>>>「家を安く建てる7つの基本」はこちら

もう、屋根の形で悩まない!寄棟・方形屋根の特徴と押さえておきたい5種の形

寄棟・方形屋根の特徴は、個性的な外観、並びに内観をつくれるところにあります。

例えば、屋根の形次第で重たい雰囲気にしたり、軽やかな雰囲気にしたり、素材を変えることでも外観上の印象に変化を加えることができます。

また、屋根が影響を与えるのは外観上の印象だけではありません。

屋根の形は「家の形」をはじめ、内部の「間取り」までにも深く影響してきます。

どんな屋根の形が、住まい手にとって正しいのかは、家の設計者を悩ませる問題の一つですが、注文住宅の現場では、住まい手の要望に応えるような形で、意匠と、機能性を兼ね備えた屋根にする必要があります。

今回は、寄棟・方形系の屋根につい詳しくお話ししていきます。

【いい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと】

注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります。

家づくりを依頼する側が、下記の3つを抑えずに依頼してしまうと、予算オーバーしてしまう可能性が高くなるので注意してください。

1:家を安く建てるための基本

注文住宅では、予算オーバーしてしまいがちですが、家を安く建てるための基本やコツをつかむことで多くのケースで予算内におさめることができます。

注文住宅を予算内でおさめるために必要なコストダウンの方法については、下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家の形と家の価格の関係

実は、家には「お金のかかる形の家」と、「お金がかからない形の家」があります。

どのような、「家の形」にすれば家を安く建てることができるのかについては、下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でカタログを請求して理想の家を建てる手引き

注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。

無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して、理想の家を建てる方法や手引きについては、下記リンク先にまとめてありますので参考にしていただくとより賢く家を建てていただけると思います。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ




Contents

注文住宅の屋根の系統は3種類しかない

屋根は、家の外観シルエットを大きく左右する要素の一つです。

しかし、屋根には様々な形があるものの、注文住宅に使われる屋根の種類を大きく分類すると、実は3種類しかありません。

【注文住宅で使われる屋根の種類】

1:切妻系
2:片流れ系
3:寄棟・方形系

今回の記事では、「1:切妻系屋根」「2:片流れ系屋根」「3:寄棟・方形系屋根」の屋根の形の中で「寄棟・方形系の屋根」に焦点をあて、寄棟・方形系の屋根の下記5種について、屋根の特徴とメリット、デメリットを交えて解説していきます。

【寄棟・方形系屋根の基本】

1:寄棟屋根
2:方形屋根

【寄棟系屋根】

3:入母屋屋根《寄棟屋根+切妻屋根》
4:マンサード屋根《寄棟屋根+駒形屋根》

【方形系屋根】

5:多角形屋根

注文住宅で用いられる屋根には、切妻系の屋根をはじめ、片流れ系の屋根がありますが、今回の記事では、このうち「寄棟・方形系の屋根」についてお話ししていきます。

※切妻系の屋根の特徴については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

※片流れ系の屋根の特徴については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>片流れ系の屋根6種のメリットやデメリットについての解説と屋根選びの注意点

※大まかな屋根の役割と機能については、下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>家づくりで知らないと損する8種類の屋根の形とそれぞれの特徴

1:寄棟屋根(よせむねやね)とは

棟から4方向に傾斜がつけられた寄棟屋根

寄棟屋根(よせむねやね)とは、「大棟」を中心に4つの方向に勾配がつけられた屋根のことを言います。

切妻屋根(きりづまやね)が、「棟(むね)」から2方向に対して屋根面が流れていく屋根の形に対して、寄棟屋根では、「棟」から4つの方向に傾斜がつけられた屋根面を持つ屋根となります。

寄棟屋根は「妻側」が三角形、「平側」が台形の屋根の形

寄棟屋根は、平面で見ると、妻側2面が「三角形」、平側2面が「台形」をした屋根の形状となっています。

寄棟屋根は、日本では切妻屋根の次によく見られる屋根の形で、一般的には長方形の建物の形で見られ、広く一般的な屋根です。

(寄棟屋根は、次に話す「方形屋根」をぎゅっと引き伸ばした形と言われることもあります)

寄棟屋根の「寄棟」ってどういう意味?

「寄棟」とは、「棟」を寄せる「屋根」という意味で、切妻の「棟木(頂部の木)」を短くして寄せたように見えることから「寄棟屋根(よせむねやね)」と呼ばれています。

つまり、四方の「棟」が中央に向かって「寄せられて」いくことから「寄棟屋根」と呼ばれています。

※棟(むね)とは、なに?わかりやすく教えて!?

建築でいう、棟(むね)とは、屋根面が交差する稜線の部分のことを言います。

棟をわかりやすく言えば、「屋根の稜線」のことだと思ってください。

また、屋根の稜線(棟)に架ける横材のことを棟木(むなぎ)と言います。

寄棟屋根は4方を同じ傾斜(勾配)で架けていくのが一般的

寄棟屋根の屋根伏図:寄棟屋根の斜めの棟は全て45度

寄棟屋根は、それぞれの屋根面を違う勾配にすると、見た目が悪くなりバランスが崩れるため、四方を同じ勾配にして、屋根をかけていくのが一般的です。

全ての屋根を同じ勾配でかけていくと、結果として屋根の斜めの「棟の角度」が45度になります。

寄棟屋根の性質について

水平ラインが美しい家 写真:シェルター

寄棟屋根は、多くの家で使われています。

屋根の組み方は複雑になるものの、寄棟・方形系屋根の大きな特徴である「軒高を抑える働き」があることも理由の一つでしょう。

土地に建物を建てる場合、「様々な規制」が設けられていますが、中でも「斜線制限」は非常に一般的な制限で、「斜線制限」のかかる地域において、寄棟・方形系屋根は非常に有利な屋根の形として活躍します。

寄棟屋根の片側だけを「母屋下がり」とし、斜線を回避する方法があったり、片側の面を「切妻屋根」にし、もう片方の面を「寄棟屋根」にするなどをして斜線を回避する方法など幅広く活用できます。

また、寄棟屋根は「納まりがいい」という理由もあげられると思います。

「屋根」と「壁」の間の「水平ライン」を綺麗に見せることができたり、「軒」の「水平ライン」を美しいものとすることができたり、「軒天井」と室内空間の「天井ライン」を合わせて、窓などの開口部を設けることで、内外部に連続性を持たせた空間にすることもできます。

2:方形屋根(ほうぎょうやね)とは

屋根の頂点を中心に4方向に流れる方形屋根

方形屋根(ほうぎょうやね)とは、屋根の「頂点」を中心として、そこから4つの方向に勾配がつけられた屋根のことを言います。

屋根の形状としては「正四角錐(せいしかくすい)」の屋根の形になります。

つまり、屋根を形作る4面すべてが「三角形」の「ピラミッド形の屋根」が方形屋根です。

寄棟屋根が、「頂上の棟」を中心に4つの方向に勾配がつけられていく屋根の形をしているのに対して、方形屋根では「屋根頂部」を中心に45度に4本の「隅木(すみき)」が角度を持って取り合う形になります。

寄棟の屋根を正方形にすると、「頂上の棟」が無くなり、「屋根頂部」を中心として4方向で45度に「棟」が流れていく形になりますが、その屋根の形が方形屋根になります。

寄棟屋根と形が似ているため、混同されることが多いですが、「頂上の棟」がある屋根が「寄棟屋根」で、「頂上の棟」がない屋根を「方形屋根」と言います。

家の形で表すと、長方形が「寄棟屋根」、正方形が「方形屋根」となります。

ただし、方形系の屋根には寺院などで見られる「六角形」の形をした建物など、「多角形」の屋根もあります。

方形系屋根の架構

かぶら束の家 写真:梶浦暁建築設計事務所

屋根の構造の話になりますので、ここは読み飛ばしてもらって構いませんが、屋根について、より深く理解していただくために補足として説明しておきます。

方形屋根は、独自の架構形式になり架構デザインのバリエーションが多い特徴があります。

例えば、方形系の屋根は、「隅木(すみき)」が屋根の「頂部」に集まりますが、頂部に集まった隅木を様々な方法で納めることができます。

いわゆる「大黒柱」を中心にした「傘状」の架構もありますが、写真のように「蕪束(かぶらづか)」を用いることで、中心の柱をなくすこともでき、その場合、屋内空間をスッキリと納めることができます。

「蕪束(かぶらづか)」を用いることで、圧縮荷重で「隅棟(すみむね)」を支え、「屋根頂部」と「桁(けた)」の間に母屋をぐるりと巡らせ「隅木」を支え、「桁」で水平方向に働く荷重(スラスト荷重)に対抗して、相持ち構造とします。

そのままだと、「蕪束」が見える形になりますが、「梁」だけを見せて「蕪束」だけを天井のなかに隠すこともできます。

方形屋根の性質について

屋根のボリュームを抑えられる かぶら束の家 写真:梶浦暁建築設計事務所

方形屋根は、緩勾配にすることで屋根のボリュームを小さく見せることができる特徴があります。

屋根のボリュームを調整できるので、建築ボリュームとのバランスを取りやすく、平屋にした場合建物に対して、屋根のボリュームを綺麗に見せることができます。

また、屋根換気についてですが、方形屋根では「屋根頂部」から喚起を促す方法が一般的です。

方形屋根は、寄棟屋根よりもローコストになる

形が美しい方形屋根の家

方形屋根は、同じ面積の寄棟屋根に比べてローコストで仕上げることができます。

理由としては、寄棟屋根が長方形の形に対して、寄棟屋根では正方形の形になり、外壁の表面積が抑えられるため、結果としてローコストを実現することができるからです。

※ただし使われる素材などによって価格は変動します。その場合、寄棟屋根よりも価格が高くなることもあります。

寄棟・方形屋根の特徴

寄棟屋根の特徴 写真:木下工務店

寄棟・方形屋根の主な特徴は下記の通りです。

【寄棟・方形屋根の特徴】

1:切妻屋根よりも雨仕舞いがよく雨の流れに優れている
2:雨や雪が落ちる箇所を分散させることができる
3:雨風、日差しなどの影響を受けづらい
4:構造的に頑丈なつくりとなる
5:多方面からの斜線制限を回避できる
6:外観に安定感が生まれる
7:壁面積が減り雨がかりを抑えられる(外壁を保護できる)
8:回遊プランがつくりやすい
9:モダンな印象をつくりやすい

寄棟・方形屋根の特徴1:切妻屋根よりも雨仕舞いがよく雨の流れに優れている

寄棟・方形屋根では、四方に軒が出ているため、雨が壁にかかりにくいという特徴があり、雨仕舞いの面では、最も優れている屋根の形となります。

※ただし「棟」の箇所が増えますので、雨仕舞いはいいものの、雨漏れに強いわけではありません。

寄棟・方形屋根の特徴2:雨や雪が落ちる箇所を分散させることができる

寄棟屋根は雨や雪が落ちる場所を分散できる

寄棟・方形屋根は、屋根が4方向に流れているため、雨や雪が落ちる箇所が一箇所にまとまらず、綺麗に分散させることができます。

雨や雪が落ちる箇所を分散させることで、建物への負担を減らすことができます。

寄棟・方行屋根の特徴3:雨風、日差しなどの影響を受けづらい

寄棟屋根と切妻屋根の雨の流れ イラスト:街の屋根やさん

寄棟・方形屋根は、屋根面が4方向に広がっているので、雨や風、夏の強い日差しなどから、家を守りやすい特徴があります。

雨や風、雪が4方向に対して分散して屋根面を流れていくなど、屋根面に対してかかる負担も少なくできます。

【屋根の総面積が同じでも各面の面積は違う】

片流れ系の屋根 = 1面
切妻系の屋根 = 2面 (1/2)
寄棟・方形系の屋根 = 4面 (1/4)

また、寄棟・方形系の屋根は、構造的に煽られにくいため、比較的強風にも強い構造となります。

さらに、「軒の出」を出すことで屋根面だけではなく、外壁への影響も少ない、耐久性に優れた家をつくることができます。

寄棟・方形屋根の特徴4:構造的に頑丈なつくりとなる

寄棟・方形屋根は、構造的に安定しており、頑丈なつくりとなります。

地震などが起きた際の水平力に強く、強風時の風圧などに対しても強い特徴があります。

寄棟・方形屋根の特徴5:多方面からの斜線制限を回避できる

寄棟屋根は斜線制限を回避しやすい イラスト:SUUMO

寄棟・方形屋根は、軒のレベルを低く抑えられるので、「斜線制限」がかかる地域に家を建てる場合に、有利となる特徴があります。

寄棟・方形屋根の特徴6:外観に安定感と奥行き感が生まれる

寄棟屋根は外観に奥行きと安定感が生まれる

寄棟・方形屋根は、外観上、非常に落ち着いた雰囲気に仕上がりますので、外観上の安定感を生み出すことができます。

また、建物全体として奥行き感も出る上に、存在感のある建物にすることができます。

もちろん、和風建築、洋風建築、どちらの建築様式にも対応でき、格式高く洗練された落ち着いた雰囲気に仕上げることができます。

寄棟・方形屋根の特徴7:壁面積が減り雨がかりを抑えられる(外壁を保護できる)

寄棟・方形屋根は、屋根が外周を囲うように4方向に流れていく形式のため、壁面量が減るのも大きな特徴の一つだと思います。

壁面量が減ることで、雨がかりが少ない建物にすることができ、壁の隙間から雨が建物内部に侵入することを防ぐことができます。

建物の耐久性を低くする大きな原因の一つが雨漏れですから、雨がかりを減らすことで、家の耐久性を高めることができ、家が長持ちします。

※雨がかり(あまがかり)とは、雨が降った時に建物が濡れる部分のことを言います。

寄棟・方形屋根の特徴8:回遊プランがつくりやすい

方形屋根の特徴になりますが、家の形が正方形のため、四方に同じ勾配の天井がつくれるので、室内をぐるりと回るような、回遊プランを作りやすい特徴があります。

方形屋根では、「屋根」と「間取りプラン」を同時に考えることで、空間に無駄のない間取りにすることができます。

《どのような家のプランがいいのか悩んでいます。良い解決策はありますか?》

一生に一度の高い買い物である注文住宅。どんなプランにすれば家族にとって幸せな家になるのだろう・・・。

そう思い悩む方も少なくありません。

どのプランが適しているのかは、家族が家に求めているものや、それぞれのライフスタイルによって大きく変わることでしょう。

一度に答えを出すのは難しいところですが、実際にプランを提案してもらうことで解決できることもあります。

例えば、タウンライフを利用すれば、予算に合わせて間取りプランの提案をしてもらえたり、家づくりの計画書を無料で作成してくれます。

しかも、複数の住宅会社に同じ条件で一括して依頼できるため、より家族の暮らしと相性の良いプランを選びやすい特徴があります。

下記リンク先から、一括依頼サービスは無料で利用できますので、家づくりを検討しはじめたら一度利用してみてください。

>>>注文住宅のプランの一括依頼は、こちらのページで詳細を確認していただけます(プランの依頼や見積もり依頼は、無料で行えます)。

寄棟・方形屋根の特徴9:モダンな印象をつくりやすい

寄棟・方形屋根の特徴9:モダンな印象をつくりやすい

寄棟・方形屋根は、4辺の「軒先」が「水平」に揃う上に、「外壁」と「軒天井」の取り合いも「水平」に揃うため、非常にスッキリとした外観となり、モダンな印象を持たせやすい特徴があります。

寄棟・方形屋根のメリット

美しいラインの方形屋根の家「雪ノ下の家」 設計:石井秀樹建築設計事務所

屋根の形を寄棟・方形屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【寄棟・方形屋根の主なメリット】

1:雨や風に強く壁面が傷みにくい
2:外観上のバランスが良く建物の向きを選ばない
3:外観に安定感がでる上、洋風・和風どちらにも合う
4:外壁材に高価なものを使用する際に効果的
5:4方向すべての外壁を保護できる

寄棟・方形屋根のメリット1:雨や風に強く壁面が傷みにくい

寄棟・方形屋根は、建物を雨風から守る屋根が4方向に渡っているため、雨や風に強く、また構造的にも安定したつくりとなっています。

壁面への雨がかりが少なくなるので、壁が傷みにくく、また外壁を傷ませる要素の一つである「紫外線」の影響なども、屋根が緩和してくれるため、壁面が傷みにくい特徴があります。

「紫外線」や「雨」は、外壁を劣化させてしまう要因の一つとなるため、「直射日光」や、雨天時の「雨がかり」を減らすことで、壁面の劣化の進行を遅らせることができます。

つまり、寄棟・方形屋根は全ての面に「軒」があるため、屋根面だけではなく、「軒」が外壁を保護してくれ「壁」の耐久性を高めてくれます。

寄棟・方形屋根は「妻側」「平側」が「軒」で屋根が囲われています。

余談ですが、切妻系の屋根や片流れ系の屋根の場合は「妻側」を「ケラバ」と言い「平側」を「軒」と言うように名称が分けて呼ばれています。

寄棟・方形屋根のメリット2:外観上のバランスが良く建物の向きを選ばない

ビルトインガレージ付きの平屋 写真:住友林業「グランドライフ」

寄棟・方形屋根は、切妻系の屋根や片流れ系の屋根に比べると、屋根の「方角」を選ぶことなく、家を建てられるメリットがあります。

例えば、都市部など、住宅が密集している地域に家を建てる場合は、「斜線制限」などの「各種制限」がありますが、寄棟・方形屋根はそうした「各種制限」を回避しやすく、さらに、どの方角から見ても比較的バランスが整って見えるため、外観上の建物の向きを選ばずに、敷地内に家を建てることができます。

かいつまんで言えば、外観が安定しているため、家をどの向きで建てるかという苦労が少なくなります。

※住宅密集地では、斜線制限が代表的で北側斜線制限、道路斜線制限などがそれにあたります。

斜線制限は、採光や通風などを確保するために、北側の高さなどに「見えない建築許可ライン」として斜線制限を設けるものです。

寄棟・方形屋根のメリット3:外観に安定感がでる上、洋風・和風どちらにも合う

寄棟屋根は外観に安定感がでる上、洋風・和風どちらにも合う

寄棟・方形屋根は、寺院などにも採用されるように、外観上、どっしりとした重厚感と、バランスのとれた安定感をもたらすことができます。

建物の外観上、落ち着いた雰囲気を生み出すことができる上に和風、洋風などの住宅とも相性が良く、まとまりのある屋根の形になります。

寄棟・方形屋根のメリット4:外壁材に高価なものを使用する際に効果的

寄棟・方形屋根は、4方向に屋根を下ろすため、壁面量が減ります。

屋根よりも、外壁のコストの方がかかることが一般的ですから、壁面量が減ることで「建築総費用」で見るとコストが抑えられる傾向にあります。

つまり、外壁材に高価なものを使用する際は、寄棟・方形屋根にすることで、全体の建築費用を抑えられるケースがあります。

《家を安く建てる方法を教えて!?》

注文住宅では、工夫次第で家を安く建てることができます。

その代表的なものは「家の形」を真四角の総二階建てにすることですが、コストを抑える工夫は、それ以外にもたくさんあります。

注文住宅にかかるコストを大きくおさえる方法については、下記リンク先の記事にまとめておきましたので、これから注文住宅を建てる予定の方は参考にしてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

寄棟・方形屋根のメリット5:四方向すべての外壁を保護できる

寄棟・方形屋根は、建物の外周に屋根がかかっているため、他の屋根に比べて外壁の「雨がかり」を抑えることができます。

また、軒を出すことで、夏場などに見られる強い「紫外線」から、外壁を保護することができます。

外壁を保護し、外壁の耐久性を高めるという意味においては、切妻系の屋根や、片流れ系の屋根に比べると優れています。

寄棟・方形屋根のデメリット

屋根の形を寄棟・方形屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【寄棟・方形屋根の主なデメリット】

1:雨漏れのリスクが高い
2:雨や雪の落ちる場所を特定できない
3:屋根裏の喚起が悪くなるので建物にトラブルが生じやすい
4:屋根面を有効活用できない
5:コストがかかる
6:屋根裏が狭く屋根裏を活用しづらい

寄棟・方形屋根のデメリット1:雨漏れのリスクが高い

取り合い部分は雨漏れのリスクがある

寄棟・方形屋根は、切妻屋根や片流れ屋根よりも形が複雑で、屋根面に「隅棟(すみむね)」と呼ばれる斜めにかけられ降りていく「棟」ができます。

特に寄棟屋根では、「大棟」と「下り棟(隅棟)」のY字部分の取り合いである「かき合い」が大事で、ここから雨漏れが発生するリスクが高いので、特に注意する必要があります。

寄棟屋根では、こうした「屋根材同士」を「つなぐ」ための「取り合い」部分が5箇所あり、ダメージを与えやすい場所は、しっかりと工事を行う必要があります。

切妻屋根や片流れ屋根など、他系統の屋根に比べると、仕上げ工事や「納まり」が「複雑」になり、その分、雨漏りのリスクも高くなります。

※棟が長いのも、雨漏れ発生の原因となります。

寄棟・方形屋根のデメリット2:雨や雪の落ちる場所を特定できない

寄棟・方形屋根では、切妻屋根や、片流れ屋根のように雨や雪の落ちる場所を特定できません。

建物のすべての面に、屋根の傾斜がつけられておりどの方角にも雪が落ちる可能性があるためです。

寄棟・方形屋根のデメリット3:屋根裏の喚起が悪くなるので建物にトラブルが生じやすい

寄棟・方形屋根は、雨風には強いものの、屋根裏の換気が悪くなる傾向にあります。

寄棟屋根は、切妻屋根と同じように「棟換気」を行い、方形屋根は「頂部」に「換気口」を設けて「頂部換気」にすることが一般的ですが、やはり他の屋根の形と比べると、「換気」の悪さはデメリットになることも多いです。

また、軒天から空気を送り込むときも、下り棟の斜めの材が、空気が通る邪魔をするので、通気が悪くなる傾向にあります。

ガラリ換気

さらに、寄棟・方形屋根は、4方向に屋根があり建物を保護できるメリットがあるものの、妻側に設置する「ガラリ換気」が設置しづらく、十分な「換気」を促せないデメリットも生じます。

屋根の「換気」が悪いと、屋根裏の通気が悪くなるので、高温多湿な日本の住宅において、「内部結露」を起こしてしまうなど、建物の耐久性を著しく損なわせてしまう可能性があります。

(方形屋根は、屋根頂部の「大棟」がないため屋根の頂点でしか通気が取れず、さらに「換気」が悪くなり「内部結露」を引き起こすリスクが高い屋根になってしまいます)

※ただし、切妻屋根と寄棟屋根を合わせたような屋根形の「入母屋屋根(いりもややね)」にするなど、解消方法はあります。

「入母屋屋根」の特徴などについては、「寄棟・方形系屋根」の記事で紹介しますので、この後お話しさせて頂きます。

寄棟・方形屋根のデメリット4:屋根面を有効活用できない

寄棟・方形屋根は4つの方向に屋根が流れていくため、1つの方向の屋根面積が少なくなります。

【屋根の総面積が同じでも各面の面積は違う】

片流れ系の屋根 = 1面
切妻系の屋根 = 2面 (1/2)
寄棟・方形系の屋根 = 4面 (1/4)

寄棟・方形屋根のデメリット4:屋根面を有効活用できない

また、寄棟屋根は平面にすると「台形2面」、「三角形2面」の屋根をつなぎ合わせていますが、「三角形2面」においては、形状に合致する太陽光パネルが少なく、屋根面の面積に対して太陽光パネルを十分に設置することができません。

つまり、切妻屋根や、片流れ屋根に比べると、屋根面の活用がしづらく、ソーラーパネルを設置できる数が極端に少なくなるので、太陽光パネルの設置には向いていない屋根形となります。

もちろん、太陽光パネルを設置できないことはないのですが、同じ屋根面積でも発電効率は悪くなってしまいます。

寄棟・方形屋根のデメリット5:コストがかかる

寄棟屋根は切妻屋根と比べるとコストがかかる イラスト:街の屋根やさん

寄棟・方形屋根は、屋根をかけるための初期費用はもちろん、メンテナンスコストもかかります。

理由としては、屋根の形が複雑になることで施工が難しくなること、工期が伸びること、必要な屋根材が増えることなどがあげられます。

【寄棟・方形屋根のコストが高くなる要因】

1:「施工」が難しくなる
2:「工期」が伸びる
3:必要な「屋根材」が増える

屋根の形に限らず、建物の形でもそうですが、基本的に、形が複雑になればなるほど取り合い部分の工事に手間がかかり、その分材料費が増えたり手間がかかり、コストが増していく傾向にあります。

また、切妻屋根や片流れ屋根に比べると、「隅棟」などの「取り合い」部分が複雑になり、Y字部分の「かき合い」などは雨風の負担が大きくなるので、定期的にメンテナンスをする必要が出てきますが、屋根の機能を維持するための点検、メンテナンスにかかる費用も、他の屋根に比べると高くなります。

《どんな「家の形」なら注文住宅を安く建てることができるの?》

家の形は、屋根の形と同様に建築コストに大きく影響を及ぼします。

どのような家の形にはお金がかかり、どのような家の形なら家を安く建てることができるのか、詳細については下記リンク先の記事にまとめてありますので、あなたの家づくりの参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

寄棟・方行屋根のデメリット6:屋根裏が狭く屋根裏を活用しづらい

寄棟屋根では、屋根裏に大きなスペースが取りづらく、屋根裏スペースの有効活用は難しくなります。

4方向に傾斜がついている構造のため、屋根裏スペースの活用の仕方が難しくなるからです。

寄棟・方形屋根の注意点

屋根面の合わせ部分から生じる雨漏れに気をつける

寄棟屋根のY字部分のかき合いは雨漏れに注意

デメリットにも書きましたが、寄棟・方形屋根は、「大棟」と「下り棟」の3枚の屋根材が合わさるY字部分の「かき合い」においてトラブルが非常に生じやすい屋根の形になります。

もちろん、取り合い部分に注意することは、寄棟・方形系の屋根ばかりに言えることではありませんが、とりわけ、寄棟・方形系の屋根は、屋根面の合わせ部分となる「取り合い」箇所が多くなり、接合も複雑になるため、潜在的に雨漏れのリスクを抱える屋根となります。

雨漏れを防ぐためには、設計はもちろん、抜かりのない施工が必要となり、建てた後も点検やメンテナンスを定期的に行う必要があります。

寄棟・方形屋根を選ぶ際のポイント

寄棟・方形屋根は「切妻屋根」と比較されることが多いので、いくつか屋根を選ぶ際のポイントを記していきます。

具体的には下記の5つの点で比較していきます。

1:コスト比較
2:メンテナンスのしやすさ
3:外観シルエット
4:耐久性
5:実用性

※条件によっては下記に当てはまらない場合もありますので注意してください。

【コスト面】寄棟・方形屋根 < 切妻屋根

まずは、コスト面ですが、切妻屋根の方が形が単純なため、無駄が少なく屋根をかけるためのコストを抑えることができます。

ただし、切妻屋根では「妻面」が「壁面」となるので、トータルコストで言えば、あまり変わらないケースもあります。

一般的には「屋根を架けるコスト」よりも、「壁にかかるコスト」の方が高い傾向にあるからです。

\家のコストを大きく抑える方法は7つあります/

家を安く建てる方法を細かく言えばたくさんありますが、大きくコストを抑える方法はそこまで多くありません。

下記リンク先の記事に家のコストを抑えて家を安く建てる方法についてまとめてありますので、参考にしていただき、最高の家づくりをされてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

【メンテナンス面】寄棟・方形屋根 < 切妻屋根

次に、メンテナンスの面ですが、これもやはり単純な形である、切妻屋根の方が屋根にかかるコストを抑えることができます。

寄棟・方行屋根では、合計4枚の屋根同士を接合する必要がありますが、その部分において傷みが生じるケースが多く、点検やメンテナンスの費用がかかるからです。

【外観デザイン面】寄棟・方形屋根 > 切妻屋根

続いて、外観デザイン面ですが、好みはあるものの、寄棟・方形屋根の方が重厚感のある外観になるという意味で、寄棟・方形屋根に軍配が上がります。

もちろん、切妻屋根でも、工夫次第では、モダンな外観にすることを検討できるため、デザイン面は好みの問題だと言わざるを得ません。

《家の形は家の価格にどれくらい影響するの?》

家は形によって大きくコストが変わってきます。

家を建てるための初期費用はもちろん、建ててからも影響を及ぼす家の形とコストの関係については下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にして下さい。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

【耐久性】寄棟・方形屋根 > 切妻屋根

耐久性については、構造的には寄棟・方形屋根の方が安定していると思います。

トータルでいうと、寄棟・方形屋根の方が優れている印象が強いものの、部分的には切妻屋根の方がうわまっている部分もあるので、なんとも言えないところです。

【実用性】寄棟・方形屋根 = 切妻屋根

実用性について見ると、例えば寄棟・方形屋根は「屋根裏換気」が弱かったり、屋根裏の有効活用がしづらい面があります。

対して、切妻屋根は「屋根裏喚起」はしやすいものの、雨がかりの面で心配な面があり、どっちもどっちといったところでしょうか。

まとめると下記のようになります。

・コスト面:【切妻屋根】が有利
・メンテナンス面:【切妻屋根】が有利
・外観デザイン面:【寄棟・方形屋根】が有利
・耐久性:【寄棟・方形屋根】が有利
・実用性:甲乙つけがたい

結局、寄棟・方形?それとも切妻屋根?どちらの屋根を選ぶべきなの?

こんな話をしてしまうと、元も子もない話になってしまいますが、最終的には「好みの問題」だと思います。

コスト面が優先で、雨漏れのリスクを極力なくし、あまり外観デザイン面を気にしないのであれば、「切妻屋根」を選ぶといいと思いますし、コストは多少かかっても、耐久性が高く、どの方向から見ても映えると言った外観デザインを重視したい場合は「寄棟・方形屋根」が選択肢に上がると思います。

「寄棟・方形屋根」は和風建築、洋風建築両方の建築デザインと相性が良く、デザインによっては「切妻屋根」以上に、スタイリッシュな外観に見せることができるからです。

切妻屋根について詳しくは下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

【寄棟系の屋根】

入母屋屋根
マンサード屋根

ここからは、寄棟系屋根の「入母屋屋根(いりもややね)」と「マンサード屋根」の特徴やメリット、デメリットなどについてお話ししていきます。

3:入母屋屋根《寄棟屋根+切妻屋根》

上は切妻、下は寄棟の形をした入母屋屋根

入母屋屋根(いりもややね)は、上部は「切妻屋根」、下部は「寄棟屋根」のような形をしており、ちょうど、「切妻屋根」と「寄棟屋根」を合わせたような形をした屋根を「入母屋屋根(いりもややね)」と言います。

「寄棟屋根」の頂上の「棟」を延長して、先の方を部分的に「切妻屋根」とした屋根と言われることもあります。

入母屋屋根は、寄棟屋根ではとりづらかった屋根の換気も、小さい切妻面に換気口をつけることができるので、「煙抜き」や「屋根裏換気」を取りやすい特徴があります。

ただし、近年は、一般住宅では、あまり見られなくなり、それに伴い高い技術を持った職人の数が減り、建築コストが高騰している現実があります。

(入母屋屋根は、屋根の構造が複雑になり、施工に高い技術力が伴うため、きちんとした屋根を架けるためには熟練した技術が必要になります)

入母屋屋根は「屋根裏換気」がとりやすいことから、タイ、ベトナム、インド、インドネシアなどのアジア圏(特に東アジア)で普及している、伝統的な屋根の形となります。

※入母屋屋根を用いた「入母屋造」は、アジア諸国において格式が高い建築様式になります。

「入母屋屋根」と「しころ屋根」の違い

しころ屋根
入母屋屋根

寄棟系屋根の「入母屋屋根」は、切妻系屋根の「しころ屋根」とよく混同されることがありますが、「上部」の切妻部分と「下部」の寄棟部分の納まり方に違いがあります。

まず、共通点ですが、この2つの屋根、つまり「入母屋屋根」と「しころ屋根」は、上部は「切妻屋根」、下部は「寄棟屋根」となっている部分にあります。

具体的な違いについてお話しすると、「入母屋屋根」は、上部の「切妻部分」と、下部の「寄棟部分」が緩やかに繋がり「完全に一体化」しています。

それに対して「しころ屋根」は、上部の「切妻部分」と、下部の「寄棟部分」に切り替わる部分が、段差をつけて2つの屋根が「一旦切り離される形」で屋根がかけられます。

歴史を紐解いてみると、四天王寺が「しころ屋根」、法隆寺が「入母屋屋根」で見られる屋根の形になります。

つまり、歴史的背景を見る限りだと「しころ屋根」が派生して「入母屋屋根」となったと考えられており、ややこしいようですが、「入母屋屋根」の発展形態が「しころ屋根」と考えられています。

【切妻屋根に寄せるか、寄棟屋根に寄せるかの違い】

切妻屋根に寄せた屋根=しころ屋根
寄棟屋根に寄せた屋根=入母屋屋根

【しころ屋根が発展して(改良されて)入母屋屋根になったと見られている】

切妻屋根 → しころ屋根(四天王寺の屋根) → 入母屋屋根(法隆寺の屋根)

しころ屋根の四天王寺と入母屋屋根の法隆寺

※「しころ屋根」について詳しくは、下記リンク先の記事をご覧ください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

入母屋屋根のメリット

屋根の形を入母屋屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【入母屋屋根の主なメリット】

1:屋根の通気性が良い
2:外観が豪華に見える
3:格式が高く、和風テイストの建築に馴染む
4:瓦屋根と相性が良い
5:雨や雪を四方に分散させることができる
6:構造がしっかりしており、耐風性や断熱性が高い

入母屋屋根のメリット1:屋根の通気性が良い

入母屋屋根は屋根の通気が良い

入母屋屋根は、寄棟屋根の両端を切り落として、部分的に切妻屋根のように仕上げた形になっています。

切妻屋根のようになっている部分には「換気口」をつけることができるので、一般的な寄棟屋根に比べて「屋根裏換気」が取りやすいメリットがあります。

「屋根裏換気」が取りやすいことから、高温多湿なアジア諸国において都合がよく、入母屋屋根は東南アジアの建物でもよく見られる屋根の形になります。

入母屋屋根のメリット2:外観が豪華に見える

入母屋屋根は、寺院、神社、城郭、民家に至るまで幅広く、豪華な建物に採用されています。

寄棟屋根と同様に、「重厚感」と「安定感」のある、落ち着いた佇まいに見せることができるからです。

寄棟系の屋根の中でも、入母屋屋根は特に存在感が強く、静謐さを兼ね備えた独特の美しい外観に仕上げることができます。

入母屋屋根のメリット3:格式が高く、和風テイストの建築に馴染む

入母屋屋根は、日本瓦などを利用した和風様式の建築に非常に馴染みます。

そして、何よりも入母屋屋根は、日本の景観に馴染みやすい特徴があります。

日本の風土、環境に馴染みやすい外観で、重厚感のあるデザインなので、和風建築と非常に相性が良く、地域に馴染みやすいという特徴があります。

入母屋屋根のメリット4:瓦屋根と相性が良い

入母屋屋根は、瓦葺きの屋根との相性が非常によく、非常に馴染みやすい屋根の形になります。

ただし、素材によっては屋根が重たくなりすぎるため、耐震性に不安を抱える建物となるケースもありますので、地震の多い日本の住環境で設計を行うにあたっては、重たい屋根を支えられる構造とするような注意が必要です。

※日本に限らず、アジア諸国の神仏建築でもよく見られます。

入母屋屋根のメリット5:雨や雪を四方に分散させることができる

入母屋屋根は、寄棟屋根のように四方に傾斜をつけた屋根の形のため、雨や雪が落ちる箇所を分散させることができます。

特に、雨天時の水はけがよい屋根の形となります。

入母屋屋根のメリット6:構造がしっかりしており、耐風性や断熱性が高い

入母屋屋根は、屋根面が4面から構成されているため、構造的に頑丈なつくりとなっています。

そのため、自然と耐風性が増し、強風を伴う雨風に強い屋根の形となります。

また、設計次第では断熱性能も高い家にすることもできます。

入母屋屋根のデメリット

屋根の形を入母屋屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【入母屋屋根の主なデメリット】

1:雨漏れのリスクが高い
2:施工コストが高い(初期費用、メンテナンスコストを含む)
3:デザインの好みが分かれる
4:耐震性に影響する場合がある

入母屋屋根のデメリット1:雨漏れのリスクが高い

入母屋屋根は、屋根の形が複雑となり接合部分が多くなるため、雨漏れに非常に弱い屋根の形になります。

接合部分は、雨の侵入経路になるため、抜かりのない施工はもちろん、定期的な点検と、傷んだ部分のメンテナンスが必要になります。

※入母屋屋根は、他の屋根形と比べて老朽化した際の雨漏れのリスクが高まります。

入母屋屋根のデメリット2:施工コストが高い(初期費用、メンテナンスコストを含む)

入母屋屋根は、コストが高い屋根です。

理由としては、「切妻屋根」と「寄棟屋根」を合わせた屋根の形になることから、形状が複雑になること、その分、材料費や手間、工期が長くなることがあげられます。

【入母屋屋根のコストが高くなる要因】

1:工期が長くなる
2:構造が複雑なため施工しにくい
3:必要となる屋根材が増える

つまり、入母屋屋根では、取り合い部分の抜かりない防水処理なども必要となり、施工技術も要するため、その分コストが高くなります。

また、点検やメンテナンスにかかるコストも高くなるので、家を建ててからも屋根の機能を維持するコストが高くなります。

※その他、一般的な屋根の形と比べると入母屋屋根は工事が難しく、しっかりとした技術を持った職人の数が少なくなっているという理由もあり、コストは高くなります。

入母屋屋根のデメリット3:デザインの好みが分かれる

入母屋屋根は、格式が高い家でよく見られる屋根の形ですが、屋根の印象が、どこか重たい雰囲気に見られることも多く、建物によっては屋根の迫力がまさり、重たすぎる外観になってしまいます。

切妻屋根や片流れ屋根で見られるような、余計なものがそぎ落とされた印象の強いモダンな外観を好まれる方にとっては、古めかしい印象を持たれる方もいらっしゃるようで、デザイン上の好みが分かれる屋根の形となります。

【屋根の形が外観に与える影響】

・切妻、片流れ屋根 = モダンな屋根 = シャープな外観で印象が「軽く」なる
・寄棟屋根 = 格式の高い屋根 = 重厚感のある外観で印象が「重く」なる

入母屋屋根のデメリット4:耐震性に影響する場合がある

屋根が重いと建物に負荷がかかる イラスト:ケイミュー株式会社

入母屋屋根は、構造がしっかりしている反面、屋根の素材によっては、耐震性に影響を及ぼすことがあります。

屋根が重いと、建物に揺れが大きく伝わるため、建物の構造にも影響してくるためです。

建物自体を頑丈につくることで、デメリットは回避できることも多いですが、ただ、その分補強するための材が必要になりますので、コストは高くなります。

4:マンサード屋根《寄棟屋根+駒形屋根》

4つの方向全ての腰が折れるマンサード屋根

マンサード屋根とは、寄棟屋根を途中から「腰折屋根」にした形の屋根のことを言います。

つまり、寄棟屋根の4方向に流れる屋根が、全て途中で「二段階」に折られ、途中から「急勾配」となるといったような、1つの屋根面で異なる勾配(傾斜)がつけられた屋根のことを、マンサード屋根と言います。

屋根面の腰が途中で折れる、「腰折屋根」の一種なので、切妻系の駒形屋根(ギャンブレル屋根)と一緒に、腰折屋根として一括りに扱われることもあります。

厳密に言うと違いますが、「腰折屋根」という括りで、マンサード屋根と駒形屋根(ギャンブレル屋根)も一緒にして扱われることがあります。

【形が違っても、全て同じ名前の「腰折屋根」】

腰折屋根 = マンサード屋根 = 駒形屋根(ギャンブレル屋根)

※「屋根」の「腰」が折れているから細かい屋根の形状が異なっても「腰折屋根」

マンサード屋根は、屋根裏の空間を広く大きくできる特徴があり、「あかりとり」としてドーマーと組み合わせて使用されます。

※ドーマーってなに?

ドーマーとは、明かり取りのために、屋根に小さな空間を設けて取り付ける窓のことを言います。日本の住宅では、飾り窓として用いられることもあります。

ドーマーによって、どんなメリットがもたらされるのかなどについて、より詳しく知りたい方は、下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>注文住宅の間取りとマイホームプランで知っておきたい建物の各部名称と役割

「駒形屋根(腰折屋根)」との違いは?

マンサード屋根
駒形屋根(ギャンブレル屋根)
腰折の片流れ屋根

「駒形屋根(こまがたやね)」は、ギャンブレル屋根とも呼ばれますが、「マンサード屋根」と混同されることがあります。

この2つの屋根の共通点は、屋根が途中で「腰折屋根」となり、屋根の勾配が「2段階」になっているところにあります。

違いは「マンサード屋根」が「寄棟屋根」を「腰折屋根」にした屋根、「駒形屋根」が「切妻屋根」を「腰折屋根」にした屋根という点にあります。

つまり、「マンサード屋根」は「寄棟屋根」をベースとしていますので、建物の4方向に屋根面があり、「4方向」にある屋根面がそれぞれ途中で折れ「二段階」の勾配がつけられている形の屋根となっています。

それに対して、「駒形屋根」は切妻屋根をベースとしていますので、建物の2方向に屋根面があり、「2方向」にある屋根面がそれぞれ途中で折れ「二段階」の勾配がつけられている屋根となっています。

ちなみに、「駒形屋根(ギャンブレル屋根)」は、18世紀にヨーロッパからアメリカに伝わった屋根の形で、屋根の2面を2段勾配にした屋根の形となります。

【「マンサード屋根」と「駒形屋根」の違い】

寄棟屋根 + 腰折屋根 = マンサード屋根
切妻屋根 + 腰折屋根 = 駒形屋根
(片流れ屋根+ 腰折屋根 = 腰折の片流れ屋根)

駒形屋根について詳しくは下記リンク先の切妻系屋根の記事をご覧ください。

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

また、マンサード屋根は、フランスの建築家フランソワ・マンサールが考案した屋根です。

マンサード屋根のメリット

屋根の形をマンサード屋根にする、主なメリットは下記の通りです。

【マンサード屋根のメリット】

1:天井高を大きくとれ屋根裏の設置に有利
2:洋風の建物と相性が良い
3:雨の水はけがよく、雪の滑りも良い
4:各種制限に有利で敷地制限に強い

マンサード屋根のメリット1:天井高を大きくとれ屋根裏の設置に有利

マンサード屋根は、屋根上部の勾配が緩く取られるため、天井高を広く大きくとることができます。

天井高を広く大きくとれるので、屋根裏部屋の設置に適した屋根で、屋根裏部屋が暗くならないように、窓を設けることで気持ちの良い屋根裏部屋をつくることができます。

マンサード屋根のメリット2:洋風の建物と相性が良い

マンサード屋根は、ヨーロッパ発祥の屋根のため、洋風建築と非常に相性がよく、西欧風のデザインの外観と非常にマッチします。

マンサード屋根のメリット3:雨の水はけがよく、雪の滑りも良い

マンサード屋根は、腰が折れた屋根形状のため、雨仕舞いがよく流れるように雨が滑っていきます。

屋根の傾斜を二段階にすることで、雪も同様に屋根面を滑っていくため、屋根面に雪が積もるのを抑制する効果が期待できます。

マンサード屋根のメリット4:各種制限に有利で敷地制限に強い

マンサード屋根は、途中で屋根の傾斜を急勾配にすることで「軒の出」の長さが短くなります。

腰が折れない場合だと、敷地の外に屋根が飛び出してしまう恐れがあるケースでも、屋根の腰を折ることで、敷地内にしっかりとおさめることができます。

また、屋根が敷地外に飛び出してしまう問題だけではなく、屋根の腰を折ることで斜線制限などの各種制限も回避することができるメリットもあります。

マンサード屋根のデメリット

屋根の形をマンサード屋根にする、主なデメリットは下記の通りです。

【マンサード屋根の主なデメリット】

1:腰折部に雨漏れのリスクがある
2:施工費用が高い
3:点検やメンテナンスにかかる費用が高い
4:ソーラーパネルの設置には向いていない

マンサード屋根のデメリット1:腰折部に雨漏れのリスクがある

マンサード屋根は、腰折屋根の一種のため、他の腰折屋根と同様、やはり「屋根の折れる部分」において雨漏れのリスクが発生します。

特に「腰折部」の負担が大きく、「腰折部」は傷みやすいため、定期的な点検やメンテナンスは必須となります。

マンサード屋根のデメリット2:施工費用が高い

マンサード屋根は、四方の屋根面の腰が折れるため、屋根の形が非常に複雑になります。

形が複雑になるほど、施工にかかる手間や材料が必要となり、工期も長くなるため施工費用が高くなります。

マンサード屋根のデメリット3:点検やメンテナンスにかかる費用が高い

マンサード屋根は、腰折部の傾斜が急になるため、その上に登って点検することが難しくなります。

ですから、点検やメンテナンスをする際は、一般的に足場を組む必要があります。

足場を組む費用は高いので、点検やメンテナンスにかかるコストも高くなります。

マンサード屋根のデメリット4:屋根面の有効活用がしづらくソーラーパネルの設置には向いていない

マンサード屋根は、ソーラーパネルの設置には向いていません。

切妻系の「駒形屋根(ギャンブレル屋根)」は、屋根面が2面のため、ソーラーパネルがなんとか設置できるケースもありますが、マンサード屋根の場合は、腰折部が4面になり1面あたりの面積も小さくなるため、ソーラーパネルの設置は困難となります。

【方形系の屋根】

続いて、方形系屋根の「5:多角形屋根」の特徴やメリット、デメリットなどについてお話ししていきます。

5:多角形屋根

多角形屋根とは、方形屋根の一種で、屋根面を「六角形」や「八角形」にした屋根のことを言います。

方形屋根が「正四角錐」の屋根の形をしているのに対して、「六角錐」、または「八角錐」などの形をした多角形の屋根の形を総じて「多角形屋根」と言います。

上空から見て、六角形の屋根を「六注(または六注造)」と言ったり、八角系の屋根を「八注(または八注造)」と言うこともあります。

八柱造の広隆寺桂宮院本堂

屋根頂部には「棟」がなく、たくさんの「隅木」が、中央の一点に集中するため、納まりが複雑になるため、納め方に工夫が必要となり、施工に注意が必要な屋根の形になります。

ちなみに、八注造では、京都の広隆寺桂宮院本堂(こうりゅうじけいきゅういんほんどう)が有名な建物となります。

※ここでは「方形屋根」の「多角形屋根」についてお話ししていますが、「寄棟屋根」を応用した「多角形の屋根」もあります。

多角形屋根のメリット

多角形屋根は、一般的に外観が非常に整って見える特徴があります。

多角形屋根にすることで、個性的な外観や、象徴的な空間を作ることができます。

その他のメリットは、概ね方形屋根と一緒ですので、寄棟・方形屋根のメリットを参考にしてください。

多角形屋根のデメリット

多角形屋根は、形が複雑なのでコストが高くなります。

また、屋根面の接合部分である、取り合い部分の処理を抜かりなく行う必要があり、雨漏れにも注意が必要な屋根となります。

屋根面を有効活用することは不可能で、ソーラーパネルの設置には残念ながら向いていません。

その他のデメリットは、方形屋根と概ね一緒ですので、寄棟・方形屋根のメリットの項目をご覧ください。

寄棟・方形屋根を応用した発展系の屋根の3パターン

寄棟屋根も、「切妻系屋根」や「片流れ系の屋根」と同様に、下記の方法を使って拡張が可能です。

【寄棟・方形屋根を発展させる3つのパターン】

1:屋根の形を変える
2:屋根の形を組み合わせる
3:屋根の勾配を変える

1:屋根の形を変える

寄棟屋根は斜線制限を回避しやすい イラスト:SUUMO

多方面から「斜線制限」がかかるような、「斜線制限」が厳しい都市部などの住宅密集地などでは、高度斜線に応じて、屋根のボリュームを斜線なりにカットする方法をとることができます。

斜線なりにカットすることで、「天井高」を確保しながら「小屋根裏空間」を活用することができます。

2:屋根の形を組み合わせる

他の系統の屋根と形を組み合わせる 写真:SUUMO

例えば、「切妻屋根」と、「寄棟屋根」を合体させ、片側部分を「切妻屋根」として、一方を「寄棟屋根」の形にする方法をとることもできます。

さらに、単調な「切妻屋根」に、「寄棟屋根」を下屋(げや)として組み合わせ、「切妻屋根」と「寄棟屋根」の双方の空間に変化をつけることなども検討できます。

※「下屋(げや)」ってなに?

下屋(げや)とは、母屋(おもや)の外壁に接して、張り出して架ける屋根のことを言います。

下屋は一般的に片流れ屋根が使用されますが、寄棟屋根で下屋をつくることもできます。

・方形屋根と越屋根(こしやね)と組み合わせる

越屋根は喚起を促す写真:pinterest

また、方形屋根は、一般的に「屋根換気」が取りづらい屋根になりますが、屋根の一部が持ち上がったような形式で「換気」や「採光」を行う「越屋根(こしやね)」を頂部に設置すれば、換気がとりやすくなるメリットが生まれます。

3:屋根の勾配を変える

・緩勾配の方形屋根で建物全体のボリュームを抑える

美しい平屋の「鵠沼の家」 写真:株式会社SYNC

比較的小さな平屋などを建てる場合、「建物のボリューム」と「屋根のボリューム」がアンバランスになってしまうことがあります。

そうしたケースでは屋根の形を方形屋根とし、全体のバランスを整えることができます。

方形屋根は、屋根の勾配を緩やかにすることで、「建物のボリューム」に対して、存在感の強い「屋根のボリューム」を抑えられるからです。

※平屋については下記リンク先の記事を参考にしてください。

近年、平屋を好まれる方が増えていますが、一般的なイメージと違い、平屋はそこに住む人を選ぶ住居形式です。

例えば、平屋は一般的な「2階建住宅」と比べて建築費用が高くなるといったら、ほとんどの方が驚きの声をあげます。

平屋の方が2階建住宅よりも家を建てるためにかかるコストが安いと思っているからです。

そうした平屋の特徴など、意外と盲点になりやすい点については、下記リンク先にまとめてありますので、平屋で家づくりを検討されている方は、一読していただくと平屋での家づくりに関する失敗を防げると思います。

>>>新築で平屋住宅を建てる9つの注意点と21のメリットとデメリット

さらに、おしゃれな平屋にしたい場合は、下記リンク先の記事に、おしゃれな平屋にするコツについてまとめさせていただいているので、参考にしてみてください。

>>>おしゃれな平屋にする4つのポイントと17の間取りのアイデア

また、平屋といっても様々な「家の形」を検討できます。そして、それぞれの「家の形」によってメリットやデメリットがあります。

平屋で失敗しないための「家の形」については下記リンク先の記事にまとめてありますので、平屋で家づくりを進めるにあたって参考にしてください。

>>>平屋の間取りに差が出る、知っておきたい5つの平屋の形とメリット、デメリット

最後に、家の形次第ではコストを抑えて家を建てることができます。

そんな家の形と家の価格の関係について知りたい方は下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

・急勾配の寄棟屋根で建物全体のボリュームを小さく見せる

軒の深い落ち着きある寄棟屋根で緑の中に溶け込むデザイン 写真:住友林業 グランドライフ

一方で、急勾配の寄棟屋根とすることで、建物全体のボリュームを小さく見せることもできます。

急勾配の寄棟屋根とすることで出来た小屋裏空間を、収納スペースとしてロフトを設置したり、あらわし仕上げにするなどをして、開放的な空間をつくることができます。

《ロフトって実際どうなの?使い勝手の良いロフトのつくり方は?》

ロフトについては、下記リンク先の記事に、ロフトのメリットやデメリットを始め、使い勝手の良い便利なロフトのつくり方についてまとめさせていただいています。

家づくりでロフトを検討中の方は、一度ご覧になり、十分に検討して間取りを決めることをお勧めします。

>>>ロフトは必要?家づくりでロフトを設置するメリットとデメリット

寄棟・方形屋根のまとめ

今回の記事では、注文住宅で使われる一般的な屋根の形のうち「寄棟・方形屋根」について、まとめてお話ししました。

寄棟・方形屋根は切妻系の屋根と同じように一般的に、よく見られる屋根の形なので、馴染み深い方も多いと思います。

寄棟・方形屋根は個性的なシルエットがつくりやすく、形次第では、高温多湿な日本の住環境において、建物の耐久性を高めるという意味でも大切な「屋根換気」を効率よくとることができます。

一方で、寄棟・方形系屋根の注意すべきポイントは、建築コストの高さと、複雑な形になることからくる雨漏れ対策です。

特に取り合い部において、雨漏れを引き起こすリスクが高くなりなりますので注意してください。

腰折屋根については、さらに注意が必要になり、定期的な点検やメンテナンスは必須だと思ってください。

屋根の形は、雨、風、強い日差しなどから、建物を守る上で非常に重要な役割を果たし、さらに外観上のシルエットや、内部空間の間取りにも大きく影響を及ぼします。

これまで、切妻系屋根、片流れ系屋根についても、今回お話しした寄棟・方形屋根同様に大事なことをお話ししています。

それぞれの屋根の特徴をしっかりとつかんでいただき、失敗のない家づくりに励んでいただければ幸いです。

【切妻屋根や片流れ屋根の特徴について教えて!】

切妻屋根については下記リンク先の記事を参考にしてください

>>>注文住宅に使われる11種類の切妻屋根の特徴とメリットデメリット

また片流れ屋根については下記リンク先にまとめてありますので合わせて参考にしてください。

>>>片流れ系の屋根6種のメリットやデメリットについての解説と屋根選びの注意点

いい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと

注文住宅を予算内におさめて、いい家を安く建てるためには、家づくりをはじめた当初の準備段階で知っておいて欲しいことが大きく言って3つあります。

プランを依頼する前に、「コストを抑えて家を安く建てるコツ」を知っておくことで無駄のない家づくりができるようになります。

下記に注文住宅を予算内におさめるために、知っておいて欲しい内容の記事を3つまとめておきましたので、参考にしていただき、無駄のない家づくりをしてください。

1:家のコストを大きくカットするコツと7つの基本

一度プランを依頼してみればわかりますが、注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーしてしまいます。

当初の予算をオーバーする原因は人それぞれで違い様々ですが、打ち合わせを重ね、プランを進めてしまうと、一度プランを白紙に戻さないと引き返すことができなくなるなど、後戻りができなくなってしまうケースもあります。

もちろん、プランを一旦白紙に戻した場合は、それに伴って余計なコストがかかることは言うまでもありません。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、依頼する側が、家を安く建てるための基本やコツをしっかりと抑えておき、理想と現実の狭間で揺れながらも、予算内におさめられるようにコストを上手にコントロールする必要があります。

下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因や、コストダウンの基本などについてお話ししていますので、あなたの家づくりの参考にしていただき、予算内で納得のいく、いい家を安く建てることにお役立てください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家の形とコストの関係

家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。

家を建てる際に必要となる初期費用はもちろん、建てた後に必要となるメンテナンスや点検を含む「修繕・維持費用」までも家の形で大きく変わってきます。

特に角(かど)の多い家は注意が必要で、実は角(かど)が一箇所増えるにつれて、見積もり金額に10万円から20万円の金額差が生まれます。

下記の記事では、そうした、お金のかかる家と、お金のかからない家の形の違いについてお伝えするとともに、どのような家の形であれば家のコストがかからず、逆にどのような形になった場合、家のコストが上がるかなどの例もまとめてありますので、あなたの家づくりの参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でもらえる住宅カタログを使って家づくりを進める方法

家づくりは、今あなたが行なっているように、情報を集めるところからスタートします。

そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。

実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に大きく差が生まれますし、金額的な予算の違いだけではなく、同じ要望で依頼しても、依頼先次第で提案されるプランが違ったり、ひいては実現できることや実現できないことも依頼先によって違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。

だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決めなければなりません。

依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、必ずおさえておきたいポイントなどがあります。

下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、必ずおさえておきたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ

以上、参考にして家づくりを進めてください。




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