>>>「家を安く建てる7つの基本」はこちら

吹き抜けのリビングにすると後悔する?後悔しがちな間取りの7つのポイントを解説

よく、吹き抜けのリビングは寒いし暑いと聞きます。

様々な条件(立地条件や建物の構造、間取り、素材などの諸条件)にもよりますが、リビングを吹き抜けにしたケースとそうでないケースを比べると、吹き抜けの間取り(空間のとり方)にするとリビングが寒くなることは確かです。

なぜかと言えば、吹き抜けは空間(容積)が広くなるからです。空間(部屋)は広くなればなるほど容積が増えますので、冬場は空間全体を暖めにくくなる、これは当たり前のことです。

だから吹き抜けでないリビングと比べると光熱費も高くつきます。

逆に夏場は空間(部屋)を冷やしにくくなると言った問題も生じます。

また、ただ容積が増えるだけではなく、リビングを吹き抜けにするとそれに伴って窓が大きくなったり、採光のために高い位置から明かりとりをするため、夏場は暑くなりがちで冷やしても冷やしてもなかなか冷えないという問題を引き起こしがちになります。

なぜなら窓には断熱材を入れることができないし、建物が古くなれば開口部における隙間風の問題も生まれてくるからです。特に冬場の隙間風は冷たく、体感温度に影響を与えるので、同じ温度でも隙間風が入るだけで寒さを感じるようになるのです。

そこで今回は吹き抜けのリビングにするなら、家を建てた後に後悔しないためにおさえておきたいポイントについてお話ししていこうと思います。

吹き抜けの間取りのメリットやデメリットについては下記リンク先の記事にまとめてありますので、合わせて読んでいただくと理解しやすいと思いますので、リンク先を貼っておきます。

参考にしてください。

>>>吹き抜けの家にする12のメリットとデメリット

リンク先の記事では、吹き抜けの間取りを採用することで起こりうる家全体のメリットやデメリットについて触れています。今回はその中のリビングに焦点を当ててお話ししてこうと思います。

【いい家を安く建てるために知っておきたいこと】

注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります。

依頼前に家の価格を抑えるための基本やコツを知っておくことで、いい家を安く建てることができるようになりますので参考にしてください。

1:家を安く建てるための基本とコツ

注文住宅を予算内で建てるにはコツがいります。それには家の価格の決まり方や、どのように対処すれば家の価格を抑えることができるのかを把握しておかなければなりません。

予算内でいい家を建てるための7つの基本は下記リンク先の記事をご覧ください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家の形と家の価格の大きな関係

家にはお金のかかる形の家と、お金がかからない形の家があります。

家の形は家の価格を大きく左右する要素の1つですので、家の形と家の価格の関係はしっかりと抑えておくべきです。

どのような家の形はお金がかかり、どのような形にすればお金がかからないのか、またそれぞれの家の形の特徴については下記リンク先の記事をご覧ください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でカタログを請求し理想の家を建てる方法

注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。

無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して、理想の家を建てる方法については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ




Contents

吹き抜けのリビングにすると後悔する?

吹き抜けのリビングはとても開放感があって気持ちの良いものです。

リビング階段なんかと相性がよく、吹き抜けのリビングにリビング階段を採用すれば、空間全体に別荘のような印象を持たせることが簡単にできます。

語弊を恐れずに言えば、リビングを吹き抜けにして、リビング階段を採用するだけで簡単に「おしゃれな家」になります。

>>>リビング階段のある家の10のメリットとデメリット

別荘地に建てられる家は吹き抜けの住宅(建物)が多いですが、それは、別荘は非日常的な空間であり心を休めるために来る場所であるため、吹き抜けを採用し天井高を上げれば空間全体がゆったり広く見え、日常とは違う空間を簡単に演出することができるからという理由もあります。

ただそれはあくまで非日常を味わうための空間なら許せることも多々あり、日常的に吹き抜けの空間がある家に住むとなるとどうしても不便に感じる点も多々出てきてしまうのです。

リビングを吹き抜けにすることで後悔する具体的な点については、この後に詳しくお話ししますが、例えば夏場や冬場における光熱費は当然高くなりますし、掃除も面倒になりますし、ちょっとした家のメンテナンスにも手を焼くようになります。

家族が日常的に集まり団らんするリビングだからこそゆったりとした開放感が欲しい、もしかするとそんな理由で安易に吹き抜けのリビングを採用してしまうと家を建ててから数年後に後悔してしまうかもしれません。

吹き抜けのリビングで後悔する点

リビングを吹き抜けにしたことで後悔される方で多い意見は下記の通りです。

【リビングを吹き抜けにすることで後悔する点】

1:夏は暑く冬は寒い
2:想定したよりも音が響く
3:音が響いて聞こえづらい
4:業者を呼ばないと照明が交換できない
5:掃除がしづらい
6:光が漏れやすい
7:ニオイが漏れやすい

1:夏は暑く冬は寒い

吹き抜けのリビングは夏場は暑くなりやすく、冬場は寒くなりやすい。

これは紛れもない事実です。

どんなに優秀な設計士に依頼しようが、どんなに性能が高く良い家に住もうが、夏は暑く、冬は寒くなりやすい傾向がある、これは吹き抜けのリビングを採用する前にきちんと押さえておくべきことだと思います。

条件によっては、全館空調システム(家の全ての部屋で常に設定した温度を保つ住宅設備)を採用しても吹き抜けにしたリビングの寒さを防ぐことは難しくなります。

広い吹き抜けのリビングだけ設定温度を高くしておくならまだ寒さは緩和できるかもしれませんが、それでも少しマシになったと思えるくらいだと思います。

何せ吹き抜けにすると天井高があがり、その分空間が広くなり容積が増えるのですから。

暖かい空気は上へ上がり寒い空気は下に落ちる

また、暖かい空気は上へ上へと上昇する傾向にあります。

ですから、吹き抜けのリビングでは天井のシーリングファンなどを回して空気を循環させたり、床暖房を備え付けて寒さを緩和することが大切ですが、それでも家を建てる「場所」や「条件」によっては寒さが目立ってしまい完全に寒さを防ぐことはできません。

もちろんこの後にお話しする「吹き抜けにするなら取り入れたい工夫」次第で吹き抜けリビングで起こりうる暑さや寒さの問題を緩和することはできます。

ですが、何度もいうように吹き抜けにするとリビングそのものが広くなるのですから、寒い冬場はリビングが暖まりにくく、逆に夏場は冷やしにくくなり、場合によってはサウナのようになってしまう傾向にあることは否めません。

吹き抜けのリビングは夏場は逆に、冷房をガンガンにきかせてもリビングを冷やしにくく、暑くなりやすい傾向にあるという事実は必ずおさえておく必要があります。

・住宅会社の担当者はリビングを吹き抜けにしても寒くないというけど・・・?

住宅会社の担当者と打ち合わせをすると、吹き抜けにしても寒くありませんよと、数値で示されることもあるかと思いますが、それはただの数値的なデータに過ぎないと思ってください。

住宅会社の示す数値は、例えば広い倉庫の中などで行い、外部の自然環境による影響を受けづらい非常に環境の良い場所で実験したデータに過ぎないことが多いため、実際に家を建てて住む環境と比べると、全然違う結果(数値)となるのです。

ですから住宅会社が提示する数々のデータを盲信的に信じてしまうと後で痛い目を見ることもあります。

全然違うじゃないかと。

・部屋の配置や間取り(空間のとり方)も大事

また、部屋の向きなど間取りの配置を失敗すると、夏場は太陽の光が一定箇所に集まり、暑くてそこにいられないスポットができてしまうこともありますので注意してください。

2:想定したよりも音が響く

吹き抜けのリビングで後悔した方の意見を聞くと、想定していたよりも音が部屋中に響き渡ってしまったという意見が上がってくることがあります。

広い空間は音が響きやすい、これも当たり前のことです。

例えば広い体育館などで声を出すと、音が反響して、様々な場所に音が響きわたると言ったら想像しやすいでしょうか。

これは物理の法則ともいえるもので、一般住宅の仕様でも空間が広くなれば音が反響しやすくなり、響きやすくなってしまう現象がおこるのです。

もちろん、壁を厚くしたり、防音に対して効果がある設備を備え付ければ音の問題を軽減することはできますが、そうなるとコストもかかってきてしまうので、全体的に家の価格が高くなってしまう問題が生じてきます。

(逆にいうならコストをかけられる人は吹き抜けにするなら、コストがかかってでも対策はしておいた方が家を建ててから快適に過ごすことができるようになります)

3:音が響いて聞こえづらい

またリビングを吹き抜けにする上で、意外と盲点なのが空間が広くなるので、音が聞こえづらくなるということです。

先ほど吹き抜けにすると音が響きやすく家の中全体に伝わりやすいと言いましたが、翻って音が響いて聞こえやすくなる上に、反対に音を聞き取りづらいと言った現象も起きます。

音が聞こえやすくなるし、聞こえにくくもなる。一見するとこの2つは矛盾しているようですが、音の問題は吹き抜けにすると生まれるものだと思ってください。

構造上仕方のないことなのです。

・普段視聴するテレビの音量を上げる必要があり後悔したという意見も

この辺りは、実際に住んでみないと気が付かないものですし、どんなに言葉で伝えても伝わりづらいことなのでなんとも言いようがありませんが、こうした音の問題は家を建てた後に多くの方が後悔する原因ともなりうるので、リビングを吹き抜けにする際は是非おさえておきたいところです。

例えば、小さな部屋であれば、小さな音でも音が壁に反射して音が聞こえとりやすくなります。

これは簡単に想像できますよね?

それが、吹き抜けにすると空間が大きくなり天井や壁までの間に距離が生まれるので、大きな音にしないと音が伝わりづらくなると言ったらわかりやすいでしょうか。

人と人が遠くで話すと小さな部屋で話していたような音量では聞こえづらくなることを想像して貰えばわかりやすいかと思います。

だから、リビングでテレビをみたりラジオを聴く場合は一般的な広さのリビングよりも、音量(ボリューム)を何段階か上げないと何を言っているのかさえわからなくなります。

例えば、広いお店で音楽が流れていたとして、家できくような音量で聴くと、小さくて何を流しているのかわからなくなりますよね。

また映画館で映画を鑑賞するときに、テレビと同じボリュームで音を流されたら何言っているのか分からなくもなります。

それは空間が広いからで、一般的には空間が広くなれば、それだけ大きな音を出さないとボソボソと何を言っているのか分からなくなり聞こえづらくなる現象が起こるのです。

普段、テレビの音量を25に設定して視聴している場合、広さやメーカーの仕様によっても変わりますが35や45に設定しないと何を言っているのかわからないと言ったことも吹き抜けのリビングでは普通におきますので注意してください。

ボソボソと何かを言っているなという音は聞こえやすくなりますが、音を上げないと何を言っているかが分からなくなるのです。

・映画鑑賞を趣味にしている方は注意が必要

この点、テレビ番組の視聴ならまだしも、ネットフリックスやプライムビデオなどをテレビに接続し、テレビで映画鑑賞をしようとすると、音量の大小の差が大きくなるので、映画好きな方はストレスを感じる機会が増えることでしょう。

吹き抜けのリビングは音が家全体に反響しやすいので、音量を上げると、2階で生活している方にも影響を及ぼしてしまうからです。

リビングを吹き抜けにするとこうしたデメリットが起こりうるので注意してください。

4:業者を呼ばないと照明が交換できない

吹き抜けにすると天井が高くなります。

それが吹き抜けのリビングの快適性を生み出すのですが、それがかえってリビングを吹き抜けにしたことによる後悔を呼び込むことになりえます。

そしてそれは、照明を交換するときに現実として目の前に立ち塞がります。

一般的な間取りの天井の高さでしたら高くても2m50cmくらいですから、天井の照明が切れたら椅子を何処かから持ってきて、椅子の上に乗れば成人男性であれば比較的簡単に照明を交換することができます。

ただ吹き抜けの間取りは、いうまでもなく天井が高くなりますから、椅子の上に乗ったとしても、簡単には手が届かず、それは背伸びをしても無理で、吹き抜けでない間取りのリビングよりも照明の交換が難しくなります。

・生活をする上で些細なことがストレスを生む

現在主流のLED電球は寿命が長いとは言え、電球が切れた時に簡単に電球の交換ができないとなると案外不便なものです。

そこで梯子(はしご)を使うことになるのですが、梯子は高所での作業となるので危険が伴います。若いうちならまだしも、ある程度お年を召したりすると高所での作業は危険を伴います。

また女性の方に対しても、吹き抜けリビングでの照明交換はあまり優しくありません。

・電球の交換のために業者を呼ぶとコストがかかる

そこで業者を呼んで交換してもらうことになるのですが、業者を呼ぶと人件費がかかるため、例え電球一つの交換であっても非常に高額になります。

すると家を快適に維持するためのコストが高くなるのです。

つまりこれだけではありませんが、吹き抜けは広く開放的な空間と引き換えにトータルのコストが高くつく、そう考えてもらって間違いありません。

もちろんこの辺りを想定して、簡単に交換できるように間取りを工夫することもできますが、そうなると、吹き抜けの大きな特徴並びにメリットである開放感が損なわれていく傾向にあります。

つまり吹き抜けの快適性はトータルでの利便性とトレードオフの関係にあると思ってもらって間違いありません。

5:掃除がしづらい

また吹き抜けのリビングは全体的に掃除が難しくなります。

全体的にというのは、壁、天井、窓、シーリングファン(天井につけるプロペラ型の空気循環装置)に至るまでという意味です。

リビングを吹き抜けにして過ごしてみて、しばらくは「ああ快適だな」と思っていても、いざ掃除をしようとなると現実という壁にぶつかり、吹き抜けにしたことを後悔する方もたくさんいらっしゃいます。

吹き抜けは高さがありますから、「あの部分は、一体全体どうやって掃除をするんだ?」と言った具合にです。

あそこにホコリが溜まっているのに簡単に掃除をすることができない・・・いつの間にかあんなところに蜘蛛の巣がはっているが長い棒で突かないととることができない・・・と言ったふうに。

・シーリングファンの上にはホコリが溜まりやすい

リビングを吹き抜けにすると、天井にシーリングファンをつけて上にたまった空気を循環させるように働きかけて行きますが、このシーリングファンには埃が溜まることが多く、春や秋など快適に過ごすことができる季節にファンをまわさないで、しばらく放置しておくと、すぐに埃がたまってしまいます。

久しぶりにつけるとファンの上にたまった埃が一気に部屋中に飛散するということも普通に起こりえます。

そうすると埃が部屋中にまい、それを吸い込んでしまい喘息などを引き起こしてしまう原因にもなりえます。

・高所にある窓は簡単に掃除できない

また特に吹き抜けにした2階付近の窓には注意が必要です。

2階でなくても明かり取りのために、高所に設置した窓のサッシ周りや、窓ガラスの汚れは家の中であっても外であっても非常に掃除しづらくなります。

リビングを吹き抜けにすると建物の形によっては、業者を呼ばないと掃除が困難な場所まで出てきやすいです。

さらに言えば・・・明かり取りのために天井に設置した窓は一般の方が掃除するのは困難で危険が伴いますので注意が必要となります。

家を建てる前に掃除のことまで考えて、間取りを考える方は少ないように感じますが、実際にそこに住み生活をすることを考えて掃除の面、メンテナンスはどうするのかに至るまで考え、検討し尽くし設計することが大事です。

一部のメーカーは快適性だけを求めがちで、掃除の面やメンテナンスの面までは考えて設計されていないこともありますから・・・。

吹き抜けの間取りは、その雰囲気的な快適性とは裏腹に些細なことが後悔に繋がりやすい傾向にあるデリケートな間取りですので、雰囲気に流されず慎重に検討していくことをお勧めします。

6:光が漏れやすい

間取り(空間のとり方)にもよりますが、リビングの光が2階の部屋にも漏れやすくなるのもリビングを吹き抜けにした際によく聞かれる意見です。

そしてそうした光の漏れをストレスに感じ吹き抜けのリビングにしたことを後悔する方も一定数いらっしゃいます。

一般的な広さの家では、それぞれの部屋がギュッとなっていますから、リビングを中心にそれぞれの部屋がつながりを持つように設計されています。

この繋がり方が悪さをし、つまり家の間取り(空間のとり方)によってはリビングの明かりがそれぞれの部屋にまで入ってきてしまい、要するにリビングの光が漏れるということが起こってしまうのです。

そうなると、夜間はリビングにいる人も気を遣いますし、リビングと隣接した諸室にいる人も気を使うような間取りになってしまいます。

・リビングと接している部屋は特に光の影響を受けやすい

リビングと接している部屋はリビングの影響を常に受けることを心得ておくことが大事です。

いうまでもなく、夜間にこっそり番組視聴をすることは憚られるようになりますので注意してください。

いくらリビングの灯りを消していても、画面が移り変わる時のチカチカ色は、部屋に入ってくると非常にストレスに感じることが多いからです。

7:ニオイが漏れやすい

リビングを吹き抜けにする方は、より広がりを持たせるためにダイニングとキッチンを壁なしでつなげて同じ空間にすることが多いですが、そうなるとニオイが家全体に漏れやすくなります。

そしてそのニオイが吹き抜けのリビングを通して家全体に広がるため、それが原因で、リビングを吹き抜けにしたことを後悔をされる方もいらっしゃいます。

音は音量を調整したり、イヤホンをつけたりすればなんとかなりますが、ニオイは防ぎようがありません。

そしてこの匂いに悩まされ、吹き抜けにしたことを後悔される方は案外多いです。

吹き抜けのリビングを後悔しないために備え付けたい必須の設備

では吹き抜けにしたリビングで、後悔しないためにはどうすればいいのか?

完全に問題を払拭することはできませんが、以下にそれらを緩和する工夫や、吹き抜けのリビングにするなら事前に必要な設備をまとめて行きたいと思います。

これらの設備は吹き抜けのリビングにするなら必須とも言っていいくらいです。

【吹き抜けのリビングにするなら備え付けたい設備】

1:床暖房(冬場の寒さ対策)
2:日除け(夏場の日光対策)
3:シーリングファン(空気循環)
4:大きめのダクト(キッチン)

1:床暖房(冬場の寒さ対策)

もはや、リビングを吹き抜けにするなら床暖房は必須と言ってもいいくらいです。

全館空調システムだけでは不十分で、足元からくる冬場の冷えには対抗できません(寒冷地ではまず不可能です)。

床暖房にすると基本的には無垢材などを使用することができなくなりますが、床暖房があるとだいぶ寒さがやわらぎ、床暖房がない時よりも暖かく快適に過ごすことができます(床暖房に対応している無垢材もあります)。

無垢材でも自然の温かみを感じることができますが(無垢材は空気の層を含んでいるためフローリングよりも肌触りが断然暖かく感じます)、やはり冬場の極端な寒さでは足元が冷え込むことが多く、床暖房の設置が望まれます。

2:日除け(夏場の日光対策)

吹き抜けにするなら日除けはもはや必須です。

特に、高いところにある窓から降り注ぐ夏場の太陽にさらされると極端に部屋の中が暑くなったり、場所によってはじっとしていられない場所ができてしまいます。

だからこそ、屋外には直射日光を遮断できるある程度の長さがある庇や、屋内側の高所にある窓にはロールカーテンなどを備え付けておくことが必要になります。

ちょっとした手間で吹き抜けの快適性は随分と変わりますので、吹き抜けにする場合は、この辺りはコストをかけてください。

3:シーリングファン(空気循環)

吹き抜けにするならもはやシーリングファン(天井につけるプロペラ型の空気循環装置)も必須でしょう。

シーリングファンとは、よくリゾート地で見る、天井にクルクル回っているプロペラ型の装置のことですが、ファンがあるだけで部屋の空気が循環しますので随分と快適性は変わってきます。

4:大きめのダクト(キッチン)

直接リビングには関係ありませんが、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)と言ったように空間をつなげる場合は、大きめのダクトを備え付けておくとある程度、調理時の匂いを緩和することができます。

もちろん完全に防ぎ切ることはできませんが、通常よりも大きめのダクトを設置しておくと随分とニオイが違いますので、ここも出し惜しみすることなくつけていただくことをお勧めします。

吹き抜けのリビングにするなら備え付けたい設備仕様

続いて必須ではないもののあると便利なものです

【吹き抜けのリビングにするなら備え付けると快適になる設備】

1:キャットウォーク(掃除・照明交換用)
2:防音設備

1:キャットウォーク(掃除・照明交換用)

ここではキャットウォークとしていますが、これは高所にある窓の掃除用の通路と解釈してください。

吹き抜けのリビングにする場合は、開放感は損なわれますが、そうしたちょっとした通路を用意しておくと掃除をするときに便利になりますので日常的に住まうことを考え、トータルとしてみれば非常に快適に過ごすことができるようになります。

2:防音設備

ここでは防音設備と言っていますが、設備とは言わないまでも、住宅建築には音を吸収したり、響きにくくする素材があります。

音漏れを防ぐために、そうした素材を使っていくと、生活の場としての快適性がぐんとあがりますので、余裕があるなら、備え付けておいた方がいいと思います。

・・・いいものになると(金額に関わらず)、本当に静かになります。

まとめ

今回は、リビングを吹き抜けにしたことで聞かれる後悔の声についてまとめてお話ししました。

またそれだけではなく対処法についてもお話ししたつもりです。

吹き抜けは非常に開放的で、そこに住まう家族の気持ちをゆったりとした気分にさせてくれますが、実用的な面から考えると割と後悔してしまうような面も多々あります。

吹き抜けにしたことを後悔する記事のため、吹き抜けのデメリットばかりが目立ち「あんなに楽しみにしていた吹き抜けだけど嫌になってしまったな」と思う方もいるかもしれません。

ただ、それがこの記事の狙いでもあります。

家は安い買い物ではなく、一生に一度建てるかと言われるほど高い買い物です。

だから家を建てる時、理想を何でもかんでも詰め込みたくなりますが、実際にそこで生活することを想定して、一度冷静になって立ち止まって考えて欲しいのです。

例えば吹き抜けにせずとも天井高を高く見せることもできます。

>>>天井や床の高さを利用してLDKに開放感を持たせる間取りづくりの22のコツ

何度も、何度も繰り返し悩み、同じところを行き来しながら迷って悩んで建てた家は、迷わず建てた家よりも必ずいい家になります。

悩んで考えて、例え同じところに戻ってきたとしてもやはり考え抜いたという経験があるだけで人の心は違うものです。

だからこそ、真剣に向き合って家を建てて欲しい。

そんな思いが背景にはあります。

是非、あなたも家づくりを悩んで、迷って、そして心ゆくまで楽しんでしていただくことを心から願っております。




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