大きな隙間を巧みに利用した、東京都根津にある狭小住宅「大きなすきまのある生活」

日本人の住宅事情は広い土地に住む海外の住宅からからみれば、うさぎ小屋といわれて久しいですが、その中でも人口が密集している東京は特にそれが顕著にみられます。

住居と住居の間にあいた、少しの隙間にも、住宅をつくるという発想は日本が世界に誇る建築技術のひとつなのではないかと個人的には思っています。

今回は、日本の建築事務所ondesignが手がけた「大きなすきまのある生活」という９坪の敷地にある３階建ての建築物をご紹介します。

わずか９坪の土地に建てられた３階建ての狭小住宅の概要

実はこの建築物は左右２つの棟からなりたっています。こちら側が入り口を正面にして左側にある、主に階段をメインとした棟です。

わずか９坪の土地に建てられた狭小住宅の配置図と断面図

次に入り口を正面にして右側にある、主に実際に部屋として使用する棟です。わずか９坪の土地にどのように配置しているのかがわかる配置図や平面図、断面図の模型ですが、この模型をみるだけでもどんな住宅なのかワクワクしますね。

９坪の土地に建てられた狭小住宅の配置図

※以下の写真からは、クリックすると大きくなります。必要に応じて、大きくしてご覧下さい。

こちらが実際に狭小住宅が建てられる土地の周辺地図です。真ん中にそびえ立っている灰色の建物が今回紹介する狭小住宅です。 周りの家屋と比べても狭小ということが確認できるかと思います。

９坪の土地に建てられた狭小住宅の平面図

１階の設計図（平面図）です。設計図（平面図）の上側の棟が階段をメインにした棟です。設計図（平面図）の下に位置する棟が実際に人が生活する居住空間です。

floor plan / level 0
1. dining room
2. entrance
3. warehouse/ storage

２Fの設計図です。この階には寝室とお手洗いが確認できます。

floor plan / level 1
4. bathroom
5. bedroom

３Fの設計図です。リビングと書斎、それにお風呂がこの階にあります。

floor plan / level 2
6. living room
7. workspace
8. bathroom

９坪の土地に建てられた狭小住宅の断面図

階段側の棟の断面図です。

住居側の棟の断面図です。

こちらの設計図は、ちょうど2棟をつなげる空間の図です。いろいろと工夫を施しているのがわかり、面白いです。画像をクリックすると画像が大きくなり、細かい文字もご覧頂けますので、是非ご覧頂ければと思います。

９坪の土地に建てられた狭小住宅の実際の写真

「大きなすきまのある生活」の完成図です。如何に狭い空間に建てられているのかがよくわかります。

非常に狭い土地に建てられているため、建物に様々な工夫が施されているのがわかります。

2棟をつなげる隙間はやっとの思いで、ひとがひとり通れるくらいの大きさでしょうか。写真だけでもその狭小さが伝わってきます。

この狭い隙間を有効に利用した住居が「大きなすきまのある生活」です。

階段も狭いですが、窓が多いため、部屋の中は比較的明るくなっています。こうしてみると随分と遊び心の溢れる建築物ですね。

左側が階段のある棟の写真です。右の写真は３Fのリビングの自然光をとりいれる窓です。

１Fのダイニングルームの写真です。

左が１Fのキッチン。右側が３Fのバスルームです。

３Fの書斎スペースです。

こちらが「大きなすきまのある生活」の２Fにある寝室の写真です。レンガ色の室内と木のぬくもりが非常にマッチしていますね。

所在地　　東京都文京区根津
竣工年月　2012.09
設計　　　西田司+萬玉直子
撮影　　　山本育憲
敷地面積　30.07㎡
建築面積　18.03㎡
延床面積　50.70㎡
施工業者　有限会社：伸栄
構造　　　田畠隆志/ASD

参考：

大きなすきまのある生活 | ondesign

ウサギ小屋（うさぎごや） – 語源由来辞典

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