておきたい5種の形

※大まかな屋根の役割と機能については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>家づくりで知らないと損する8種類の屋根の形とそれぞれの特徴

注文住宅で使われる、おさえておくべき基本的な屋根の形

繰り返しになりますが前項でお伝えしたように、一般的な住宅に使われる屋根の形は、大きく分類すると3系統にまとめることができます。

【一般住宅で使用される屋根の3つの基本形態】

1:切妻系の屋根
2:片流れ系の屋根
3:寄棟・方形系の屋根

そして、以上3つの基本的な屋根の形をベースに、発展、派生した形で様々なバリエーションの屋根が存在します。

腰折の片流れ屋根

見た目が平らで水平の形をした陸屋根

例えば、今回お話しする、片流れ系の屋根には「腰折れの片流れ屋根」と呼ばれる、片流れ屋根が途中で二段階勾配に折れたものや、「陸屋根(「ろくやね」または「りくやね」)」や「フラットルーフ」と呼ばれる勾配がない屋根(厳密には緩勾配)が、片流れ系の屋根にあります。

片流れ屋根とは

片流れ屋根は1方向のみに傾斜がある屋根

片流れ屋根(かたながれやね)とは、一方向のみに勾配(傾斜)がある屋根のことを言います。

片流れ屋根の大きな特徴として、雨樋を取り付ける方向を一方向に限定できるので、外観上、とてもスッキリした屋根の形に納めることができるメリットがあります。

また、片流れ屋根では、屋根の傾斜が一方向(片側)にのみ流れるため、屋根面においては複雑な取り合いの必要がなく、雨仕舞いに優れている特徴があります。

ただし、片流れ屋根は、屋根の形状で弱点となる箇所も存在するため、しっかりと「雨仕舞い対策」を施すことが必要となります。

吹き抜けの間取りと相性が良い片流れ屋根

片流れ屋根は、「吹き抜け」の間取り(空間の取り方)と相性が良く、登り梁形式(のぼりばりけいしき)の片流れ屋根にすることで、視線の抜けが良い開放的な空間にすることも検討できます。

「和小屋形式」と「登り梁形式」

デザイン次第では、シャープで印象的な外観シルエットにできるため、最近ではモダンな建物でも片流れ屋根が用いられ、人気があり、多くの住宅建築で使用されています。

特に屋根の形がフラットな陸屋根(りくやね・ろくやね)などは、建築家が建てる家で、よく見かけられる屋根の形になります。

吹き抜けの特徴や、吹き抜けにすることでのメリット、デメリットなどについては下記リンク先にまとめてありますので、吹き抜けを検討されている方は、一度読んでいただき、検討してみてください。

>>>吹き抜けの家にする12のメリットとデメリット

片流れ屋根の特徴

片流れ屋根はデザイン性に優れる 写真:SUVACO 設計:建築家 前島周子

切妻系の屋根と同じように、屋根の形状が変われば、それに伴って、屋根の機能性や、建物内部の間取り(空間の取り方)なども大きく変わります。

具体的に言うと、片流れ屋根の特徴は下記のようにまとめられます。

【片流れ屋根の主な特徴】

1:「温度差」による屋根通気が取りやすい
2:各種斜線制限を交わしやすい
3:狭小地や傾斜地と相性が良い
4:吹き抜けと相性が良く、効率よく採光を取れる
5:モダンな外観と相性が良い
6:平屋との相性が良い

片流れ屋根の特徴1:「温度差」による屋根通気が取りやすい

片流れ屋根の屋根通気 イラスト:kamisei

片流れ屋根は、「水下」と「水上」の高低差が大きいため、温度差による屋根通気が取りやすい特徴があります。

ただし、注意点が2点あります。

まず、高低差があるほど、「温度差」が生じやすいため、通気を良くするためにも、ある程度の「勾配(屋根の傾斜)」が必要となります。

それに、「温度差」による屋根通気は取りやすいものの、片流れ屋根は、片側からしか空気の流れが生み出せない構造のため「屋根換気不足」が起こりやすく、屋根全体としての「通気性」が良いとは言えません。

そのため、「屋根裏換気」として、通気を良くするために「何らかの工夫」が必要となります。

片流れ屋根の特徴2:各種斜線制限を交わしやすい

土地には見えない建築ラインが存在する 画像:アールプランナー不動産

片流れ屋根は、棟側を頂点として、背の低い側の1方向に傾斜がつけられていきます。

そのため、建物の背が「低くなる」方を道路側などの各種制限がかかる方向に配置することで、各種制限をかわすことができます。

また、斜線制限がかかった土地の上の「見えない建築許可ライン」なりに沿って、屋根をかけることも検討できます。

ただし、斜線なりにかけた屋根の勾配はどこか安っぽくなってしまうのでセンスが必要です。

片流れ屋根の特徴3:狭小地や傾斜地と相性が良い

都市部に家を建てる場合、敷地面積を広く取ることができず、狭小敷地に家を建てることになるケースは多いです。

そうした、狭小地と片流れ屋根は相性がよい家となります。

片流れ屋根の特徴4:吹き抜けと相性が良く、効率よく採光を取れる

片流れ屋根は、吹き抜けの空間と相性が良く、トップライトをかければ、内部空間への風通しはもちろん、採光を効率的に取ることができます。

《注文住宅の「窓」について悩んでいるんだけど・・・》

トップライトを含む「注文住宅の窓」については、下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>注文住宅の窓で失敗しないために抑えておきたい21種類の窓と配置のコツ

片流れ屋根の特徴5:モダンな外観と相性が良い

片流れ屋根はモダンな外観と相性が良い 写真:pinterest

片流れ屋根の特徴として、外観が非常にスタイリッシュでシャープなシルエットになる特徴があります。

そのため、近年見られる過度な装飾を嫌い、余計なものを削ぎ落とす志向の「モダンな住宅デザイン」と相性が良い屋根になる特徴があります。

片流れ屋根の特徴6:平屋との相性が良い

写真:Black Box Architects

平屋の家を建てる時は、片流れ屋根を採用するケースが多いです。

平屋の家に片流れ屋根を採用すると、天井が高く、開放的な空間にできるほか、高い位置に窓を取ることができるので、高い位置から風を通したり、採光を取ることで家の中の風通しが良い明るい空間にすることができるからです。

片流れ屋根は、平屋を計画する際に、特に、通風計画や採光計画する上で非常に合理的な屋根の形となります。

※平屋については下記リンク先の記事を参考にしてください。

近年、平屋住宅を好まれる方が増えていますが、一般的なイメージと違い、平屋はそこに住む人を選ぶ住居形式です。

例えば、平屋は一般的な「2階建住宅」と比べて建築費用が高くなるといったら、ほとんどの方が驚きの声をあげます。

2階をつくらない分、家を建てる費用を、その分安く建てることができると思われているからです。

そうした平屋の特徴など、意外と盲点になりやすい点については下記リンク先にまとめてありますので、平屋で家づくりを検討されている方は、一読していただくと家づくりに関する失敗を未然に防げると思います。

>>>新築で平屋住宅を建てる9つの注意点と21のメリットとデメリット

さらに、一見するとわがままな要望に応えながらも、おしゃれな平屋にしたい場合は、下記リンク先の記事におしゃれな平屋にするコツについてまとめさせていただいているので、参考にしてみてください。

>>>おしゃれな平屋にする4つのポイントと17の間取りのアイデア

最後に、平屋といっても様々な家の形を検討できます。そしてそれぞれの家の形によってメリットやデメリットがあります。

平屋で失敗しないための家の形については下記リンク先の記事にまとめてありますので、家づくりを進めるにあたって参考にしてください。

>>>平屋の間取りに差が出る、知っておきたい5つの平屋の形とメリット、デメリット

片流れ屋根の「妻側」と「平側」はどっち?

妻とは イラスト:石川商店

「妻側」とは、わかりやすく言えば、建物に対して「三角形が見える側」のことを言います。

切妻屋根は「妻側」と「平側」がわかりやすいですが、片流れ屋根になると「妻側」と「平側」が、わかりにくくなるようです。

そこで、補足説明として、片流れ屋根の「妻側」と「平側」について解説していきます。

片流れ屋根の「妻側(つまがわ)」はどっち?

片流れ屋根の「妻側」

建築でいう「妻側」は「棟」と「直角方向」に交わり平行材が渡される面のことを言います。

そのため、片流れ屋根でいう「妻側」は、左右非対称側、つまり外観として片流れ屋根の象徴的な形が見られるアシンメトリーがあらわれる側が「妻側」となります。

つまり、片流れ屋根は正面から見た場合、「妻側」の壁面が「左右非対称」のアシンメトリーの形になります。

都市部の住宅密集地などで、各種斜線制限にかかる場合、道路との位置関係によって屋根の向きが決まりますが、敷地に対して建物の配置の仕方次第で、斜線制限をかわしやすい特徴があります。

片流れ屋根の「平側(ひらがわ)」はどっち?

片流れ屋根の「平側」

「平側」は「軒桁」側の面になります。

つまり、片流れ屋根でいう「平側」は、建物の四角い形が見られる、「左右対称」の形が見られるシンメトリーがあらわれる側が「平側」となります。

ちなみに、似たような意味の名称に「ケラバ」という部位名称がありますが、建築的には、「妻側」の端部のことを「ケラバ」と言い、「平側」の端部のことを「軒(のき)」と言います。

また、軒の先っぽのことは「軒先(のきさき)」と言います。

一般的には「ケラバ」と「軒先」は混同されて使われることが多いですが、建築に関わるものの間では使い分けされています。

※ややこしくなりますが、建物の四方が屋根に囲まれている「寄棟屋根(よせむねやね)」の場合は四方が「軒先」となります。

寄棟屋根の特徴については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>もう、屋根の形で悩まない!寄棟・方形屋根の特徴と押さえておきたい5種の形

片流れ屋根の注意点

片流れ屋根の注意点を下記にまとめましたので、これから家を建てる際の参考にしてください。

必ず、点検やメンテナンスを考慮した家を建てる(足場を組まなくても屋根の上に登れるようにする)

片流れ屋根に限りませんが、家を建てるときは、必ず「点検」や「メンテナンス」の際のことを考慮して家を建ててください。

これは意外と盲点になりますので、依頼者である家づくりを依頼する側が、しっかりと管理して進めなければならないように感じます。

特に、建築家などに依頼するときは、注意が必要です。

注文住宅を依頼する建築家が、どのような家づくりを得意としているのかにもよりますが、デザイン(意匠)に走りすぎてしまい、建てた後のことを十分に考えずに、家を建てている事実も散見されるからです。

では、具体的にどのような部分に注意して、屋根をかけ、家を建てるべきなのでしょうか。

主な注意点は下記に列挙しておきますので、家を建てた後の「点検」や「メンテナンス」のことを考慮した家を建てる際は、特に下記のような点に注意していただくと良いと思います。

【屋根をかける上での注意点】

1:屋根の勾配は4寸から6寸以内に抑える
2:点検のために屋根に登れる場所を確保する
3:片流れ屋根の向きによる野地板結露に注意する
4:屋根の換気不足による内部結露を考慮する

※以上の注意点は、片流れ屋根に限定したものではなく他系統の屋根にも同様なことが言えます。

1:屋根の勾配は4寸から6寸勾配以内に抑える

屋根の勾配は4寸から6寸勾配

屋根の勾配は、4寸勾配から6寸勾配以内に納めるようにしてください。

7寸勾配以上だと、屋根にのぼるのが大変で、命綱をつけないと命の危険を伴うケースが多いです。

実際に7寸勾配以上の屋根にのぼってみればわかりますが、7寸勾配は想像しているよりも、かなり急な傾斜で、人が立つのが容易ではありません。

基本的には、屋根は勾配がある方が雨水がよく流れますし、雨漏りのリスクは少なくなりますが、点検やメンテナンスのことを考えると、あまり好ましいとは言えません。

屋根の勾配を急にすると、外観デザインが良くなる上に、屋根裏の有効活用も検討できますが、家は総合的に考えて間取り(空間の取り方)を検討し、デザインしていかなければ本当の意味で、いい家を建てることはできないと心がけておくといいと思います。

2:点検のために屋根にのぼれる場所を確保する

屋根の点検や、メンテナンスを行うために屋根の上に登れる仕組みは、必ず確保しておいてください。

例えば、サービスバルコニーなどをつくり、梯子(はしご)をかければ、いつでも屋根の上に登って、屋根を点検できるようにしておくなどの工夫をしておくと簡単に点検やメンテナンスができるようになります。

また、都市部に多く見られますが、狭小地や、敷地目一杯に家を建てる場合、梯子(はしご)をかけられず、気軽に屋根の上に登れない家も散見されます。

屋根の点検をはじめ、外壁のメンテナンスや点検のことを考えると、敷地目一杯に建てることは好ましくありませんが、どうしても都市部に建てる場合はそうせざるを得ないケースもあります。

そうした場合は、点検やメンテナンスの際に足場を組む必要がありますが、点検やメンテナンスの度に足場をかけなくてはならないとなると、お金もかかりますし、手間もかかり非常に大変です。

余裕を持たせずに敷地目一杯に建てられた家は、家を建てた後の維持費が高くつく家になってしまいます。

だからこそ、点検やメンテナンスをしやすいように設計しなければなりませんし、依頼者側もしっかりと管理して、依頼内容にそうした内容を盛り込むべきだと思います。

※点検やメンテナンスのことまで考えて建てられている家は意外と少ない!?

屋根の上に登って点検をできるようにすることは必須

意外なようですが、家を建てた後の屋根の点検やメンテナンスのことを十分に考えて、点検やメンテナンスがしやすいようにデザインして建てられている家は非常に少ないです。

これは、街中を歩いていて本当にそう思います。

例えば、外観デザインを良くするために屋根の勾配を必要以上に急勾配にする家などもそれに当たります。

屋根の形にもよりますが、確かに急勾配の屋根は、雨水の流れがよく、きちんと処理すれば雨漏りは少なくなりますので、雨仕舞いが良いということもできます。

また、勾配が急な屋根は、何よりも見栄えが良く、デザイン的にも格好がいいです。

ですが、点検やメンテナンスの際には今度は勾配が邪魔をします。

例えば、雨樋が詰まった際に、いちいち足場をかけて掃除をしなくてはならなくなると、足場をかけるための費用は高くつきますから、点検やメンテナンスのたびに、とんでもないお金が飛んでいきます。

小屋裏が欲しい場合も、勾配が急になる傾向にありますが、雨漏れなどが起きた時にいつでも登れるようにしておかないと、何か起こった時にすぐに対処をすることができなくなります。

多くのケースでは「デザイン」と「実用性」はトレードオフの関係にあることを、しっかりと肝に命じて家づくりをされてください。

3:片流れ屋根の向きによる「野地板結露」に注意する

特に都市部などに多くみられますが、片流れ屋根は、北側斜線などの高さ制限から、「北面片流れ屋根」にするケースがあります。

「北面片流れ屋根」のケースでは、北面に向いた片流れ屋根で陽の当たる部分と、陽が当たらない部分で、温度差が生じてしまうことがあります。

つまり、日中暖められた木から「湿気」が放出され、北面の野地板などの木材の「含水率」を高めるなど、見えないところで「高湿化」し、しまいには「結露」が生じ野地板を腐らせてしまう「野地板結露」を生じてしまう可能性があります。

イラスト:国土交通省 国土技術政策総合研究所

対して、「南面片流れ屋根」の場合は、屋根に太陽光パネルを設置するケースが多いと思いますが、パネル下の部分では、「北面片流れ屋根」と同じような現象が起きてしまい、「野地板結露」により屋根の耐久性を損なわせてしまう可能性があります。

こうした「野地板結露」を防ぐためには、「屋根材」と「野地板」の間の「通気」を良くすることが、まず第一に必要ですが、それ以外にも「透湿ルーフィング」を貼って対処するなどの対策を予め施しておく必要があります。

4:屋根の換気不足による内部結露を考慮する

片流れ屋根では、一方向にしか空気の流れ(換気)がないため、小屋裏換気が悪くなり空気の循環ができず、内部に溜まった空気が外に出ることができず、空気が滞りがちです。

そのため、小屋裏換気をしっかり取る必要があります。

高い温度は「低い」ところから「高い」ところに、低い温度は「高い」ところから「低い」ところに降りていきますから、「温度差」による屋根通気は問題ないことが多いですが、片流れ屋根は「風の力による小屋裏換気」には弱いところがあります。

(ただし、片流れ屋根の勾配を緩くしてしまうと高低差がなくなるので、「温度差」が発生せず、高低差をいかした「温度差」による通気も難しくなります)

野地板の腐食 写真:pinterest

片流れ屋根の場合、小屋裏喚起が不足すると小屋裏の「湿度」が高くなり、野地板が腐ってしまうなどの問題が生じてしまう恐れがあります。

小屋裏の喚起を良くするためには、「喚起棟」を多く設置したり、軒を出し屋根全周に「軒天喚起」を施すなどの対策が必要になります。

また、軒の出を出した場合は「軒天喚起」ではなく、雨漏りのリスクが低い「棟喚気部材」などを設置して、「外壁通気層」と一緒に「棟換気部材」から、換気を促すといいと思います。

片流れ屋根は、実はコストがかかる

片流れ屋根が屋根の中で一番コストがかからない屋根って本当?

片流れ屋根は、一番コストがかからない屋根と言われることがあります。

確かに屋根の形がシンプルなため、施工が容易で工期も短く、コストをかけることなく屋根をかけられるので、「屋根をかけるためにかかるコスト」という限定的な形であれば、経済的合理性がある屋根といっても差し支えないと思います。

片流れ屋根は、実はトータルコストを考えると建築コストが高くなる

片流れ屋根はコストがかかる

ただし、片流れ屋根は、「屋根」にかかるコストは抑えられても、一方で、「壁面」の面積が広くなることが多く、家を建てるために必要な「建築費用」をトータルで考えると、切妻屋根よりもコストが高くついてしまう可能性が高くなります。

また、片流れ屋根は、雨仕舞いに関しても、最も優れている屋根と言われることもありますが、それも条件次第です。

片流れ屋根は、建築家が好むような軒先をなくした、シャープかつスタイリッシュでモダンな外観デザインの場合、むしろ弊害の方が多く、施工次第といった側面もありますが「潜在的に雨漏れのリスク」を抱えている、雨漏れが起こりやすい家となってしまっている可能性が高いです。

もちろん、「防水対策」をきちんと抜かりなく行えば、問題がないケースもあるかと思いますが、それでもやはり、「点検」や「メンテナンス」を頻繁にする必要があるため、建てた後の建物を維持管理する費用は高くなります。

片流れ屋根が切妻屋根よりもコストがかかる大きな理由は2つ

片流れ屋根が、切妻屋根よりも、家を建てるためのコストがかかる理由は2つです。

【片流れ屋根が切妻屋根よりもコストがかかる2つの理由】

1:「壁面積」が増える
2:「開口部」が増える

まず、第一に片流れ屋根にすることによって、「壁面積」が増えることがあげられます。

一般的な住宅建築では、「屋根」よりも「壁」にかかるコストの方が高くつきますから、「壁面積」が増えた分、家にかかるトータルコストで考えると総費用が高くなります。

さらに、それだけではなく「壁面積」が増えた分、窓などの「開口部」を設ける必要がありますから、それに伴ってコストが高くなっていきます。

つまり、「開口部」の工事を増やすほどに、家を建てるために必要となるコストは高くなりますから、その分費用がかさんでいくという結果になります。

※家を安く建てるためには、一体何に気をつければいいの?

実は、工夫次第で家は安く建てることができます。

家を安く建てる基本やコツについては、下記リンク先の記事にまとめてありますので、注文住宅を依頼する際の参考にしてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

片流れ屋根の最大のポイントは防水対策にあり

片流れ屋根の防水上の弱点 写真:pinterest

屋根は雨仕舞いが肝心になりますが、片流れ屋根も、他の屋根と同様に「屋根」と「壁」が交差している際(きわ)の部分が防水上の弱点となります。

特に、「ケラバ」や屋根と壁の「取り合い部分」から雨が建物内部に侵入して野地板を腐らせ、建物の耐久性を著しく損なわせます。

片流れ屋根では、重点的に背の高い「棟側」の「軒天井」に適切な処理をする必要があり、雨仕舞いが悪いと、「軒先」から水が入り、雨漏れを起こしやすくなるので注意が必要です。

片流れ屋根の防水対策の具体的な対処法について

注文住宅を依頼する側にはあまり必要ない知識かもしれませんが、設計者がどのような対策を施しているのかを頭の片隅に入れておいてください。

片流れ屋根の、雨漏れの対策として代表的な対策は下記の通りです。

【片流れ屋根の代表的な雨漏れ対策】

1:透湿ルーフィングを棟に巻く
2:打ち継ぎ部分にルーフィングを増張りする
3:軒換気部材としてイーヴスベンツなどを使う

屋根の隙間からでも雨漏れを起こす

雨の侵入を防ぐために、パンチングをする設計も見られますが、正直パンチングだと雨仕舞いとしては弱く、台風などで雨風が強いと簡単にパンチングの穴の部分をすり抜けて、建物内部に簡単に雨が吹き込んでしまいます。

雨仕舞いをしながら、屋根の換気を促すためにも、最低限、上記であげたような対策をするといいと思います。

片流れ屋根は、実は雨漏れがしやすい

雨漏り進入経路 雨漏り匠ナビ

片流れ屋根で、雨漏りがしやすい箇所は「棟」「ケラバ」「軒先」です。

「棟」「ケラバ」「軒先」において、雨が漏れない対策をしっかり施さないと、片流れ屋根の頂上部分である「棟部分」から伝い水として、水が伝って建物内部に侵入し、雨漏れしやすくなってしまいますので注意してください。

特に、野地板が張られている「破風板(はふいた)」の頂部の野地板が露出している部分と、「軒天井」と外壁の取り合い部分から雨が伝って、建物内部に侵入しやすくなりますので注意してください。

今、話したように、片流れ屋根は、設計や施工次第という側面ももちろんありますが、台風などの強風雨が起きた際に雨が、屋根と壁の取り合い部分から吹き込んでしまいやすい特徴があります。

雨が建物内部に侵入すると建物の寿命が短くなる

軒のない片流れ屋根は雨漏れのリスクが増す イラスト:マイベストプロ

切妻屋根の際も書きましたが、建物の内部に雨が侵入すると、木造住宅ではカビや腐り、鉄骨住宅では錆(さび)を生じさせ、建物の寿命を著しく損なわせてしまいます。

切妻屋根と同様、片流れ屋根でも、デザイン重視とする場合、「軒の出」をなくして外観をすっきりと、シャープに見せる意匠を施すことも多いですが、雨の多い日本の住環境には「軒の出」をなくすことは適さないことが多く、デザインを重視してしまうと、雨漏れのリスクが高くなることを十分に鑑みて検討するべきことだと思います。

特に、「水上」の「ケラバ部分」の処理を適切にしないと、建物内部に雨が侵入しやすくなりますので注意してください(片流れ系の「招き屋根」にするという対策を取る場合もあります)。

※片流れ屋根は、切妻屋根よりも雨仕舞いに優れているというような記事を見ることがありますが、そんなことはありません。

もちろん設計や施工次第という側面もありますが、一般的には片流れ屋根は、雨漏りのリスクが非常に高い屋根となります。

片流れ屋根のケラバ部分の防水対策について

シール材付きケラバ水切り 写真:やねいろは

片流れ屋根の「ケラバ部分」については、「シール材付きケラバ水切り」を使用して、屋根材と密着させ、雨水のオーバーフローを防ぐ方法が効果的です。

シール材付きケラバ水切りとは、クッション性のある止水材により、屋根材と密着するようになっている水切りのことを言います。

屋根と水切りの隙間を、シーリングなどの充填材で埋めることが一般的ですが、シーリングは耐久性が悪く数年で劣化してしまいます。

また、シーリングの場合、雨が隙間から侵入してしまった場合、隙間から雨が出ることができず雨水が溜まってしまい、排水ができず、野地板を腐らせることにつながってしまいます。

シーリングを隙間に充填するやり方よりも、多少イニシャルコスト(初期費用)はかかりますが、家の安全と、家を建ててからの維持管理する費用を考えれば「シール材付きケラバ水切り」の方が安く済みます。

特に、金属屋根の場合はこの対策は有効ですので、注文住宅の設計を依頼する際に申し出てみるといいと思います。

※屋根材と水切りの間には雨を流す空間が確保されていますが、水切り内に土ぼこりが入ると屋根材の端部にたまっていき詰まらせてしまいます。

すると、水がせき止められてしまい豪雨などの際にオーバーフローし、野地板に雨水が侵入することになってしまいます。

【注文住宅で建てる家の価格って、住宅会社によってどれくらい変わるの?】

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実は、注文住宅は面白いもので、同じプランで依頼しても、住宅会社によって提案の内容が異なる上に、対応にも差が出ますし、最終的な注文住宅の見積もり金額にも差が生まれます。

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取り合い部分の工事が複雑な片流れ屋根

取り合い部分は注意 写真:プロタイムズ総研

片流れ屋根では、「屋根工事業者」と「大工業者」、「壁業者」などの連携が重要になります。

片流れ屋根は、作業する部分によって業者の責任の範囲が違い、工事境界線が複雑に入り組んでいるため、業者間の協力が必要となるからです。

例えば、屋根の野地板より上は「屋根業者」の責任の範囲であり、野地板より下の部分においては「大工」または「壁業者」が責任を追う形になります。

片流れ屋根で、一番雨漏れが生じやすい屋根頂部の「棟」の雨仕舞いは、この辺りが複雑になっているため、問題が起きやすい箇所になりますので、施工の際には業者間の綿密な連携が必要になりますので注意してください。

なお、ここでお話しした屋根の防水対策は、片流れ屋根だけではなく、切妻屋根や寄棟・方形屋根にも使えます。

片流れ屋根の弱点の意外な盲点

雨が降った時の水下の軒先 写真:マイベストプロ

片流れ屋根で、意外な盲点となるのが「水下」の低い側の「軒先」です。

台風などの雨風が強いケースは、「水上」の「軒先」の対処を十分に施していても、「水下」側の低い「軒先」から雨が建物内部に流れ込むこともあるので、しっかりと雨仕舞い対策をする必要があります。

切妻屋根の項目でもお話ししましたが、多くの場合、デザイン性と実用性はトレードオフの関係にある点に注意してください。

切妻屋根については下記リンク先の記事に内容をまとめてありますので参考にしてください。

注文住宅で用いられる、切妻系の屋根全般についてまとめさせていただいています。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

片流れ屋根の種類

片流れ屋根の、基本的な屋根の形状は下記の2種類です。

【片流れ屋根の基本形状】

1:片流れ屋根
2:陸屋根

1:片流れ屋根

1方向にのみ傾斜がある片流れ屋根

片流れ屋根は、一方向にのみに傾斜している屋根の形のことを言い、切妻屋根に続いてスタンダードな屋根の形です。

最近では、建築家がデザインする、いわゆる「デザイナーズ住宅」でも、片流れ屋根は多く用いられ、軒の出をなくしてシャープな佇まいにするなど、多様な形の片流れ屋根が存在します。

屋根の形を片流れ屋根にするメリット

屋根の形を片流れ屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【片流れ屋根のメリット】

1:屋根にかかるコストは安い
2:デザイン性が高い
3:金属屋根・立平葺き(たてひらぶき)の屋根と相性がいい
4:ロフトがつくりやすい
5:勾配を利用した屋根裏空間を有効活用できる
6:太陽光パネルが設置しやすい
7:室内の風通しがよく明るい室内にしやすい
8:雨や雪などの落下位置が予測できる

メリット1:屋根にかかるコストは安い

片流れ屋根は、複雑な屋根と比べると施工が簡単で、材料の無駄も少なく、工期も短く済むため屋根にかかるコストを安く抑えられるメリットがあります。

また、雨樋も水下の一方向にだけ取り付ければいいので、材料費や作業の手間がかからないため、屋根にかかるコストを抑えることができます。

ただし豪雨だったり、樋が詰まるなどの理由でオーバーフローを起こしてしまうと、雨水が行き場を失い、野地板に侵入して、野地板を腐らせ劣化させてしまう恐れがあるので、雨仕舞いには注意が必要です。

※片流れ屋根にすると、屋根にかかるイニシャルコストは安くなりますが、壁面量や開口部が増えるため、家全体で見たトータルでの総費用である「建築コスト」は高くなる傾向にあります。

メリット2:デザイン性が高い

片流れ屋根は、シャープでモダンなシルエットの外観をつくることができます。

家の外観がすっきりとしたシルエットになるので、スタイリッシュなデザイナーズ住宅とは相性が良い屋根の形になります。

また、後述しますが、屋根の形に変化を加えたり、屋根の要素を組み合わせたりすることで、様々な表情を持つオリジナリティの高い屋根をつくることができます。

※軒の出をなくし、屋根の傾斜を抑えた「陸屋根(ろくやね)」にすれば、シンプルな箱型の外観デザインにすることも出来ます。

メリット3:金属屋根・立平葺き(たてひらぶき)の屋根と相性がいい

片流れ屋根は、シンプルな凹凸のついた金属屋根の立平葺き(たてひらぶき)の屋根や、瓦棒屋根(かわらぼうやね)と、非常に相性が良い屋根の形です。

金属板には、ガルバリウム鋼板などが使われ、片流れ屋根のシンプルな外観デザインと組み合わせると映えます。

※「立平葺き屋根」と「瓦棒屋根」は、見た目は同じようですが施工方法が違います。

《立平葺き屋根(たてひらぶきやね)》

立平葺きの断面図:立平葺きはあらかじめ板金が折り曲げられている

現在主流の工法です。あらかじめ凸となる部分が加工された板金を屋根に貼り付け施工します。

施工が容易で、費用も安いですが、断熱性能が低くなったり、雨音がうるさいなどのデメリットが生じます。

《瓦棒屋根(かわらぼうやね)》

瓦棒屋根の断面図:瓦棒屋根は板金の間に垂木(たるき)が入っている

現在、減少傾向にあります。現在凸となる部分に瓦棒と呼ばれる芯木(材木)を入れて、芯木に沿うように施工します。

芯木に釘を打って固定するため、釘の部分が弱くなり、芯木が腐食することで木が腐り、耐久性が悪くなるデメリットがあります。

メリット4:ロフトがつくりやすい

片流れ屋根では、屋根と天井の間のスペースの屋根裏にロフトをつくることができます。

例えば、リビングを吹き抜けにして、ロフトをつくれば、非常に使い勝手がよく、利便性の高いロフトを作ることが出来ます。

※ロフトは本当に必要?ロフトってどうなの?

注文住宅を建てるにあたって、ロフトの設置を検討される方は非常に多いです。

下記リンク先の記事では、ロフトをつくる意味や、便利なロフトのつくりかたについてもお話しさせていただいていますので、ロフトを検討中の方は参考にしてみてください。

>>>ロフトは必要?家づくりでロフトを設置するメリットとデメリット

メリット5:勾配を利用した屋根裏空間を有効活用できる

ロフト以外にも、片流れ屋根の勾配を利用して、高低差が異なる、流れるような室内空間をつくることができます。

吹き抜けのリビングに、屋根の勾配に沿って、リビング階段をつくれば、視線が抜ける明るく開放的な空間をつくることができます。

リビング階段については、下記リンク先についてまとめてありますので、リビング階段を検討中の方は一読ください。

>>>リビング階段のある家の10のメリットとデメリット

メリット6:太陽光パネルが設置しやすい

片流れ屋根は太陽光パネルを積みやすい 写真:一条工務店 アイキューブ

片流れ屋根は、他の屋根の形と比べると一面が広く、太陽光パネルが設置しやすい合理的な屋根の形になります。

屋根の傾斜を南向きにして、太陽光パネルを太陽に向けることで、太陽光発電システムの発電効率を高めることも出来ますし、さらに屋根の勾配を調整することで、より発電効率の高い太陽光発電システムにすることができます。

メリット7:室内の風通しがよく明るい室内にしやすい

片流れ屋根で、高い位置に窓を設ければ、南から北へ気持ちのいい風が家の中を抜けていく、風通しのよい空間にすることができます。

また、高い位置に窓を設けることで、自然のあかりが降り注ぐ明るい空間を作ることができます。

メリット8:雨や雪などの落下位置が予測できる

雨は屋根の一番高い部分の水上から、低い部分の水下に流れていきます。

片流れ屋根の場合は、一方向に流れていくため、雨や雪の落下する位置がわかりやすいメリットがあります。

屋根の形を片流れ屋根にするデメリット

屋根の形を片流れ屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【片流れ屋根のデメリット】

1:雨漏れのリスクが高い
2:内部結露を起こしやすい
3:家を建てた後も点検やメンテナンスにお金がかかる
4:外壁の面積が増えるため、トータルで見た場合建築コストがかかる
5:外壁が劣化しやすい
6:雨や雪が一箇所に集中する

片流れ屋根のデメリット1:雨漏れのリスクが高い

片流れ屋根は、雨漏れのリスクが高い屋根です。

片流れ屋根で、雨漏りのしやすい箇所は「棟」「ケラバ」「軒先」で、金属屋根の場合は雨仕舞いをしっかり施さないと「棟部分(片流れ屋根の頂上の部分)」から水が伝って建物内部に侵入し、雨漏れが起きやすくなってしまいますので注意が必要です。

特に、「棟側」の「軒天井」と「壁の取り合い部分」が、雨漏れのリスクが高く、設計はもちろん、取り合い部分の施工が悪いと、常に雨漏れのリスクを抱える家になってしまいます。

※「片流れ屋根の雨漏れ」についての具体的なことは、先述した「片流れ屋根の注意点」や「片流れ屋根の最大のポイントは防水対策にあり」の項目をご覧ください。

片流れ屋根のデメリット2:内部結露を起こしやすい

野地板の腐朽劣化 写真:やねいろは

片流れ屋根は、一方向にしか換気がないため、屋根の喚起がしにくい構造となっています。

換気が悪いと、小屋裏で生じる空気の逃げ場がなくなり、空気の「温度差」により内部結露を引き起こしてしまいます。

多くの場合は、水上の野地板部分で結露が生じるので、ケラバ周辺の野地板が腐りやすくなってしまいます。

結露を防ぐ意味で、屋根材と野地板の間の通気を良くし、屋根内部の湿度を下げてあげる必要があります。

片流れ屋根のデメリット3:家を建てた後も点検やメンテナンスにお金がかかる

片流れ屋根は、雨漏れのリスクを下げるためにも、雨仕舞いの良い切妻屋根よりも、定期的な点検やメンテナンスをする必要があります。

雨漏れや結露などによる劣化を、そのまま放置しておくと、家の寿命が短くなります。

片流れ屋根のデメリット4:外壁の面積が増えるため、トータルで見た場合建築コストがかかる

片流れ屋根は、他の屋根と比べると、外壁の面積が広くなる

片流れ屋根は、コストがかからないと言われますが、実は、片流れ屋根は、外壁の面積が増えるため、コストがかかります。

一般的な家づくりの現場では、「屋根」よりも「外壁」にかかるコストの方が高いため、片流れ屋根にすることで「屋根」にかかるコストを抑えることができても、トータルで見た場合、建築コストが高くなることが多いです。

片流れ屋根のデメリット5:外壁が劣化しやすい

片流れ屋根は直接雨が壁にかかりやすい

一般的な、片流れ屋根は、壁面への雨がかかりやすいデザインとなりやすいです。

特に、シャープな印象のスタイリッシュな外観にしようとすると、軒の出をなくす方向に走ることが多いですが、軒の出をなくすと雨が直接壁に当たるため、劣化や損傷が激しくなります。

※《雨がかりがあるとなぜ雨漏りするの?》

一般的に住宅の雨漏りは「窓まわり」で起きます。

多くの場合、雨水は2階の「窓まわり」や「外壁の割れ目や隙間」から建物内部に侵入し、1階の「天井」や「窓まわり」から発見されます。

つまり、雨がかりを減らすことで雨漏れのリスクを減らすことができるというわけです。

片流れ屋根のデメリット6:雨や雪が一箇所に集中する

片流れ屋根は雨が一箇所に集中する イラスト:マイベストプロ

片流れ屋根は、一方向に流れる屋根のため、雨や雪が落ちる場所が限定されるメリットがある一方で、雨や雪が落ちる場所が集中しやすい、というデメリットもあります。

例えば、切妻屋根は、2方向に雨水が流れるので水量が2分割されます。

また、寄棟屋根は4方向に傾斜があり雨水が流れるため、それぞれの屋根を伝う水量が4分割されます。

一方で、片流れ屋根は一方向に流れるため、一箇所に集中してしまいます。

集中する箇所では、雨漏れや泥はねなどにより外壁部分が汚れ、隙間から建物内部に雨が侵入するリスクを伴います。

2:陸屋根(ろくやね)

見た目が平らで水平の形をした陸屋根

片流れ屋根の勾配を、最大限まで緩くした形に、陸屋根(「ろくやね」または「りくやね」)があります。

陸屋根の「陸」とは、「水平」の意味で、傾斜のある「勾配屋根」と対比して使用されます。

陸屋根は、ほとんど傾斜をつけない平らな片流れ屋根である反面、一般的な勾配の片流れ屋根とは違った点で注意しなくてはなりません。

※陸屋根は「平らな屋根」のこととして一般的に認識されていますが、実際は、排水のために防水施工が施された緩い勾配が設けられます。

陸屋根には様々な別名がある

陸屋根は、外観が整って見える特徴があり、モダニズム建築に多く見られる建築様式の屋根で、別名「フラットルーフ」と呼ばれることもあります。

さらに屋根が平らなため「フラット屋根」や「平屋根(ひらやね)」と呼ばれることもあります。

また単に「屋上のある家」と呼ばれることもあります。

屋上のある家という意味の場合は、「スカイバルコニーのある家」とも形式的に言われることもあります。

屋上については、下記リンク先の記事にまとめられています。

屋上の設置は、メリットもあれば深刻なデメリットもあります。

屋上を検討中の方は、「私のライフスタイルには、屋上は本当に必要なのか」を考えながら読み進めていただくと、失敗のない家づくりができると思います。

>>>屋上のある家ってどう?家づくりで屋上のある家のメリットとデメリット

屋根の形を陸屋根にするメリット

屋根の形を陸屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【陸屋根にするメリット】

1:意匠性が高くスタイリッシュな外観の家にできる
2:屋上スペースを有効活用できる
3:点検やメンテナンスがしやすい
4:鉄筋コンクリート造の建物と相性が良い
5:箱型(キューブ型)の建物と相性が良い

陸屋根は、スペースを有効活用するなどの実用的なメリットもありますが、それよりも意匠的な面で、要するにデザイン性で選ばれている印象があります。

陸屋根のメリット1:意匠性が高くおしゃれでスタイリッシュな外観の家にできる

陸屋根の家は、シャープな印象かつスタイリッシュな佇まいの外観になります。

陸屋根は、従来の歴史的様式から離脱した建築である、シンプルで装飾のないモダニズム建築に用いられている屋根の形ですので、それ自体で目に飛び込んでくるような迫力とスタイリッシュさがあります。

一言で言うと、屋根の形を陸屋根にすることで、おしゃれな外観に見せることができるメリットがあります。

陸屋根のメリット2:屋上スペースを有効活用できる

陸屋根は屋上スペースを有効活用できる

陸屋根では、屋上にのぼれるように間取りを工夫することで、屋根のスペースを有効活用できます。

都市部などで、庭をつくるための余裕がない場合は、屋上スペースを庭がわりとして有効活用することができます。

陸屋根のメリット3:点検やメンテナンスがしやすい

陸屋根は、定期的な点検やメンテナンス、掃除などが容易になるメリットがあります。

陸屋根は、傾斜がある屋根と違い、平らな屋根のため、足場をかける必要なく屋根の上に上がり、点検をすることができます。

ただし、簡単に屋上に登れるような動線を用意していないと、足場をかける必要があるので、点検やメンテナンスのコストが上がります。

陸屋根のメリット4:鉄筋コンクリート造の建物と相性が良い

陸屋根の家は、木造住宅には向きませんが、どこか無機的な鉄筋コンクリートの家とは非常に相性が良いです。

陸屋根は鉄筋コンクリートの家の雰囲気と、まとまりがよく、重厚感のある佇まいにすることができます。

陸屋根のメリット5:箱型(キューブ型)の建物と相性が良い

写真:ヘーベルハウス そらのま+

陸屋根の家は、箱型(キューブ型)の建物と非常に相性が良いです。

箱型の家に陸屋根を載せれば、シャープでスッキリとした、意匠性の高い外観になります。

屋根の形を陸屋根にするデメリット

陸屋根はパラペットがないと雨漏れしやすい

屋根の形を陸屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【陸屋根にするデメリット】

1:木造住宅には向かない
2:雨漏れのリスクが高い
3:メンテナンス費用が高く屋根を維持するコストがかかる
4:通気が悪い
5:屋根に熱がたまりやすく室内が暑い
6:軒の出がなく壁から雨漏りしやすい
7:屋上を大して活用しない
8:積雪に弱い

陸屋根のデメリットは、雨漏れに関するものが多く、意匠を優先すると雨漏れのリスクが高くなるので注意が必要です。

陸屋根のデメリット1:木造住宅には向かない

陸屋根は、木造住宅には向きません。

屋根の水はけが悪く、雨漏れのリスクが高くなるからです。

また、陸屋根は、「壁内通気が悪い」という理由もあり、「内部結露」により木材が腐りやすいということもあげられます。

やむを得ず、木造住宅で陸屋根を採用する場合は、屋根の「防水対策」はもちろん「外壁通気」、「小屋裏換気」など、十分な対策を施してください。

そして、定期的な点検やメンテナンスを必ず行い、傷みが生じた箇所は必ず、すぐに修理するようにしてください。

>>>屋上のある家ってどう?家づくりで屋上のある家のメリットとデメリット

陸屋根のデメリット2:雨漏れのリスクが高い

陸屋根で雨漏れがしやすい箇所

陸屋根は、一般的な勾配のある屋根に比べて、雨水の処理が非常に難しくなります。

ほとんど勾配がないため、雨仕舞いが悪く、雨が綺麗に流れていかず、屋根に水たまりができてしまったりします。

また、ドレイン(排水管)周辺部の防水層に劣化が起こりやすい構造ですので、ドレインまわりには特に注意する必要があります。

さらに、陸屋根では雨漏れを防ぐためにパラペットと呼ばれる「腰壁」を立ち上げ、屋根と外壁を覆いますが、笠木の処理の仕方(施工方法)や経年劣化によって、そこから雨もれが生じることもあります。

写真:マイベストプロ

特に、手すり付きの場合は、手摺の「付け根」から雨水が浸入することもありますので注意が必要です。

そうした理由もあるため、雨の多い日本の住環境において、陸屋根は雨漏れのリスクが高いことを覚悟しなければなりません。

陸屋根のデメリット3:メンテナンス費用が高く屋根を維持するコストがかかる

陸屋根は、屋根の防水処理をしっかりと施す必要があります。

傾斜がない、もしくは緩い傾斜のため、綺麗に雨が流れていくことができずに、雨に水が残りやすいからです。

また、屋根は、太陽光の紫外線などにより時間の経過とともに、徐々に傷んでいきますから、塗装などに破損が見られる場合は、すぐに適切に処理する必要があり、一般的な傾斜のある屋根よりも、屋根を維持するためのコストがかかります。

普通、陸屋根は、防水層をつくることで雨漏りを防いでいますが、雨がたまったり太陽光の紫外線にさらされるなどして、防水層に穴が開いてしまうと雨漏りが生じやすくなるからです。

陸屋根は、常に雨漏れが起こる原因と隣り合わせですので、傾斜のある屋根に比べて劣化しやすい状況にあります。

屋根の形を陸屋根にする際は、必ずメンテナンスのための費用がかかると思い、そうした費用を折り込んだ上で検討するようにしてください。

陸屋根のデメリット4:通気が悪い

陸屋根は外壁通気層がふさがれる イラスト:kamisei

日本の住宅では、「壁面通気」で換気を促しますが、陸屋根は通気が取りづらいというデメリットがあります。

陸屋根では、屋根の雨漏れを優先するため、パラペットと呼ばれる「低い手すり壁」が設けられ、通気を塞いでしまうからです。

通気が悪いと壁の中で「内部結露」を起こしやすくなり、カビが生じたり、木材を使用していた場合は腐りが生じてしまいます。

陸屋根のデメリット5:屋根に熱がたまりやすく室内が暑い

陸屋根は、屋根裏に熱がたまりやすく室内が暑くなりやすいです。

陸屋根の家では、外断熱が必要になることはもちろん、切妻系屋根や、寄棟・方形系の屋根よりも熱を遮断する工夫が必要になります。

陸屋根のデメリット6:軒の出がなく壁から雨漏りしやすい

最近では、軒の出を出した陸屋根も見受けられますが、陸屋根は、軒の出がないケースも多くあります。

外壁のひび割れ部分から雨水が侵入する

軒の出がないと壁への雨がかりが激しく、壁にクラックなどがあると、ちょっとした壁の隙間から雨水が建物の内部に入り込んでしまい、雨漏れを生じさせる確率が高くなります。

特に、雨漏れの原因で多く見受けられる、窓などの「開口部周辺」は傷みやすい箇所であるので、庇(ひさし)をつけるなどをして対策をすることが大事ですが、見た目が野暮ったくなるので、意匠上、つけない方が多く雨漏れには注意が必要となります。

陸屋根のデメリット7:屋上をたいして活用しない

陸屋根にする方は、屋上の有効活用を狙って建てられる方もいらっしゃいます。

例えば、敷地内に庭を作る余裕がない都市部などにおいて、庭がわりとして活用しようとベンチやテーブルを設置したり、家庭菜園などに使う方もいます。

ただし、現実的に考えれば、屋上スペースを有効活用しようにも、季節が限定されます。

例えば、夏は暑くなりすぎて、とてもじゃないですが活用することはできず、冬は寒いため屋上に出る機会はあまりないでしょう。

また、日本では雨も多いですので、1年の中で本当に限られた期間しか有効活用する機会がありません。

ヘーベルハウスの屋上活用は参考になる 写真:ヘーベルハウス

もちろん間取りを工夫にすることにより、屋上を有効活用できるケースもあります。

例えば、大手ハウスメーカーの中で、屋上の有効活用の提案の仕方でうまいと思うのは、旭化成のヘーベルハウスです。

ヘーベルハウスについては下記リンク先の記事にまとめてありますので、気になる方は読んでいただくことをお勧めします。

>>>ヘーベルハウスの評判や口コミと、家づくりのプロから見た17の特徴とオススメできる人

陸屋根のデメリット8:積雪に弱い

陸屋根は積雪にも弱いです。

傾斜があまりないため、水たまりができたり、積もった雪を逃がすことが難しくなるので、建物の耐久性を損なわせることが多いからです。

陸屋根の防水上の注意点(陸屋根の防水工事について)

陸屋根は、屋根が傷みやすく、屋根の傷んだところから劣化が進むため、定期的な点検やメンテナンスが必須になります。

陸屋根に使われる一般的な防水層は、下記の通りです。

【陸屋根の防水層の主な種類】

1:シート防水
2:アスファルト防水
3:FRP防水
4:ウレタン防水

1:シート防水

塩化ビニル樹脂系のシートや、ゴムシートを接着材で固定して防水する方法で、材料費が安価で、伸縮性があるため施工もしやすく、建物の形に合わせて防水層をつくることができます。

耐候性や耐久性も高いですが、接着部分から防水性能が劣化する恐れがあるので、定期的な点検やメンテナンスは必須となります。

2:アスファルト防水

アスファルトシートを貼り重ねて、防水層をつくり防水する方法です。密着性が高く、防水性能は先に挙げた「シート防水」よりも良くなります。

ただし、凹凸が出るため、フラットではないことや重量が重くなるデメリットがあります。

3:FRP防水

FRPは「Fiberglass Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)」の略称で、ガラス繊維などを強化材として混ぜ合わせ補強されたプラスチックのことです。

比較的安価で、強度はもちろん、耐水性、成型性に優れているメリットがありますが、ひび割れがしやすいというデメリットがあります。

4:ウレタン防水

液状のウレタン樹脂を塗って、弾性のある防水層をつくる方法で、安価で施工性がよく、防水層を改修する際も、塗り重ねるだけということで、陸屋根で広く使われている防水方法です。

片流れ屋根を基本とした4種類の「片流れ系屋根」

片流れ屋根は、基本形である「1:片流れ屋根」と、極限まで勾配を緩くした「2:陸屋根」以外に、屋根の勾配を変える、屋根の形を変える、屋根の形を組み合わせる(複合する)、屋根を複数連ねるなどすることで、応用パターンの屋根をかけることができます。

【片流れ屋根の応用パターン】

1:屋根の勾配を変える
2:屋根の形を変える
3:屋根の形を組み合わせる(複合する)
4:屋根を複数連ねる

ここからは、これら応用パターンの片流れ屋根についてお話ししていきます。

【片流れ屋根をベースとした片流れ系の屋根】

《片流れ屋根+切妻屋根》

1:招き屋根
2:腰折の片流れ屋根

《片流れ屋根の応用パターン》

3:湾曲片流れ屋根
4:鋸屋根

それぞれの屋根の詳細については下記で説明します。

《片流れ屋根+切妻屋根》

「片流れ屋根」を「切妻屋根(きりづまやね)」に寄せた形に「招き屋根」と「腰折の片流れ屋根」があります。

切妻屋根(きりづまやね)ってどんな屋根?

切妻屋根

切妻屋根とは最もスタンダードな、三角形の山形の屋根のことを言います。

切妻屋根について、より詳しい内容については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

片流れ系の屋根1:招き屋根

片流れ屋根の先端部を折り曲げた招き屋根

招き屋根(まねきやね)とは、片流れ屋根の「先端部」を「折り曲げた形の屋根」のことを言います。

招き屋根は、片流れ屋根の形を引き継いでおり、片流れ屋根の形をベースとしながらも、頂部の「端部」を少しだけ曲げ「へ」の字の形に、変形させた屋根の形になります。

招き屋根は、招き猫のように人を迎え入れるような形に屋根が見えることから、名前が付けられました。

招き屋根は、切妻系の一種と言われることもありますが、「先端」の「曲げ部分」が大きい場合は、「切妻系屋根」の変形と考えられています。

つまり「へ」の字型の、「端部先端」が、招き猫のように、ちょこんと短く折り曲げられている場合は「片流れ系の招き屋根」、先端の曲げが大きい場合は「切妻系の招き屋根」に分類されることになります。

招き屋根の特徴

古井(こび)の招き屋根の家 設計:永井政光建築設計事務所

招き屋根は、片流れ屋根の最大の弱点とされる「棟」部分の雨仕舞いに比較的優れている特徴があります。

また、片流れ屋根は外壁に雨がかかりやすく、外壁にクラックなどがあると、そこから建物内部に侵入して「内部結露」を起こしやすいデメリットがありますが、招き屋根はスタンダードな片流れ屋根よりも軒が出るため、雨仕舞いに優れている特徴があります。

以上のような理由で、スタンダードな「片流れ屋根」と、片流れ系の「招き屋根」を比較すると、招き屋根の方が雨仕舞いが良くなります。

個人的には、同じ片流れ系の屋根でも、点検やメンテナンスにかかるコストも抑えることができるので、招き屋根を候補の一つとして検討してみるのもアリだと思います。

さらに、招き屋根は、シンプルな作りの屋根のため、屋根にかかるコストを抑えることができたり、特殊な形状から、個性的な屋根にしやすい特徴があります。

「招き屋根」と「差し掛け屋根」の違いは?

招き屋根と差し掛け屋根は厳密には違う

片流れ系屋根の「招き屋根」と、よく混同される屋根として切妻系屋根の「差し掛け屋根」があります。

「招き屋根」と「差し掛け屋根」は、一緒に設置されることが多く、現在では「招き屋根」と「差し掛け屋根」は、同じ意味で使われることも多いですが、この2つの屋根は、厳密には異なります。

「差し掛け屋根」は、母屋を支えるように「差し掛けられた屋根」のことで、採光や通風を目的として、「2枚の屋根を段違いの高さで支えかけた屋根のこと」を言います。

なので、厳密には1枚の屋根を「へ」の字型に折り曲げた「招き屋根」とは別物となります。

ただし、こうした「招き屋根」は「差し掛け屋根」を兼ねているという理由もあり、現在ではどちらもまとめて「招き屋根」や「差し掛け屋根」と呼ばれています。

(「招き屋根」の下に建物に差し掛けられる形で、「差し掛け屋根」があるイメージですが、両方の屋根をまとめて「招き屋根」や「差し掛け屋根」と呼んでしまうことが多いです)

※ややこしいようですが「差し掛け屋根」は、厳密には「片流れ系の屋根」ではなく、「切妻系の屋根」に分類されます。

【「招き屋根」は片流れ系で、「差し掛け屋根」は切妻系の屋根】

・招き屋根=片流れ系の屋根
・差し掛け屋根=切妻系の屋根

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

「招き屋根」と「母屋下がり屋根」の違いは?

招き屋根

片側だけ二段階勾配になっている母屋下がり屋根

また似たような「へ」の字の形をした屋根に「母屋下がり屋根」があります。

招き屋根が「へ」の字型の形をしているのに対して、母屋下がり屋根は、「へ」の字型に折れた屋根の長い方が、途中で一段折られた形の「腰折屋根」になっている屋根のことを言います。

ただし「差し掛け屋根」と同様、特別、区別されずに「招き屋根」を「母屋下がり屋根」と言ったり、「母屋下がり屋根」を「招き屋根」と言ったりすることもあります。

切妻系屋根の記事でも書きましたが、「母屋下がり」とは広義では「天井が斜めになっている」ことを言うため、斜め天井を「母屋下がり」と言うことがあります。

この辺りについては下記リンク先の「切妻系屋根についてまとめられた記事」を読んでいただければ、より深く理解していただけると思います。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

招き屋根のメリット

屋根の形を「招き屋根」にする、主なメリットは下記の通りです。

【招き屋根にするメリット】

1:採光や通風が良い
2:内部空間を広く見せることができる
3:屋根裏のスペースを有効活用できる
4:片流れ屋根よりも雨漏れのリスクが低い
5:耐風性が高い
6:太陽光パネルとの相性がいい

招き屋根のメリット1:採光や通風が良い

招き屋根は風通しが良い

招き屋根は、採光や風通しを良くすることができます。

高い位置に窓を設けることで、採光をはじめ、風が通り抜ける気持ちのいい室内空間にすることができます。

招き屋根のメリット2:内部空間を広く見せることができる

左:登り梁形式 右:和小屋形式

片流れ系の招き屋根では、特に、架構形式を「登り梁形式」の合わせ梁にすると、屋根を支えるための柱を立てる必要がなくなるため、内部空間を広く見せることができます。

※代表的な屋根を支えるための小屋組の架構形式には「和小屋形式(わごやけいしき)」と「登り梁形式(のぼりばりけいしき)」があります。それぞれの架構形式の違いなどについて、詳しくはこの記事の後半でお話しします。

招き屋根のメリット3:屋根裏のスペースを有効活用できる

また、招き屋根は片流れ系の特徴を引き継いでいますので、屋根裏のスペースをロフトとして活用したり、屋根裏の収納スペースとして有効活用することができます。

ロフトって本当に必要?いいロフトのつくり方を教えて!?

ロフトについては、下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>ロフトは必要?家づくりでロフトを設置するメリットとデメリット

招き屋根のメリット4:片流れ屋根よりも雨漏れのリスクが低い

片流れ屋根よりも雨漏れのリスクが低い イメージ:マイベストプロ

招き屋根は、片流れ屋根の一種(仲間)ですが、「先端」が折れている分、片流れ屋根よりも雨仕舞いがよく、切妻屋根の特徴も兼ね備えているため、一般的な片流れ屋根よりも雨漏れのリスクは低い屋根になります。

ただし、「棟」部分や、屋根の取り合い部分は雨漏れのリスクがあるため、雨が漏れないような設計や施工などで対処する必要があります。

招き屋根のメリット5:耐風性が高い

招き屋根は、片流れ系の屋根の中でも比較的、耐風性が高い構造の屋根になります。

招き屋根のメリット6:太陽光パネルとの相性がいい

招き屋根は、太陽光パネルを多く設置することができます。

屋根の向きと屋根面の広さをいかした屋根を十分に検討すれば、効率的な太陽光発電パネルを設置することができます。

・・・他、招き屋根は「片流れ屋根」と同様のメリットが得られます。

詳細については「片流れ屋根のメリット」の項目を参考にしてください。

また、下記リンク先の切妻系屋根の項目の「差し掛け屋根」にも特徴などを詳しくまとめさせていただいていますので、合わせて参考にしていただくと、より理解を深めていただけると思います。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

招き屋根のデメリット

屋根の形を招き屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【招き屋根のデメリット】

1:雨漏れのリスクがある
2:コストがかかるケースもある
3:業者により左右される
4:片流れ屋根よりも太陽光パネルの効率が悪い

招き屋根のデメリット1:雨漏れのリスクがある

招き屋根は、片流れ系の屋根になりますので、雨漏れのリスクが低いといえど「棟」や屋根の「接合部分」が防水上の弱点となります。

弱点となる箇所において雨漏れが発生するリスクが高くなりますので、十分な防水対策を施す必要があるほか、定期的な点検やメンテナンスが必要になります。

招き屋根のデメリット2:コストがかかるケースもある

ただし、招き屋根は例外もあり、イニシャルコストはもちろん、点検やメンテナンスコストがかかるケースもあります。

招き屋根のデメリット3:業者により左右される

招き屋根に限った話ではありませんが、やはり雨仕舞いは施工業者によって左右される面もあります。

もちろん、抜かりない設計も必要なのですが、それと同等に正しい施工も大事になります。

招き屋根のデメリット4:片流れ屋根よりも太陽光パネルの効率が悪い

太陽光パネルは、片流れ屋根の方が効率よく太陽光発電をすることができます。

屋根の方向に対して、太陽光パネルを設置できる面積が、片流れ屋根の方が調整しやすいためです。

片流れ系の屋根2:腰折の片流れ屋根

二段階勾配になった腰折の片流れ屋根

腰折の片流れ屋根とは、片流れ屋根が途中で折れて二段階勾配になった屋根の形のことを言います。

片流れ屋根の腰を降り二段階勾配にすることで、斜線制限を回避しながら、「床面積×高さ=気積」を確保することができます。

マンサード屋根との違い

【寄棟系】マンサード屋根

【切妻系】駒形屋根(ギャンブレル屋根)

【片流れ系】腰折の片流れ屋根

混同されやすい屋根の形にマンサード屋根がありますが、マンサード屋根は、寄棟屋根(よせむねやね)の腰折屋根のことを言います。

つまり、寄棟屋根の形をベースとし、「4方向」に「傾斜」がつけられた屋根が途中で折れ、二段階勾配になった形状の屋根のことを言います。

対して「腰折の片流れ屋根」は、「1方向」に傾斜がつけられた屋根である片流れ屋根の形をベースとして、途中で腰が折れ二段階勾配になった形の屋根のことを指します。

【「腰折」 ×  寄棟系の屋根か、片流れ、切妻系の屋根か】

・腰折の片流れ屋根 = 片流れ系の屋根
・マンサード屋根 = 寄棟・方形系の屋根
・駒形屋根 = 切妻系の屋根

マンサード屋根について、詳しくは下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>もう、屋根の形で悩まない!寄棟・方形屋根の特徴と押さえておきたい5種の形

ギャンブレル屋根(駒形屋根)との違い

腰折の片流れ屋根

駒形屋根(ギャンブレル屋根)

また、ギャンブレル屋根(駒形屋根)は、切妻屋根の腰折屋根のことを言います。

つまり、切妻屋根の形をベースとして、切妻屋根が途中から折れて二段階勾配になった屋根のことをギャンブレル屋根と言います。

ちなみに、ギャンブレル屋根は別名を「駒形屋根(こまがたやね)」とも呼ばれます。

【「腰折」× 切妻系の屋根か、片流れ系の屋根か】

・腰折の片流れ屋根=片流れ系の屋根
・ギャンブレル屋根=切妻系の屋根

ギャンブレル屋根(駒形屋根)について、詳しくは下記リンク先の切妻系屋根の記事をご覧ください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

腰折の片流れ屋根のメリット

屋根の形を腰折の片流れ屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【腰折の片流れ屋根のメリット】

1:斜線制限をかわしやすい
2:水はけが良い

腰折の片流れ屋根のメリット1:斜線制限を交わしやすい

斜線制限を交わしやすい イラスト:積水ハウス

主に都市部において「斜線制限」がかかっているケースでは、途中で腰を折ることで「斜線制限」をかわすことができるケースがあり、片流れ屋根の勾配を二段階にすることで、「各種斜線制限」をかわせるメリットがあります。

腰折の片流れ屋根のメリット2:水はけが良い

屋根は、勾配(傾斜)があるほど水はけが良くなります。

腰折の片流れ屋根は、途中で腰を降り勾配を急にしているため、水はけが良い特徴があります。

腰折の片流れ屋根のデメリット

屋根の形を腰折の片流れ屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【腰折の片流れ屋根のデメリット】

1:腰折部の雨仕舞いが心配な面がある
2:イニシャルコストがかかる
3:維持コストがかかる

腰折の片流れ屋根のデメリット1:腰折部の雨仕舞いが心配な面がある

腰折の片流れ屋根の、腰が折れる部分では接合部分が複雑になるので雨漏れがしやすくなります。

雨に弱い部分は、他の屋根と同様に、適切な処理を施す必要がありますので用心する必要があります。

腰折の片流れ屋根のデメリット2:イニシャルコストがかかる

建物の形も、屋根の形も複雑になるほど施工コストがかかります。

腰折の片流れ屋根は、片流れ屋根よりも形が複雑になるためコストがかかります。

腰折の片流れ屋根のデメリット3:維持コストがかかる

腰折の片流れ屋根は、傾斜が急なため、点検やメンテナンスの際に足場をかける必要がある可能性が高くなりますので、点検やメンテナンスの際にコストがかかります。

《片流れ屋根の応用パターン》

「片流れ屋根」をベースとして発展させた屋根の形に「湾曲片流れ屋根(わんきょく かたながれやね)」と「鋸屋根(のこぎりやね)」があります。

片流れ系の屋根3:湾曲片流れ屋根

片流れ屋根を湾曲させた湾曲片流れ屋根

片流れ屋根を湾曲させた屋根の形を、湾曲片流れ(わんきょくかたながれ)屋根と言います。

緩やかな弧を描くことにより、片流れの「意匠的な勢い」を緩和し、内外部にやわらかい印象をもたらすことができます。

また、勾配を緩くすることで内外部に優しくも落ち着きがあり、安心感を与える印象を持たせることができます。

ヴォールト屋根との違いは?

かまぼこのような形をしたヴォールト屋根

「ヴォールト屋根」は切妻系の屋根で、切妻屋根を湾曲させて「かまぼこ」のような形をした屋根の形のことを言います。

それに対して「湾曲片流れ屋根」は、片流れ系の屋根で、片流れ屋根を湾曲させた屋根の形になります。

【「ヴォールト屋根」と「湾曲片流れ屋根」の違い】

・切妻系の屋根=ヴォールト屋根=かまぼこ形の屋根のこと
・片流れ系の屋根=湾曲片流れ屋根=かまぼこ形の屋根をさらに半分にした形の屋根

ヴォールト屋根については下記リンク先の切妻系屋根についてまとめた記事をご覧ください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

湾曲片流れ屋根のメリット

湾曲片流れ屋根のメリット 写真:豊田和久建築工房

屋根の形を湾曲片流れ屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【湾曲片流れ屋根の主なメリット】

1:表情が柔らかく優しい空間になる
2:斜線制限を回避しながら天井高を確保できる

湾曲片流れ屋根のメリット1:表情が柔らかく優しい空間になる

写真:suvaco

湾曲片流れ屋根の最大のメリットは、内部に優しい空間をつくれる点にあります。

直線的な屋根の形だと、天井に圧迫感を与えるケースでも、曲線的な線を描くことで、天井が柔らかくなり、内部空間はもちろん、外から見た外観上の意匠的な効果も同時にもたらします。

湾曲片流れ屋根のメリット2:斜線制限を回避しながら天井高を確保できる

湾曲片流れ屋根は、軒高や最高高(さいこうだか)を抑えながらも天井高を確保できます。

湾曲片流れ屋根のデメリット

屋根の形を、湾曲片流れ屋根にする最大のデメリットはコストがかかることです。

湾曲片流れ屋根のデメリット1:コストがかかる

湾曲片流れ屋根は、面積にもよりますが、屋根材にかかる費用が高くなります。

基本的に、屋根は形が複雑になるほどコストがかかりますが、湾曲片流れ屋根も、形こそはシンプルであるものの、形を緩やかに湾曲させる必要があり、その分施工が複雑になり、材料費なども高くなります。

設計内容によって、湾曲梁を1本ずつ曲げて制作する必要があるため、手間や時間が多くかかってしまうのでコストが高くなっていきます。

ただし、材料を工夫することで、コストを抑えることもできます。

この辺りのコスト感は、設計士の腕にかかっていると言ってもいいと思います。

家のコストを大きく抑える方法は、7つあります。

家のコストを抑える基本については、下記リンク先の記事にまとめてありますので、これから注文住宅を建てる予定のある方は参考にしてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

《片流れ屋根+連棟(複数)》

補足として部分的に使われることはあれど、一般住宅には、ほとんど使われませんが、「鋸屋根(のこぎりやね)」についてお話ししていきます。

片流れ系の屋根4:鋸屋根(のこぎりやね)

のこぎりの刃のような形の鋸(のこぎり)屋根

鋸屋根(のこぎりやね)とは、片流れ屋根が、のこぎりの刃のように並んだ屋根の形のことを言います。

ギザギザ部分の立ち上がり部分の壁に窓を設置することで、内部の奥まで、隅々まで照らすことができ、採光面で優れている屋根の形になります。

鋸屋根は工場建築でよく見られた形の屋根で、一般住宅ではほとんど見かけられません。

鋸屋根の別称

鋸屋根は別名で「ギザギザ屋根」とも呼ばれることがあります。

鋸屋根のメリット

鋸屋根のメリット

鋸屋根のメリットは、屋根上部の窓から一定間隔で「採光」や「通風」をもたすことができるところにあります。

特に、北側部分に上部の採光面を取ることで、直射日光を抑えながらも、一定した光量を内部空間にもたらすことができます。

また、屋根の形状によって騒音を抑える効果もあります。

鋸屋根のデメリット

鋸屋根は、「谷」となる部分では雨仕舞いが悪いので特に注意する必要があります。

つまり、鋸屋根では凹の部分においての雨仕舞いが重要となります。

雨水が流れやすいように工夫して設計しないと、屋根に水が残り、屋根を劣化させ、雨漏りの原因となってしまうので注意が必要となります。

※一般住宅では、基本的に屋根は「谷」にしない、内勾配の屋根は作らないことが大原則となります。屋根は谷部や内勾配とされた部分から雨漏りが発生しやすいからです。

片流れ屋根を応用した発展系の屋根の4パターン

片流れ屋根は、下記の4つのパターンによって発展させることができます。

【片流れ屋根を発展させる4つのパターン】

1:屋根の勾配を変える
2:屋根の形を変える
3:屋根の形を組み合わせる
4:屋根の高さを変えて複数連ねる

片流れ屋根を発展させる方法1:勾配を変える

片流れ屋根の勾配を変える主な目的は、「採光」や「通風」を効率よくとるためや、「各種斜線制限」を回避するために用いられます。

屋根の勾配に変化を加えることで、「斜線制限」のギリギリまで建築できるため、最大の気積を確保することができます。

勾配を変える代表的な方法としては、「斜線制限」に沿って勾配をきつくする方法や、反対に勾配を緩くして陸屋根に近い片流れ屋根にし、5分から1寸程度の勾配をつけることで、雨漏りのリスクを回避しながらも、フラットルーフを実現する方法などがあります。

屋根の勾配を変える目的は、「採光」や「通風」を効率よく取りながら「斜線制限」を回避するため

片流れ屋根を発展させる方法2:形を変える

腰折の片流れ屋根で敷地内におさめられる

片流れ屋根の形に変化を加えることによって、採光や通風、各種斜線制限を回避する方法もあります。

屋根の形を変えることで、斜線制限のギリギリまで気積をとることができます。

・屋根の勾配を途中で変える

例えば、斜線制限を回避するために、途中で屋根勾配を変えて「腰折の片流れ屋根」にし、ボリュームを抑える方法があります。

片流れ屋根の勾配を途中で緩くして、腰を折ることで、軒を低くし外部に対しての圧迫感を無くしたり、内部空間に動きをつけ、高さの変化を加えて、屋根に包まれているような空間をつくり出せるなどのメリットがあります。

・屋根の形を曲面にする

また、内部空間を屋根に包まれている落ち着きのある空間にする方法の別の例として、屋根の形を、緩やかに弧を描くような曲面にする方法があります。

屋根の形を曲面にすることで、外観上、かたくなりがちな片流れ屋根を、やわらかい雰囲気にして、内部空間も、落ち着きのある室内に仕上げることができます。

人目に触れやすい土地に家を建てる時で、プライバシーを確保したいときにも有効で、弧状の緩やかな大屋根をかけることで、安心感のある佇まいにすることができます。

・外観上、陸屋根に見せる

イラスト:マイベストプロ

陸屋根にする方法と似ている点がありますが、比較的緩い勾配の片流れ屋根にパラペットを建てることで、外観上、陸屋根の家に見せる方法もあります。

この方法のメリットとしては、陸屋根の弱点となる雨漏れのリスクを回避しながらも、外観上は陸屋根に見せることができる点にあります。

・複雑な平面を単純な屋根でまとめる

家の形には「L字型」や「コの字型」、中央に中庭を設けた「ロの字型」のコートハウスなどをはじめ、複雑な形をした家があります。

こうした家の形の屋根をかける際、流れる屋根の向きに注意しながら、片流れ屋根を設置していく方法があります。

複雑な形の家に、屋根の流れる向きに工夫を加えることで、外観上の印象を大きく変えることができます。

この際の、注意点としては、できるだけ外に流れるように屋根の流れを向けることです。

屋根勾配を外に向けた「箱のコートハウス」 写真:シグマ建設株式会社

内勾配にしてしまうと、屋根の折れ目の部分に「谷」となる部分ができてしまうので、そこから雨漏れするリスクが高くなります。

特に、「ロの字型」のコートハウスの場合は、内勾配の屋根だと、中央の庭に雨が流れ込みますので排水溝が詰まっていると、水の逃げ場がなくなりプール状態となってしまい、中庭にたまった水が家の中まで侵入してくることもあります。

>>>家づくりで中庭のある家コートハウスの15のメリットとデメリット

▼え!?家の形次第でコストが変わるの?

注文住宅では、家の形で家を建てるためにかかる総費用(トータルコスト)が変わります。

ではどんな家の形が高く、どんな家の形にすれば家を安く建てることができるのでしょうか?

詳細について、下記リンク先の記事にまとめておきましたので、興味のある方は目を通してみてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

片流れ屋根を発展させる方法3:形を組み合わせる(複合する)

日吉の家 写真:SUVACO

また、屋根の形同士を組み合わせる(複合する)方法もあります。

・陸屋根(フラットルーフ)+片流れ屋根にする

陸屋根の途中から腰を折り、片流れ屋根と組み合わせることで、陸屋根の部分をテラスとして利用することも検討できます。

外観デザイン的にも、陸屋根と片流れ屋根をミックスさせることでエッジを効かせることができます。

・片流れ屋根の母屋に逆勾配の片流れ屋根を組み合わせる

平塚K邸 設計:i+i

また、片流れ屋根の母屋に、逆勾配の片流れ屋根を噛み合わせて「差し掛け屋根」や「招き屋根」のようにずらした屋根として組み合わせる方法もあります。

この屋根の形は「通風」や「採光」を取るのに効果的な屋根の形で、立ち上がり部分の壁に窓などを設置し、ハイサイドライトを設ければ、室内全体に光が行き渡る明るい家を作ることができます。

・片流れ屋根にドーマーを設置する

「通風」や「採光」をより効率よく取るために、片流れ屋根にドーマーを設ける方法もあります。

ドーマーを設けることで、屋根面に沿って外からの光を内部空間に効率よく取り入れることができます。

※ドーマーってなに?

ドーマーとは、明かり取りのために屋根に小さな空間を設けて取り付ける窓のことを言います。飾り窓として用いられることもあります。

ドーマーについて詳しくは下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>注文住宅の間取りとマイホームプランで知っておきたい建物の各部名称と役割

片流れ屋根を発展させる方法4:高さを変えて複数連ねる

切妻屋根と同じように、複数の片流れ屋根をかける方法もあります。

・部屋によって高さの違う屋根をかける

設計:向山建築設計事務所

複雑な形をした家の場合は、高さを変えて、複数の片流れ屋根を連ねてかけることで、外観上の圧迫感を抑えながらも、内部空間に動きを出す方法を検討できます。

例えば、平屋などを建てる時、片流れ屋根にすると外部に圧迫感を与えてしまうケースがありますが、高さの違う複数の片流れ屋根をかけ、軒高を下げることで外部から見た際の圧迫感を抑え、内部空間も部屋によって高さが違う、動きのある空間にすることができます。

もちろん形が複雑になるほど、雨仕舞いは悪くなるので、雨仕舞いには注意が必要となります。

※平屋については下記の記事も合わせて参考にしてください。

平屋を建てる上での注意点や、平屋だからこそ叶えられる点、逆に平屋にすることでデメリットとなる点などについては下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>新築で平屋住宅を建てる9つの注意点と21のメリットとデメリット

おしゃれな平屋にするためのポイントと、間取りのアイデアについては下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>おしゃれな平屋にする4つのポイントと17の間取りのアイデア

平屋には様々な建物の形を検討できますが、それぞれどんな特徴があり、どんなメリットとデメリットがあるのか、平屋の形については下記リンク先の記事にまとめさせていただいていますので参考にしていただけばと思います。

>>>平屋の間取りに差が出る、知っておきたい5つの平屋の形とメリット、デメリット

・和小屋形式と登梁形式を組み合わせる

軒高の制限がある場合、「和小屋形式(わごやけいしき)」と「登梁形式(のぼりばりけいしき)」の片流れ屋根を高さ違いに、複数かける方法もあります。

軒高の制限が低い方を「和小屋形式」とし、軒高の制限を回避し、軒高の制限が高い方を「登梁形式」として制限を回避する方法です。

あらわし仕上げにすれば、部屋によって異なる小屋組が見られる家にすることもできます。

和小屋形式と登り梁形式(の構造の違い)

「登り梁形式」と「和小屋形式」

屋根を支えるための骨組みのことを「小屋組」と言いますが、代表的な小屋組として「和小屋形式(わごやけいしき)」と「登り梁形式(のぼりばりけいしき)」の小屋組があります。

※小屋組ってなに?

小屋組とは、屋根の骨組みのこと。

屋根を支えて、「柱」や「梁」に力を流す役割を担っています。

屋根の荷重は垂木や母屋を通して軸組の小屋組に伝えられ、柱や梁に力を流していきます。

小屋組は、家全体の骨組みを形作る「工法」によって左右されます。

木造の工法は2つ

木造の工法は、大きく分類すると2つあります。

【代表的な木造の工法】

1:木造軸組工法(在来工法)=柱、梁、筋交いなど「線」で家の骨格をつくる方法
2:枠組壁工法(ツーバイフォー工法)=床、壁、天井などの「面」で家の骨格をつくる方法

2つの組み立て方の中で、「1:木造軸組工法(在来工法)」の小屋組(屋根を支える方法)には「和小屋形式」と「登り梁形式」があります。

また、「2:枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」の小屋組(屋根を支える方法)は「洋小屋形式」となります。

※「和小屋形式」と「洋小屋形式」の違いについてはこの後お話しします。

和小屋形式(わごやけいしき)とは

和小屋形式の小屋組

和小屋とは、梁の上に束(つか=短い柱のこと)を立てて、屋根を支える形式の小屋組(構造)のことを言います。

和小屋形式の小屋組では、屋根を支えるために、水平な「小屋梁」を架けて、「小屋梁」の上に長さの違う「小屋束(こやづか)」をたて、棟木、垂木、母屋をかけ、屋根を支えていく構造となっています。

日本において、一般的に広く使用されている屋根組みの方法は「和小屋形式」になります。

和小屋形式の小屋組の特徴

火打梁

和小屋は、「小屋梁」を水平に架けて、その上に「小屋束」を立てて屋根の傾きをつくる小屋組です。

棟木と母屋(屋根)の荷重を「束」を介して「小屋梁」と「軒桁」で支える形式で、屋根にかかる力を「束(つか)」で支え、「小屋梁(こやばり)」に力を伝えて、柱に流していき支える構造となっており、「軒桁」と「小屋梁」、それに「火打梁(ひうちばり)」によって構造が安定するようにできています。

しかし、最近では、野地板で安定的な構造をもたらしているために、「火打梁」が必要なくなるケースも多く見られます。

※ポイント:和小屋形式は屋根の荷重を「小屋束」で伝えていき、「小屋梁」が曲がり柱に力を伝えていく構造となっています。

和小屋形式の小屋組のメリットとデメリット

和小屋形式は、意匠として「小屋梁」を見せたいときにも有効な小屋組です。

「小屋梁」までの距離が「軒高」となり、「軒高」までの柱の長さが短くなるので風で柱がたわみにくく、座屈しにくいメリットがあります。

また、「軒高」の高さが「小屋梁」の高さまでとなるので、「軒高の制約」がある地域などの低層地域などで有効な小屋組となります。

ただし、「小屋梁」をかけるので内部空間が低くなるデメリットがあります。

※ポイント:和小屋形式の小屋組は、間仕切りが多い建築に適しています。

登り梁形式(のぼりばりけいしき)とは

登り梁形式の小屋組

登り梁形式とは、斜めにかけられた「登り梁」により支える形式の屋根組のことを言います。

単に「登り梁」というときは、斜めにかけられた梁のことだけをさすこともあります。

小屋梁(登り梁)を、水平にかけずに屋根と同じ勾配にかけて天井を高くする小屋梁のことを「登り梁形式の小屋組」と言います。

勾配天井にした時に梁を見せたくない場合などに登り梁は用いられ、和小屋形式のような「梁」が見えないため非常にすっきりとした空間にすることができます。

また天井を傾けて高くできるので、室内空間に開放感がもたらされ、天井も高くなり、空間が広く感じられる特徴があります。

登り梁形式の小屋組の特徴

登り梁形式の天井 写真:pinterest

登り梁(のぼりばり)は、屋根と同じ勾配で、屋根に沿って「登り梁」をかける小屋組です。

一般的な屋根組は母屋の上に垂木(たるき)をのせて屋根をかけていきますが、登り梁では、母屋を設けずに棟木から軒桁まで直接「梁(はり)」を渡していきます。

つまり、登り梁形式では「梁」の上に和小屋形式のように小屋束を立てずに直接「母屋」をのせて屋根を支える形式となります。

登り梁形式では、「棟木」と「母屋」の荷重を屋根の形に沿って「梁」に伝えられ、屋根にかかる力を直そのまま柱に流し支える構造となっています。

登り梁形式の小屋組のメリットとデメリット

登り梁形式は、意匠としてすっきりとした「小屋梁」を見せることができます。

また、登り梁形式の場合、内部空間の高さも高く設定できるので、非常に開放的な内部空間に仕上げることができます。

天井の「高い」部分と「低い」部分で強弱が生まれ、高さにメリハリのある空間をつくれることや、「通風」や「採光」の計画などにも有効で、高低差を利用して高い部分に窓をつくり、さらにハイサイドライトなどを設ければ、風通しがよく明るい内部空間をつくることができます。

登り梁形式(左)と和小屋形式(右)の軒高の違い

ただし、登り梁形式では、「勾配をつけた梁」の一番高い部分までが「軒高」となるため、「軒高」が高くなるため、「軒高の制約」がある低層地域などでは注意する必要があります。

また柱が長くなった分、風でたわみやすく屋根からの圧縮力によって、座屈しやすいデメリットも生まれます。

柱をたわみにくくするためには、「柱の本数」を増やすことや、「柱を太くする」方法などが考えられます。

和小屋形式と登り梁形式の構造的な注意点

和小屋形式と登り梁形式の小屋組では、「軒高の高さ」が変わります。

「梁」の最も高い「登り梁」を受けている頂部の部分までが「軒高の高さ」となるため、低層地域などでは登り梁形式が採用できないケースもあります。

また、柱が長くなるので風でたわみやすく座屈しやすいので柱の数を多くしたり、柱を太くする必要があるので注意してください。

さらに、登梁形式の場合、屋根でしっかりと断熱する必要があったり、それに伴って通気にも気をつける必要があります。

片流れ屋根の場合で、中央に柱を立てる必要がない場合は、三角形の合唱となるので、左右に開かないように底辺か途中に「引っ張り材を」入れる必要があります。

和小屋と洋小屋の違いは?

和小屋(上)と洋小屋(下)の違い

「和小屋」に対して「洋小屋」があります。

「和小屋」と「洋小屋」の違いは「原理の違い」です。

「和小屋」が、「小屋梁」の上に「束(つか)」をたてて母屋、垂木、屋根を支える構造に対して、「洋小屋」では「三角形の軸組み」を組み合わせ、「トラス構造」によって小屋組をつくり、屋根を支える構造となっています。

「和小屋」は、施工しやすく経済性が高いメリットがある反面、長いスパン(途中で柱を立てずに距離を飛ばすこと)には、対応することができないデメリットがあります。

対して、「洋小屋」は、長いスパンに対応できるメリットがある反面、接合部分が複雑になりやすく施工しにくく、経済性が低いデメリットがあります。

また、「和小屋」が屋根を支えるのに「束(つか)」が圧縮力、「梁(はり)」は曲げの力に対抗するのに対して、「洋小屋」では、「梁」に対する引っ張り力に「三角形のトラス構造」で対抗する構造となっています。

ちなみに、木造軸組構法は「和小屋形式」、ツーバイフォー工法などの木造枠組壁工法は「洋小屋形式」の小屋組となります。

※ポイント:洋小屋形式の小屋組はスパン(梁間)の広い建築に適しています。

片流れ系屋根のまとめ

今回の記事では、注文住宅で使われる片流れ系の屋根についてまとめてお話ししました。

切妻系の屋根と同じように、片流れ系の屋根も様々な形の屋根があります。

片流れ屋根は近年のモダニズム建築と相性が良く、外観シルエットがスタイリッシュでシャープ、モダンな印象になります。

対して、片流れ屋根で一番注意するべきポイントは、雨漏れについての対策です。特に屋根端部において雨仕舞いが悪いため、雨漏れを引き起こすリスクが高くなるので注意してください。

定期的な点検やメンテナンスは必須です。

片流れ屋根を選ぶときは、急勾配にしすぎずに、屋根に登って点検できるような仕組みを用意しておくことなど、片流れ屋根を選ぶ上での注意点などについても本文に記載させていただきましたので、詳細については本文をお読みください。

たかが屋根、されど屋根です。

様々な屋根の形によるメリットやデメリットを把握し、理想の家づくり、並びに注文住宅を建てていただくことを心から願っております。

【切妻屋根や寄棟・方形屋根の特徴について教えて!】

切妻屋根については、下記リンク先の記事を参考にしてください

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

また寄棟・方形屋根については下記リンク先にまとめてありますので合わせて参考にしてください。

>>>もう、屋根の形で悩まない!寄棟・方形屋根の特徴と押さえておきたい5種の形

いい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと

注文住宅を予算内におさめて、いい家を安く建てるためには、家づくりをはじめた当初の準備段階で知っておいて欲しいことが大きく言って3つあります。

プランを依頼する前に、「コストを抑えて家を安く建てるコツ」を知っておくことで無駄のない家づくりができるようになります。

下記に注文住宅を予算内におさめるために、知っておいて欲しい内容の記事を3つまとめておきましたので、参考にしていただき、無駄のない家づくりをしてください。

1:家のコストを大きくカットするコツと7つの基本

一度プランを依頼してみればわかりますが、注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーしてしまいます。

当初の予算をオーバーする原因は人それぞれで違い様々ですが、打ち合わせを重ね、プランを進めてしまうと、一度プランを白紙に戻さないと引き返すことができなくなるなど、後戻りができなくなってしまうケースもあります。

もちろん、プランを一旦白紙に戻した場合は、それに伴って余計なコストがかかることは言うまでもありません。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、依頼する側が、家を安く建てるための基本やコツをしっかりと抑えておき、理想と現実の狭間で揺れながらも、予算内におさめられるようにコストを上手にコントロールする必要があります。

下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因や、コストダウンの基本などについてお話ししていますので、あなたの家づくりの参考にしていただき、予算内で納得のいく、いい家を安く建てることにお役立てください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家の形とコストの関係

家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。

家を建てる際に必要となる初期費用はもちろん、建てた後に必要となるメンテナンスや点検を含む「修繕・維持費用」までも家の形で大きく変わってきます。

特に角(かど)の多い家は注意が必要で、実は角(かど)が一箇所増えるにつれて、見積もり金額に10万円から20万円の金額差が生まれます。

下記の記事では、そうした、お金のかかる家と、お金のかからない家の形の違いについてお伝えするとともに、どのような家の形であれば家のコストがかからず、逆にどのような形になった場合、家のコストが上がるかなどの例もまとめてありますので、あなたの家づくりの参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でもらえる住宅カタログを使って家づくりを進める方法

家づくりは、今あなたが行なっているように、情報を集めるところからスタートします。

そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。

実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に大きく差が生まれますし、金額的な予算の違いだけではなく、同じ要望で依頼しても、依頼先次第で提案されるプランが違ったり、ひいては実現できることや実現できないことも依頼先によって違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。

だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決めなければなりません。

依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、必ずおさえておきたいポイントなどがあります。

下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、必ずおさえておきたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ

以上、参考にして家づくりを進めてください。




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