人気の洋菓子店を手がけるパティシエ辻口博啓氏。モンサンクレールやLE CHOCOLAT DE Hと言ったら、スイーツのことをあまり知らないあなたでも一度は耳にしたことがある洋菓子店なのではないでしょうか。
そんな人気の洋菓子店を手がけるパティシエ辻口博啓氏と、新進気鋭のデザイナーであり日本のデザインスタジオnendoを率いる佐藤オオキ氏が対談をしたお互いの印象を元につくり上げたのが今回紹介するデザイン「chocolate-pencils」。
辻口博啓氏がスイーツを、佐藤オオキ氏が食器を手がけることでこのプロジェクトは進められました。
佐藤オオキ氏によると「食器に料理やスイーツが美しく盛りつけられる様子が、キャンバスに絵を描くことと似ていることから、カカオの濃度が異なる「色鉛筆」のようなチョコレート数本と、「鉛筆削り」をのせた「色鉛筆用のトレイ」のような食器を作り、スイーツを食べる人がチョコレートを上に削ることでひと味加えられるようにした」ようです。
鉛筆の形をしたチョコレート、もちろんそれ自体のデザインも非常にユニークで面白いのですが、何よりこのスイーツを食べる人自身が最後に鉛筆削りで削り、チョコレートの削りカスを盛りつけることでスイーツが完成する一手間は、非常に面白いアイデアだと思います。
この一手間が非常に楽しく感じる秀逸なデザインと言えましょう。
左にパティシエ辻口博啓氏が考案したスイーツを、そして食器や右に並べられた鉛筆の形のチョコレートは佐藤オオキ氏のデザイン。
右上にちょこんと置かれた鉛筆削りを削ることにより最後の総仕上げを行います。
こちらが鉛筆削り。この鉛筆削りで削ることにより本来は捨てられる「削りカス」が主役になりスイーツの総仕上げが行われます。
実際に鉛筆削りによってカカオの味のチョコレートを削った後は上野写真のようになります。一般的な鉛筆削りででた削りカスと同様なカスがチョコレートケーキの上に綺麗に振りかけられています。
鉛筆を置く為の波のような食器のデザインと、スイーツが相まってスイーツをより一層引き立てることに成功しています。
アップにするとこんな感じ。
一般的には面倒な一手間でも、こういったデザインを加えることでその一手間が意味のある物となり、面倒ではなく、逆に楽しむことが出来ます。
こうした逆転の発想のデザインをみるとやはり、デザインというものはやはり奥が深く私たちの生活に必要なものだと感じます。
▼参考:
chocolate-pencils | nendo(http://www.nendo.jp/jp/works/chocolate-pencils/?release)