新築時に家の外構を失敗してしまう方は想像よりも多くいらっしゃいます。
建物にお金をかけすぎてしまい、外構までに頭が回らずに外構は後回しになってしまいがちですから仕方のない面もあるのかもしれません。
ただ、後からおしゃれな外構をつくろうとしても、エクステリア全体で見れば、建物と外構の統一感が大切になりますから、あまりうまくいかなかったり、デザインが悪くなってしまったり、使い勝手が悪い外構になってしまう可能性があります。
そこで今回は家づくりで後悔しないための外構で失敗しないた目のデザインや設計、外構づくりでおさえておきたいポイントやコツについて解説して行きたいと思います。
Contents
- 1 新築の家でよくある外構の失敗例
- 2 1:駐車スペースでよくある外構の失敗例
- 3 よくある外構の失敗例1:駐車スペースを広くすればよかった
- 4 よくある外構の失敗例2:カーポートの柱が邪魔で車の出し入れがしにくい
- 5 よくある外構の失敗例3:カーポートの高さを低く作ってしまった
- 6 よくある外構の失敗例4:水捌けの悪い駐車場になってしまった
- 7 よくある外構の失敗例5:駐車場の地面を装飾性の高いデザインにしたら破損した
- 8 2:アプローチでよくある外構の失敗例
- 9 よくある外構の失敗例6:駐車スペースから玄関までの距離が遠い
- 10 よくある外構の失敗例7:駐輪スペースをつくればよかった
- 11 よくある外構の失敗例8:「門扉」や「塀」をつくればよかった
- 12 よくある外構の失敗例9:アプローチが雨で滑りやすくなってしまった
- 13 よくある外構の失敗例10:雨が降った後乾きづらいアプローチになってしまった
- 14 よくある外構の失敗例11:黒いタイルにしたら汚れが目立ってしまった
- 15 よくある外構の失敗例12:階段を作らなければよかった
- 16 3:メインガーデンでよくある外構の失敗例
- 17 よくある外構の失敗例13:手入れが面倒な庭になってしまった
- 18 よくある外構の失敗例14:中途半端なウッドデッキを作ってしまった
- 19 よくある外構の失敗例15:水道を設置すればよかった
- 20 よくある外構の失敗例16:屋外コンセントをつければよかった
- 21 よくある外構の失敗例17:照明を設置すればよかった
- 22 よくある外構の失敗例18:洗濯物を干すスペースを作ればよかった
- 23 新築の家の外構は失敗しやすい
- 24 新築の家の外構にはどれくらいの予算をさくべき?
- 25 まとめ
新築の家でよくある外構の失敗例
まずは新築の家でよくある外構の失敗例からお話しして行きます。
よくある外構の失敗例をおさえておくことで、外構をつくる前に注意できるようになるので外構で失敗する確率が少なくなると思います。
【新築の家でよくある外構の失敗例】
1:駐車スペースを広くすればよかった
2:カーポートの柱が邪魔で車の出し入れがしにくい
3:カーポートの高さを低く作ってしまった
4:水捌けの悪い駐車場になってしまった
5:駐車場の地面を装飾性の高いデザインにしたら破損した
6:駐車スペースから玄関までの距離が遠い
7:駐輪スペースをつくればよかった
8:門扉や塀をつくればよかった
9:アプローチが雨で滑りやすくなってしまった
10:雨が降った後乾きづらいアプローチになってしまった
11:黒いタイルにしたら汚れが目立ってしまった
12:階段を作らなければよかった
13:手入れが面倒な庭になってしまった
14:中途半端なウッドデッキを作ってしまった
15:水道を設置すればよかった
16:屋外コンセントをつければよかった
17:照明を設置すればよかった
18:洗濯物を干すスペースを作ればよかった
外構には「駐車スペース」「アプローチ」「メインガーデン」「サービスヤード」といった4つのスペースがありますが、それぞれのスペースごとによくある外構の失敗例を解説していこうと思います。
【外構のスペースの取り方は4つ】
1:駐車スペース(一番広い庭)
2:アプローチ(門から玄関までの通路)
3:メインガーデン(一番広い庭)
4:サービスヤード(家事・作業場)
>>>家が驚くほど美しくなる、建物のデザインと調和したエクステリア(外構)のつくり方
>>>おしゃれな外構をつくるためにおさえておきたい4つのポイント
ちなみに「外構」ではなく「エクステリア」と言った場合は、敷地内の外部空間空間全体を指します。
【外構とエクステリアの違い】
外構:門扉・塀・カーポートなどの要素
エクステリア:敷地内の外部空間のこと
1:駐車スペースでよくある外構の失敗例
ここからは駐車スペースでよくある外構の失敗例についてまとめてお話して行きます。
よくある外構の失敗例1:駐車スペースを広くすればよかった
実は「駐車スペースが狭くて使いにくい」は外構の失敗例でダントツ「ナンバーワン」の失敗例です。
思っていた以上に車の出し入れが面倒な家になってしまったという外構の失敗例は、本当に多く聞きますので注意してください。
車の出し入れのしやすさは敷地に対しての前面道路の接道条件によっても変わってきます。前面の道路が条件ギリギリであったり狭い場合は車の出し入れがしにくくなってしまうことがありますので車が出し入れしやすいように駐車スペースを工夫する必要があります。
「ビルトインガレージの家の駐車場の広さはどれくらい必要なのかについて解説します」でもまとめさせていただきましたが、乗用車の平均的な車幅は下記の通りになります。
【乗用車の平均的な車幅】
軽自動車:幅1,480mm 長さ3,400mm
小型車:幅1,700mm 長さ4,100mm
中型車:幅1,700mm 長さ4,700mm
ワンボックス車:幅1,700mm 長さ4,800mm
大型車:幅1,850mm 長さ5,000mm
これに、車のドアの開閉具合によって駐車スペースに必要な幅をプラスする必要があります。
【ドアの半開、全開に必要な幅】
半開:車幅+600mm以上
全開:車幅+900mm以上
ちなみに国土交通省の「駐車場設計・施工指針」では車一台止めるのに必要な駐車幅は下記のとおりに設定されています。
【軽自動車】
国土交通省 幅員:2.0 長さ(奥行き):3.6
平均的車両 幅員:1.5 長さ(奥行き):3.4
車両ドア開閉可能幅 幅員:2.7
【小型乗用車】
国土交通省 幅員:2.3 長さ(奥行き):5.0
平均的車両 幅員:1.7 長さ(奥行き):4.1
車両ドア開閉可能幅 幅員:2.9
【普通乗用車】
国土交通省 幅員:2.5 長さ(奥行き):6.0
平均的車両 幅員:1.7 長さ(奥行き):4.7
車両ドア開閉可能幅 幅員:2.9
ただし、国土交通省の「駐車場設計・施工指針」に従って駐車スペースを確保してしまうと、本当にギリギリの幅になるので車の出し入れがしにくくなってしまうので注意してください。
駐車スペースとして理想的な幅や作り方については「ビルトインガレージの家では駐車場の幅はどれくらい必要?」でまとめさせていただいておりますので、参考にしてください。
よくある外構の失敗例2:カーポートの柱が邪魔で車の出し入れがしにくい
車の出し入れをする際に、カーポートの「柱」が邪魔で車の出し入れが面倒になってしまったという失敗例も多いです。
普通乗用車2台用のカーポートは「柱」を「4本」設けることが一般的です。
そして、「柱」は「端部」から約1mほどの位置に配置することが多く、この位置に柱が来た場合、駐車スペースの取り方によっては駐車するときに「柱」にぶつけてしまいそうになってしまうことがあります。
必ず「柱」の「太さ」までを計算して駐車スペースの「間口」を確保する必要があります。
車の大きさごとの車が出し入れしやすいスペースの取り方については「ビルトインガレージの家では駐車場の幅はどれくらい必要?」にまとめてありますので参考にしてください。
よくある外構の失敗例3:カーポートの高さを低く作ってしまった
カーポートの高さを低くしてしまったことで新築時の外構を失敗したという方も多いので注意しましょう。
一般的な車の高さは1,500mmほどですが、アルファード・ステップワゴン・セレナ・ノアなどのワンボックス車では全高が2,000mmもあります。
アウトドアが好きな方は車の上に「カーキャリア」や「ルーフボックス」を積むことも多いでしょうから、その分の高さを確保する必要もあります。
既製品のカーポートでは「柱」が長いタイプでは2,500mmのものや2,800mmのものがありますから、そうした高さのある「柱」を選ぶとカーポートの高さの問題は防げると思います。
よくある外構の失敗例4:水捌けの悪い駐車場になってしまった
雨が降った際、駐車場のなかに「水たまり」ができてしまうといった失敗例も聞くことがあります。
駐車場の中に「水たまり」ができると車の出し入れが面倒になってしまったり、雨天時の「水はね」で車が汚れてしまうことがあります。
予算の関係で駐車場を「コンクリート」で舗装せずに、「砂利」などにしてしまった場合は、駐車場の水捌けが悪くなってしまいますので注意しましょう。
駐車場がぬかるんでしまったり、使い勝手の悪い駐車場にしないために、敷地の外にしっかりと排水されるような「傾斜」をつけたり「排水口」を設けるなどし、水捌けの良い駐車スペースを確保してください。
よくある外構の失敗例5:駐車場の地面を装飾性の高いデザインにしたら破損した
駐車場の地面を装飾製の高いデザインにしたら、地面が剥がれてきたり「カケて」しまったり「割れて」しまったという外構の失敗例は本当によく聞きます。
外構だけではなく建物にも言えますが、基本的には「デザイン性」と「実用性」はトレードオフの関係にあると思ってください。
多くの場合、「デザイン性」を高めれば実用的に無理が生じ、「実用性」を高めればデザイン的に無骨なものとなっていきます。
タイヤが「溝」に乗ることで「割れ」や「カケ」が起きやすくなる
駐車場の地面でよくみられる「デザイン性」の高い地面は多くのケースで「溝」があります。
この「溝」にタイヤが乗っかり車重がかかるため駐車場の地面に「割れ」や「カケ」が起きてしまうのです。
これを防ぐためにはタイヤの切り回し部分を避けて車重がかかる部分のみを「ブロック」にしていくと良いと思います。
2:アプローチでよくある外構の失敗例
駐車スペースでよくある外構の失敗例につづいて、アプローチでよくある外構の失敗例についてまとめてお話して行きます。
よくある外構の失敗例6:駐車スペースから玄関までの距離が遠い
カーポートのある駐車スペースから家の玄関までの距離が遠くて、雨天時に不便な動線になってしまったという外構の失敗例もよく聞きます。
晴れの日にはよくても雨の日には駐車場まで駆け足で行くか、傘を刺さなければならない動線にしてしまうと生活していてストレスを感じることも多くなります。
この辺りの動線の失敗は「家が驚くほど美しくなる!建物のデザインと調和したエクステリア(外構)のつくり方」でまとめたようにゾーニングによって解決してくと良いと思います。
ちなみに玄関入り口付近の玄関ポーチについては「注文住宅でため息が出るほど美しい魅力的な玄関ポーチにする8つのポイント」を参考にしていただくと洗練された魅力的な玄関ポーチを作っていただくことができると思います。
記事では具体的なポイントや例をあげて美しい玄関ポーチのつくりかたを詳しく解説させていただいています。
よくある外構の失敗例7:駐輪スペースをつくればよかった
気がついたら外構に「駐輪スペース」がどこにもないといった外構の失敗もたまに聞きます。
おそらく「駐車スペース」の確保ばかりに気を取られてしまったり、外構計画時のゾーニングに「駐輪スペース」ということがないため、「駐車スペース」と一緒にしてしまい、スペースを確保することなく外構計画を立ててしまったということからくる外構の失敗だと思います。
もちろん駐車場に「駐輪スペース」を確保することもできますし、特に気にせずとも勝手に駐輪スペースが確保できていることもありますが、普段から自転車を乗り回すことが多い方や自転車を趣味としている方は設計時にきちんとした「駐輪スペース」を確保しておくと良いでしょう。
「駐輪場」を作るスペースがなく、もしも屋内に「駐輪スペース」を確保するようであれば、アプローチに「自転車専用のスロープ」などをつけると出し入れがしやすくなりますのでお勧めです。
また「駐輪スペース」を外構の一部として確保する場合は「駐輪スペース」の地面を「コンクリート」にしておくとタイヤが回りやすいので使い勝手の良い「駐輪スペース」にすることができます。
バイクを置くスペースを外構の一部として「駐輪場」に確保したい場合も同様に地面を「コンクリート」にすると良いと思います。
駐輪スペースの広さについて
「駐輪スペース」の車幅は600mm、全長1,600〜1,900mm程度のスペースが必要になります。
車幅が600mm以上超えると軽車両として扱うことができなくなるため車幅は最大で600mmと思ってください。
最大幅とする場合駐輪場に必要なスペースは1台あたり1,900mm×600mm程度必要になります。
【駐輪場の設営で必要となる車幅】
1台:600mm
2台:1,200mm
3台:1,800mm
よくある外構の失敗例8:「門扉」や「塀」をつくればよかった
「門扉」や「塀」は外構の中でも高額になり、予算の問題で作らない方もいらっしゃいますが、家を建ててから「門扉」や「塀」を作っておけばよかったと後悔される方も珍しくありません。
「おしゃれな外構をつくるためにおさえておきたい4つのポイント」でもお話ししたように「塀」や「門扉」は「家の顔」となる部分で遠目で見た場合の「家の外観デザイン」を大きく左右するものです。
もちろん家のデザインによっては「門扉」や「塀」がない方が好ましいこともありますが、「塀」や「門扉」には不法侵入を防ぐ役割もあるため防犯対策をしっかりと施したいのであれば「門扉』や「塀」を作ることをお勧めします。
「門扉」や「塀」は目隠しやプライバシー保護の役割もある
また「門扉」や「塀」はデザインや防犯対策だけではありません。
「門扉」や「塀」は目隠しやプライバシー保護の役割も兼ねています。
玄関の位置によっては周囲の家から建物の中が丸見えになってしまうこともありますが、門扉や塀を道路の間に作ることで目隠しやプライバシーを保護することができます。
よくある外構の失敗例9:アプローチが雨で滑りやすくなってしまった
晴天時は良いものの雨天時など濡れると雨で滑りやすくなってしまったという失敗例も珍しくありません。
特にアプローチ部分にデザイン性の高いタイルなどの雨に濡れると滑りやすい素材を敷いた場合に起こりやすい失敗だと思います。
タイルは汚れにくく掃除がしやすいメリットもありますが、雨が降った後に非常に滑りやすくなってしまいますので、思わぬところで転倒してしまうリスクが高まることもあります。
アプローチでタイルを使う場合は雨で滑りにくいノンスリップ加工がされたタイルを使うようにしてください。
またモダンスタイルの外構のようなコンクリート敷きにした場合も地面が滑りやすくなるケースもありますので表面を粗い仕上げにして滑りにくいようにすると良いと思います。
北側アプローチは表面を粗い仕上げにすると汚れが目立つことも
ただし、注意が必要なのは北側に玄関を置いた場合です。
北側は日当たりが悪いため、湿気を帯びやすく、表面を粗い仕上げにしてしまうといつまでも水気がひかないで残りやすくなってしまいます。
湿気は汚れを付着させますから、コケが生えてしまったり玄関周りが汚くなってしまうので注意してください。
次の項目でもお話ししていますが、北側玄関では水捌けがよく汚れにくいタイルを敷くと日々のメンテナンスが楽になると思います。
よくある外構の失敗例10:雨が降った後乾きづらいアプローチになってしまった
アプローチに使う材質はもちろん、アプローチのスペースの取り方によっては雨が降った後、乾きづらいアプローチになってしまい外構を失敗したと後悔される方も少なくありません。
和風住宅やアジアンスタイルのように湿度感を狙ってわざと乾きづらいアプローチを作るのであれば問題は起きないと思いますが、アプローチを作る場所によっては意図せずに乾きづらく、いつまでもジメジメとしてしまうアプローチになってしまうこともあります。
これは特に北側に玄関が来るなど、日当たりが悪い場所で発生しがちです。
なかなか乾かないと湿気によりカビが生えやすくなってしまうのでアプローチを作る際は湿気を含みにくい材質のものを使うなど注意してください。
陽当たりの悪い北側は汚れやすい
汚れは日当たりが悪いジメジメと湿っている場所につきやすい傾向にあります。
だから陽当たりが悪い北側は水分が残りやすく、ホコリが滞留しやすい環境にあります。
これを放っておくとカビが生えてしまったりコケが生えてしまったりするので北側玄関の場合は地面を滑りにくくしようとしても「乱はり」や「砂岩」、「洗い出し」など凹凸のでやすい施工はしないように注意してください。
北側玄関の場合は汚れにくいタイルアプローチにすると水捌けもよく清潔感を保てるようになりますので参考にしてみてください。
よくある外構の失敗例11:黒いタイルにしたら汚れが目立ってしまった
黒いタイルにしたら思ったよりも汚れが目立ってしまって外構を失敗してしまったと思うケースも珍しくありません。
黒やダークグレーなどの色の濃いタイルは高級感が出ます。
暗い色は全体の印象を引き締めることができるからです。
ただし同時に汚れも目立ちやすい色だということは覚えておく必要はあります。
これは道路を走っている車を見てみてもわかります。
白い車よりも黒い車の方が汚れが目立つからです。
特に黒いタイルの周りに植栽があると、土がタイルに跳ねて汚れが目立って汚らしいアプローチになってしまいます。
黒いタイルは見た目がおしゃれなものが多いですし、何より高級感が生まれますが、同時に汚れが目立つことを十分に理解して使うことが大事です。
よくある外構の失敗例12:階段を作らなければよかった
敷地内にアプローチから入り、玄関入り口の部分の高さを少しだけあげて階段をつくったことによって外構を失敗してしまったと感じてしまうケースもあります。
「玄関ポーチ」の「段差」を上げることで「内」と「外」の切り替えが行えるという心理的なメリットはありますが、安全を考えた場合は、階段は作らない方が良いと思います。
もしも階段をつくるのであれば、転倒するリスクを低くするために足全体が階段の踏面に乗るように階段のサイズを広くすると良いと思います。
また手すりやスロープなども階段脇に合わせて設置し、階段を使ってもスロープを使っても家の中に入れる動線を用意しておくと良いと思います。
3:メインガーデンでよくある外構の失敗例
駐車スペース・アプローチでよくある外構の失敗例につづいて、ここからはメインガーデンでよくある外構の失敗例についてまとめてお話して行きます。
よくある外構の失敗例13:手入れが面倒な庭になってしまった
メインガーデンを広くとったら手入れが面倒な庭になってしまったという外構の失敗例も多いです。
特に新築時に庭に彩りを加えようと、手入れのことをあまり深く考えずにデザイン性だけを意識してメインガーデンを作ってしまうと手入れに関する問題は起きやすくなると思ってください。
庭に生い茂った雑草を抜くのを負担に感じることも
メインガーデンを広くとり、植栽を植えると水やりは定期的に必要になりますし、土を植えると雑草ものびてくるので定期的な手入れが必要になります。
手入れをしないと、庭が雑草で生い茂り、みるも無残な姿になってしまうため、庭のデザインを維持するための手入れを面倒に感じたり負担に感じてしまうケースも少なくありません。
特に夏場は雑草が生えるスピードも早いため、頻繁に草刈りが必要になります。
防草シートを土の上に被せておけば防ぐこともできますが、防草シートが劣化すると雑草が生えてしまうので外構の定期的なメンテナンスはやはり必要になります。
秋冬に落ちる枯れ葉の掃除が負担になることも
樹種によっては秋冬は枯れ葉などがたまり、定期的に手入れをしていないと汚らしくなってしまうこともあります。
メインガーデンに植える植物の種類や植物を植える場所にもよりますが、庭のデザインを維持するための世話をする時間を確保できるかどうかが一つの焦点になってくると思います。
メインガーデンを北側にすると植物が育ちにくい
またメインガーデンを北側にすると植物は育ちにくくなりますので植栽するときは注意してください。
よくある外構の失敗例14:中途半端なウッドデッキを作ってしまった
ウッドデッキを作らない方が良かったという外構の失敗例も珍しくありません。
新築時に思い描く「ウッドデッキ」のスペースは、屋外用のテーブルやソファーを置いて休日にはカフェスペースとして使うといったイメージをしますが、「ウッドデッキ」のサイズはもちろん敷地の状況によってはあまり使い物にならないスペースになってしまうこともあります。
特に目の前が目隠しのされていない道路であったり、1・2畳ほどの狭いスペースに「ウッドデッキ」を作ってしまうと使えない「ウッドデッキ」になってしまうこともあるので設置しない方がいいでしょう。
また、素材によっては、劣化を防ぐための塗り替えをする必要があり定期的な手入れが必要になります。
塗り替えには手間と時間がかかりますから、最初のうちは楽しみながらできたとしてもそのうち面倒になり、正直負担に感じてしまう場面も増えてきます。
メンテナンスが想像以上に手間で、負担に感じる方もいらっしゃいます。
メンテナンスの負担を軽くしたいときは扱いやすい素材を選ぶ
天然木は雰囲気が出ますが、風合いはもちろん「デザイン」と「性能」を維持するためには手間や時間、お金がかかります。
天然木は放っておくと公園にある「古びたベンチ」のように「灰色」になっていきますから、最低でも1年に2回ほど防水のための塗り替えをしたり防腐剤を塗布する必要があります。
また天然木を使ったウッドデッキは放置していると腐ってボロボロになります。環境によっては4〜5年程度で使い物にならなくなると言ってもいいでしょう。
そうしたメンテナンスにかかる手間を省きたいのであれば、樹脂製や人工木タイプの素材を使うことをお勧めします。
見た目や風合いなどは天然木に比べ安っぽい印象になってしまいますが、メンテナンスにかかる負担を軽くすることができます。
ただし樹脂製品の場合は夏場は裸足では歩けないほど高温になりますので、注意が必要です。
またウッドデッキに屋根をつけると雨風も多少しのげるようになるので劣化のスピードが遅くなります。
どうしても天然木がいいのであれば「ウリン材」や「イペ材」などを使うといいと思います。
よくある外構の失敗例15:水道を設置すればよかった
外構に水道を設置しておらず庭で水が使えないと言った外構の失敗もききます。
隠しておけるタイプの「立水栓」を「メインガーデン」や「サービスヤード」に設置しておくと様々な用途で使うことができるので外構の利便性が高くなります。
特にメインガーデンに植物を植えた場合は、外構に水道があるだけで水やりが非常に楽になります。
水道の設置位置には気を付ける
水道を設置したのはいいものの設置場所が悪くて使いづらい水道になってしまったという失敗談もよくききます。
外構の規模にもよりますが、「駐車スペースの近く」「アプローチの近く」「サービスヤード」「メインガーデン」とそれぞれのスペースに水道を設置するのが理想ですが、それが難しい場合は、サービスヤードよりのメインガーデンと「駐車スペースの近く」に設置しておくといいと思います。
駐車スペースの近くに水道を設ける理由としては、車庫の近くに水道があると洗車の際に便利になるからです。
もちろんこの辺りはゾーニングの仕方にもよるので、担当者に相談の上各々にとって便利になる水道の位置を決めて行ってください。
よくある外構の失敗例16:屋外コンセントをつければよかった
屋外用のコンセントがなかった、コンセントの数が少なかったという外構の失敗も新築時の外構の後悔でよく聞く話ですし珍しい話ではありません。
コンセントの数は少なくて困ることはあっても、多くて困ることはありません。
車内を掃除するときや高圧洗浄で車を洗いたいとき、庭でバーベキューを楽しむとき、夜間の照明で足元を照らしたいときなど様々な場面でコンセントは使用します。
通常であれば、屋外用コンセントの配置は建物の間取りが決まった後、電気工事の打ち合わせの際に決めていきますのでそれまでに外構の設計イメージを決めておく必要があります。
コンセントの設置にはあまりお金がかかりませんし、新築時の外構で後悔しないためにはコンセントの数は必ず多めに確保しておくようにしてください。
>>>注文住宅で使いやすいコンセントの配置の仕方と、あると便利な22ヶ所のコンセント
>>>注文住宅のコンセントの位置で失敗しないコツと8つのポイント
近年、電気自動車の問題もありますが、電気自動車用のコンセントもつけておくか、それか必要になった時に設置できるように配線しておくことをお勧めします。
よくある外構の失敗例17:照明を設置すればよかった
照明を設置しなかったので夜間の外構が思ったよりも暗いものとなってしまったという外構の失敗もたまにききます。
夜間の暗さは、住んでみないとわかりませんし、必要以上に暗くなってしまうと夜間の防犯性も低下してしまいます。
必要な場所に照明が設置されいないと家が暗くなり、不審者や泥棒が夜間侵入しやすい家になってしまうので注意してください。
外構の照明はタイプによって金額に差はあるものの概ね1箇所につき1万円〜5万円ほどで設置できますので家の防犯性を高める意味でも必ず設置するようにしてください。
よくある外構の失敗例18:洗濯物を干すスペースを作ればよかった
外構で洗濯物を干すスペースを考えていなかったという外構の失敗も耳にすることがあります。
また想像していたよりも洗濯物を干すスペースが狭かったという例もあります。
「室内干し」や室内に「サンルーム」を設けるケースも増えてきていますが、お庭にも洗濯物を干せるスペースがあると天日干しもできるようになるので庭の使い勝手が良くなります。
新築時の外構で失敗しないためにも意識して洗濯物を干すスペースを確保してください。
新築の家の外構は失敗しやすい
新築の家の外構は失敗しやすい。これは数多くの家づくりを見てきて感じる純然たる事実です。
新築の家の外構で失敗しないためには、まずは外構で失敗しがちな点をしっかりと押さえること、次にエクステリアのゾーニングをしっかりとし、さらにデザインを統一すると言った順番で外構計画を進めていただくといいと思います。
また建物だけに予算を割くのではなく、家を建てるための総費用のうち付帯工事(別途工事とも)にあたる外構工事にもしっかりと予算を割き、後回しにしないことが大切です。
>>>注文住宅にかかる総費用の内訳について、どこよりも詳しく教えます
新築で建てる家づくりでは建物ばかりに目が入ってしまいがちですが家はもちろん、内部空間であるインテリアと外部空間であるエクステリアのイメージを統一させて、家づくりを計画することが新築の家の外構を失敗しないために大事な視点だと思ってください。
外構工事は後回しにしない方がいい
新築時に外構工事をせずに敷地内に建物だけを建てて、後からDIYをしたり、余裕が生まれたら外構工事をしようと考えられる方がいらっしゃいますが、私はあまり積極的にお勧めしません。
なぜなら新築時に外構工事をしないと、ずるずると引き延ばされ、結果、家を建てたのに外構工事をしないまま10年、20年と時間だけがすぎて知ってしまうケースが多いからです。
せっかく立派な家を建てたのにもかかわらず庭が手付かずで外構工事がされていない家を時々見かけますが、やはりみていて寂しいものです。
外構は家の顔とも言えるべきもので、主をそっと出迎えてくれたり、家に入るまでに気持ちの切り替えを促してくれたり、生活に華やかな彩りを与えてくれる大切な空間になるので、新築の家を建てるときは必ず外構工事もセットで考えていただくと、より新しい家での生活が豊かなものになると思います。
外構工事の予算はケチらない方がいい
また外構工事の予算はケチらないでください。
ほとんどの方は家づくりは建物がメインですから、間取りや住宅設備機器などのインテリアには予算をかけるものの、残念なことに外構などのエクステリアにまで予算をかける方は少ないです。
外構工事は後で行うと大変手間がかかりますし、面倒なことも多く、新築時にしっかりと計画しておかないと最悪希望のエクステリアとならない場合もあります。
もしも万が一、外構にさく予算が取れずに後から外構工事を行おうと検討している場合は、必ず新築時にどの場所にどのようなスペースを割き、全体的なデザインをどうするのかまで十分に検討しておいてください。
>>>おしゃれな外構をつくるためにおさえておきたい4つのポイント
>>>家が驚くほど美しくなる!建物のデザインと調和したエクステリア(外構)のつくり方
新築の家の外構にはどれくらいの予算をさくべき?
家づくりの総費用のうち大体10%〜15%程度を予算としてみておけばいいと思います。
つまり家の総費用が3,000万円であった場合、そのうち外構工事として300万円から450万円ほど予算を割いていただければ立派なデザインのエクステリアとすることができると思います。
ただし一般的には家全体の価格の10%程度が適正相場だと言われていますので、この辺りの予算の組み方はどれくらいエクステリアにこだりたいのかによると思ってください。
つまり外構にこだわりがある方は、さらに予算を割き仕上げていく必要があります。
>>>注文住宅と建売住宅の費用はどれくらい違うの?家を建てるための費用の違いについて
まとめ
今回の記事では新築時の外構で失敗しないために、外構でよくある失敗例をあげそれについて注意点やポイントについて解説してきました。
ただ単に外構でありがちな失敗例を上げるだけではなく、それに対してどのように対応したら新築時の外構で失敗しないのかについて細かくみてきたつもりです。
ぜひ、今回の記事を参考にしていただいて、満足のいく家を建てていただけたらと思います。