斬新なデザインはいつの日も私たちに驚きと感動を与えてくれます。
私たちが気がつかなかった部分にちょっとしたデザインを加えることにより、よりそのものを便利にする。それもデザインの使命でありデザインがデザインたる所以だと思っています。
今回紹介するコップもその一例で、一部が「めくれる」ことにより、そのデザイン性並びに機能性を高めることに成功した良い例と言えます。
上の図がラフスケッチ。ラフスケッチを見ただけでコップの一部が「めくれる」ことの意味はよくわかりますね。
そしてこちらがコップの一部がめくれたことにより機能性を高めたコップ「peel」です。そうです、コップの一部がめくれたことにより、めくれた部分にスプーン等を立てかけることが出来るようになっています。
一部をめくらせたことだけなのに、私たちに利便性をもたらせてくれるこのデザイン。佐藤オオキ氏率いるnendoならではの、かゆいところに手が届く素晴らしいデザインだと思います。
一部がめくれた部分をアップしてみるとこんな感じ。ちょっとしたデザインなのですが、非常に洗練された印象を受けます。
こちらは実際にドリンクを入れた上でコップの一部がめくれた部分にスプーンを立てかけたもの。
ただ、単に「めくれた」だけなのにも関わらず、その位置にスプーンが気持ちよくおさまり、固定され、右へ左へ余計な動きをしないようになっています。
もちろんこのめくれた部分にはスプーンだけではなく、上の写真のようにティーバッグの紐を巻き付けることも可能。こうすることで紐が邪魔にならずに気持ちよくコップに収めることが出来ます。
このコップの機能はそれだけではありません。上蓋に使用されるフタをコップの底にもってくると高台となり、ちょっとしたソーサーとして使用することが出来ます。
さらにこの高台は、ちょうどよくコップの上部に収まりフタとしての機能も持ち合わせているので、紅茶等を入れた状態で片手で持ち運ぶことが出来ます。
もちろん上蓋の役目はそれだけではなく上の写真のように使い終わったティーバッグやスプーンを置くことも出来ます。
さらに、小皿としてお菓子をのせることも可能。脇役としてではありますがフタのこの機能性・・・お茶好きにはたまらない一品です。
写真のようにただ、めくれているだけなのにも関わらずここまで機能が詰め込まれているなんて・・・素晴らしいですね。
コップの底面に2段の高台をつけることで、コップ同士、フタ同士、フタをしたコップ同士など、どの組み合わせでもスタッキングができ、すっきりと収納できるようになっており、上蓋をすると、写真のように積み重ねることも可能。収納にも困りません。
上蓋をするとこんな感じ。すっきりです。
色はブラウン、ホワイト、ライトブルーの三色あるようですね。
いろんな使い方が考えられるこのコップ。あなただったらどんな使い方をしますか?
この一部がめくれるコップ「peel」はnendoによりデザインされ古くから日本の施釉薬陶器の中心地として栄える愛知県瀬戸市に1973年に設立された361° ceramic japan(セラミックジャパン)により販売されており、以下から購入することが出来ます。
【セラミックジャパン/nendo】361°peelカップ/ホワイト 価格:2,100円 |
【セラミックジャパン/nendo】361°peelカップ/ブラウン 価格:2,100円 |
【セラミックジャパン/nendo】361°peelカップ/ライトブルー 価格:2,100円 |
グッドデザイン賞やMoMAパーマネントコレクションにも選定されるなど、国内外で大きな評価を得ており優れた感性と技術を融合させ、伝統を守り続けるメーカーであるセラミックジャパンとnendoが協業した商品。気になった方は購入してみてもいいかもしれませんね。
▼参考:
peel | nendo(http://www.nendo.jp/jp/works/peel/?release)