家を建てるときは必ず土地が必要です。
そして、注文住宅を建てる上で、どの土地を選び、どのような特徴や性質をもつ敷地であるのかを事前に調査することは、今あなたが思っている以上に非常に大事な要件です。
なぜなら土地次第で、どのような家が建てられるのかが、自ずと決まってきてしまうからです。
多くの人は「よし!家を建てよう」と家づくりを思い立ったときに、上物である家ばかりに目がいってしまいます。
つまり、家の外観や内装など、どのような雰囲気の家を建てようかは真剣に検討することは多いですが、肝心な「家を建てる土地」のことは何かと後回しになってしまいがちな傾向にあります。
しかし、実際は家を建てる土地によって建物の形、間取りを含む住環境は大きく左右されることになり、実現できることとのギャップに苦しむこともあります。
土地と建物・・・どちらか一方が悪いと、あなたが住んでいてい心地よいと感じる、本当にいい家を建てることはできません。
そして、最悪のケースだと、あなたの建てたい家は、あなたの取得した土地では建てられないといったことが現実として起こりうるのです。
Contents
- 1 土地探しは同時進行がベスト!知識があれば事前に取得しておく
- 2 注文住宅の敷地調査のポイント
- 3 敷地調査で最低限確認しておきたい15のポイント
- 3.1 敷地調査で見るべきポイント1:正確な方位(環境の調査)
- 3.2 敷地調査で見るべきポイント2:敷地の高さ(土地の調査)
- 3.3 敷地調査で見るべきポイント3:接する道路と歩道の幅(法律の調査)
- 3.4 敷地調査で見るべきポイント4:道路と接する長さ(法律の調査)
- 3.5 敷地調査で見るべきポイント5:接する道路の交通量(環境の調査)
- 3.6 敷地調査で見るべきポイント6:塀(へい)の高さと材質(土地の調査)
- 3.7 敷地調査で見るべきポイント7:境界から隣家までの距離(土地・法律の調査)
- 3.8 敷地調査で見るべきポイント8:隣地建物の窓の位置(環境の調査)
- 3.9 敷地調査で見るべきポイント9:水道・ガス・下水管の取り出し位置(土地・環境の調査)
- 3.10 敷地調査で見るべきポイント10:側溝の位置と幅(環境の調査)
- 3.11 敷地調査で見るべきポイント11:電柱・電線・支線の位置(土地の調査)
- 3.12 敷地調査で見るべきポイント12:眺望の良い方向(環境の調査)
- 3.13 敷地調査で見るべきポイント13:周辺建物の外観・町並み(環境の調査)
- 3.14 敷地調査で見るべきポイント14:街路樹の位地・樹種・高さ(土地の調査)
- 3.15 敷地調査で見るべきポイント15:敷地内の樹木の位置・高さ(土地の調査)
- 4 敷地調査の際に特にチェックしたい家の配置を左右する3つのポイント
- 5 敷地調査の際に特にチェックしたいポイント1:道路の方角
- 6 敷地調査の際に特にチェックしたいポイント2:日照条件
- 7 敷地調査の際に特にチェックしたいポイント3:敷地と建物の余白
- 8 敷地調査で押さえておくべき15ポイントのまとめ
- 9 補足:一般的に10万円必要な土地の調査を「無料」で依頼する方法
土地探しは同時進行がベスト!知識があれば事前に取得しておく
『土地を取得してから』家づくりを依頼するのか、それとも『土地を取得する前』に住宅会社に依頼し、住宅会社と一緒に土地探しをするのかは、これから家づくりをされる方の誰もが悩まれる点だと思います。
結論から言えば、土地の取得は、家づくりと同時進行がベストと言えます。
何故なら家づくりが初めての素人の方が、理想とする土地を見つけるのは困難を極める可能性があるからです。
最悪の場合、不動産屋にろくな家も建てられない、とんでもない土地をつかまされてしまうケースもあります。
さらに言えば、実際に土地自体は良くても建ぺい率や容積率はもちろん、法規などの関係で希望の家を建てられないこともあります。
>>>家づくりで後悔しない為に抑えておきたい土地購入で役立つ5つの言葉
もちろん、土地取得にあたって専門的な知識のある方は、事前におさえておいて問題ありません。
いや、むしろ土地だけでも押さえておいたほうが、そのあとの話がスムーズに運ぶと思います。
しかし土地取得に対して、少しでも不安を抱えているのであれば、土地探しは依頼先の住宅会社と同時進行で進めていくといいと思います。
ただし、同時進行で進めていく場合も、全てを任せきりにするのではなく、必ず今回お話しする15のポイントなど、最低限、見るべきポイントをしっかりと押さえておくことは必要となります。
敷地調査の15のポイントは最低限しっかりと押さえる
土地探しをしてみればわかりますが、土地探しで100点満点を取るのは現実的ではありません。
多くの場合は土地探しで100点満点を取るのは不可能で、理想とする土地環境の80点取れれば非常にいい方だと思います。
実際は良くても、理想とする土地を100点として60点から70点程度が及第点なのではないかと思います。
今回は、これから土地を取得し家を建てようと検討している方に向けて、家を建てる際の土地探しで必要となる、敷地調査のポイントについてお話ししていきます。
土地についての専門家になる必要はないので、施主(注文住宅を建てる人)の方が、最低限知って起きたいポイントに絞ってお話ししていきます。
また、合わせて無料で敷地調査をしてもらう方法についても、お話ししていきますので、敷地調査の際にお役立ていただければと思います。
ぜひ、今回の記事を参考にしていただいて、あなたの理想となる住まい探しの役に立ててください。
注文住宅で、家づくりを行うときは土地と建物は必ずセットで考えてください。
それを考えずに家づくりを進めてしまうと、結果として家づくりを失敗する確率が高くなりますので注意してください。
また、建てる土地によって家の価格が大きく変わってくることがあります。どのようなケースで変わるのか、どれくらい金額が変わるのか、おおよその金額をおさえておく事は極めて重要です。
今回はそんな家を建てるための敷地調査で建てられる注文住宅を左右する特にチェックしたい15の視点についてお話ししてきます。
【予算内で注文住宅を建てるために知っておきたい3つのこと】
注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります。
1:家を安く建てるための方法は?
注文住宅ではほとんどの場合、当初の予算を上回ってしまいます。
注文住宅を予算内で建てるには大きく言って7つの基本を押さえておく必要があります。
予算内でいい家を建てるための7つの基本は「家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本」をご覧ください。
2:注文住宅を予算内におさめるための家の形の話
あまり知られていませんが、家にはお金のかかる形の家と、お金がかからない形の家があります。
では、どのような家の形はお金がかかり、どのような形にすればお金がかからないのでしょうか?
それぞれの家の形の特徴とお金の関係については「家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い」をご覧ください。
3:無料でカタログを請求し理想の家を建てる方法
注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。
無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して理想の家を建てる方法については「無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ」をご覧ください。
注文住宅の敷地調査のポイント
冒頭でお話ししたように、敷地の環境は、住まいの設計に大変大きく影響を及ぼします。
例えば、面積制限、高さ制限、斜線制限、防火規定などを含む法的な要件をはじめ、敷地の形や高低差、道路の状況や隣家との関係、日照や通風などによって家の形や面積、敷地内のどの場所に建物を建てるのか、ひいては住み心地が決まってしまうこともあります。
ですから、事前の敷地調査は、しっかりと希望通りの建てたい家を建てることができるのか、その土地にどのような家を建てるのがベストなのかを知ることはもちろん、どのような性質や特徴を持つ敷地なのか土地の性質をつかむ意味で、事前に必ず行なっておかなければなりません。
敷地調査をせずに、建てたい家のことばかり考えても、全く意味がありません。
実際所有している土地、もしくは目星をつけている土地に希望通りの建物を建てることができず、土地次第では、空想のまま絵に描いた餅になってしまう可能性もあることは、覚えておくべき事項だと思います。
※【実は、無料で敷地調査を依頼する方法もあります】
既に家を建てる土地を所有している場合は、依頼前に、敷地調査を行うことをお勧めします。
もちろん、依頼後に依頼先の住宅会社と一緒に敷地調査をしても問題はありませんが、依頼前に行なってしまった方が、そのあとの話がとてもスムーズに運びます。
理由としては、建築基準法などの法的規制によって依頼先の住宅会社では希望する間取りなどが敷地に適合しない可能性があるからです。
また、地盤調査によっては基礎の補強などの追加費用が発生するケースがあったりと資金計画が大幅に変わってくる可能性があります。
ただし大手のハウスメーカーで検討している場合は話は別です。
なぜなら一部を除いたほとんどのハウスメーカーでは敷地調査は無償で行ってくれるからです。
良心的なハウスメーカーではラフプランを依頼前でも希望であれば、事前に敷地調査や地盤調査を無償で行ってくれます(もちろん役所などに駆け寄り敷地環境における法的規制なども調査してくれます)。
無料で行ってくれる敷地調査の範囲は各ハウスメーカーで若干異なりますが、例えば積水ハウスなどは「敷地の状況」「隣地の状況」「設備の状況」「施工関係」「法規規定」「登記簿上の面積、他の権利関係等の調査」において無料で調査を行ってくれます。
特に、ライバル会社に指定されている複数社で競合している場合は、営業戦略上優位に立つために無償で行ってくれるケースが多いようです。
ちなみに、敷地調査を依頼したからといってその住宅会社に建物も依頼しなければならないという義務はありません。ただし、契約内容に盛り込まれている場合は話は別になりますので、契約内容を十分に確認してから申し込むようにしてください。
一方で、これから建てる土地を探す予定の方は、住宅会社に相談しながら担当者と探してもいいと思います。
・・・が、住宅会社に相談しながら担当者と探す際の注意点としては、住宅会社の手のひらで踊らされないよう注意してください。
特に、「建築条件付き土地」の場合は注意が必要で、住宅会社に強引に契約をさせられてしまうこともあるので注意してください。
住宅会社へのラフプランの依頼はもちろん、土地調査、土地探しなどは下記のサービスを利用する方法もありますので、家づくりのきっかけとして利用してみるといいと思います。
必ず現地へ行くことが大事
どんな家が建てられるのか決まってしまうほど大事な敷地調査を、現地へ行かず敷地図で済ませてしまったり、グーグルマップなどで簡単に済ませてしまう方も中にはいらっしゃいますが、必ず現地で敷地図と照らし合わせて行ってください。
現地でしっかりと敷地図と照らし合わせることで、より具体的で現実的なイメージを持ちやすくなるからです。
例えば、どこに玄関を作り、通風や採光はどのようにしてとるべきか、間取りの配置はどうするのかなどは、実際に現地に行くことでより鮮明になります。
敷地と接する「道路幅」や「電信柱の位置」、「交通量」によっては、車の出し入れに工夫を加える必要が出てくるかもしれませんし、周囲の建物の状況によっては窓の位置に工夫を加える必要があるかもしれません。
さらに、眺望の良い家づくりを行うためには、現地でしっかりと「方角の確認」をする必要が出てきます。
これらの土地の性質は、土地によって様々ですので、例えば場合によっては注文住宅をハウスメーカーで検討していても、ハウスメーカーで家を建てると対応が難しくなってしまうケースも出てきてしまいます。
特に狭小地(狭い土地)や、道路幅が狭い土地では資材の運搬が困難になるなどの問題も出てきます。
より突っ込んだ話をすれば、運良く家を建てることはできたとしても、間取りが、好ましくないものになってしまったり、住み心地が悪い家になってしまうこともあります。
※不動産屋の販売する土地のチラシには建物の参考プランが載っていることもありますが、実際はその通りに建てられない土地もあるので注意してください。また建物の参考プランが掲載されている土地を購入した場合、建物も参考プランを作成した住宅会社を勧められることが多いことも付け加えさせていただきます。
つまり、裏で不動産会社と住宅会社が手を組んでいるケースがあります。
※ハウスメーカーの担当者(営業マン)に特に言えることですが、自社で建てるのにはあまり好ましくない敷地であっても、自社にとって都合の悪いことは話さずに契約を迫る方が多いと聞きます。
そのため、担当者の言葉は鵜呑みにせずに、不安であれば、契約前に第三者を仲介に挟んでください。
地場の工務店でも同様のケースがありますので、家づくりを進めていく上で何か疑問を感じたら、必ず第三者のプロに相談することをお勧めします。
敷地調査で最低限確認しておきたい15のポイント
次のチェックポイントは、「絶対に幸せになる!家づくりの基本125 発行:X-Knowledge」を参考にし改変を加えたものになりますが、敷地調査の際に大いに参考にしていただくことができるかと思います。
(内容が、非常に良くまとめられているので気になる方は、ぜひ書店で手にとってみてください。)
敷地調査を行う上で最低限下記の15のポイントについてはしっかりと調査することをお勧めします。
敷地調査をすることで、土地の性格や特徴がわかり、その土地でどのような住まいが実現できるのかがわかります。
敷地調査では主に「土地」「法律」「環境」の3つの側面から調査を行い、その土地に希望の家を建てられるかを調査します。このうち注文住宅を建てる上で、特に大事なポイントについて下記にまとめていますので敷地調査の参考にしてください。
【土地の調査】とは:土地の面積や形状、高低差、地盤の強さなどの調査を指し敷地の魅力を引き出すための特徴や性質を知る調査のことを言います。
【法律の調査】とは:道路斜線制限や北側斜線制限など、法律による敷地ごとの制限を調査し、住まいの広さや高さなどの法規制を調べ、その敷地に建てられる家を調べるための調査のことを言います。
【環境の調査】とは:周辺地域の日当たりや風の流れ、騒音、視線などプライバシーが守られる快適な暮らしを実現するために、自然や環境、周りとの調和など立地環境の調査のことを言います。
敷地調査で見るべきポイント1:正確な方位(環境の調査)
方位は家を建てる上で日照計画に大きく影響します。
正確には敷地が何度くらい振れているのかを、まず確認してください。
敷地調査で見るべきポイント2:敷地の高さ(土地の調査)
敷地と道路の高低差は敷地内への人や車のアプローチ、階段やスロープの長さに大きく影響してきます。
また、隣地との高低差次第では、隣家からの影の影響を受けたり与えたりしますので土地周辺との高低差も必ず確認してください。
敷地調査で見るべきポイント3:接する道路と歩道の幅(法律の調査)
道路と歩道の幅は、道路斜線による建物の高さ制限に影響してきます。
車の出し入れの位置や所要スペースを検討する際にも必要となりますので、接する道路と歩道の幅も必ず確認してください。
敷地調査で見るべきポイント4:道路と接する長さ(法律の調査)
道路と敷地が接する長さは旗竿地や狭小地などで、人と車のアプローチを検討する際に必要となります。
敷地調査で見るべきポイント5:接する道路の交通量(環境の調査)
接する道路の交通量はプライバシーに影響する間取りを配置する時に、大きく影響します。
例えば交通量が多い場所に寝室やリビングの機能を持ってきてしまうと、落ち着かない間取りになってしまうからです。
接する道路の交通量は、敷地内のどの場所に建物をおき、どのような間取りにするのが適切かを検討する際に必要となります。
また、接する道路の交通量は車の出し入れ位置を検討する際にも必要となります。
敷地調査で見るべきポイント6:塀(へい)の高さと材質(土地の調査)
敷地周辺に設置されている塀は主にプライバシー、日照、通風、眺望に影響を与えたり受けたりします。
そのため、敷地周辺の塀が、どの程度の高さなのか、また生垣なのか、ブロック塀なのか、フェンスなのかなどの材質に至るまで確認しておく必要があります。
敷地調査で見るべきポイント7:境界から隣家までの距離(土地・法律の調査)
敷地の境界から隣家までの距離は、プライバシーはもちろん、日照、通風、眺望に影響を受けたり与えたりします。
敷地の境界や隣家から建物まで、どれくらいの距離を取ることができるのかを事前に確認しておく必要があります。
敷地調査で見るべきポイント8:隣地建物の窓の位置(環境の調査)
窓の配置は互いのプライバシーに大きく影響します。隣地建物の窓の位置、互いの影響度合いや、どの場所に窓を設置すると干渉しあってしまうなのかなどに至るまで、詳細に調査をしてください。
周辺建物とお互いのプライバシーを干渉しあわないようにするためには、どの場所に、どのような役割を持つ窓が配置され、その窓が何の部屋に当たるのかに至るまで、しっかりと確認しておく必要があるからです。
隣家のリビングの前にトイレがきたり、隣家の寝室の前にキッチンが来てしまうと、においの問題が発生するなど、後々厄介な問題を生じさせることもあるので注意が必要です。
敷地調査で見るべきポイント9:水道・ガス・下水管の取り出し位置(土地・環境の調査)
建物の配置や、水回りの位置を検討する際に必要となります。
また、敷地内のどの場所に建物を配置するのか検討する際に必要になります。
敷地調査で見るべきポイント10:側溝の位置と幅(環境の調査)
ポーチや駐車場などの敷地内からの排水を検討する際や、雨などが降った際の排水を検討する際に必要となります。
溝の幅や位置などもわかるとより良いです。
敷地調査で見るべきポイント11:電柱・電線・支線の位置(土地の調査)
電柱の位置は人や車の出入りの位置に大きく影響します。
電柱や支線とアプローチがぶつからない位置に検討し配置する必要があり、建物の配置や間取りに大きく影響を及ぼします。
敷地調査で見るべきポイント12:眺望の良い方向(環境の調査)
敷地内のどの場所に、どの部屋を配置すれば、眺望が良い場所を作ることができるのかを検討する際に必要になります。
窓の位置を工夫することで借景として風景を切り取ることができたり、心地いい空間づくりを検討する際に役立ちます。
周辺に美しい風景がある場合は、四季折々に移り変わる窓から眺める風景を借景として楽しむことも検討できます。
敷地調査で見るべきポイント13:周辺建物の外観・町並み(環境の調査)
周辺の町並みとの調和も敷地調査で押さえておきたい大事なポイントです。
せっかくの注文住宅ですから、景観を壊したり、変に主張しすぎないよう、町並みに溶け込むような家づくりをすることも大事だと思います。
敷地調査で見るべきポイント14:街路樹の位地・樹種・高さ(土地の調査)
敷地周辺の街路樹の高さや、樹種は車の出し入れ位置に大きく影響を与えます。
また「12:眺望の良い方向」でも触れましたが、街路樹の位置は室内からの借景を取り入れる可能性を考えることができます。
例えば、街路樹として桜が植えられていれば、春になると家の中から素敵な桜を眺めることのできる家づくりをすることも検討できます。
敷地調査で見るべきポイント15:敷地内の樹木の位置・高さ(土地の調査)
敷地内の樹木の位置や高さは、建物の配置や建物の形に大きく影響を与えます。
細かいことを言えば、敷地内にある樹木を残すと、施工の際の作業に影響を与えることもあるので注意が必要です。
【敷地調査で見るべき15のポイント】
敷地調査のポイントは下記の通りです。
1:正確な方位(環境の調査)
2:敷地の高さ(土地の調査)
3:接する道路と歩道の幅(法律の調査)
4:道路と接する長さ(法律の調査)
5:接する道路の交通量(環境の調査)
6:塀(へい)の高さと材質(土地の調査)
7:境界から隣家までの距離(土地・法律の調査)
8:隣地建物の窓の位置(環境の調査)
9:水道・ガス・下水管の取り出し位置(土地・環境の調査)
10:側溝の位置と幅(環境の調査)
11:電柱・電線・支線の位置(土地の調査)
12:眺望の良い方向(環境の調査)
13:周辺建物の外観・町並み(環境の調査)
14:街路樹の位地・樹種・高さ(土地の調査)
15:敷地内の樹木の位置・高さ(土地の調査)
その他、下記リンク先の記事も土地取得についてまとめられていますので参考にしてください。
敷地調査の際に特にチェックしたい家の配置を左右する3つのポイント
ここからは、注文住宅を建てる上で、敷地調査の際に特にチェックしたい「家の配置を左右する3つのポイント」についてお話ししていきます。
注文住宅を建てる際は、土地が、どのような特徴や性質を持っているのかによって、「建物の配置」や「建物の形」「間取り」などが大きく変わってきますので、土地ごとの特徴を掴み、その敷地にどのような家を建てられるのかを慎重にチェックすることが大事です。
特にこれからお話しする、下記の3つのポイントについては、家を建ててからの住み心地が左右されることが多いため、十分に検討を重ね、敷地内の適切な位置に建物を建てられるかどうかをチェックしてください。
【敷地調査の際に特にチェックしたい3つのポイント】
1:道路の方角
2:日照条件(太陽の動き)
3:敷地と建物の余白
※今回の話では、あくまで一般的なケースについてお話ししていきます。
敷地の広さなどの条件によっては道路の方角とは関係ないケースがあったり、より有効的な敷地の使い方をすることもできますので、今回お話するケースに当てはまらない特殊なケースもあることを承知の上で読み進めていってください。
また、土地によっては、今回お話しするケースに関係がない場合や、細かな違いがある点もあります。例えば、土地(敷地)は東西南北どの方角に道路があるのかだけでは優劣は判断できず、周りの環境も合わせてみることが非常に大事になるからです。
土地は二つとして同じ物が無いからこそ難しく、魅力的でもあるのですが、どの土地を選ぶのかによって建物の形や間取りも変更を加える可能性が高くなりますので注意が必要となります。
敷地調査の際に特にチェックしたいポイント1:道路の方角
道路の方角で、部屋の配置など間取りは変わる
家を建てる際、道路がどの位置に接しているのかを把握しておくことは非常に大事です。
陽当たりはもちろんのこと、プライバシーの関係など、道路が建物建築予定地の東西南北の、どこの位置に接しているかによって、その土地においての理想的な間取りの配置が左右されることがあるからです。
つまり、一般的なケースでは、道路の位置(方角)次第で、「家」と「庭」の配置が決まり、敷地のどの場所に「建物」を建てるのがいいのか、「庭」はどの場所に配置すべきかは、自然と決まってきてしまうことになります。
そのため、建築予定地には、本当に建てたい家を建てられるのかや、本当に希望しているような理想的な住まいにできるのかなど、敷地調査で入念にチェックする必要があります。
▼南側道路のケース:敷地の「南側」に道路がある場合に注意したい点
南側に道路がある敷地のメリットは、一般的に陽当たりがいいことだとされています。
南側に道路があることで、南側道路の幅の分だけ隣に建物が建つことはないと考えられるため、十分な陽当たりを確保できるようになることも陽当たりが良くなると考えられる理由の一つです。
道路はよっぽどのことがない限りなくなることはないからです。
ただし、南側道路を挟んだ場所に大きな建物がある場合や、将来的に大きな建物が建つことが予想される場所では、将来にわたって十分な陽当たりを確保することは難しくなりますので注意してください。
この辺りは注文住宅の建設予定地の都市計画などを参考にするといいと思います。
例え今は問題なくても、将来に渡った計画が大事になりますので注意してください。
※この辺りの将来に渡った入念な計画を立てることの重要性は家の設計にも言えます。
多くの人は家を建てた時にベストな状態を持っていきがちですが、ライフスタイルの変化に伴い生活環境は徐々に変わってきます。
建てた瞬間は住み心地が良くても将来的に住みにくい家になることもあります。
ですから必ず、家の設計時は、家のベストな状態を、いつに持ってきたいのかを計画した上で、リフォームやリノベーションを含めた計画をしてください。
また、南側に道路があったとしても、交通量や人通りが多ければ、南側道路の十分なメリットを感じることが難しくなります。
敷地の形や高さによりますが、南側道路のギリギリの位置にしか家を建てることができない土地の場合、そのままの状態で南側にリビングを配置すると、人目が気になってしまうことがあるからです。
上記のケースで、プライバシーを確保するためには、敷地内に植栽や塀などをつくることで目隠しを設けることが一般的に考えられますが、目隠しを設けると期待していた陽当たりを確保することが難しくなってしまうケースもあるので、設計士と相談の上、どの方角に、どの部屋を配置するのか、間取りを工夫していく必要があります。
例えば、リビングを1階にすると決めつけずに、2階リビングにすることも選択肢の一つとして考えられることもあります。
>>>2階リビングにする14のメリット・デメリットと注意点、1階リビングとの違いや特徴
・「南側」に道路がある場合の一般的な建物の配置例
南側道路のケースの、一般的な建物の配置例としては、建物を北側に寄せて駐車スペースを南側の空き地スペースにすることが考えられます。
南側道路で敷地の「北側」に建物を配置するケースでは、十分な陽当たりを確保するために建物の南側を選び1階をリビングにするケースが多いです。
しかし建物の南側をリビングにするケースでは、先ほどお話ししたように、プライバシーを確保することが難しくなってしまうケースもあります。
その際は、敷地の南側に庭をつくったり、植栽を植えることでプライバシーをしっかりと確保する方法が一般的です。
「南側」道路の主なメリットとデメリット
「南側」道路の主なメリットは下記の通りです。
【南側道路の主なメリット】
1:日当たりと風通しが良い。
2:窓を開けた先が道路となり開放感がある。
また「南側」道路の主なデメリットは下記の通りとなります。
【南側道路の主なデメリット】
1:プライベートなゾーンを作りにくい。
2:土地の価格が高い。
3:目隠しが必要になる。
▼北側道路のケース:敷地の「北側」に道路がある場合に注意したい点
続いて敷地の「北側」に道路があるケースについて見ていきます。
「北側」に道路がある場合、「南側」に道路がある建物よりは「採光を取る」という面では不利だとされています。
けれども、土地によっては「北側」に道路があっても、一概には不利だとは言えないケースもなくはありません。
敷地内の「南側」に、ある程度広い庭を持ってくることができる場合、「北側」道路では不利となる採光を十分に確保することができるようになるからです。
これは、敷地の「東西」に道路があっても同じことが言えます。
比較的住宅が密集している都市部においても、上記のような「南側」に採光を取るのに十分な広さの庭を確保できるケースでは、あまりデメリットが生じないケースもあります。
「北側」道路であっても「東西」側に道路があっても、敷地の「南側」に十分な広さの庭を確保できるケースでは、「南側」道路の敷地よりも住み心地が良くなることも多いので、しっかりと土地を見極めることが大事です。
工夫次第では「南側」道路よりも「北側」道路の方がプライベート感の溢れる庭をつくることもできます。
ただし、「北側」道路の場合、周辺環境や土地によっては、特に建物北側部分において湿気がたまりやすいケースもあるので注意が必要となります。
・北側に道路がある場合の一般的な建物の配置例
敷地の「北側」が道路のケースの場合、、建物を「北側」に寄せて「南側」に庭を持ってくることで採光を確保する建物の配置が一般的な建物の配置例です。
この時の駐車スペースは建物の「東西」どちらかになりますが、敷地の条件次第では玄関までの距離が遠くなってしまうこともあります。
そうしたケースでは、駐車場のすぐ近くに勝手口などを設けると、家に出入りしやすくなるケースもありますので検討してみるといいと思います。
特に買い物から帰った際は駐車場と勝手口との距離が近いと、重たい荷物をそのままキッチンに運ぶことができるので動線として楽に感じると思います。
また、敷地が狭い場合などは、一階の駐車スペースをピロティ空間にしてしまうのも効果的です。
一階部分をピロティにすることで駐車スペースを確保できるようになる上に家の出入り口との距離を近くすることができるからです。
「北側」道路の主なメリットとデメリット
「北側」道路の主なメリットは下記の通りです。
【北側道路の主なメリット】
1:プライベートな庭をつくりやすい
2:南側道路よりも土地の価格が安い
また「北側」道路の主なデメリットは下記の通りとなります。
【北側道路の主なデメリット】
1:冬場は陽当たりが悪くなる(地域や面積による)
2:デメリットをカバーするために、土地の南北の長さが必要となる
▼東西道路のケース:敷地の「東西」に道路がある場合に注意したい点
続いて敷地の「東西」に道路があるケースについて見ていきます。
敷地の「東西」に道路がある土地の場合、午前と午後では陽の入り方が違うという特徴があります。
一般的に「東側」に道路がある場合は、午前中は陽が入りやすく、午後になると陽が入りにくくなり、逆に「西側」の場合は、午前中は陽の光が入りにくいですが、午後になると陽が入りやすくなります。
まずはそうした時間による陽の入り方の違いを把握しておくことが大事です。
上記注意点を踏まえて、敷地の「東西」に道路がある土地の場合は、「北側」道路のケースと同じように敷地内の「南側」に庭などの余白スペースを設けて、採光を取ることが検討されます。
また、都市部などで広い敷地を確保することが難しい場合は、建物の形に工夫を加えることで、問題に対処できるケースもあるので、建物の形も含めたプランを組んでいくと住み心地の良い家が建てられると思います。
【建物の形と建築費用ってどんな関係があるの?】
建物の形と建築費用の関係については下記リンク先の記事を参考にしてください。
家の形をどのような形にすると費用がかかり、どのような家の形だと費用を抑えることができるのかについてお話しさせていただいております。
また、家を安く建てる為のコツなどについても詳しくまとめさせていただいていますので、これから注文住宅を建てようと検討されている方は参考にできる点が多いと思います。
・「東西」側に道路がある場合の一般的な建物の配置例
「東西」が道路のケースの、一般的な建物の配置例としては建物を敷地内の「北側」に寄せて、駐車スペースも敷地内の「北側」に確保するのが一般的です。
敷地内の「南側」に余白のスペースをつくることで十分な陽当たりを確保するためです。
敷地内の「東西」の広さが狭く、駐車スペースをつくると十分に建物の広さが確保できない場合は、「北側」道路のケースと同じように、一階部分をピロティ空間にして駐車スペースを確保する方法もあります。
つまり、建物を敷地内の「北側」に置き、「南側」のスペースを上手に確保する方法を検討していくと良いでしょう。
「東西」道路の主なメリットとデメリット
「東西」道路の主なメリットは下記の通りです。
【東西道路の主なメリット】
1:東西に長い家を作りやすく、建物、庭、駐車スペースなどの配置のバリエーションが豊富。
2:時間によって変わる陽当たりを考慮した家づくりができる。
また「東西」道路の主なデメリットは下記の通りとなります。
【東西道路の主なデメリット】
1:土地の南北の長さが必要となる。
2:西側道路の場合は西日対策が必要となる(特に夏場)
敷地調査の際に特にチェックしたいポイント2:日照条件
敷地によって日照条件は違う (太陽の動き(日照条件)で建物の形は変わる)
四季によって変わる日照条件も必ずチェックしてください。
太陽は四季によって高くなったり低くなったり、角度が少しずつ変わっていきます。
その為、敷地内における太陽の動きをしっかりと計算して建物を建てる必要があります。
必ず季節や方角によって変化する日照条件を十分に検討した位置に建物を配置してください。
先にお話ししたように、よっぽど広い敷地に建てるケースを除いて、道路の位置が東西南北どの場所にあるのかによって、おおよその建物の配置場所は決まってくるケースがほとんどですが、それだけでは不十分です。
それにプラスして、必ず日照条件のことを考えた「建物の配置」、「建物の形」、「間取り」にするように検討していくことが必要です。
「方角」による違いと「季節ごと」の違いについては極めて重要で、太陽の光が室内にもたらす採光量は、敷地内での「建物の配置」はもちろん「建物の形」や「間取り」の工夫次第で、随分と変わってきます。
また、日本の住環境において、夏場は太陽は高い位置にあるものの、冬場は低い位置に太陽が傾いていきます。
するとどうなるか。
同じ場所に建てられた建物でも、夏場は陽当たりが良く、冬になると日陰になってしまうケースが生まれてきます。
また、逆に冬場は暖かくて快適だけれども、夏場になると暑くてそこにいられない場所が出てくる可能性があるので注意が必要です。
採光量は「間取り」の工夫次第で大きく変わる
たとえば、1階にリビングを検討している場合で、「南側」に建物が建っているとします。
そうした1階が隣家の影響を受け日陰となってしまうケースでも、吹き抜けにすればより室内に程よく採光を取り入れられ、明るいリビングにできるケースもあります。
また1階にリビングを配置することが、どうしても難しい場合は、2階リビングを採用するケースも出てくるかもしれません。
2階リビングにすることで、必然的にメリットやデメリットが生まれてきますが、それらはそれぞれのライフスタイルによって違い、十分に検討してからプランに取り入れることにしてください。
>>>2階リビングにする14のメリット・デメリットと注意点、1階リビングとの違いや特徴
注文住宅で家づくりのプランを練る際に大事なことは、家を建てる敷地(土地)の特徴をしっかりと掴み、それぞれの敷地でベスト、またはベターな選択をすることです。
メリットを得れば必ず他の部分でデメリットも生じてきます。
決められた条件の中で理想の家づくりを進めるためには、設計士に十分に相談の上、なぜそうしたいのかを細かく伝え、しっかりとした提案を受けるようにしてください。
(この辺りは設計士の力量によっても変わってきます)
【注文住宅の細かい要望はどのようにして伝えればいいの?】
設計士への要望の伝え方に関しては、言葉だけで伝えるのは難しいケースもあります。そのような時は写真などビジュアルがわかるものを用意すると、より正確に家の形であったり、家に求めるもの、暮らしや思いを伝えられると思います。
そうした注文住宅を依頼するにあたっての、要望のまとめ方や伝え方については下記リンク先の記事にまとめてありますので、参考にしてください。
敷地に対して、「家の形」に変化を加え、「間取り」を工夫する方法も効果的です。この時、家の形によっては価格に大きな差が生まれますので注意してください。
具体的な金額の差については、ケースによって様々で、具体的にいくらかかるかをお話しすることは難しいですが、どのようなケースでおおよそどれくらいの違いが生まれるのかを知っておくと便利でしょう。
「家の形が金額に影響する理由」や、「お金のかかる家とお金がかからない家の違い」についての詳細は下記リンク先の記事を参考にするといいと思います。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
「建物の形」で日照条件をカバーする方法も
「間取り」の話に続いて、「建物の形」で室内への自然光の入り方をカバーする方法についてお話ししていきます。
明るく気持ちのいい家づくりをする上で、敷地の条件次第では、太陽の動きに合わせて家の形を決めていかざるを得ないケースもあります。
建物の形でカバーするおおよその考え方について下記に記載していきますので、あなたが注文住宅を建てる際の参考にしてください。
「L字型」の家の形
上記の図は、L字型の片方の出っ張り部分である凸の部分を建物の南側に持ってきた間取りです。
敷地内の北側が陽の当たる部分、敷地内の下側が日陰部分となります。
上記図のように、建物の形をL字にすることで建物の南側の部分を犠牲にして、陽の角度が低い冬場でも採光を取ることが確保できるようになります。
敷地の北側部分では、通年で気持ちよく採光が取れる際に検討される建物の形となります。
「階段型」の家の形
また凹凸部分を多く作り、建物の形を「階段型」に変化を加えることで、より多くの部屋に採光を取り入れることができます。
建物の形自体が複雑になり、多面的な間取りになるので、L字型の形の建物よりも太陽の動きに合わせてより多くの採光を取ることができます。
しかし凹凸部分がどうしても多くなってしまうので、家の価格はもちろん耐久性にも大きく影響してきます。
一般的に、家は角が多くなるほど価格が高くなり耐久性も低くなると考えてもらってかまいません。
【どうしても予算が気になる場合は・・・】
どうしても予算がオーバーしてしまいそうな場合は、ぜひ下記リンク先の記事を参考にしてください。家を安く建てる基本と、家を安く建てるための具体的な方法についてまとめさせて頂いています。
建物の形をシンプルにすることは、家にかかるコストを抑えるためには非常に大事なポイントとなりますが、それ以外でも家のコストを大きく抑えるコツは7つあります。
それらの家を安く建てる基本やコツについてまとめさせていただいておりますので、注文住宅を検討されている方は是非一度読んでいただき参考にしていただくことをおすすめします。
さらに、これから家づくりを真剣に検討される際は様々なケースに触れるといいと思います。
実際に建物を目で見て確認することは、非常に大事ですが、住宅会社から無料でもらえるカタログを上手く活用すれば、より良い家づくりのヒントを得られるケースも多いので、検討材料として取り寄せてみると良いでしょう。
2つとして同じ土地はないことを意識する
敷地を見る際は、必ず冒頭の「敷地調査で最低限確認しておきたい15のポイント」で、お話ししたような周辺の建物の位置関係、電信柱、支線は敷地に対して、どこに配置しているのかなどを細かく見ていき、最も影響が少ない場所を決めていく必要があります。
ケースによっては、建物の形や、玄関の場所などが予定した場所よりも外れてしまうことも出てくることもあるでしょう。
季節ごと、時間ごとに日陰となる位置は変わってくるでしょうから、季節や時間ごとの違いも把握していく必要がありますし、さらに、周辺に空き地があるケースなどは、将来的に建物が建つケースも十分に検討して家の配置場所を決めていく必要があります。
敷地ごとに性質が違うことを十分に理解して家づくりを進めることが大切
土地は、どのような性質を持つ敷地なのかによって、そこでの暮らし方や住まい方に大きく影響してきます。
ですから判断が難しいと思った場合は、必ず第三者であるプロの目で見てもらって一緒に家づくりを進めてください。
家を建てる以上、必ず土地に縛られる形になりますので、家づくりを進める際は、特に慎重な判断が求められます。
自己判断は危険ですので、必ず第三者の信頼できるパートナーと一緒に進めていくようにしてください。
【敷地を日照条件で見る際のポイント】
・方角の違いによる建物内部への日照条件の違いを把握する
・陰(かげ)の落ち方は時間ごと季節ごとに把握する
・敷地によっては将来的に建物が建ったケースを想定する
【日照条件によって間取りは変わります】
ここでは触れませんでしたが、季節ごとに周辺の建物からどれくらい風通しの影響を受けるのかについても合わせて検討してください。
風通しが悪いと室内に空気の滞りができてしまい、住み心地が悪くなってしまいます。風通しが悪いと高温多湿な日本の住環境において、湿気などによりジメジメとしてしまったりカビなどの影響も受けますので健康に良くありません。
さらに、下記リンク先の記事にも土地取得で注意しておくべきポイントについてまとめさせていただいているので参考にしてください。
敷地調査の際に特にチェックしたいポイント3:敷地と建物の余白
敷地は余白を上手に利用する
これまでの内容で、自然と敷地内における建物の位置は決まってくるかと思います。
ただし、この時、敷地の使い方を十分に検討する必要があります。
敷地内に必要なのは建物だけではないからです。
「アプローチ」、「庭」、「駐車スペース」などが建物と合わせて必要になりますし、住みやすくするためには敷地内のどこかに余裕を持たせたサービスエリアが必要となります。
敷地内の土地を無駄なく目一杯使うのではなく、一見無駄とも思える様な「余白」を持つことで、住まいに「ゆとり」がうまれ住み心地がよくなるからです。
敷地内の「余白」を意図的につくり、取り入れることで、どこかゆとりのある暮らしを実現できます。
「余白」は「間(ま)」の様なものと考えてください。
例えば、道路からすぐに出入り口とするのではなく、植栽を植えたり、「溜め」と呼ばれるような奥行きを持たせた「余白」のスペースをつくれば、帰宅時に無意識で気持ちを切り替える時間を設けることができます。
そうしたちょっとした工夫により敷地内にメリハリが生まれ、緩急のある居心地のいい家を建てることができます。
また、いきなり家の玄関にするのではなく、そうした必要な「溜め」を設けることで、建物をより一層、際立たせる効果を期待することができます。
実際、道路から家までの人のアプローチから、駐車スペースへの車のアプローチ、車から降りた後の家までのアプローチに至るまで、敷地内の「余白」を有効的に活用することで、住み心地は大きく変わります。
気持ちの良い玄関ポーチについては下記の記事を参考にしてください。
>>>注文住宅でため息が出るほど美しい魅力的な玄関ポーチにする8つのポイント
※その他、土地についての注意点などは「よくありがちな新築一戸建て注文住宅の家づくりを失敗する6つの原因と注意すべき159のこと」の「家づくり失敗の原因1:土地探しによる失敗」にまとめてありますので、合わせて読み進めていただくとより一層理解を深めていただくことができると思います。
「目の前の道は抜け道になっていないか」「騒音問題」や「振動問題」はなさそうかなど、敷地を見る上で注意したい点について、より詳しく見ておきたい部分について記載させていただいておりますので、より詳しく知りたい方は是非ご一読ください。
敷地調査で押さえておくべき15ポイントのまとめ
今回は敷地調査で「最低限押さえておきたい15のポイント」と、「家の配置を左右する3つのポイント」についてお話ししてきました。
土地探しや、敷地調査は地味で、一般的な感覚からすると家づくりにおいてあまり重要でないように思いますが、その敷地においてどのような家を建てられるのかを知る手がかりとなる大事なポイントとなります。
そして敷地調査は注文住宅で、失敗しない家づくりを進めるにあたって最も大事なポイントの一つとなります。
特にハウスメーカーで家づくりをしようとした場合は、この敷地調査の段階で、いい家を建てることができるかが決まると思ってください。
理由としては、ハウスメーカーが建てる家は、多くの場合、そこまで自由ではないからです。
何故か?理由については下記リンク先の記事を参考にしてください。
>>>注文住宅って何?依頼する前に知っておきたいイマドキの注文住宅の3つのタイプとは
敷地の周辺環境や、敷地をよく調査をして、家づくりを進めていただければ、必ずいい家を建てることができます。
もし不安や、自分の目では判断できないことがあった場合、必ず第三者である専門家を頼ってください。専門家に相談することで、素人では気がつかない鋭い視点で的確な指示を仰ぐことができます。
土地を含め、理想の住まいを建てるにあたって、100%希望しているような住まいにすることは難しいかもしれませんが80%であれば建てられると思います。
是非、ポイントを押さえていただき、理想とする家づくりを行なっていただけたらと思います。
補足:一般的に10万円必要な土地の調査を「無料」で依頼する方法
土地を持っているけれども実際に家を建てるのか調査したい場合は、個人で調査依頼をかける方法もあります。
ですが、ハウスメーカーと呼ばれるような、比較的大きな住宅会社の中には、一部を除き、無償で敷地調査を行ってくれることが多いです。
本文でもお話ししましたが、特に、複数社で競合している場合は、営業戦略上で優位に立つために無償で敷地調査を行ってくれます(ただし一部ハウスメーカーは実費となります。例えば、この文章を書いている時点で大手ハウスメーカーでは、住友林業は実費での請求がある様で10万円の調査費用が必要になっています。)。
なぜ、ハウスメーカーが無償(無料)で測量会社や地質調査などの敷地調査や行ってくれるのかというと、あらかじめ住宅会社の営業経費に含まれているからです。
だから顧客から入金がなくても提携先の調査会社に報酬を支払う必要があるので無料で実施することが可能となっています。
つまり何が言いたいのかというと、敷地調査に10万円をかけて、わざわざ実費で行うならハウスメーカーに敷地調査を依頼した方が無料で行ってくれるので特をするということが言いたいのです。
無料で敷地調査を行ってくれるからといって手を抜かれることはありません。
実は無料であろうと有料で実施内容は全く変わりません。
また、もし万が一依頼する時点で、土地を持っていなくても、土地探しから一緒にはじめてくれる住宅会社も多く存在しますし、ケースによっては土地と一緒に注文住宅を依頼した方がいい土地が見つかる上に安く注文住宅を建てられることもあります。
一概には全てのケースで得をするとは言えませんが、建てたい家のイメージをある程度形にしたら、独自の判断で土地取得をせずに、まずは、試しに依頼してしまった方がいいケースもあるということは覚えておいて損はないと思います。
【家のイメージを具体的に形にするための家づくりって何から始めたらいいの?】
家のイメージを形にする方法は下記リンク先の記事などを参考にしてください。
何故、独自の判断で土地取得をしないほうがいいのかについては、実は住宅会社によっては独自で抱え込んでいる土地もあり、そうしたケースでは、今現在土地を持っていなくても、コストの面で有利に家づくりを進められるケースもあるからです。
この辺りの進め方についての判断は非常に難しいところではありますが、建築請負契約などの契約をしなければ費用が発生することはないと割り切って、住宅会社と一緒に土地探しを進めると案外いい土地を見つけられるケースも多いです。
その他、下記サービスを利用するという方法もあります。
無料でもらえるカタログをはじめ、間取りプラン、資金計画書の作成、土地探しなどトータルで一気に進めることができるので無駄なく家づくりを進めることができます。
家づくりを検討しはじめたら下記のサービスを利用してみてください。
▼タウンライフ家づくり
下記リンク先のサービスでは土地探しはもちろん、家づくりの過程でどんな性質を持つ土地なのかの調査を無償で行ってくれる住宅会社にも対応しています。
家づくりを進める過程で、サービスの一つとして利用するより可能性が広がりあなたにあった家を建てられると思います。
【土地探しまで対応!無料で簡単!3分でお気に入りの住宅会社に一括依頼!】
・住宅会社と一緒に土地探しをしてもらえる
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詳細はタウンライフ家づくりのページで確認いただけます。