建築家西沢立衛氏が設計した建築物で有名なもののひとつに香川県小豆郡の豊島美術館(てしまびじゅつかん)があります。
豊島美術館(てしまびじゅつかん)は瀬戸内海を望む豊島唐櫃(からと)の小高い丘の中腹に建立され、アーティストである内藤礼と共に休耕田となっていた棚田を地元住民とともに再生させる為に考えだされた建物です。
このプロジェクトは見事に成功し、豊島美術館(てしまびじゅつかん)の建設を期に美術館の周りには美しい棚田が広がり自然と建築、アートが融和した美しい環境として息づいています。
豊島美術館(てしまびじゅつかん) の場所はどこ?
豊島美術館(てしまびじゅつかん) の場所は上の地図で確認して頂けます。
そして今回香川県小豆郡の福田地区の葺田神社の境内に新たなパビリオンとして完成したのが「葺田(ふきた)パヴィリオン」です。
福田小学校の体育館と葺田八幡神社境内の神殿との間のスペースを利用し、両者を繋ぐような形で「葺田パビリオン」は建てられました。
「葺田(ふきた)パヴィリオン(fukita pavilion)」はどこでm見れるの?
「葺田パビリオン」の場所は上の地図から確認して頂けます。
「葺田パビリオン」は二枚の鉄板を重ね合わせて出来た空間として存在しています。隙間の空間をさわやかな風が通り抜けるように設計されており訪れるものの心をそっと癒してくれます。
神聖な場所である神社と鎮守の森に現代建築の粋である建物が建立されたのは日本の建築史上初めての試みだそうです。
二枚の鉄の板を貼付けただけというデザインの建築物ですが、しっかりとそこに粋を感じ取ることができます。
また神社境内に建てられた建築物とは思えないほど、存在感があり、また周辺の景観を壊すことなく見事に自然と調和している様子を感じ取ることができます。
二枚の鉄の板のちょうど端の部分には一本の大木があります。
木の周りには優しいスペースが設けられており、木を傷つけることなく、木とパビリオンが共存できる設計となっています。
こちらは葺田パビリオンの屋根の部分。ゆるやかなカーブがとても印象的です。
こちらは葺田パビリオンの内部空間です。葺田パビリオンの形状に沿った形でベンチが設置してあり、子供たちが遊ぶ様子を大人が見守ることができるようになっています。
全体的に曲線を大切にしたつくりとなっており、居心地の良い空間に仕上がっています。
葺田パビリオンの内部空間の緩やかな傾斜がとても目をひきます。
現代的な形の建築物が神社の神聖な空間と見事に調和しており、神が宿ると言われている神社に不思議な味わいをもたらしてくれています。
もともとコミュニティスペースでもあった神社に新しい命が吹き込まれたような、葺田パビリオンにはそんな魅力を感じ取ることができます。
上の写真が2枚の鉄の板の接着面。
ただ重なっているように見えますが、きちんと固定されています。
日本伝統の遊びである折り紙が二枚重ね合わさったかのようにも見えます。葺田パビリオンは、日本人ならではの美を感じ取ることが出来る素晴らしい建築物ですね。
動画をみたい方は以下からご覧頂けます。
動画でみると、写真以上に圧倒的な存在感を漂わせていることがしっかりと伝わってきます。葺田パビリオンは瀬戸内国際芸術祭2013に合わせて建立されたようですが、閉幕後も残されているようなので、機会をつくり一度は訪れてみたいものです。
建築デザイン:Office of Ryue Nishizawa 西沢立衛建築設計事務所(http://www.ryuenishizawa.com)
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▼参考:(外部サイト)
ryue nishizawa places fukita pavilion amongst the trees
西沢立衛 – 趣深山 瀬戸内編
瀬戸内国際芸術祭2013、いよいよ夏会期|香川県 小豆郡土庄町|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する