こんな照明、今まであっただろうかと思える照明があります。
それがミノムシの照明と言われる照明です。ミノムシは、ミノガ科のガの幼虫であり一般的にはオオミノガの幼虫をさします。
ミノムシの幼虫は摂食後の枯れ葉や枯れ枝に粘性の糸を絡め、袋状の巣を作って枝からぶら下がり、その姿がわらでつくった「蓑(みの)」に似ていることから「ミノムシ」という名前がつけられました。
そんなミノムシの照明とは一体どんな照明なのか。それは以下の記事を読んでもらえればわかります。
早速ネタバレになってしまいそうですが、上の写真がミノムシの照明です。ミノムシの照明といっても、上の写真はまだ未完成のもの。本物のミノムシのように、これからどんどん巣を形成していくところです。
実際のミノムシも身の回りの繊維があれば、葉や枝ではなくても蓑を作り上げます。毛糸のくずや細かく切った色紙の中に蓑を取り去った幼虫を入れると、その繊維を使い色鮮やかな蓑を作り上げるそうです。
ミノムシの照明はもちろん、その中にミノムシの幼虫がいるわけではありません。人間の手によって蓑(みの)をつくっていかなければなりません。
その際に使用するのは、上の写真でみられるポストイットを代表とする紙で出来た付箋。この付箋を裸の電球にぺたぺたと貼付けることでミノムシの照明が完成します。
途中経過です。付箋を綺麗にちりばめるように下から貼っていく事により、上のような綺麗なミノムシの照明が出来上がります。
付箋をぺたぺたと貼ることで、蓑をつくっていくので軽い工作気分で楽しみながらミノムシの照明をつくっていくことができそうです。
照明全体に付箋をはると以上のような感じに。はてさて、これで照明のスイッチを入れるとどんな照明に変身するのでしょうか。
非常に楽しみです。
パッと照明をつけると上のような照明に早変わり。付箋の根元から先にかけて光の強弱がきちんとされており、とても幻想的な色合いをかもし出しています。
ミノムシの照明ときいて若干ひき気味だった人も、上の写真をみればその印象は大きく変わるに違いありません。
ミノムシの照明の全体図はこんな感じ。上の写真は緑の付箋を貼ったものですが緑の付箋もまた味わいがあります。
付箋の色を変えるだけで幾通りもの照明が出来あがります。
手前に黄色の付箋を貼ったミノムシの照明。奥には緑色の付箋を貼ったミノムシの照明。ここでは下から付箋を綺麗に並べ貼っていっていますが、付箋の貼り方によってもその表情は大きく変わりそうです。
上の写真はピンク色の付箋を貼った時のもの。根元から溢れる光がとても神々しく辺りを照らし出します。
最後に今までの色をすべてならべてみました。
こういった一工夫でできる照明はとても好感が持てます。しかも身近なものでつくることが出来るところがまたプラスポイントです。
私たちは普段、モノが溢れる環境の中で生活しており、何でも買うことで済ませてしまいますが時には頭を使い工夫をすることで何かを生み出していくということを知らなければならないのかもしれません。
私たちがどれだけ自分の頭を使い工夫をし、「ないもの」を「あるもの」にかえるのではなく購買に頼り切っているのかがよくわかります。
▼参考:
ミノムシの照明, Works, Shinobu Koizumi(http://www.shinobu-koizumi.com/japanese/works/bagworm.html)