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注文住宅って何?依頼する前に知っておきたいイマドキの注文住宅の3つのタイプとは

注文住宅と一括りにしても、現在では大きく分けて3つのタイプの注文住宅があることは意外と知られていません。

世間一般のイメージと違い、自由に設計できる家だけが注文住宅ではなく、住宅会社によって様々な注文住宅があり、注文住宅について大きな誤解や混乱を招いてしまっている現状があります。

そこで今回は、注文住宅とは何かを理解するために、現在主流の3タイプの注文住宅の特徴と、それぞれの注文住宅の長所(メリット)や短所(デメリット)それに、注文住宅を選ぶ際の注意点、そして最後に、なぜ注文住宅がここまで複雑になってしまったのか、その歴史や背景についても触れていこうと思います。

これから注文住宅を建てようと検討されている方はもちろん、「注文住宅ってイメージと違って複雑。なんだかよくわからない」「注文住宅なのに依頼先によってできる内容が違う」という方の疑問に答える形で、注文住宅での家づくりで役にたつ情報をまとめていきたいと思います。

特に家づくりのはじめのステップである依頼先選びの際に参考になるような記事に仕上げていきますので、ぜひ今回の記事を読んでいただき、あなたにとって理想の家づくりを進めていただけたらと思います。

【いい家を安く建てるために知っておきたいこと】

注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります。

必要に応じて読み進めていただくと、より良い家づくりをしていただけるかと思いますので、注文住宅で家を建てる方は参考にしてください。

1:家を安く建てるために知っておきたい7つの基本

注文住宅を予算内で家を建てるにはコツがいります。

家にかかるコストを大きく削減し、家を安く建てるための基本は7つしかありません。

下記リンク先にわかりやすくまとめてありますので、予算内でいい家を建てたい方は「家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本」を参考にしてください。

2:家の形次第で家の価格はこんなにも変わる!?

実は、家にはお金のかかる形の家と、お金がかからない形の家があります。

下記リンク先の記事ではお金がかかる家と、お金がかからない家の違いをわかりやすく説明しています。

また、リンク先の記事では、それぞれの家の形による特徴や性能の違いもまとめてありますので、詳細については「家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い」をご覧ください。

3:無料で注文住宅のカタログを請求して家づくりを進めていくコツ

本文でもお話ししますが、注文住宅は依頼先で決まります。

だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、依頼先を検討するには、まずはこれからどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。

無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して理想の家を建てる方法については「無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ」をご覧ください。




注文住宅とは何か

実は、注文住宅という名称を使って建てられる家づくりについて、特別な基準がなく、「注文住宅はこのようにして建てられなくてはならない」といったように定められた明確な定義がありません。

そのため、一言で「注文住宅」と言っても、注文住宅そのものの意味は共通認識として一つに統一されておらず、現在では各社自由に様々な捉え方をして「家づくり」を行っています。

そして結果として、家を買う方に大きな誤解や混乱を招いてしまっているのが実状です。

ですから、注文住宅の購入を検討するにあたっては、まずは根本的な部分での「注文住宅とは何か」「注文住宅での家づくりはどういったものか」について、深く理解していく必要があります。

現在は注文住宅での家づくりが複雑化していますので、それを知らずに、言葉のイメージだけで注文住宅を選んでしまうと、家づくりを失敗してしまう可能性が高くなってしまうので注意してください。

注文住宅にはいくつかの種類があることを知る

「注文住宅」と「建売住宅」の違いについては、なんとなく理解されている方が多い気がしますが、現在の「注文住宅」には「家づくりの進め方の違い」や「設計の自由度による違い」があり、同じ注文住宅でもいくつかの種類があることは意外と知られていません。

例えば、注文住宅の中には「注文」という言葉がついているだけで実質は「規格型住宅」に近い家づくりをしている会社もありますし、「注文」してから建てるから「注文住宅」としているような住宅会社もあります。

ですから、注文住宅を建てようと決めたら、依頼前に必ず、依頼先として検討している住宅会社の「注文住宅」は、あなたの想像しているような注文住宅であるか、あなたの想像している家づくりの進め方で注文住宅を建ててくれるのかをしっかりと見極める必要があります。

※規格型住宅とは何かについてはリンク先の記事をご覧ください>>>家づくりで知ってトクする4種類の住宅タイプとそれぞれの特徴

また「注文住宅」と「建売住宅」の違いについては、この記事でお話ししますのでこのまま読み進めてください。

注文住宅の依頼先を選ぶ上での大きな注意点

実際に注文住宅を建てようと思った際は、依頼前に、依頼先の住宅会社と「注文住宅をどのような住宅として捉えているのか」「どのような家づくりをし、どのように家づくりを進めていくのか」と言う根本的な部分で、意見のすり合わせをしておかないと後で痛い目を見ることになります。

現在では、そうした根本的な部分でのすり合わせをせずに、「注文住宅だから自由に設計できるのだろう」と言う甘い認識で家づくりを進めてしまうと、注文住宅と言われていたのに、案外自由度がなく「思い描いていた家づくりができない・・・」、「想像していた注文住宅と違う・・・失敗した」という悲しい結果に終わってしまうこともあります。

残念なことに、実際の現場では、このようなことがそこかしこで起きている気がします。

ひどいケースでは「一般的に注文住宅とはそういうものですよ」と、顧客の心理を揺さぶり、注文住宅そのものの意味や内容を丸ごとすり替えられたりするケースもあります。

一般的な注文住宅の認識と、住宅会社の扱う注文住宅は違うこともある

一旦ここで整理しましょう。

一般的な認識では、マンション購入、建売住宅購入、中古住宅購入など、数ある所有住宅の中で、唯一「注文住宅」だけが自分の好きなように設計できる住宅であり、注文をつけ、設計士とともに悩み、考え、検討し、要望を取り入れたプランの家をつくっていく、文字通りの「家づくり」であるとされています。

一方で、依頼先の住宅会社が扱う注文住宅は、ある程度の自由はきくけれども、基本的には、まずはじめに住宅会社の提案するコンセプトを選び、そのあとはコンセプト内でいじれる部分だけプランを組み合わせて家づくりを進めていく形式の注文住宅であったりします。

注文住宅の設計プランの自由度も住宅会社によって大きく違う

そして、プランの内容をいじれる範囲も住宅会社によって様々です。ほんの少ししかプランをいじれない注文住宅を扱う住宅会社から、間取りの変更を伴うような大きな変更をかけられる注文住宅を扱う住宅会社まで様々とあります。

もちろん、家づくりのコンセプトもプランも何もない白紙の状態から、顧客の要望を聞き取り、設計士が設計を起こし、顧客の望む家を建てられるように図面に落とし込み、家づくりを進めていくといった、一般的に広く知れ渡っている進め方の注文住宅もあります。

しかし、どこまでを自由に中身を決められるのか、プランを詰められるのか、またどのようにして家づくりを進めていくのかは依頼先の住宅会社によって異なってきます。

つまり、注文住宅という言葉に踊らされずに、それぞれの住宅会社によって、かなり家づくりが違ってきてしまっている現実を、注文住宅を依頼する前に、依頼する側がきちんと把握し、注文住宅についての理解を深めておく必要があります。

注文住宅の捉え方に食い違いがあると家づくりはうまくいかない

このように、数ある選択肢の中から、注文住宅を選び、家づくりを進める際は、最初の部分で食い違いがあると、家づくりを失敗する確率が途端に高くなってしまいます。

注文住宅という言葉の「認識の不一致」のまま家づくりのパートナーを選び家づくりを進めてしまうと、注文住宅なのに、できると思っていたことができなかったりとストレスがたまり、次第に思っていたものと違う「ギャップ」に悩まされていきます。

そして、そうしたギャップに気が付き始めるのは、多くの場合、実際に契約をしプランづくりを始めてからです。

そうしてできた溝はなかなか埋まることはなく、けれども後戻りもできないような状況になってしまい、契約の関係でそのまま家づくりを進めるしか無くなってしまいます。

注文住宅は依頼先選びで決まる

注文住宅は決して安い買い物ではありません。

大枚をはたくのにも関わらず、そうした残念な結果にならないためにも、まずは注文住宅とは何かを正しく理解して、信頼できる住宅会社に家づくりを依頼することが必要となるのです。

そこで今回の記事では、あまり一般的に語られることのない、現在ある「注文住宅の種類」はどのようなものがあり、それぞれの注文住宅において、どのような特徴があるのか、またそれぞれの注文住宅における家づくりの違いについて解説していこうと思っています。

これから家づくりを検討されている方の中で、特に注文住宅を検討されている方は参考になることも多いと思いますので、是非参考にして家づくりを検討していただければと思います。

注文住宅での家づくりは、はじめの一歩となる依頼先選びで、ほぼ決まります。

では、プランも何もない白紙の状態からどのように信頼できる住宅会社を見つけ、どのように家づくりを進めていくと失敗しない家づくりができるのでしょうか?

様々な方法が検討できますが、一番効率的で賢い方法は、住宅会社に無料で請求できるカタログを利用して家づくりを進めていくことだと思います。

住宅会社のカタログを利用した家づくりの進め方については下記の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にして失敗のない注文住宅での家づくりを進めてください。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ

注文住宅の一般的な認識と、注文住宅の元々の意味とは

注文住宅の世間一般的な認識は「なんでも自由に設計できる家」です。

もともとの注文住宅の意味はそのような認識で、ほぼ間違いないと思いますし、私もこのような認識で注文住宅に携わっています。

つまり、本来の意味での注文住宅は、住む人に合わせて自由に設計できる家づくりであり、家を建てる側である「建主」が注文したことに対して、「設計士」ができる限りの知恵を尽くし設計という形で応え、進めていく家づくりこそが「注文住宅」という認識です。

本来の注文住宅は建主の建てたい家を建てる家づくり

本来の注文住宅は、注文者である建主の希望や要望に対して、法律(法規)をクリアした上で、応えられる限りのプランを設計として図面に落とし込んで家をつくることであり、白紙の状態からプランを立てる住まいづくりにおいて、建主のこだわりや思いを形にできる唯一の手段です。

ですから、家づくりを進めていく過程の中で、建主からの注文に対して設計士ができる限り努力をすることが要求されますし、注文者である建主の思いを出来るだけ正確に実現できるように、建主とともに同じ方向を向いてプランを考えていかなければなりません。

建主によって、住まいにおいての悩みや、現在抱えている問題、また未来に生じそうな問題は様々で、そうした将来起こりそうな問題に対しても、プロである設計士が建主との話し合いの中で対応できるような解決策を、設計に落とし込む形で一緒になり、考えて、検討し、実現していくことこそが、注文住宅を選ぶ家づくりの醍醐味だと私は思っています。

注文住宅は最も自由に、住まいの自由を実現できる住居形態

注文者である建主一人一人の細かい要望に合わせて、建主と設計士が同じ方向を向き、一緒になって考え、提案し、住まいにおいて生じるあらゆる問題を解決するプランを模索しながら、最終的に建主がのぞむ家を建てる。

私自身、それが顧客が注文住宅を建てる大きな理由だと思っていますし、また他のあらゆる形態の住宅では、なし得ることのできない「家づくり」の大きな魅力であり、違いであり、建主とともに家をつくっていく面白さであると思っています。

もちろん、現実にはどんな建物を建ててもいいものではなく、家づくりにおいてのルールや土地によって「用途地域」の問題「高さ制限」「容積率」や「建ぺい率」などの法規が複雑に絡んでくるため、自由に好き勝手に思うがままに設計できるわけではありません。

ですが、マンション購入、建売住宅購入、中古住宅購入などあらゆる所有住居の中で、最も自由に住まいの自由を実現し、痒(かゆ)い所まで手の届く住まいを実現できる住居形態が注文住宅といっていいと思います。

【注文住宅って高いんでしょ?】

注文住宅は一般的に高額になりますが、その工夫次第では安く建てることもできます。

家を安く建てる基本やコツについては下記リンク先の記事にまとめさせていただいておりますので、注文住宅を検討しはじめたら、一度読み進めていただくことをお勧めします。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

一般的な注文住宅の認識と、実際に建てられる注文住宅の認識のズレから家づくりの失敗は始まる

一般的な認識と違い、注文住宅は「なんでも自由に設計できる家」だけではない

ただし、一方で、現在の注文住宅は、今書いたような認識で依頼先である住宅会社を選んでしまうと、途端に家づくりを失敗してしまう確率が高くなってしまうと思います。

それはなぜか?

大事なのことなので繰り返しになりますが、現在の注文住宅は、世間一般の認識と違い、依頼先の住宅会社により、実に様々な意味で広く捉えられており、世間一般の「なんでも自由に設計できる家」とは食い違うこともあるからです。

注文住宅なのに、ほとんど注文できない家もある

例えば、住宅会社の中には、「うちは注文住宅を建てています!」と言っておきながら、実際はほとんど注文をつけられないような住宅もあります。

そうした家は「注文した後に家を建てるから注文住宅だ」と言う主張を掲げていたり、「プランを組み合わせると言う形で、建主が注文をつけてつくっていくから注文住宅だ」と言う認識だったりします。

こうした「世間一般に思われている注文住宅の認識」と「実際に建てられる家の違い」に注文住宅の危うさがあり、落とし穴があります。

※これら、注文住宅の違いについてや、家づくりの特徴や長所、短所については様々な項目を挟んだ上で、下記の「現在の注文住宅の家づくりには3パターンある」の項目でお話しします。このまま読み進めて頂ければ、より理解が深まると思いますので、読み進めてください。

家づくりを失敗しないためにも住宅会社選びは大事

だから、契約を結んでいざ注文住宅で家づくりを進めてみると、「何か思っていたのと違う・・・」といったような違和感が残り、そうした違和感が打ち合わせを重ねるごとに積もりに積もって、結果「家づくりを失敗した」と感じる人が後をたたなくなってしまうのです。

つまり、注文住宅で家を建てたいと言うとき「注文住宅」という言葉だけを信じ、それだけで住宅会社を選ぶと、想像していた注文住宅での家づくりと違う・・・というギャップを感じてしまいかねない危険性をはらんでいます。

※何度もいいますが、これらは住宅会社が都合よく解釈しているだけで、いわゆる「自由に設計できる家」が注文住宅の本来の意味です。住宅業界は、このように自分たちの都合の良いように御託を並べ、売れればいいと言うなんでもありの体質が見え隠れする業界でもあるので、家を建てる側が事前にきちんとした情報を掴み、依頼先を慎重に選んでいかなければなりません。残念なことですが、住宅業界に限らず、経済が先行し本質が見えづらい世の中になってしまっているのが現状で、注文住宅というカテゴリーだけでみると、注文住宅という言葉だけが先行して、世間一般の認識と大きくかけ離れている現実があります。

【注文住宅で、依頼先を選ぶにはどうしたらいいの?】

家づくりを行う上で、依頼先選びは、くれぐれも慎重に行うことが大事です。

特に注文住宅では、依頼先との相性が全てと言ってもいいほど大事です。ただ、住宅会社が公表している情報だけでは、大まかな家の方向性はわかるものの本質的な相性の良さは分かりません。

実際に依頼をかけてみないと分からない部分は少なからず存在します。

では依頼先との相性の良さはどうやって確認していけばいいのでしょうか?

今は無料でネットから依頼をかけて本当に建てたい家を建てることができるのか、要望に応えてくれるのかなどの相性を契約前にある程度知ることもできるサービスが誕生しています。

例えば、下記のサービスを利用すれば建てる予定の地域を選択し、さらに住宅の雰囲気から住宅会社を選びネットから依頼をかければ、複数の住宅会社に無料で間取りや見積もりを作成してくれます。

最初の段階で、もし合わないなと感じた場合、なかなか断りづらいこともありますがこうしたサービスを使えばその時点でお断りすることもできます。

特に無料だからと言って適当な間取りを提出してくるような住宅会社は、その後のやり取りでも適当なことをされることもあるかもしれません。

注文住宅で家づくりを検討しはじめたら、こうしたサービスを積極的に使って住宅会社ごとの違いを比較していくと良いと思います。

>>>詳細はこちらから確認してください

住宅会社によって異なる「注文住宅」での家づくり

今、話したように現在の注文住宅は住宅会社によって、「注文住宅で注文できる中身」や「家づくりの進め方」などに、かなりの違いが見られる現実があります。

先ほどの項目でもお話ししましたが、住宅会社によって「注文住宅」とよぶ基準も様々で、これと言って統一されておらず、一般消費者に誤解と混乱をきたしている現実があります。

(残念なことに「専門家」でさえも注文住宅とは何かについて意見が分かれ混乱をきたしている現実があります)

注文住宅を正しく理解するためには、まずは対極にある建売住宅の特徴を理解する必要がある

現在の様々なタイプの注文住宅がある中で、「注文住宅」での家づくりを正確に理解するために、まずは「建売住宅」と「注文住宅」の違いや特徴について、理解する必要があります。

これからお話しする「建売住宅」と「注文住宅」の違いを把握した上で、その先の項目でお話しする現在の「現在の注文住宅の家づくりには3パターンある」を読み進めていくと、より理解を深めていただけると思いますので、このまま読み進めていってください。

注文住宅と建売住宅の違い

いわゆる、土地を必要とする所有住宅の「新築の一戸建て住宅」には「建売住宅」と「注文住宅」があります。

【新築一戸建て住宅の種類】

1:建売住宅
2:注文住宅

この2つの一戸建て住宅の違いは下記の通りです。

新築一戸建て住宅の種類1:建売住宅とは

完成済みの状態で売られる住宅のことを「建売住宅」と言います。

建売住宅の特徴

建売住宅は、住宅購入時に、細かい家の仕様や間取りの変更などは不可能で、大幅な修正はできません。

また、リフォームには基本的に対応可能ですが、間取りの変更などを伴うリノベーションなどの増改築には制限がかかることがあります。

建売住宅は土地とセットで購入できる

多くの場合、土地と建物がセットで販売されており、注文住宅よりも安価で購入できる他、住宅を購入する前に実物を目で見て住み心地を確認できたり、住宅を購入してから、すぐに住むことができるなどのメリットがあります。

一方ですでに建てられている住宅であるため、細かいディテールの変更ができないので、住み心地については、個々の暮らしに対応することは難しく、どうしても妥協する部分が出てくることが難点です。

また工事をする側が、どのような人が実際に住むのかがわからない状況で工事を進めるため、実際の工事の品質を確認しづらいのが問題視されることもあります。

この辺りは施工する側の意識の問題の違いですが、実際に建主の顔が見える現場とそうでない現場では、明らかに家の品質に違いが生まれることもあるので注意が必要です。

※リフォームやリノベーションの違いは下記の通りです。

・リフォームとは・・・壁紙など傷んできた部分を修正するような軽度の修正。化粧直しのようなもの。
・リノベーションとは・・・構造の変更を伴う大幅な変更。部分的に骨格からつくり変える整形のようなもの。

建売住宅の長所と短所のまとめ

建売住宅の長所(メリット)と短所(デメリット)をまとめると下記のように整理することができます。

建売住宅を購入する長所(メリット)

・実物を見て確認した上で家を購入できる
・注文住宅よりも安価に家を購入できる
・住宅購入後すぐに住むことができる
・土地と建物をセットで購入できる

建売住宅を購入する短所(デメリット)

・間取りや細かいディテールなどを購入時に変更することができない
・住み心地に妥協する部分が出てくる
・増改築が制限される
・どのように工事をしたか施工状況を確認できない

新築一戸建て住宅の種類2:注文住宅とは

注文住宅が意味するものは、住宅会社各社によって異なりますが、基本的な考え方としては建主が注文をつけていき、希望する住まいの家に近づけていく家づくりのことを言います。

建築後のリフォームやリノベーションは、基本的には対応可能ですが、大きな変更を伴う場合、依頼先の会社が限定されることもあります。

注文住宅の特徴

注文住宅の本来の意味は、建主とつくり手との間で話し合い、できるだけ建主の要望を叶えた家づくりを進める努力を設計士が行い、建主に提案し、相互間のコミュニケーションの中でつくられる家のことを指しますが、現在では住宅会社ごとに様々に解釈した注文住宅があるのが現状で、このことが消費者を混乱させている現実があります。

詳しくはこの後の「注文住宅の種類」の項目でお話ししますが、現在の注文住宅には大きく分けて3種類(3タイプ)あり、同じ注文住宅でも、それぞれで「家づくりの内容」や「注文できる中身」が大きく異なっています。

その違いは、些細なように見えることもありますが、完成する家に著しく影響を与えますので慎重に選んでいく必要があります。

多くは、住宅会社によって注文住宅のタイプは別れ、それはすなわち依頼先によって家づくりが決まるといってもいいような状況ですので、しっかりと依頼先を見極める必要があります。

注文住宅は住む人に合わせた変更が可能だが、その分価格は高くなる

ただ、どの注文住宅を選んでも、ひどいケースを除き、簡易的もしくは煩雑的に間取りや仕様などの変更ができたり、後々必要となりうる増改築のことを考えて設計をすることが可能です。

ただし、実際に家が建ち、住み始めるまで実物を確認することができないため住み心地がわからなかったり、家が建つまで数ヶ月から数年を要すること、建売住宅よりも高価で、土地と建物を別々に購入する必要があるなどの短所があります。

注文住宅の長所と短所のまとめ

注文住宅の長所(メリット)と短所(デメリット)をまとめると下記のように整理することができます。

注文住宅を購入する長所(メリット)

・間取りやディテールの選択ができ、好みに近づけることができる
・ライフスタイルに合わせた家を購入できる
・増改築のことを考えた家づくりができる
・工事の施工状況を追える

注文住宅を購入する短所(デメリット)

・家が建つまで実物を確認することができない
・建売住宅よりも家の価格が高いことが多い
・住めるようになるまで数ヶ月から数年かかる
・土地と建物は別で購入する必要がある
・リノベーションに対応できない家もある
・リフォームの際の会社が限定されることもある

現在の注文住宅の家づくりには3パターンある

同じ注文住宅でもオーダーできる内容によって建てられる家は大きく異なる

続いて、現在の注文住宅にはどんな種類があるのかについて話していきます。

現在の注文住宅は、大まかに言って「3種類の家づくりのパターン(タイプ)」があり、注文住宅だからと安心せずに、契約前に依頼候補先に上がっている住宅会社では、どのような家を建てているのか、建てたい家を建てられるのかどうかを、しっかりと確認してから依頼し、契約を結ぶ必要があります。

注文住宅は依頼先次第で、その中身や建てられる家が随分と変わります。

家づくりに対するストレスも、注文住宅で実現できる内容も、家が建ってからのアフターメンテナンスも、本当に別物と言えるほどガラッと変わってきますので、はじめの一歩は特に時間をかけて慎重に選ぶ姿勢が大事です。

無料でもらえる住宅カタログを請求して依頼先を検討する方法や、具体的な家づくりの進め方については、リンク先の記事を参考にしてください。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ

注文住宅での家づくりを失敗しないためにも、まずは、これからあげる3種類の注文住宅のうち、依頼候補先の住宅会社では、どのようなタイプの注文住宅を建てることができるのか、それを見極めてから家づくりを依頼する必要があり、手間をかけるところにはきちんと手間をかけないと、家づくりを失敗する確率が高くなりますので、注意してください。

住宅会社によって違う3タイプの注文住宅

大事なことなので繰り返しになりますが、注文住宅の本来の意味は「自由に設計できる家」です。

しかし、現在の注文住宅は、基準や意味が曖昧で、これといった注文住宅の定義が統一されておらず、住宅会社各社が自由に注文住宅とは何か、内容や中身を決めており、実際に家を建てる方との間に、大きな誤解や混乱を招いてしまっている現実があります。

では、具体的にどんな注文住宅が存在しているのでしょうか?

大まかにいって、現在の注文住宅は、3パターンに分けられます。

【3タイプ(パターン)の注文住宅】

1:パターンオーダー型の注文住宅
2:イージーオーダー型の注文住宅
3:ビスポーク型の注文住宅

なお、これらの呼び名は一般的なものではなく、現在の注文住宅をわかりやすく説明するために、便宜上、私が勝手に解釈をし名前をつけたものですので、住宅会社の担当者にお話ししても通じません。

つまり「御社はどのタイプ(パターン)の注文住宅をおつくりですか?」と聞いても明確な答えは返ってきませんので注意してください。

それでは、下記から3パターンの注文住宅の違いについて、それぞれにおいての家づくりの進め方や特徴について、詳しく説明していきます。

※3種類の注文住宅のうち1つに特化せず、複数のパターン(タイプ)の注文住宅を取り扱っている住宅会社もあります。つまり1つの住宅会社の中でイージーオーダー型もやっているし、ビスポーク型の注文住宅も扱っていると言ったようなケースです。

また、3つのパターンの注文住宅のうち、依頼候補先の住宅会社が建てている注文住宅は、どのタイプの家づくりに当てはまるのかは、担当者と話したり、人に聞いたり、ネットや本などで調べたりするなどをし依頼する側がきちんと見極めなくてはなりません。

担当者の中には、契約が欲しいばかりに実際には実現できないことや、それほど設計の自由度がないケースでも「なんでもできますよ」と話をして契約を迫ってくることもありますので、担当者の言葉は鵜呑みにせず、しっかりと建てたい家を建てることができるのかを、調べてから契約をするようにしてください。

注文住宅のタイプ1:パターンオーダー型の注文住宅

パターンオーダー型の注文住宅の特徴

3種類の注文住宅のうち、1つ目の注文住宅は「パターンオーダー型の注文住宅」です。

パターンオーダー型の注文住宅では、住宅会社があらかじめ用意した家を用いて、数種類という非常に限定された範囲内で注文をつけ、家づくりを進めていきます。

注文をつけられる範囲は最小限、もしくはほとんどないに等しい注文住宅もあり、事実上、建売住宅の個別発注のような形式をとっている住宅会社もあります。

パターンオーダー型の注文住宅は、注文服で言えば、既製品の中から近いサイズを選び、袖を通して見て気に入ったら、発注、作成していく個別発注のパターンオーダーに似ている形式をとっている注文住宅になります。

パターンオーダー型の注文住宅を選ぶ上での注意点

ここでは便宜上パターンオーダー型の注文住宅という言い方をしていますが、実際にオーダー(注文)できる内容は依頼先の住宅会社によって、随分と異なってくることがあります。

どこまでをオーダー(注文)とするのか、それぞれの住宅会社の解釈の仕方によって、世間一般的に考えられている注文住宅とは、大きくズレが生じてくることも多いので注意してください。

ひどいものでは、注文住宅とは名ばかりで、ほとんど注文をつけることができず、建売住宅の個別発注のような形式をとっている住宅会社もあります。

つまり、住宅会社の中には、注文を受け付けてから建てるから「注文住宅」とよんでいる住宅会社も実際にあるということには注意を払う必要があります。

そういう本質とはズレる注文住宅とは呼べないような、建売住宅個別発注形式の注文住宅を手がけている住宅会社の言い分としては、既に建ててある住宅を販売するのが「建売住宅」に対して、注文を受けてから家を建てから「注文住宅」という認識をしているようです。

※私は、建売住宅個別発注形式の注文住宅は、注文住宅とは思っていません。本来の「注文住宅」の言葉の意味と大きくかけ離れ、本質を失った言葉遊びに過ぎないと感じるからです。

パターンオーダー型の注文住宅の家づくりの進め方

パターンオーダー型の注文住宅は、ほとんどの場合、住宅会社が用意する既成住宅をベースにしたり、またはあらかじめ用意された数種類の住宅の中から好みの住宅を選び、発注、施工するという最も簡易的な方法で家づくりが進められていきます。

間取りをはじめ、設備、仕様などの部分はあらかじめ住宅会社が用意した範囲の中から選択することができますが、変更や修正は非常に限られた部分でのみ行うことができます。

また、好みに応じてディテールの変更もできますが、壁紙や床材などの範囲で限定されており、変更できる箇所や数は最小限にとどめられています。

実際は「注文住宅」という名前が付けられているものの、本来の注文住宅のイメージや一般的な認識である「自由に設計できる家」とは遠い部分があり、注文できる部分や範囲は非常に狭い部分で限定されており、数えられるほどの選択肢しか用意されていないのが現実です。

もちろん、大きな変更を伴う注文には対応することができないので、妥協する部分は多かれ少なかれ必ず出てきます。

パターンオーダー型の注文住宅のメリットとデメリット

パターンオーダー型の注文住宅のメリットとデメリットをまとめると次の通りとなります。

パターンオーダー型の注文住宅の主な長所(メリット)

・注文住宅の中では割と早く完成する
・注文住宅の中で最も安価に購入できる
・住宅デザインや仕様が決められているので家づくりを迷わない
・住宅完成後のイメージがしやすい

パターンオーダー型の注文住宅の主な短所(デメリット)

・注文住宅の中で最も自由度が少ない
・寸法や間取りなどが限定される
・妥協する部分が必ず出てくる

注文住宅のタイプ2:イージーオーダー型の注文住宅

イージーオーダー型の注文住宅の特徴

3種類の注文住宅のうち、2つ目の注文住宅は「イージーオーダー型の注文住宅」です。

イージーオーダー型の注文住宅では、住宅会社があらかじめ用意したコンセプト(雰囲気)をまず選び、一定のコンセプトの範囲内に限定してプランの注文をつける形で、家づくりを進めていきます。

つまり、イージーオーダー型の注文住宅は、住宅会社があらかじめ住宅を「商品」として企画し、コンセプトごとにパッケージ化し、その範囲内で、ある程度細かく調整していく形で家づくりを進める注文形式をとっています。

注文できる範囲は選択する家ごとに違う

注文をつけられる範囲は、住宅会社が提案するライフスタイルや、それぞれの住宅テーマ、あるいはコンセプトごとに違いますが「パターンオーダー型の注文住宅」よりもある程度細かく「間取り」「仕様」「設備」などの調整をすることができます。

どんな家を建てたいのか具体的なプランはないけど「こんな雰囲気の家を建てたい」という方に、イージーオーダー型の注文住宅は適しています。

住宅会社が魅力的な住宅コンセプトをまず家を建てたい方に提案し、そのコンセプトに共感をした家づくりを検討している方に対して、住宅会社と協力して家の中身を決めていく、個別発注のような形式をとっているからです。

イージーオーダー型に共通して見られる注文住宅の特徴としては、どんな家に住みたいのかオーダーするほどのプランやこだわりはないけれど「こんな雰囲気の家を建てたい」と言ったようなざっくりとした顧客の要望に応えられる注文住宅と言えます。

イージーオーダー型の注文住宅は、注文服で言えば、あらかじめ用意された数種類の生地の中から、生地をはじめに選び、そのあとに全体のシルエット、ボタンの配置や種類、裏地など細かいディテールを選んでいくイージーオーダーに似ている形式をとっている注文住宅になります。

イージーオーダー型の注文住宅の注意点

イージーオーダー型の注文住宅では、先にあげたパターンオーダー型の注文住宅よりも、注文できる範囲が広がり、より細かく指定することができます。

ただし、住宅会社があらかじめ用意したコンセプトやプランを、自分たちの生活に当てはめて家づくりを進めていく形になる点には注意が必要です。

住宅会社が提案する家に自分たちの生活を当てはめる形になるので、融通がきかず、どうしても妥協する部分は出てきてしまいます。

つまり、家づくりを依頼する時点である程度、どのような家になるのかが決まってくるのもイージーオーダー型の注文住宅の特徴です。

※「思っていたような注文住宅と違う・・・」と言ったようなギャップが生まれるのはイージーオーダー型の注文住宅に多い気がします。

また、注文のつけかたによっては家の価格がかなり高額になることもあるので注意してください。

具体的には住宅会社があらかじめ用意した「範囲内」の注文ではなく、「範囲外」のものを注文した際は、金額が跳ね上がり高額になってしまい、かえって割高になってしまうこともあります。

また、大抵は標準プランからオプションという形で費用を上乗せしていく形になりますが、オプションで追加していくごとにどんどん家の価格は高くなっていきますので、注意してください。

モデルハウスが気に入って依頼する場合はどこからどこまでが標準仕様で、標準仕様とした場合、どの程度の家になるのかも依頼前に必ず確認する必要があります。

間取りや仕様がどこまで注文できるかは住宅会社によって違い、非常に細かく指定できる住宅会社もあれば、そうでない住宅会社もあるので、依頼前の段階でどこまで理想とする住宅に近づけることができるのかの見極めが肝心になります。

工業化住宅、商品化住宅、デザインコンセプト型の注文住宅と呼ばれることもある

イージーオーダー型の注文住宅は、大手ハウスメーカーが得意としている家づくりで、「工業化住宅」、または「商品化住宅」とよばれることもあります。

※ハウスメーカーの家づくりについてもっと深く知りたい方は「ハウスメーカーに注文住宅を依頼する前に知っておきたい特徴と5つのポイント

家づくりの効率化を推し進め、住宅を安定的に供給できるように生産体制を整えているため、家が完成するまでの期間は割と短く、打ち合わせから完成まで土地ありのケースだと通常4ヶ月から、半年程度で家を建てることができます。

ただし、住宅会社の都合で、決算までに間に合わせる形で、無理なスケジュールを組まれることもあります。

その場合は、現場での工事の手抜きが起きたり、ミスが多発してしまい、欠陥住宅となってしまうケースも多いと聞くので注意が必要です。

スケジュールに無理があると感じた場合は、住宅会社に値引きを迫られても、余裕を持ったスケジュールを優先するべきだと思います。

住宅を建ててから欠陥が見つかると色々と面倒だからです。

※ちなみに、私は、デザインやコンセプトがあらかじめ決められて、あとはその範囲内で選択肢して建てる注文住宅ということでイージーオーダー型の注文住宅を「デザインコンセプト型の注文住宅」とよぶこともあります。

デザインコンセプト型の注文住宅については「建築家や設計事務所に注文住宅の家づくりを依頼する注意点と2つのポイント」でも詳しく解説していますので、合わせて読み進めていただくと、より理解を深めていただくことができると思います。

イージーオーダーの注文住宅の設計の自由度はパターンオーダー型とビスポーク型のほぼ中間

イージーオーダー型の注文住宅は、住宅会社側の視点からしてみれば、全体としての家の「雰囲気」や「仕様」「設備」などを予め「住宅コンセプト」として提案し、そのコンセプトが気に入った人に対してアプローチしていく注文住宅となります。

「家づくりの型」をあらかじめ住宅会社が企画し、商品となるようにパッケージ化して、提案し、販売していると捉えてもらうとわかりやすいかと思います。

イージーオーダー型の注文住宅は、高度経済成長期に、一戸建て住宅を効率よく供給するためにうまれたという背景があり、ビスポーク型の注文住宅のように「なんでも自由に設計できる」わけではなく、変更や修正できる箇所は極めて限定的となります。

もちろん、ビスポーク型の注文住宅に負けず劣らず注文をつけられるタイプのイージーオーダー型の注文住宅もありますが、一般的には限定された範囲内での選択になります。

イージーオーダー型の注文住宅の家づくりの進め方

イージーオーダー型の注文住宅では、まずはじめに住宅会社が提案する複数の住宅コンセプトの中から1つを選んでいきます。

具体的には住宅会社が提案する複数の家の企画(雰囲気を持つ住宅)の中から、好みに近いものを選び、そのコンセプトの中で指定できる範囲で細かく寸法、間取り、仕様などを注文していきます。

寸法や間取りの変更などのプランの自由度は、住宅会社が採用している6つの工法(建て方)のうち、どの工法によって家づくりを進めるのかによっても違いますが、多くの場合は限定された範囲で指定していくこととなります。

※イージーオーダー型の注文住宅で用いられる工法について詳しくは「ハウスメーカーが注文住宅で採用している6つの工法のメリットとデメリット」を読み進めていただくと、工法の違いによる家づくりの違いについて理解していただけるかと思います。

イージーオーダー型の注文住宅での家づくりは、非常にシステム化されているのも大きな特徴で、特に大手ハウスメーカーでは、分業体制をとっており、窓口として営業担当者から始まり、続いて設計担当者にパスされ、次に内装を決めるインテリアコーディネーター、家が完成したあとはアフター担当者と、工程ごとに担当者が変わっていくことも大きな特徴といえます。

現在では、イージーオーダー型の注文住宅であっても、パターンオーダー型の注文住宅に近い注文住宅もあれば、ビスポーク型の注文住宅に近い家づくりの進め方をする住宅会社もあり、実に様々なバリエーションのイージーオーダーの注文住宅が建てられています。

イージーオーダーの注文住宅は住宅会社の提案するコンセプトを家族の暮らしに合わせていく形式

繰り返しになりますが、イージーオーダー型の注文住宅は、住宅会社が「こんな家っていいよね」という家のコンセプトをまずはじめに草案します。

それに対して「そうそう、こんな家を建てたいと思っていた」「こんな雰囲気の家に住みたいと思っていた」などの、住宅会社が提案する住宅コンセプトに共感した顧客に対して、具体的な間取りや仕様など中身を注文していく形で家づくりが進められます。

次の項で説明する「ビスポーク型の注文住宅」が、そこに住まう家族の暮らしからコンセプトを考え、家づくりを進めていくアプローチだとすれば、イージーオーダー型の注文住宅は、住宅会社が提案するコンセプトを家族の暮らしに当てはめていくアプローチの家づくりの方法だと考えるとわかりやすいかもしれません。

【イージーオーダーの注文住宅は住宅会社のコンセプトにあなたの暮らしを当てはめていく方式】

・住宅会社が予め家のコンセプトを草案し提案 → コンセプトが気に入った顧客に対して具体的なプランの中身の提案

なお、ハウスメーカーが注文住宅とよんでいるのは、このイージーオーダー型の注文住宅が主流であり、一部のハウスメーカーを除いてビスポーク型の注文住宅ではないことも留意しておいてください。

※ハウスメーカーの中でも、白紙の状態から自由に設計できる住宅を建ててくれる住宅会社もありますが、使われる建材などは限定的で、指定外の建材や設備、仕様を求めると価格が高くなります。

イージーオーダー型の注文住宅が完成するまでの期間はどれくらい?

イージーオーダー型の注文住宅は、設計から施工までシステム化された中で家づくりが進められていきます。

そのため打ち合わせから家が建つまでの期間が早く、早いものでは3ヶ月、ただし通常は4ヶ月から半年くらいが目安となります。

ただし、限られた時間の中で家づくりを進めていくため、ミスも起こりやすく、担当者との間でしっかりと情報を共有することが大事になってきます。

また、限られた期間でプランを詰めていく必要があるため、担当者との間で摩擦がうまれ、軋轢が起こりやすくなる傾向にありますが、一つ一つのプランを決める際は、依頼する側が決めることに責任を持ち、慎重に物事を進めていく意識が必要になります。

特に決算期である3月や9月、年度末に当たる12月の引き渡しに工事が集中することが多く、この辺りを狙って引き渡しをされる予定のある方は、トラブルが生じやすくなるので注意してください。

トラブルを回避するための対策として、工期をずらすなどをしたほうが賢明な判断だと思います。

イージーオーダー型の注文住宅のメリットとデメリット

イージーオーダー型の注文住宅のメリットとデメリットをまとめると下記のように整理できます。

イージーオーダー型の注文住宅の主な長所(メリット)

・住む人の個性に合わせた注文住宅ができる
・変更可能な箇所がパターンオーダー型の注文住宅よりも多い
・完成イメージを持ちやすい
・ビスポーク型の注文住宅よりも設計から完成までの期間が短い
・家づくりに精通していなくても建てられる

イージーオーダー型の注文住宅の主な短所(デメリット)

・コンセプト(枠)から大きく外れることができない
・ビスポーク型の注文住宅と同等、もしくはそれ以上に高額になることもある
・完成時の家のイメージがパターンオーダー型の注文住宅に比べ想像しづらい
・間取りを含むプランがビスポーク型の注文住宅よりも限定される
・ビスポーク型の注文住宅に比べ設計の緻密さに限界がある
・妥協する部分が出てくる

注文住宅のタイプ3:ビスポーク型の注文住宅

ビスポーク型の注文住宅の特徴

3種類の注文住宅のうち、3つ目の注文住宅は「ビスポーク型の注文住宅」です。

ビスポーク型の注文住宅では、白紙の状態から顧客の要望を聞き、コンセプトやプランを一緒になって考え、話し合いの中で建主にとってどのようなプランが適切かを検討し、家づくりを進めていきます。

つまり、白紙の状態から、一人一人に合わせてプランを草案し、全体のデザインやディテールを調整しながら家づくりを進めていく注文形式をとっており、細部にわたって細かく調整することができます。

あらゆる注文住宅の中で一番可変的で、物理的に不可能でない限り、細かく調整できるのがビスポーク型の注文住宅の最大の特徴です。

一般的に注文住宅として認識されているのはビスポーク型の注文住宅

一般的な注文住宅の認識として広く知れ渡っている注文住宅が、こちらのビスポーク型の注文住宅で、顧客の要望に応える形で自由に設計し、悩みや問題に答える形でプランを調整していく家づくりといってもいいと思います。

家に暮らす人の生活に合わせて、コンセプトからプランまで草案して家づくりを進めていく注文形式の家づくりのため、ここでお話しするビスポーク型の注文住宅は、一般的に「完全自由設計の注文住宅」や「完全オーダーメイドの注文住宅」とよばれることもあります。

ビスポーク型の注文住宅は、注文服で言えば、生地選び、採寸、型紙での仮縫いなどをし、どのような機会で利用するのかを検討したり、どのように見せたいのか、またどのように見られたいのかの要望を聞き取り、スーツという一定のルールの中に当てはまるように作り上げていく形式のビスポークのフルオーダーに似ている形式をとっている注文住宅になります。

※ビスポークの語源である「Be Spoken」は、オーダーメイドの注文服において、顧客と作り手が会話の中で話し合いながら制作する意味で使用されています。

ビスポーク型の注文住宅は変形地にも対応できる

ビスポーク型の注文住宅は、他の注文住宅では対応できないような狭小地や、旗竿地などの変形地にも対応することができます。

土地を見て、顧客の要望を聞きながら、土地と相性の良い設計をすることができるので、他の注文住宅では不可能な寸法の調整や、プランを作成することができ、様々な変形地にも対応した住まいを実現することができます。

ビスポーク型の注文住宅の注意点

ビスポーク型の注文住宅では、他のどんな注文住宅よりも自由に家づくりを行うことができます。

ただし白紙の状態からつくりあげるといっても「なんでも自由に設計することができる住宅」ではありません。

家を建てる地域によって異なる法規をはじめ、建築基準法などの様々な条件をクリアする必要があるからです。

また、大きな注意点は他にもあり、依頼先の設計士が過去どんな家を建てて、どのような作風(ハウススタイル)なのかを事前に確認してから依頼しなければなりません。

たとえ、自由設計であろうと、完成する家は、どうしても設計士の腕や個性(感性)に左右されるからです。

つまり依頼先の設計士との「相性の良さ」で家づくりが成功するのかそれとも失敗に終わるのかが決まってきます。

設計士の個性(感性)と明らかに反する注文の場合は、統一感がなくなり、全体的にアンバランスな設計となってしまうこともあるので、注文住宅を依頼する側が、依頼先として検討中の住宅会社の設計は、何が得意なのか、どんな作風の家づくりをしているのかをしっかりと見極めてから依頼しなければなりません。

そうした意味では、ビスポーク型の注文住宅は、最も依頼先を見つける際の難易度が高い住宅だと思います。

ビスポーク型の注文住宅は高額となる

ビスポーク型の注文住宅は、何度も繰り返し打ち合わせを重ねる必要があり、パターンオーダー型やイージーオーダー型の注文住宅よりも手間がかかるため、ここであげたいずれの注文住宅の中で一番高額になります。

少なくとも先にあげたイージーオーダー型の注文住宅と同等、もしくは高額な価格になります。

さらに、細かい部分で調整をしたり、こだわればこだわるほど、高額になっていく傾向があるので、金銭的に余裕がない場合は少々注意が必要です。

ビスポーク型の注文住宅の家づくりの進め方

ビスポーク型の注文住宅では、顧客と設計士がどんな注文住宅を希望しているのか話し合うところから家づくりが進められていきます。

イージーオーダー型の注文住宅が、はじめからコンセプトありきの注文住宅に対して、ビスポーク型の注文住宅では、はじめは白紙の状態で、ライフスタイルや住まいの解釈を顧客と設計士の間で共有し、顧客が希望する住みたい家となるように住宅コンセプトやプランを草案し、家づくりを進めていきます。

何もないまっさらな状態から家づくりを進めていくため、一つ一つの顧客の要望は叶いやすいですが、一方で家づくりには手間暇がかかり、さらには価格の面では一番高くなるのが「ビスポーク型の注文住宅」の特徴といえます。

顧客との対話の中で、どのようなライフスタイルを送っているのか、どのような生活がしたいのか、住まいにおいて何を重視しているのかなどをきき取り、住宅コンセプトを立ち上げて、一人一人にあった住まいを提案すると言った形で家づくりを進めていきます。

先にあげたイージーオーダー型の住宅が、住宅会社が提案する家のコンセプトを「家族の暮らしに当てはめていく家づくりのアプローチ」だとすれば、ビスポーク型の注文住宅は、「そこに住まう人々の暮らしからどのような家が適切かを考え、家それ自体を家族の暮らしに合わせていくアプローチ」の家づくりと思ってもらうとわかりやすいと思います。

【ビスポーク型の注文住宅はそこに住まう家族の暮らしから家づくりを進めていく】

・会話の内容をもとにプランを作成 → 打ち合わせを繰り返して理想に近づけるように内容を詰めていく

なお、あらゆる注文住宅の中で、ビスポーク型の注文住宅だけが唯一、顧客の要望に合わせて自由に設計できる家だと思ってもらって構いません。

ただし注意点でも話したように、住宅会社または設計士によって得意とする作風(ハウススタイル)や個性(感性)は様々とあり、顧客が建てたい住宅と相性がいい設計士に依頼しないと、なかなか思うように家づくりが進められないというデメリットもありますので注意してください。

つまりビスポーク型の注文住宅では、依頼先選びによって、家づくりの方向性や、実際に建つ家が随分と変わってきてしまうこともあるので、家づくりの最初の一歩である住宅会社選びが、何よりも大事になってきます。

【これから本格的に注文住宅での家づくりを始める方へ】

これから注文住宅での家づくり検討されている方は、リンク先の記事を読んでいただくとスムーズに進められると思います。

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参考にしていただき失敗のない家づくりを進めていってください。

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ビスポーク型の注文住宅が完成するまでの期間はどれくらい?

依頼内容にもよりますが、およそ1年は見ておく必要があります。

ビスポーク型の注文住宅は、現在存在する3つの注文住宅の原型で、顧客の細かい注文に対応するべく白紙の状態から要望を聞き取り、顧客と設計士の話し合いを通して、プランを作成し設計図に落とし込んでいきます。

顧客の要望に対応するべく打ち合わせを重ね、何度も何度も細かい調整を繰り返していく作業が必要となるので、少なくとも最初の打ち合わせから家が完成するまで1年は見ておく必要があると言えるでしょう。

ビスポーク型の注文住宅の主なメリットやデメリット

ビスポーク型の注文住宅を建てる上での、主な長所(メリット)や短所(デメリット)をまとめると下記のように整理することができます。

ビスポーク型の注文住宅の主な長所(メリット)

・細部にわたるまで細かく注文することができ妥協のない家づくりができる
・他の注文住宅では建てられないような変形地にも対応できる
・先々のことを考えリノベーションに対応可能な家づくりができる

ビスポーク型の注文住宅の主な短所(デメリット)

・家が完成するまで時間がかかる
・高額になる
・完成イメージを持ちにくい
・家が完成するまで住み心地や使い勝手がわからない
・完成する家は設計士の作風や個性、相性に左右されやすい

注文住宅のタイプの大きな違い

住宅会社の用意したコンセプトを暮らしに合わせるか、それぞれの暮らしから家を設計するか

注文住宅のパターンは上記であげたように3タイプありますが、「パターンオーダー型、イージーオーダー型」の注文住宅に見られるような自由設計の家と「ビスポーク型」の注文住宅に見られるような完全自由設計の家の2つに分けることができます。

パターンオーダー型とイージーオーダー型の注文住宅が住宅会社が企画し用意したコンセプトを暮らしに合わせていくアプローチなのに対して、ビスポーク型の注文住宅は、それぞれの暮らしの中から家づくりのヒントを探り、設計をしていくアプローチとなります。

自由設計の家(パターンオーダー型とイージーオーダー型の注文住宅)

パターンオーダー型やイージーオーダー型の注文住宅は、住宅会社の掲げるコンセプトを、自分たちの暮らしに当てはめる形で家づくりが進められていきます。

つまり、どのような家にするのかの大まかな方向性は住宅会社に預け、あとは一定の方向性の中で家づくりを進めていくといった進め方になります。

また、パターンオーダー型やイージーオーダー型の注文住宅は、一定の型に当てはめて家づくりを進めていくので、効率よく家を建てることができます。

高額な家も多いですが、ビスポーク型の注文住宅と比べると比較的安価に購入することができる金銭的なメリットもあります。

※ただしイージーオーダー型の注文住宅はビスポーク型の注文住宅と同等、もしくはそれ以上になることもあります。

完全自由設計の家(ビスポーク型の注文住宅)

それに対してビスポーク型の注文住宅では、そこで暮らす家族のライフスタイルや暮らしから家づくりを草案し、より暮らしやすい家を求める形で家づくりが進められていきます。

こだわりを詰め込んだ分、概して家も高額となり、どの注文住宅よりも高級な住宅だと分類できます。ただし、それが一般的にいい家かどうかはまた別物となりますので注意してください。

また、どのような家とするのかは依頼先の設計士の作風や思想、相性に左右され、あとは依頼先が得意とするスタイルで進めていくことになります。

ビスポーク型の注文住宅では、設計士との対話や相性、作風(ハウススタイル)が肝となり、時間も手間もかかります。

【住宅会社の提案するコンセプトをもとに、家に暮らしを合わせていく「自由設計」の家づくり】

・パターンオーダー型の注文住宅
・イージーオーダー型の注文住宅

【そこに住む人の暮らしからヒントを得て、家そのものを暮らしに合わせていく「完全自由設計」の家づくり】

・ビスポーク型の注文住宅

注文住宅の種類(タイプ)では、注文住宅の優劣を図ることができない

こうした話をした後に必ず出てくるのが、「では、なんでも自由に設計できるビスポーク型の注文住宅が、家づくりとして一番優れているのか」という議論です。

結論を言ってしまえば決してそうとは言い切れず、自由に設計できる家が必ずしも一番いい家づくりだと言い切ることはできません。

家の価格だけで比較すれば、ビスポーク型の注文住宅が最も高級な住宅といって問題ないと思いますが、一概に価格だけで「いい家」かどうかを判断することは簡単にはできないからです。

というのも、本当にいい家を建てるには様々なことを考慮しなければならず、また何を基準にいい家とよぶのかも人によって違い、漠然としているためです。

性能のいい家なのか、暮らしやすい家なのか、エコロジカルな家なのか、健康住宅なのか、何を重視するのかによってもその人にとっての「いい家」の意味するものは変わってきます。

家は設計の自由度だけではいい家かの判断はできない

住まいという観点から、より、本質的なことを言えば、家は設計と施工の両方をうまく行う必要があり、どのタイプで建てる注文住宅が、その人にとって一番であるのかというのは、はっきりと言い表すことはできません。

したがって、どの種類の注文住宅を選ぶのかは完全に好みの問題だと思います。

自由に設計できるビスポーク型の注文住宅を建てる家の中にも、ひどい設計と施工をする住宅会社もありますし、ハウスメーカーが主流となるイージーオーダー型の注文住宅にしても、同じようにひどい設計と施工をする住宅会社もあります。

また、一概に、工務店や設計事務所に依頼すれば思い通りのいい家が建てられるとは言えず、設計士や住宅会社の作風や相性により左右されます。

ただ、一つだけ言えることは、パターンオーダーの中でも、いわゆるローコスト系の「注文してから家を建てるから注文住宅だ」と注文住宅を解釈している住宅会社に、いい住宅会社はないような気がします。

つまり、注文住宅を「A custom home」と捉えずに「A house to be built after ordering.」と捉えている会社はあまり信用しないほうがいいと思います

そうした住宅は、そもそも注文住宅の意味するものと本質的にズレており、言葉遊びに過ぎないため数千万円を預ける相手としては信用できないと感じるからです。

※注文住宅を依頼するのを気をつけた方がいいケースもある

注文を受けてから建てるから注文住宅と豪語しているような住宅会社は、依頼先として、私個人的にはオススメしません。注文を受けてからつくるから注文住宅と言っているのは単なる言葉遊びに過ぎず、注文住宅の本質とはあまりにもかけ離れていると感じるからです。

家は安いものでも数千万円単位ものお金が動きます。

私でしたら数千万円ものお金を預けるには、いささか信用できない住宅会社だと判断します。それに家は建てて終わりではなく、その後もアフターメンテナンスなど長く付き合っていく必要があります。

アフターを含む長い付き合いの中で見た場合でも、やはり信用できる相手だとは思えないからです。

工業化住宅って何?注文住宅との違いって何?

「現在の注文住宅の家づくりには3パターンある」の項目でも少しだけ出てきた言葉ですが、現在の注文住宅を理解するには「住宅の工業化」というキーワードを理解する必要があります。

つまり現在の注文住宅がなぜ、ここまで複雑になってしまったのか、その背景を知ることが必要となります。

ここでは、注文住宅を正しく理解するために、注文住宅がなぜ今のように複雑化してしまったのか、どのようにして変わってきたのか、その歴史と背景を見ていくこととします。

注文住宅が複雑化した背景

現在の注文住宅には、先にあげた3パターンの注文住宅がありますが、3タイプの注文住宅が生まれた背景には「高度経済成長」というキーワードがあります。

それに伴い「住宅の工業化」「人口増加」「価値観の変化」「新住宅供給システムプロジェクト」などのキーワードが続いていきます。

平たくいえば、時代のうねりに飲まれる形で、住宅の工業化「前」と「後」では大きく「注文住宅が意味するもの」や「注文住宅での家づくりの中身」が変わってしまったという背景があります。

工業化【前】と工業化【後】の注文住宅の違い

実は、住宅の工業化以【前】は地域の大工さんや工務店に家づくりを依頼するのが主流でした。

持ち家が欲しい場合、地域の工務店や大工さんに家を建ててくださいとお願いをして建ててもらうのが注文住宅であり、家づくりとされていたのです。

しかし工業化【後】には、より効率的に住宅を供給できるような住宅会社が生まれ、いつしか、住宅を商品としてパッケージ化し安定的に供給できるように工業化された家づくりが主流となっていきました。

これには、日本特有の事情や文化、高度経済成長期に伴う価値観の変遷など様々な理由が考えられますが、およそ1980年前後を皮切りに、大きく時代のうねりに飲み込まれるような形で、注文住宅が急速に工業化していくこととなります。

つまり、住宅の工業化【前】と、住宅の工業化【後】の注文住宅の意味の違いをまとめると、下記のように整理することができます。

【注文住宅の定義の広がり】

住宅の工業化【前】・・・地域の工務店や大工さんによる家づくりのみ
住宅の工業化【後】・・・住宅会社によりパッケージ化された住宅商品を含む

1980年前後から住宅は人々の持ち家が欲しいという欲求に答える形で、急速に家づくりが工業化していくこととなり、住宅の工業化こそが現在の注文住宅の一つのターニングポイントとなります。

そこで、続いて「工業化住宅とは」何か、「工業化する前の住宅はどのような住宅だったのか」について見ていき、そのあとに移り変わりと背景を見ていくこととします。

工業化住宅(商品化住宅)とは

工業化住宅とは、住宅の生産性を高めた住宅のことでハウスメーカーが主に採用している家づくりの形式です。

「工業化」という名前がついている通り、生産拠点を出来るだけ工場に移し、現場では組み立てるだけといったような、住宅を安定的かつ効率的に供給していくことを目的として計画された家のことを言います。

工業化住宅が登場するまでの注文住宅とは

一方で、工業化住宅が生まれるまでの注文住宅は、地域の工務店や大工さんに依頼して家づくりを行なっていました。

一般的に注文住宅と聞いて連想されるのは、工業化住宅が生まれるまでの注文住宅のことで、いわゆる顧客の要望を聞き、その土地にあった、建てる土地の特性や住まいの環境によってプランニングされた、家づくりを進めていく方式で建てられる家を指します。

工業化住宅の始まりはダイワハウスのミゼットハウス

続いて工業化住宅が生まれるまでの歴史を紐解いていきます。

ハウスメーカーの元々の始まりは1959年に販売された、ダイワハウスの「ミゼットハウス」という住宅商品だと言われています。

ミゼットハウスは工場で規格化し生産したパネルなどを使い、現場で組み立てることで家を建てる、いわゆるプレハブ住宅です。

その後、高度経済成長期が訪れ、日本の人口がどんどん増え、日本経済が急速に潤っていく中で、1976年に国家プロジェクトとして「新住宅供給システムプロジェクト(ハウス55)」が採用されます。

それまでは、いわゆる手間暇を必要とするビスポーク型の注文住宅(完全自由設計の注文住宅)で家を建てることが主流で、地域の工務店や大工さんにお願いして家づくりを行なっていました。

※もちろん大工さんや工務店にほとんど全てをお任せしてしまう、今でいうパターンオーダー型やイージーオーダー型に近い家づくりをするケースもありました。

しかし、急速に暮らしが豊かになっていくなか、人々の価値観が変化し、持ち家が欲しいという人がどんどん増えていき、住宅の供給が追いつかない問題が生まれてきます。

つまり、今までのような大工さんに頼んで家を建てるという方法だと、どうしても時間がかかり、それでは住宅の供給が間に合わない状況が生まれ始めていたのがこの時代です。

そこで、住宅が欲しい人に効率よく供給できる生産システムを確立することが課題になっていました。

現在のような注文住宅が複雑化した背景には、賃貸ではなく持ち家が欲しいと思う方に対して、住宅を効率的に供給できるような生産システムをつくり、大量に生産できるように商品化し、一定の規格として落とし込み、住宅の工業化を進めていったという日本特有の複雑な事情があります。

注文住宅が工業化住宅(商品化住宅)へ舵を切った歴史と背景

持ち家が欲しい方に、きちんと持ち家を届ける。そのためには抜本的に家づくりの方法を変えていく必要があります。

そこで、国家プロジェクトとして採用されたのが「新住宅供給システムプロジェクト」いわゆる通称「ハウス55」です。

これまでの大工さんの手によって一軒一軒建てられた、いわゆるビスポーク型の注文住宅では、家を建てるのに時間がかかりすぎ、なおかつ現場の職人の技術に依存してしまうため、安定して家を建てることができませんでした。

そこで住宅の安定供給をはかるために、注文住宅を住宅商品としてパッケージ化し、効率的に家を販売できる方法が計画されたのです。

つまり、商品を規格化し、これまで現場で行なっていた、建築資材の加工などの生産拠点をできる限り工場に移し、工場で資材を生産することで品質を安定させる方法が計画されていきます。

これにより、現場の負担が減り、現場の工程もマニュアル化することで効率的に住宅を供給できる工業化が推し進められていくこととなります。

生産拠点を工場に移し大量に住宅を供給する時代への幕開け

工業化住宅のポイントは2つです。

家づくりの効率化、それに家づくりのマニュアル化です。

建築資材の生産加工を工場に移し、資材や建材を安定的に供給できるようにし、現場での負担を軽くし効率化をはかることでより効率的に住宅を供給できるようにした住宅が現在の工業化住宅です。

工業化住宅では、これまで知識と経験、それに職人の勘が必要とされていた従来の家づくりから、できるだけ簡単に家がつくれるようなマニュアルを用意することで現場の負担を抑えられるような方法が検討されていきます。

つまり、長年の経験が必要とされる技術依存の現場から、特別な技術がなくても建てられるようにシステム化されていった住宅が工業化住宅というわけです。

※背景からも分かる通り、工業化住宅の代表格である、日本のハウスメーカーという存在は世界的に見ても極めて稀な存在です。日本以外の国では数える程度の国にしかありません。

3種類の注文住宅のまとめ

今回は注文住宅とは何かについて見てきました。

現在の注文住宅には3種類の家づくりの進め方があり価格が安い順に

1:パターンオーダー型の注文住宅
2:イージーオーダー型の注文住宅
3:ビスポーク型の注文住宅

と分類できます。

また、この並びでいうと価格が高くなるほど設計の自由度が高くなる傾向にあることもお話ししました。

さらにイージーオーダー型の注文住宅では打ち合わせから、半年程度で家を建てることができますが、ビスポーク型の注文住宅では最低でも1年程度は見ておく必要があることにも言及しました。

どの注文住宅が優秀かどうかはまた別の話だということにも触れましたし、何れにしても依頼先を十分に検討する必要性についても本文で触れてきたつもりです。

ぜひ、注文住宅を正しく理解していただき、失敗のない家づくりをされることを願っています。




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