ペンキなどを塗る時に使用する剛毛のブラシ。
使ったあとに洗うのを忘れると、次の日、カチンコチンに固まってしまい、本来の機能を失いその用途を見いだすことが出来なくなってしまいます。
そんな本来もつ機能を失ってしまったブラシに目を付け、何か別の用途として使用できないかと思いめぐらし、見事に新しいものとして用途を見いだすことに成功したデザインのブラシ。
それが、ブラシで出来たコート掛け「Brush hooks」です。
このアイデアは、イギリスをベースに活躍しているデザイナーDominic Wilcox氏がアートショップを歩いている時、ふとブラシに眼がとまり、興味をもったことがきっかけだそうです。
ブラシを如何にして、どんな用途として再利用するのかについては随分と頭を悩ませたようで、試行錯誤のなかようやくその糸口がみつかり、このコート掛け「Brush hooks」が完成したそうです。
実はこの作品はKK Outletの主催したプロジェクト’object abuse’という展示会のひとつとして出展されたもの。
このプロジェクトは「日常に溢れる様々なものを、出来るだけ少ない材料で、再構築し、如何にして全く新しいものとして再利用することができるのか」をテーマに掲げ、開催されました。
本来ならペンキによって固くなってしまったブラシはその機能を失い、捨てるしかありません。しかし「Brush hooks」は、使えなくなってしまった、その形という特徴を生かし、見事に再利用した素晴らしいデザインと言えると思います。
実際にコートをかけるとこんな感じに。「Brush hooks」自体はしっかりとネジによって壁に固定されています。
また固められたブラシは強度も抜群なので、ちょっとやそっとの重みでは崩れることなく、その形状を維持することができます。
本来なら役に立たないものを、役に立つものとして生まれ変わらせる、逆転の発想の勝利ですね。
デザイナー公式ホームページ:DOMINIC WILCOX: This site documents work, ideas and experiments.
Brush hooksのページはこちら:Dominic Wilcox: Brush hooks
▼参考:(外部サイト)
Brush Hooks by Dominic Wilcox – Dezeen
Paint Brush Coat Hooks « Variations on normal by Dominic Wilcox