>>>「家を安く建てる7つの基本」はこちら

キッチンの形は?物干しスペースは?家事効率を上げる!水まわりのポイント

キッチンは独立式がいいの?それとも対面式がいいの?

キッチンはアイランド型が理想だけど高価だし、ペニンシュラ型でもいいのかな?

注文住宅を建てる際の水回り周辺の悩みは尽きません。そして、はじめて家づくりをされるほとんどの方が水まわりのプランを検討される際同じような問題で悩まれます。

そこで今回はこれから家を建てる方が水回り周辺で悩みがちな4つのプランのメリットとデメリットを家作りのプロの視点からお話ししていこうと思います。

また、どうせ家を建てるのであれば、家事効率を高めた間取りの方がいいと思いませんか?

ですから、悩みがちな水まわりのプランのメリットとデメリットを事前にお話しそれぞれのプランの特徴をきちんとご理解をして頂いてから、合わせて「家事効率を高める」ための間取りプランの「工夫」やちょっとした「テクニック」についてもお伝えしていきます。

今回の記事で水まわりの悩みをバシッと解決し、あなたの家族にとって最適なプランを選択していってください。

【いい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと】

注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります。

家づくりを依頼する側が、下記の3つを抑えずに依頼してしまうと、予算オーバーしてしまう可能性が高くなるので注意してください。

1:家を安く建てるための基本

注文住宅では、予算オーバーしてしまいがちですが、家を安く建てるための基本やコツをつかむことで多くのケースで予算内におさめることができます。

注文住宅を予算内でおさめるために必要なコストダウンの方法については、下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家の形と家の価格の関係

実は、家には「お金のかかる形の家」と、「お金がかからない形の家」があります。

どのような、「家の形」にすれば家を安く建てることができるのかについては、下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でカタログを請求して理想の家を建てる手引き

注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。

無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して、理想の家を建てる方法や手引きについては、下記リンク先にまとめてありますので参考にしていただくとより賢く家を建てていただけると思います。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ




Contents

注文住宅の間取りプラン作成時で迷いがちな水まわりの4つの問題

それでは、ここから冒頭でもお話ししたように注文住宅で水まわりの計画をたてる際に悩みがちな4つの間取りのメリットとデメリットをしっかりとお話ししてから、より家事を楽にしていただくためのプランの工夫たちょっとしたテクニックについてお話ししてこうと思います。

水まわりを計画する際によく聞く悩みは下記の悩みが代表的です。

【注文住宅の現場でよく聞く水まわり設備の4つの悩み】

1:キッチンを対面式にするか独立式にするか
2:キッチンは何型のキッチンにするか
3:室内に物干しスペースは必要か?
4:トイレの数は複数必要か?

1:キッチンは対面式?それとも独立式?どちらがいい?

大きく分けると、キッチンのスタイルには「対面式」のキッチンと「独立式」のキッチンがあります。

対面式のキッチンとは、キッチンがリビングやダイニングの方向を向いているキッチンのことをいい、独立式のキッチンとは調理部屋としてキッチンが独立しているキッチンのことを言います。

また、ややこしいようですが「対面式」のキッチンにはそれぞれ「オープン型のキッチン」と「セミオープン型」のキッチンがあり、合計すると3つのキッチンのスタイルがある・・・ということになります。

キッチンの3つのスタイル

【キッチンには3つのスタイルがある】

1:オープン型のキッチン(対面式)
2:セミオープン型のキッチン(対面式)
3:独立式のキッチン(独立式)

さて、キッチンはスタイルの選択肢は少ないものの毎日使う水まわりの一つです。

キッチンのスタイルをどれにするかによって使い勝手が大きく変わってきますから、注文住宅の現場ではどのスタイルのキッチンにしようかと真剣に悩まれる方はほとんどです。

掃除、洗濯、料理など家事には様々な仕事がありますが、そんな家事の中でも一番滞在時間が長いのがキッチン。

だからこそ皆様真剣に検討されます。

初めて家づくりをされる方は、今までどんなキッチンがいいのかなんてほとんど考えたことがない方ばかりですし、今までの使い勝手に慣れてしまっていたりして、いざキッチンのスタイルを思い通りに自由に決めていいとなると途端にわからなくなってしまうのです。

キッチンのスタイルはどれにするのかを検討するには十分にメリットやデメリットを把握し、そこからそこでどのように暮らしたいのか家族のライフスタイルに合わせて検討していく必要があります。

あちら立てればこちら立たずと言ったように、いずれのスタイルにもメリット・デメリットは必ずあります。

独立式キッチンか対面式キッチンかは、どのような暮らしがしたいのかから逆算して決める

対面式キッチンにするのか、独立式キッチンにするのか相談を受けた際は、私はそれぞれのライフスタイルによって選んでくださいと答えています。

もっと言えば、キッチンは特に絶対解はなく一概にこれだと私の方で勝手に白黒決めることはできないため、ご家族のライフスタイルをしっかりときいた上でその家族に合わせたご提案を差し上げるようにしています。

例えば料理好きな奥様(または旦那様)で、より凝った料理をつくることが楽しみの一つでいらっしゃる場合は、料理に集中できる環境をつくるために独立式のキッチンを勧めたりしますし、それよりも家族でワイワイ楽しみながら料理をすることを望んでおられる方には対面式のキッチンを提案します。

また、何よりも家事効率を考えた間取りにしてほしい要望があった場合は水まわりの中でもキッチンを中心に置き、対面式で家事動線の良い間取りにすることもあります。

キッチンを対面式にして行き止まりがないような間取りにし、ぐるぐると水まわり周辺を回れる回遊動線をプランに組み込むとより家事効率を高めた間取りになるからです。

独立式キッチンか対面式キッチンかはそれぞれのライフスタイルで決める

ただ、ここでお話ししたのは一例に過ぎません。

大事なのはまずはじめにどのキッチンのスタイルにするのかを決めてしまうのではなく、設計士の方からいろんな質問をしていただき、それに対して真剣に考え受け答えし、家族のライフスタイルや生活様式にあった形でキッチンのスタイルを決めていくことです。

ですから、はじめから対面式のキッチンがいい、独立式のキッチンがいいと決めてしまうのではなく、必ず設計士の方に相談し、それぞれのライフスタイルに合わせて対面式にするのか独立式にするのかは選ぶようにしてください。

※キッチンのスタイルのメリットやデメリット、心地よいキッチンにするための工夫については下記の記事で詳しくお伝えしていますので、併せて読み進めていただくとよりあなたにあった快適なキッチンを作ることができると思いますので参考にしてください。

>>>注文住宅のキッチンで心地のいい間取りにするための7つのコツ

対面式キッチンにするメリットとデメリット

対面式キッチンにするメリット

まず対面式のキッチンにするメリットは、キッチン(調理場)が開放的になり広々とした場所で料理を含む家事仕事ができる点にあります。

独立式のキッチンだと、空間が独立しているため、どうしても孤独感を感じてしまいがちですが(逆にそれがいいと言う方もいます)、対面式キッチンだとリビングにいる家族の顔を見ながら炊事や皿洗いなどの家事ができるようになるため調理がしやすくなります。

テレビや子供達の様子を見ながら家事をすると言ったような「ながら家事」ができるようになるのも大きなポイントでしょう。

また、対面式のキッチンはリビングやダイニングとひと続きにすることが多いため、独立式のキッチンよりも開放的でいて明るくなります。

さらに言えば、対面式キッチンにすることで得られる副次的なメリットとしてはキッチンに立っている両親を見ることで、子供が料理やお手伝いに興味を持ってくれるといったことも期待できる点にあります。

対面式のキッチン前にカウンターをつくっておけば、出来上がった料理を運ぶのにも便利ですしダイニングまでの配膳も楽になり、後片付けの動線もよくなります。

対面式キッチンにするデメリット

ただ一方で対面式キッチンは雑然とした印象を与えやすくなってしまうデメリットもあります。

キッチンのデザインやレイアウトをしっかりと考えていればいいのですが、ダイニングから常にキッチンカウンターが見えるようになってしまうため、調理用具などが剥き出しになり雑多な印象を与えやすくなってしまうからです(対面式キッチンのデザインにもよります)。

そのため何も考えずに対面式キッチンにすると雑然とした印象になってしまうデメリットがあり、この問題を解決するためにキッチン前の目隠しとして腰壁をつくったり、キッチンを隠してしまえるような扉をつけるなどといった隠すための工夫をする必要があります。

さらに対面式キッチンでは、調理時の匂いは部屋に溜まりやすくなりますし、調理時はもちろん水洗いの際の音もダイニングにまで影響を及ぼします。

開放的な対面式キッチンを選択される方はリビングダイニングにするケースが多いかと思いますが、リビングまで全て筒抜けになってしまうのです。

テレビの音がキッチン水まわりの音で聞こえず、そのため不快になる方もいらっしゃるかと思いますので、この辺りの問題は対処法を踏まえ真剣に検討する必要があります。

※対面式キッチンは料理時に油などが飛びやすくなったり食器を洗う際の水も飛び散りやすくなります。ですから、調理時の汚れを最小限におさえるための工夫やキッチン周りでの対策をしておく必要があります。

対面式キッチンにすることで生じるデメリットは、これだけではありません。

対面式にした分、キッチンが占める面積分部屋が狭くなるので同時に収納スペースの問題も生まれてきます。

収納スペースは多くて困ることはないですから、キッチン周りの小物や調理器具を含む収納スペースはどこにするかまでしっかりと検討しておく必要があります。

家事を楽にする対面式キッチンのつくり方【家事を楽にする工夫やちょっとしたテクニック】

対面式キッチンにする場合、下記のことを気をつけていただくと家事が楽なキッチンにできると思います。

【対面式で家事を楽にするキッチンのつくり方】

1:腰壁をつくりキッチン側の立ち上がり壁部分を隠せる収納にする
2:コンロ部分を壁に持ってきてガラスで覆う(ペニンシュラ型)
3:キッチン脇にウォークイン型のパントリーをつくる
4:カウンター下の収納は作業別に分類する
5:カウンター下と壁面は可動式のオープン棚にする

1:腰壁をつくりキッチン側の立ち上がり壁部分を隠せる収納にする

対面式キッチンは、腰壁をつくると調理時や水洗い時の手元が隠せるようになり、キッチン周りの汚れが目立たなくなります。

手元を隠せるように腰壁をつくったキッチン

また腰壁をつくると調理や片付け時の油はねや水はねを防ぐことができるので、想像以上にキッチン水まわり周辺の掃除も楽になると思います。

さらに、腰壁によって隠される立ち上がり壁の部分、ダイニングから見えない位置に調味料などの小物が収納できるような工夫を施すことで、キッチンで不足しがちな隠せる収納スペースを増やすこともできますしダイニング側から見たキッチンがより清潔に見えるようになります。

対面式キッチンを選んだ場合は、何でもかんでもオープンにして見せるのではなく、隠すところはしっかりと隠すことを意識してプランニングしてください。

※もちろん清掃がきちんといき届ける自信がある方はキッチンをオープンにしあえてみせるキッチンにすることで、キッチン全体が華やかなものとなります。この辺りは担当の設計士と相談の上それぞれのライフスタイルに従い検討するようにしてください。

2:コンロ部分を壁に持ってきて正面をガラス壁で覆う(ペニンシュラ型)

対面式のキッチンにはいくつか種類がありますが、そのうち左右どちらかの壁にくっつけた仕様のペニンシュラ型のキッチンを選ぶ場合はコンロ部分を必ず壁側に持ってくるようにしてください。

壁側にコンロを持ってくると油汚れを軽減できる

コンロを壁側に持ってくることで壁が調理時の油はねを防ぐ役割を果たし掃除が楽になり家事効率が上がります。

それだけではなくダイニング側に油はねがないようガラス壁で覆ってしまうと、さらに掃除が楽になり家事効率を高め、キッチン周りの設備を快適に使えるようになります。

 

3:キッチン脇にウォークイン型のパントリーをつくる

キッチン脇にはウォークイン型のパントリーをつくると非常に使い勝手の良いキッチンになります。

実はキッチン周りの小物は意外と量が多く、収納スペースが足りなくなることが多いです。

そのため、お皿はもちろん料理道具や調味料、食材に至るまで一箇所にまとめて収納できるスペースをキッチン脇に構えておくと家事効率がアップし、かなり家事が楽になると思います。

この時、家事効率をさらにグンと上げるためにパントリーを、勝手口、玄関、カーポートと繋がるように配置すると、スーパーで買ってきた食材などを楽にパントリーやキッチンまで運べるようになり、買ってきたものをすぐにしまいこめる使い勝手の良い動線となりますので間取りの配置までも工夫すると良いでしょう。

キッチン周りが効率的になる間取りの工夫例 出典:pinterest

特に玄関からパントリーまでの動線は家事効率を高めるために非常に重要で、例えばパントリーの3分の1程度を土間仕様にしてしまい靴を脱がずに買ってきたものをしまえるちょっとしたスペースをパントリーにつくっておくとさらに楽になります。

玄関に玄関収納を兼ねたパントリーをつくりキッチンまで繋がっている動線をつくってもいいでしょう。

この辺りはそれぞれのライフスタイルに従い、設計士と相談の上慎重に決めていくようにしてください。

・キッチン脇にパントリーをつくる時のポイント

パントリーをつくるときのポイントとしては、何をどこに収納するのかをあらかじめ決めておき、棚の高さ、奥行きなどを決めていくようにしていくと良いでしょう。

調理時によく使うものはキッチンから手の届きやすいキッチンから近い位置に、あまり使わないものは奥の方に収納するなど配置の工夫をしておくとより家事効率を高めることができます。

4:カウンター下の収納は作業別に分類する

キッチン周りのモノの収納のコツとして、カウンター下の収納は作業別に収納しておくと便利になります。

例えばコンロ下には、調理時に使うことの多い調味料、調理器具をまとめて収納しておき、シンク下には食材を洗う時に使用するザルやボウルを収納します。

さらに、まな板を使う作業スペースの下には包丁や食材、食器類などをしまっておくと無駄に動かず効率的に調理をすることができるようになり家事効率がアップします。

この時、調味料として油や醤油などの使用頻度の高いものは、手に取りやすい手前側に横に並べて収納したり、調理時にまとめて使う調味料、軽量スプーン、計量カップ、ミニボウルなどをまとめて収納しておくと調理時に無駄な動きをせずにスムーズに調理をすることができます。

5:カウンター下と壁面は可動式のオープン棚にする

キッチン周りの小物を収納する工夫の一つして可動式のオープン棚にする方法もありです。

オープン棚にすれば引き出しを開ける動作がなくなるので、特に塩や胡椒などの調味料類は調理時にサッと取り出してパパッと使いサッと戻せるようになります。

オープン棚には立ったまま使える位置にあるものとカウンター下にあるものがありますが、調味料などの調理時に頻繁に出したり戻したりするものは立ったままの位置で使えるもの、フライパンや鍋など出したり戻したりする回数が少ないものはカウンター下などにしまえるようにしておくとより機能性の高いキッチンになります。

フライパンや鍋などは収納するのにある程度高さが必要となりますし、器具の種類によって様々ですので物によって高さのサイズを変えられる可動式のオープン棚にするとより便利になりますのでこの辺りも合わせて検討するといいでしょう。

独立式キッチンにするメリットとデメリット

独立式キッチンにするメリット

独立式キッチンにすると調理に集中できる環境になります。

例えば料理が趣味で、家族の目を気にせずに料理に集中したいといった方がご家族にいる場合、独立式キッチンにすると誰にも邪魔されることのない調理部屋として利用できるので調理場として最高の環境をつくることができます。

独立式キッチンにすると、キッチンとリビングダイニングを完全に切り離し独立した部屋にできるので、対面式キッチンで見られるような「音」や「におい」の問題も生じにくく、キッチンの機能を中心にしてより使いやすいプランを組めるようになります。

さらに機能を独立させた分、ダイニングが広く感じられるようになり、キッチン周りの小物を収納するための収納スペースも広く取れるようになったりキッチンの機能を一つの場所に集中できるようになります。

加えて油はねや水はねなどの汚れも最小限に留めることができるため掃除も楽になります。

独立式キッチンにするデメリット

一方で独立式キッチンにするとキッチンで調理をしながらリビングやダイニングにいる子供を含む家族とコミュニケーションをとりづらくなります。

子供たちがリビングにいる場合、両親が調理をする姿が見れないため、料理に関する関心は薄くなってしまう可能性もあります。

また独立式キッチンは暗くなりがちで、風通しや換気を十分に検討しないとジメジメとした暗い部屋になってしまうので注意してください。

調理後の配膳や片付けの動線も悪くなるので、どのように料理を提供して下げるのかまで考えて間取りを検討する必要がありますし、間取り(空間のとり方)によっては圧迫感が生まれ非常に閉塞的なキッチンになってしまうこともあります。

家事を楽にする独立式キッチンのつくり方【家事を楽にする工夫やちょっとしたテクニック】

独立式キッチンにする場合、下記のことを気をつけていただくとより家事が楽に快適にできると思います。

【家事を快適にする独立式キッチンのつくり方】

1:ワークトライアングルを考えてつくる
2:キッチンに小窓をつくり配膳用の扉をつける
3:間口を広めにとる
4:パントリーと勝手口をつなげる
5:サービスバルコニーをつくる

1:ワークトライアングルを考えてつくる

ワークトライアングルとは「調理時の作業動線」のことを言います。

独立式キッチンでは、調理専用の部屋となるためより調理時の作業動線を考えたキッチンにすることができます。

キッチンのワークトライアングル 出典:リフォームコンタクト

キッチンの調理動線を考える上で理想的なワークトライアングルの長さは、シンクから冷蔵庫までは1メートル20センチメートルから1メートル80センチメートル、冷蔵庫からコンロまでは1メートル20センチメートルから2メートル70センチメートル、コンロからシンクまでの距離は1メートル20センチメートルから2メートル10センチメートルとされています。

そして三角形につなぐ3辺の総和は3メートル60センチメートルから6メートル60センチメートル程度が好ましいとされています。

【一般的に理想的とされるワークトライアングルの長さ】

・シンク〜冷蔵庫の距離 1200mmから1800mm
・冷蔵庫〜コンロの距離 1200mmから2700mm
・コンロ〜シンクの距離 1200mmから2100mm

それぞれの距離は長すぎると動きに無駄が多くなりますし、短すぎると使いづらくなってしまうので、それぞれの家族に合わせた作業動線にすることが必要で、それぞれの家の間取りや、家族によってレイアウトを考えて作成する必要があります。

2:キッチンに小窓をつくり配膳用の扉をつける

キッチンの小窓 出典:100%スタイル

独立式キッチンでは配膳や片付けの際の動線が問題となることがありますが、おしゃれなカフェや飲食店のように配膳台に小窓をつくり、ダイニングと小窓で緩やかにつながるような形にすると家事が快適になりますし配膳や片付けも楽になり家事効率が良くなります。

また独立式キッチンでは、キッチンが暗くなりがちなので、外からの光の入り具合を計算した上でちょっとした小窓をつけて採光すると明るいキッチンになりますので是非検討してみてください。

※独立式キッチンでどうしても暗さが拭えない場合は天窓をつけると明るいキッチンになります。

3:間口を広めにとる

間口をひろめにとったキッチンの例

独立式キッチンにしたいけれど、孤立してしまうのが嫌だという場合は、間口を広くとってみてください。

キッチンの間口を広くとると程よく開放的なキッチンになりますし、キッチンとダイニングを隔てる壁をガラス格子にすればダイニングからも明かりが取れますので明るいキッチンになります。

 

4:パントリーと勝手口をつなげる

キッチン周りが効率的になる間取りの工夫例 出典:pinterest

対面式キッチンの項目でもお話ししましたが、キッチンをつくるときに勝手口からパントリーに入ってそのままキッチンへと繋がる動線を用意し、いわゆるウォークスルー型のパントリーにしておくと買い物をしてきた後の流れがよりスムーズになりますので家事効率が高まります。

 

5:サービスバルコニーをつくる

勝手口にサービスバルコニーをつくると家事効率が良い 出典:イエタテ(福工房)

また勝手口にサービスバルコニーをつくっておくと様々な用途で便利に使うことができます。

例えば目隠しとなる囲いをつくり、洗濯物を干せるようにしたり、家事の合間にほっと一息つけるようなスペースにするとより用途が広がると思いますし家事効率もアップします。

 

 

2:キッチンは何型のキッチンにするか

独立式のキッチンと対面式キッチンを一通り検討した後、ほとんどの方は対面式のキッチンを選択します(8〜9割程度)。

対面式キッチンのタイプには代表的な種類として「I型」の「アイランド型(孤島型)」「ペニンシュラ型(半島型)」をはじめ「II型」「コの字型(U字型)」など様々な形があります。

キッチンの形には様々な形がある

対面式キッチンを選択した後、今度はどのキッチンのタイプ(キッチンの形)にするのかみなさん真剣に悩まれますが、現在の一般的な広さの家であれば「I型」が最も適しているキッチンタイプだと思います。

より効率よくキッチンを使うことができる調理動線(ワークトライアングル)を考えた場合、「L型」や「II型」「コの字型」を検討する必要があり候補に上がりますが、独立式ならまだしも対面式のキッチンで「I型」以外のものを選んでしまうとスペースが圧迫され、リビングダイニングが狭くなってしまうデメリットが目立つからです。

一般的な家の広さで対面式を選ぶなら「I型」の「ペニンシュラ型」キッチンがいい

対面式の場合「I型」キッチンの中でも「ペニンシュラ型」と呼ばれるキッチンの片側が壁にくっついているタイプのものを選ぶといいと思います。

ペニンシュラ型キッチン

「ペニンシュラ型(半島型)」キッチンは名前こそ一般的な馴染みがないかもしれませんが、マンションやアパートなどでもよく見かけるタイプのキッチンですので、パッと見て「ああ、このタイプのキッチンね」とご理解いただけるかと思います。

片側を壁にくっつける時、右側か左側か、どちらを壁につけるのかを選択することになりますが、厳密には右利きの方が使うのか、左利きの方が使うのかによって調理しやすいレイアウトは違います。

この辺りは下記リンク先の記事にまとめてありますので参考にしてください。

>>>注文住宅のキッチンで抑えておきたい6種類のキッチンとレイアウトのコツ

冷蔵庫、コンロ、作業台、シンクなどのキッチン作業台の並べ方などについても言及していますので、これから家づくりをされる方は読んでおいて損はないと思います。

I型キッチンの特徴とI型キッチンを選ぶメリットやデメリット

I型キッチンはコンロ、作業スペース、シンクが横一列に並んだキッチンのことを言います。

I型のキッチンは大枠で言うと壁に沿って配置するタイプの「壁付けタイプ」のキッチン、対面式の「ペニンシュラ型」のキッチン、「アイランド型」のキッチンなどがあります。

I型キッチンはデザインがシンプルでありながら機能的でいて他のタイプのキッチンに比べて価格がおさえられることも多いのが大きな特徴です(アイランド型は別物扱いで高価なものとなります)。

ただしI型のキッチンを何も考えずにつくると手元が丸見えになってしまったり、匂いや音が気になってしまう上に油はねによってダイニングが汚れてしまうケースもありますので設計は慎重になる必要があります。

またI型キッチンは総じて収納スペースも少なくなりがちなので、パントリーなどをつくりしっかりとキッチン周りの小物をまとめて収納できるスペースを確保しておく必要があります。

アイランド型のキッチンを選ぶ場合は注意が必要で、その他のキッチンタイプを選ぶ時よりも、広いスペースが必要になる上に廃棄ダクトも大型のものとしないと煙などが部屋の中に滞留してしまい調理時の匂いが部屋に充満するようになってしまうので注意してください。

つまり、よっぽどスペースに余裕のある家以外はアイランド型キッチンはデメリットの方が際立つのでやめておいた方がいいと思います。

II型キッチンの特徴とII型キッチンを選ぶメリットやデメリット

II型キッチンはI型キッチンに続いて人気のあるキッチンで、別名「セパレート型キッチン」と呼ばれるように平行に別れたスペースに、調理設備を配したキッチンのことを言います。

セパレート型と言われるように、シンクとコンロの機能を別のカウンタースペースに分けたプランがII型キッチンです。

II型キッチンはI型キッチンよりもキッチンの作業スペースが広くなるためカウンターでの作業がしやすく、作業していてストレスを感じづらい使い勝手の良いキッチンとなります。

調理時の作業動線も確保しやすく、I型キッチンよりも効率的にキッチン内を動き回ることができます。

またII型キッチンでは、平行に別れたワークトップ下部にも収納スペースを確保することができるので、調理時によく使う食器などをしまっておくことで作業効率を大幅にアップさせることも期待できます。

ただ一方で壁側にコンロ、平行に別れたスペースにシンクを配置することからシンク〜コンロ間を移動するときに床に水が垂れやすくなってしまったり(床が汚れてしまう)、振り返る動作が多くなってしまうなどのデメリットがあります。

さらにI型よりも広いスペースが必要となり全体のバランスを考えて間取りを考える必要性も生まれてきます。

※II型キッチンでは、平行に別れたスペースをアイランドキッチンとすることもできます。作業スペースをアイランド型のキッチンにすることで空間にスタイリッシュな印象を与えることができます。ただしII型キッチンとアイランド型キッチンを組み合わせるには、それなりのスペースが必要になります。

L型キッチンの特徴とL型キッチンを選ぶメリットやデメリット

L型キッチンはシンク、作業台、コンロをL字型に並べたキッチンのことを言い、作業台をL字型にすることでシンクとコンロの位置が近くなりますので数あるキッチンの中で最も効率よく調理ができるキッチンの配置になりやすくなる特徴があります。

L字型キッチンでは、シンクとコンロは丁度対角線上に位置するようになります。

ですから、シンクの横に冷蔵庫を配置すると冷蔵庫から取り出した食材をシンクで洗い、作業台で切り刻み、コンロにかけるこの一連の動作を短い同線でごく自然に行えるようになります。

II型キッチンのように調理時に振り返る動作がないため、体を回転させることなくキッチン内を動き回ることができるようになり、動きに無駄が少なく家事効率が高まるメリットがあります。

ただ一方で、設置にはある程度の広さを確保する必要があったり、I型キッチンよりも価格が高くなってしまったり、L字のコーナー部分の一部スペースに無駄が生じてしまいやすくなるなどのデメリットも生じます。

収納力も不足しがちで特にL字型のコーナー部分の角収納は工夫が必要となります。

※L型キッチンもアイランド型のキッチンと組み合わせることができます。まるでアメリカ映画に出てくるようなキッチンにすることができますが、II型キッチンと同様にある程度の広さが必要になります。

コの字型キッチンの特徴とコの字型キッチンを選ぶメリットやデメリット

コの時型キッチンはシンク、作業台、コンロをカタカナのコの字型に並べ配置したキッチンの配置になり3方向がワークトップで囲まれるため、調理時の作業スペースをかなり広くとれる特徴があります。

キッチンをコの字型にすることでまるでレストランで調理しているかのような、程よくこもれて、程よく開放的なキッチンになるので、家族で料理をする機会が多かったり、来客が多い家族に取っては非常に適しているキッチンの形となります。

(この時、キッチンの床の高さをほんの少し落とすと、視線がおち、落ち着いた空間になります)

カウンターの下に収納できる量も増えるので収納量も多くなりますし、ケースによっては一方のカウンターをテーブルとして併用することもできます。

カウンターをテーブルとして併用すれば調理をしながらカウンターに座った家族や来客と話し込むことも可能です。

一方でデメリットとしてはコの字型のキッチンをつくるにはそれなりの広さが必要となります。

また基本的には1方向からしか出入りできないキッチンになりますので、出入り口付近が混雑してしまう場合があります(「スウィングドア」を使えばダブルアクセスが可能となります)。

加えてL字型と同様にコーナー部分の収納を持て余してしまうことがあったり、大きなキッチンとなるため部屋に圧迫感を与えてしまうデメリットなどがあります。

そして価格も高いです。

タイプ別、家事効率を上げる対面式キッチンのつくり方

それぞれのキッチンのタイプは、下記のコツをおさえていただくとより家事が快適になるキッチンにできると思います。

【家事効率を上げる】I型キッチンのレイアウトのコツ

対面式のI型キッチンにする際は、すぐ脇にパントリーをつくり、続けて作業スペース、洗濯スペース、浴室と行ったように横一直線に水まわりの設備をまとめていただくと動線がスムーズになり家事効率を高めることができます。

キッチンから他の家事への移りやすさを考えた間取り 出典:無印良品の家 熊谷店

この時、パントリーは玄関や裏の勝手口とつなぐような間取り(空間のとり方)にしていただくとさらに家事効率を高めることができますので参考にしていただくと良いでしょう。

キッチンの正面にダイニングやリビングを配置しない間取りでは、キッチンカウンターに横付けしてダイニングテーブルを設置すると配膳や片付けがスムーズになるので検討してみてください。

※詳しくは「注文住宅のキッチンで心地のいい間取りにするための7つのコツ」内の「オープンキッチンの間取りの工夫1:いっそのことカウンターテーブルとつなげてしまう」を参考にしてください。

>>>注文住宅のキッチンで心地のいい間取りにするための7つのコツ

【家事効率を上げる】II型キッチンのレイアウトのコツ

バーカウンタースタイルのキッチン

II型キッチンにする場合は、セパレートしたシンク側のワークトップの奥行きを広くし、バーカウンターのようにすると配膳や片付けが楽になります。

バーカウンターのようにするときは、ダイニング側に引き延ばしたカウンター下に溝を設け、椅子を収納できるスペースにしておくとより快適にカウンターを使うことができます。

ダイニング側に溝を設け、キッチンカウンター下に椅子を忍ばせておくと、使わない時は椅子をしまっておき、使うときは椅子を出すと言ったように、わざわざ遠くから椅子を持ってこなくても、カウンタースペースをバーのように使うことができるからです。

バーカウンターのように使用することで、家でお酒を嗜む際にグラスをそのままシンク近くまで滑らせることもできますし、つまみなどの提供もスムーズになります。

小さなお子様がいる場合は目の前に子供を座らせて勉強させながら、奥様はシンクで洗い物をすると言ったような使い方もできますので非常に使い勝手が良くなると思います。

またII型キッチンの中央を通路とし、通路奥にパントリーを持ってくると収納量をカバーできる上に家事効率も上げることができるキッチンになりますし、見た目にも非常にすっきりとまとまったキッチンにすることもできます。

II型キッチンとパントリーを併設し中央を通路としたキッチン 出典:パナソニック

【家事効率を上げる】L字型キッチンのレイアウトのコツ

L字型のキッチンでは、通常両側を壁につけることが多いですが、コンロが配置される片側だけを壁につけて配置し、シンク側をキッチンの外に向けて配置すると調理時の配膳や片付けなどが楽になり、家事効率がアップする間取りになります。

外L字型キッチン 出典:キッチンリフォームプラザ

また、先ほど紹介したII型キッチンのようにシンク側のワークトップ(天板)に奥行きを持たせ、バーカウンターのように使うと使い勝手がさらに良くなります。

※壁付けキッチンにする場合は、キッチンをL字型にし、合わせてアイランド型のカウンターを設けると配膳や片付けが楽になりますし、まるで海外ドラマに出てきそうな見た目のキッチンにもなります。

L型+アイランド型の組み合わせキッチン 出典:パナソニック

【家事効率を上げる】コの字型キッチンのレイアウトのコツ

コの字型のキッチンの場合はL字型のキッチンと同じようにコンロを壁側に持ってくると掃除が楽になります。

また、調理時の油汚れに対する掃除はもちろん、音やニオイの問題も軽減されます。

これに加えてコの字型のキッチンの家事効率を高めるためにはコの字型のカウンター部分をうまく利用する工夫をする必要があります。

例えばコの字型のキッチンの一方のカウンターをダイニングとして利用する。そうすると、配膳や片付けが非常に捗るキッチンになります。

レストラン風レイアウトのコの字型キッチン 出典:山内住建

ダイニングテーブルとして使うコの字型の天板は奥行きがあるものを選ぶとより空間が映えますし使い勝手も良くなります。

調理をしながら家族と談笑することもできますし、気持ちの面でもゆとりのあるキッチンにすることができると思います。

※レイアウトの仕方によっては飲食店でご飯を食べているかのような雰囲気にすることもできます。

3:室内に物干しスペースは必要か?

室内干しスペースとは、洗濯物を室内で干すために設けられたスペースや個室のことを言います。

そして室内干しスペースには室内干しのスペースを洗面所などのスペースを間借りし一角に設ける「スペース併用型」と室内干し専用として設ける「個室型」の2種類があります。

【室内干しスペースの種類は2種類】

1:スペース併用型
2:個室型

はじめて家づくりをされるご家族は、室内干しスペースをつくるかどうかを悩まれるご家族の方が多いですが、家事効率を考えた場合、私ははっきりと室内干しスペースはつくった方がいい、必要だとお答えしています。

つまりスペース併用型にせよ、個室型にせよ家事効率を優先して考えた場合は室内干しができるスペースは必ずつくった方がいいと言うことです。

多くの方はスペース併用型の室内干しスペースを選択しますが、それで十分なことも多く家事効率を考えた場合洗濯機のある部屋のスペースを間借りし室内干しスペースとしてしまった方がいいと思います。

室内干しスペースをつくれば天気が心配な日や雨天時に室内に干して、安心してお出かけできるので洗濯物をするのに天気に気を使わなくて済むようになります。

ただ室内干しスペースを併用型としてつくるデメリットとしては一般的に洗面所はあまり日当たりの良くない場所に設置することが多くなるため(多くは洗面所)、洗面所がジメジメとした空間になりやすいと言うところにあります。

室内干しスペースを【併用型】にするメリット

室内干しスペースを併用型にすると室内干し専用の部屋を作る必要がなくなるので、他の部屋を広く使うことができるようになります。

室内干しスペースは、LDKや洗面所と併用して構えることが多いですが洗濯に関する家事を近くにまとめて一か所に集中できるため、家事効率がアップするメリットもあります。

例えば日当たりがいいからと1階に洗濯機を設置し、2階に「個室型」の室内干しスペースをつくった場合は、部屋間の距離が遠くなり移動が面倒になってしまいます(洗濯機も室内干しスペースに含めてしまった場合は話は別です)。

ただ、併用スペースとする場合も、何も考えずに室内干しスペースとして利用してしまうと、見た目が雑然としてしまったり、室内に入る日差しが洗濯物によって遮られてしまうことになります。

LDKをひとつづきの空間にしていた場合は、調理時の匂いも洗濯物に付着してしまいますので注意してください(特に油を使う揚げ物などを調理する場合はなかなか匂いが取れず再度洗濯し直さなければならなくなったりします)。

なので、なるべく普段から使わない部屋や、家でくつろいでいて邪魔にならない場所に併用型の室内干しスペースを構えるべきですが、日当たりのいいところは大抵家族が寛げるスペースになるので、この辺りは設計上の工夫が必要になると思います。

室内干しスペースを【個室型】にするメリット

室内干しの専用部屋をつくることで、時間を気にせずに好きな時に洗濯物を干せるようになります。

また洗濯物専用のスペースをつくれば、併用型にしたときのような洗濯物で溢れ雑然とした印象のある部屋になってしまうことを回避できたり、乾燥機を設置するなどして効率を高めることができます。

採光や風通しをよくしサンルームのような明るい部屋にしたりすることもできますし室内干しスペースとして部屋を使わない時は、家事室や書斎として使うなど他の用途で利用することも検討できます(もちろん他の用途として併用できるように例えば洗濯機を目隠しをしたりできる工夫が必要になります)。

ただし、家事効率を高める個室型の室内干しスペースにためにはどこに室内干し専用部屋を確保するのか問題となることも多く、間取りの工夫が必要になることも多いです。

家事効率を考えた場合、最も効率的なのは浴室、洗面所、キッチン、リビング、バルコニーを一直線の動線にしその間に家事室をつくることですが、現実問題としてなかなかそこまで広いスペースを確保できないことも多く、家事室を別のところに設ける必要があります。

その際は、なるべく洗濯機をおく洗面所に近い場所に室内干し専用スペースを配置すると家事効率をアップすることができますので設計士の方と相談の上検討してみてください(何度も言いますが洗濯機までも室内干しスペースに設置してしまう場合はこれに限りません)。

ただ、空間を圧迫することになるので一般的な規模の住宅の場合は、室内干し専用スペースをつくるよりも、普段利用しない部屋を室内干しスペースとして使うスペース併用型にしてしまった方がいいのではないかと思います。

個室型の室内干しスペースは、どちらかというと余裕があった場合に設置する贅沢品のような位置づけで捉えていただいて問題ありません。

家事効率を高めるためには家事の動線を考慮する

家事効率を高めるためには洗濯時の流れをくみ機能をできるだけ一か所に集中させる

家事効率を高めたいのであれば、洗う、干す、たたむ、しまうをできるだけ一か所または近い場所に集中させてしまった方が望ましいと言えます。

例えば、一例として室内干しスペースを洗濯機のある洗面室の一角につくり、すぐその隣に家事室をつくり近くに家族の洋服をまとめて収納できるスペースをつくると洗ったものを洗濯機から「取り出し」、「干して」「乾かして」、「たたんで」所定の場所に「しまう」一連の動作が楽になりますし効率的に家事をこなすことができます。

つまり、一か所に機能を集中させると洗う、干す、たたむ、しまうまでの家事動線が短くなり、より短時間で効率的に洗濯が出来るようになります。

この時、庭へと続く出口を用意しておくと天気の良い日には外で干すこともできるようになるのでお勧めです(この辺りの設計は設計士の腕にかかっています)。

家事効率を上げる【個室型】の間取りのテクニック

室内干し専用スペースをつくる時は、ただ干すだけではなく、洗う、干す、たたむまでの動作を一部屋で完結できるように設計するとより家事効率が良い部屋が出来上がります。

贅沢な間取りにはなりますがまず室内干しスペースとしての洗濯室に洗濯機を構え、洗う、干すまで検討します。

さらにそのさきの「たたむ」「しまう」までの機能を洗濯室に含めるとより家事効率を高めることができます。

例えば「しまう」は室内干しスペースから扉を開けて室内干しスペースからそのまま行き来出来る衣装部屋をつくるとより家事が快適になります。

また、せっかく個室型の洗濯室をつくるのであれば、空調などの管理ができるように洗濯室内に湿度、温度、歓喜のコントロールができる設備を備え付けておくと便利です。

日のあたりがあまり良くない場所でも、設備を構えることでスッキリと乾かすことができます。

家事効率を上げる【併用型】の間取りのテクニック

併用型にする場合は、できるだけ洗濯機と近い位置に室内干しスペースを構えるのが理想的です。

ですから、洗面所の面積を少しだけ広くしてそこに洗濯機置き場、それに室内干し専用の設備(干す、たたむ)を備え付けると家事効率の高い併用型スペースになります。

洗面室併用型の室内干しスペース 出典:ヘーベルハウス そらのま

コツとしては洗面所に昇降式の物干しスペースを用意し、洗濯後の一連の動作を行えるように少し広めにスペースをとることがポイントです。

また、併用型にする際は風通しと採光を思いっきり取れるようにガラス窓などを多用すると室内ボススペースがより気持ちの良い空間になります。

さらに理想を言うなら、洗面所の脇に晴れた日には外干しできるスペースがあるといいでしょう。日当たりがあまり良くない場所であったとしても風通しを良くすることで洗濯物は乾きます。

ちなみにリビングを室内干し専用スペースとして利用することはお勧めできません。

よく見る光景ですし、リビングを室内干し専用スペースとして使いたくなるその気持ちも分からなくはないのですが、想像以上に見た目が悪くなりますし、リビングに入る日差しや風通しが遮られてしまうからです。

何よりも、雨天時はリビングが想像以上にジメジメします。

さらに現在の家はリビングとダイニング、キッチンと一続きになっていることが多いですから調理時などに洗濯物に匂いがついてしまうのでやはりお勧めしません。

日当たりの良い場所に室内干しスペースはつくった方がいいの?

個室型の場合は必ずしも日当たりの良い場所である必要はありません。

備え付けられた設備(空調)によって管理、調整が可能だからです。

ただし併用型の場合は、できるだけ日があたる場所である方が理想的です。どうしても思いつかない場合は、普段は使わない書斎や客間などを併用すると良いと思います。

廊下や踊り場などを使うことも検討できますが、ただでさえ暗くなりがちでジメジメとした印象のある廊下や踊り場がより暗くジメジメとした印象になってしまうのであまりお勧めはしません。

ただこれも敷地の広さ、形状、方位などによっても変わりますので、設計士と十分に相談の上決めていかれるといいと思います。

4:トイレの数は複数必要か?

さて、トイレの数も設計時に課題になることが多い問題の一つです。

もちろんこれから家づくりをされる方にも、複数構えた方がいいのか相談されますし同じように悩まれます。

トイレの数は散々悩んだ末に下の階で1つにしてしまうと言う結論を出す方が多い印象があります(だいたい7割から8割程度の方が一つにされます)。

ですが、様々な家を見てきた中で結論から言えば、それぞれの階に1つずつトイレを配置しておく方が好ましいと思います。

トイレを一つ多くしたからと言ってそこまで空間が圧迫されることはありませんし(極端に狭い狭小地の場合は別です)、一般的な仕様のトイレであればそこまで大きく価格が変わってくるものでもありません。

それよりも長い目で見た場合それぞれの階に1つずつトイレを設けることで得られるメリットの方が多いと思います。

確かにトイレが二箇所にあると掃除が面倒になると言うデメリットも生じてきますが、例えば1階がリビングで2階に寝室があるケースで、夜起きてトイレに向かうのにわざわざ階段を降りていかなければいけないと言う手間などを考えるとそれがちょっとした距離でも案外億劫になってしまうものです。

それに家を建てた当初は若くて問題なくても歳を重ねて足腰が弱くなったり、病気で寝込んだりしてしまうと階段を下りるのが面倒となりトイレに行くのも大変になってしまいますので、そうした不便を避ける意味でもトイレは複数設置しておいた方がいいと思いますし複数設置が理想的だと思います。

家は建てた時をベストな状態に持ってくるのではなく、先を見越して設計することが必要になるのです。

トイレを複数つくることで得られるメリット

トイレを複数つくることに得られるメリットは案外大きいものです。

【トイレを複数つくることで得られる主なメリット】

・トイレまでの動線が短くなる
・トイレにこもれる

まずトイレまでの距離が短くなり、どの部屋にいてもトイレまでのアクセスが良くなるメリットがあげられます。実際に住み始めてから実感していただけることだと思いますが、トイレまでの距離をちょっとだけ縮めるだけでも、住まいがものすごく快適に感じられるようになると思います。

特に、1階にしかない場合と、2階にもトイレがあることの違いをはじめ、寝室や子供部屋からのトイレへのアクセスのしやすさは住み始める前は実感は薄いかもしれませんが、実際に住みはじめてから、トイレが近くにあることの快適さを実感していただけるかと思います。

特に2階の寝室からわざわざ階段を降りてトイレに行かなくてはならない間取りとなると、はじめは良くても住む年数が長くなるにつれだんだんと面倒になってくると思います。

多分、トイレを1つにして困ることはあっても2つにして困ることはあまりないと思います(あるとしたら子供たちが家を出ていって持て余してしまうケースです。ただこれはトイレに限らず子供部屋などにも同様のことが言えます)。

また複数トイレがあると来客があったとしても、来客に気にせずにトイレを利用することができるメリットも見過ごすことはできません。

朝の忙しい時間などの利用でトイレが混み合ったとしても、気を落ち着けてトイレにこもれるようになりますし、トイレの利用からくる混雑を避けることもできます。

トイレを複数つくることで生じるデメリット

トイレを複数つくることで生じる主なデメリットは下記の2つが代表的でしょう。

【トイレを複数つくることによる主なデメリット】

・コストがかかる(設置・維持・メンテナンス)
・掃除が面倒になる
・スペースが圧迫される

まずトイレを構えるのにはコストがかかります。トイレのタイプにもよりますが数十万円前半から後半くらいまではコストが嵩むと思っておいた方がいいでしょう。

実際に利用頻度の高いトイレは1階にあるトイレだけになるでしょう。

だからコストパフォーマンスという面で見たら悪くなります。

ただ住まいの快適性といった視点で見るとトイレ一個あるだけでよくなると思います。

また、トイレが増えた分掃除の手間も2倍になります。

設置、維持、メンテナンスをするにもコストはかかりますし人によっては1つにしておけば良かったという方も出てくるかと思います。

なかにはあまり頻繁に使わないトイレを掃除するのは面倒だという方もいらっしゃるからです。

さらにトイレをつくった分、他の部屋の面積を削らなくてはならなくなるため、他の部屋が小さくなってしまうデメリットも生じてしまいます。

快適なトイレを設置するために気をつけたいこと

2階にトイレを設置する場合は、寝室と程よく距離をおいた位置に構えるといいと思います。

トイレを流す際の音で目が覚めてしまうこともありますし、寝室とトイレがあまりにも近すぎるのもあまり良くありません。

家事効率を上げる間取り【水まわり編】のまとめ

今回の記事では水まわりで悩みがちなプランに焦点をあて、多くの住まいを見てきた経験から、どのようなプランにすればいいのか、私なりの意見についてまとめて書いてきました。

もちろん今回お話ししたことは全ての方に当てはまるわけではありませんが、広く一般に通じている内容だと自負しています。

私の見解ではキッチンは対面式がよく、そして理想で選ぶのではなくそこに暮らす家族のライフスタイルにあったタイプのキッチンを選ぶべきで、室内干しスペースはあった方がよく、トイレは複数つくった方がいい。

それが多くの家を見てきた中での私の見解です。

それを前提としてより家事効率を高める間取りにするためにはどうすればいいのか、水まわり周辺の間取りのテクニックについてもお伝えしてきたつもりです。

十分な内容になっているのかは読む人に委ねることとして、家づくりをされる方が直面する悩みにはある程度具体的な解を示せているはずだと思います。

これから家づくりをされる方は、十分時間をかけ、悩んで、迷って結論を出してください。

そうしてできた家は、間違いなく家族が暮らす上で誇りを持てる住まいになると思います。

家づくりは悩みだらけだと思いますが、悩むからこそ建てた際の感動はひとしおで後から振り返った時にあなただけの物語となります。

どうかあなたの人生をかけた家づくりが成功されることを陰ながら祈っております。

いい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと

注文住宅を予算内におさめて、いい家を安く建てるためには、家づくりをはじめた当初の準備段階で知っておいて欲しいことが大きく言って3つあります。

プランを依頼する前に、「コストを抑えて家を安く建てるコツ」を知っておくことで無駄のない家づくりができるようになります。

下記に注文住宅を予算内におさめるために、知っておいて欲しい内容の記事を3つまとめておきましたので、参考にしていただき、無駄のない家づくりをしてください。

1:家のコストを大きくカットするコツと7つの基本

一度プランを依頼してみればわかりますが、注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーしてしまいます。

当初の予算をオーバーする原因は人それぞれで違い様々ですが、打ち合わせを重ね、プランを進めてしまうと、一度プランを白紙に戻さないと引き返すことができなくなるなど、後戻りができなくなってしまうケースもあります。

もちろん、プランを一旦白紙に戻した場合は、それに伴って余計なコストがかかることは言うまでもありません。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、依頼する側が、家を安く建てるための基本やコツをしっかりと抑えておき、理想と現実の狭間で揺れながらも、予算内におさめられるようにコストを上手にコントロールする必要があります。

下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因や、コストダウンの基本などについてお話ししていますので、あなたの家づくりの参考にしていただき、予算内で納得のいく、いい家を安く建てることにお役立てください。

>>>家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本

2:家の形とコストの関係

家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。

家を建てる際に必要となる初期費用はもちろん、建てた後に必要となるメンテナンスや点検を含む「修繕・維持費用」までも家の形で大きく変わってきます。

特に角(かど)の多い家は注意が必要で、実は角(かど)が一箇所増えるにつれて、見積もり金額に10万円から20万円の金額差が生まれます。

下記の記事では、そうした、お金のかかる家と、お金のかからない家の形の違いについてお伝えするとともに、どのような家の形であれば家のコストがかからず、逆にどのような形になった場合、家のコストが上がるかなどの例もまとめてありますので、あなたの家づくりの参考にしてください。

>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い

3:無料でもらえる住宅カタログを使って家づくりを進める方法

家づくりは、今あなたが行なっているように、情報を集めるところからスタートします。

そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。

実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に大きく差が生まれますし、金額的な予算の違いだけではなく、同じ要望で依頼しても、依頼先次第で提案されるプランが違ったり、ひいては実現できることや実現できないことも依頼先によって違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。

だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決めなければなりません。

依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、必ずおさえておきたいポイントなどがあります。

下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、必ずおさえておきたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。

>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ

以上、参考にして家づくりを進めてください。




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