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注文住宅やリフォームで快適な浴室を作る時の注意点と9つのポイント

お風呂は毎日入るものですから、どうせなら快適な浴室にしたいものです。

ただ快適な浴室を作りたいと思っても、具体的にどのような点に気をつけて、どのように浴室をプランニングすれば快適な浴室に出来るのかわからない方がほとんどなのではないでしょうか。

実は、快適な浴室をつくるためには、抑えておかなければならないポイントがいくつかあります。

ポイントをしっかりと抑えた浴室をつくれるかどうかで、浴室の快適性はグンと変わります。

今回は快適なお風呂にする為の注意点とポイントをお話しますので、是非あなたが注文住宅やリフォームで浴室をつくる時の参考にして頂ければと思います。

また合わせて、浴室をオーダーメイドにする際のメリットやデメリット、それに注意点すべきこと、さらには、システムバス選びの注意点やチェックすべきポイントなどについてもお話していきます。

この記事を読んで頂ければ、最低限抑えておきたい住宅のお風呂を選ぶ上でのポイントについて理解して頂けるかと思います。




Contents

浴室の種類(つくり方)は3つ

まず、住宅の浴室は工法や構造によって3つの種類で分類されています。

1:システムバス(ユニットバス)
2:在来風呂(造作風呂)
3:ハーフユニットバス

住宅の浴室の種類は、以上の3つです。

1つ目の「システムバス(ユニットバス)」は、日本が発祥の浴室形式で、お風呂自体がパッケージ化された商品の浴室です。工場であらかじめ浴室のパーツ(床、壁、浴槽など)をつくり、現場に運び込んで組み立てる方式で作られます。

システムバス(ユニットバス)の場合、壁の色や照明の色などの細かい仕様については変更がききますが、パッケージ化されているため、浴室全体のサイズを調整したいなどの細かい指定は出来ません。

2つ目の「在来風呂(造作風呂)」は、浴槽をはじめ床、壁、天井、窓、扉などを全て現場でオーダーメイドで作る方式の浴室です。

システムバスと違い、パッケージ化されておらず、ひとつひとつの部材にこだわって浴室のプランニングが出来ます。在来風呂では、例えば浴室に大きな窓をつけたり、露天風呂をつくることもできます。

3つ目の「ハーフユニットバス」は、浴槽と床はユニットバスと同様に工場でつくられパッケージ化されていますが、壁や天井などは現場で仕上げられる浴室です。

ハーフユニットバスでは、浴槽と床はユニットバスのため、ユニットバスのメリットを享受できる他、浴室全体の印象を決める壁のデザインなどを自由に変更することが出来ます。

下記からは、3種類、それぞれの浴室の特徴やメリットやデメリット、設置にかかる費用などを細かく見ていきます。

1:システムバス(ユニットバス)

システムバス(ユニットバス)とは

システムバスとは、予め工場で生産された部材(床、壁、浴槽など)を、現場で組み立てる浴室のことです。

オプションで、壁の色や照明、カウンター材などの細かい変更はできますが、浴室自体がパッケージ化されているため、浴室自体のサイズ変更や、壁一面に、庭をのぞけるような大きな窓をつけるなどの、大きな変更は出来ません。

システムバスは、現在日本で一番使用されている住宅の浴室形式です。

システムバス(ユニットバス)の特徴

システムバスのイメージ 画像:パナソニック

システムバスは、工場で生産された部品を現場で組み立てることでつくられます。

繰り返しになりますが、主要部分の部材は工場でつくられ、現場では組み立てることが主な作業となる為、工期が短く済み、工事費用も安く抑えられるのが大きな特徴となります。

さらに、部材が全て工場で生産されるため、品質にムラが無く、仕上がり具合も安定しています。

そうした理由から、現在、ほとんどのハウスメーカーや工務店などで、標準仕様となっている住宅の浴室がシステムバスです。

浴室がパッケージ化されセット販売にされているので、全体の浴室サイズなどの寸法は決まっていますが、細かい仕様はメーカーごとに特徴があります。

それぞれのメーカーで性能を競い合い、独自で使い勝手を精査し、考えられて作られているため、断熱性や防水性も高いのがシステムバスの特徴です。

システムバスは、大きな変更がきかない為に自由度は少ないものの、商品バリエーション自体は非常に豊富です。シャワーの形状など、細かい仕様については、別途オプションで指定出来ます。

システムバスは、コストを抑えながらも、断熱性や防水性などの機能性が高い浴室がつくれます。さらに使い勝手も良く、品質も安定した浴室をつくることが出来ます。

システムバスは、新築の注文住宅だけではなく、リフォームの時にも、よく採用されていたりと、現在の日本の住宅における浴室の主流となっているお風呂の種類です。

※「浴槽」と「洗面台」がセットになっているものを2点ユニットと言い、「浴槽」と「洗面台」と「トイレ」がセットになっているものを3点ユニットと言います。

システムバスとユニットバスの違い

システムバスは、ユニットバスと呼ばれることもあります。

建材メーカーによっては一戸建て用と、集合住宅用で呼び分けているケースもありますが、業界全体としてみれば、システムバスとユニットバスは全く同じものとして扱われています。

また、一般的に、ユニットバスというと「浴槽と洗面台とトイレがセットになった仕様」と認識されていますが、それは間違った認識であり、実際はそうではありません。

正しくは、システムバスと同じ意味で、周りの壁と天井、床が一体になっている浴室のことをユニットバスと言います。

※誤解を招かないように付け加えておきますが、ポイントは浴室の天井と壁床が浴槽や床と一体になっていることです。一体になっていればユニットバスと呼ばれますので、浴室にトイレがあるタイプもユニットバスであることは間違いありません。

システムバスの価格の目安

システムバスは、カタログでは100万円を超える商品が多いですが、新築の注文住宅の場合はほとんどの場合、安くなります。

どれくらいやすくなるかについては、商品により違うので一概に言う事は出来ませんが、動きのある商品については半額に近い価格で購入することが出来ます。(浴槽をリフォームする際の購入価格は、また違います)

ただし、商品グレードの高い高価なシステムバスの場合は、動きが少ないため、実際に購入する際の価格は定価とほとんど変わりません。

つまり、高価なグレードのシステムバスの価格は、カタログ記載の価格と同じになります。

浴室をシステムバスにするメリット

まるで造作風呂のようなシステムバス 画像:アステック

つづいて、浴室をシステムバスにする事でどんなメリットがあるのかを見ていきます。

◎浴室をシステムバスにするメリット1:コストを抑えた浴室がつくれる

浴室をシステムバスにすると、安定した品質を保ちながら、コストをかけることなく浴室を作ることが出来ます。

システムバスは、基本的に、現場では、工場で生産された部材(パーツ)を組み立てる作業が主だって行なわれるため、他の種類の浴室と比べると工期も短くなり、短縮することが出来ます。

施工が簡単で工期が短くなるので、人件費も抑えられ、結果コストを抑えた浴室がつくれます。

◎浴室をシステムバスにするメリット2:実物を実際に触って確かめることが出来る

浴室のショールーム 画像:アステック

システムバスのいいところは、建材メーカーのショールームに行くと実物が展示してあるので、実際に使用しているシーンを想定して、使い勝手を確かめることが出来る点にもあります。

ショールームでは、カタログではわからない素材の質感やサイズ感をはじめ、浴槽の高さなどの違いによる「またぎやすさ」を確かめる事が出来たり、システムバスにした時の使用感などを、実際に見て触って確かめることが出来ます。

動きがある(良く売れている)システムバスをはじめ、安価なシステムバスから、高価なシステムバスまで展示してあるので、具体的にどのような点が違うのか、その違いも実際に触って確かめることが出来ます。

わからないことや疑問に思うことがあれば、その都度担当者が応えてくれるので、その場で疑問点を解決することも出来ます。

◎浴室をシステムバスにするメリット3:品質が安定していて性能の高い浴室がつくれる

システムバスは、工業化された浴室の為、一定の品質を保ちながらも、性能の高い浴室をつくる事が出来ます。

例えば、ほとんどのシステムバスの浴槽は二重構造となっており、断熱性が高められているので、お風呂のお湯が冷めにくいなどの特徴があります。

浴槽に限らず、壁や床、さらには天井にまで断熱性能を持たせているシステムバスもあり、浴室内の温度を一定にたもつことが出来るので、冬場の寒い時期でも、熱を逃がさずに快適に入浴できます。

さらに、システムバスは、床と壁の繋ぎ目も一体化している為、水漏れのリスクもほとんどありません。特に浴室からの水漏れのリスクに関しては、かなり工夫がされているため、非常に優れた防水性を持っています。

また、システムバスの床はタイル張りではないので、寒い時期にお風呂に入っても、床が冷たくなく、お風呂場を快適に使用する事が出来ます。

システムバスは、品質も良く、メンテナンス性にも優れていて、水漏れのリスクが少ない分、水漏れなどで建物を傷める確立は低くなります。

◎浴室をシステムバスにするメリット4:オプションで細かい仕様を変更できる

浴室の形状やサイズなどの大きな変更はできませんが、オプションで浴槽の形を変更したり、シャワーや水栓、浴室乾燥暖房器などを設置したりと、細かい変更はする事ができます。

例えば浴室にテレビやスピーカーを設置したり、それぞれの家庭における生活シーンに合わせた、細かい仕様などは変更できます。

変更する際は、メーカーで定められたオプションないで選ぶ必要がありますが、比較的低コストでこだわりのある、快適な浴室をつくることができます。

◎浴室をシステムバスにするメリット5:掃除がしやすい設計にされている

システムバスは、掃除のしやすさも考えられてつくられています。

例えば、システムバスは汚れがつきにくい素材を使用しているため、浴室についた汚れも落としやすいですし、浴室にカビがはえないように水はけが良い設計にされています。

システムバスは、主婦目線で、できるだけ手間をかけることなく、浴室の掃除ができるようにと、見えないところであらゆる工夫がされています。

※浴室の使い勝手はもちろん、掃除のしやすさは他の3種類の浴室の右に出るものはありません。

◎浴室をシステムバスにするメリット6:誰もが使いやすいように工夫されている

システムバスは、小さいお子様はもちろん高齢の方にも優しく使い勝手の良い設計となるように工夫されています。

例えば、多くのシステムバスでは、浴室の断熱性をあげ、保温性を高めている事はもちろん、転倒しにくいように、水で濡れても滑りにくい素材の床が使われています。

また、つまづかないようにと、洗面脱衣所との段差を極力なくす工夫がされていたり、浴槽に入る際も、またぎやすい高さが計算されて設計されています。

浴室をシステムバスにするデメリット

つづいて浴室をシステムバスにするデメリットについてみていきます。

◎浴室をシステムバスにするデメリット1:浴室で選択できる自由度が少ない

システムバスのデメリットのひとつは、選択できる自由度が少ない事です。水栓、シャワー、カウンターなどのパーツ素材をはじめ、色の指定などは可能ですが、全体として大きく変更する事は出来ません。

例えば、浴室に大きな窓をつけたいと思った場合でも、メーカー指定の範囲内でなければ変更を加える事が出来ません。

また、パーツの変更時も各メーカーが扱っている素材の中から選ぶ必要があるため、デザインや変更はある程度限定的になります。

◎浴室をシステムバスにするデメリット2:サイズがあらかじめ決められている

システムバスの最大のデメリットは、規格サイズが決まっている事です。

もちろん、メーカーの中にはサイズ変更に対応してくれているメーカーもありますが、その場合価格が高くなります。

新築の注文住宅の場合でしたら、規格サイズに合わせて空間を設計する事が出来ますが、リフォームの場合は自宅の浴室サイズにぴったりとあった、サイズが見つからない場合もあるので注意が必要です。

※特に浴室に構造上抜けない柱がある場合は、システムバスの設置が難しい場合もあります。

◎浴室をシステムバスにするデメリット3:特殊な形には対応していない

勾配天井のお風呂 画像:建築家 長浜信幸

システムバスでは、例えば台形のような特殊な形の間取りには対応していません。そのため、浴室のデザインが限定されてしまいます。

また、壁や天井が斜めの形状の場合ですが、斜めを活かした空間デザインにする事はできません。

基本的にシステムバスは、箱型のデザインとなります。

システムバスは、それぞれのメーカーで扱っている形の中からしか選ぶ事が出来ないため、新築の注文住宅の場合はもちろん、特にリフォーム時などは注意が必要で、浴室が特殊な形状をしている場合は、システムバスに対応できない事もあります。

その場合、システムバスを設置するためには、浴室の形を変えるなどの間取りの変更を加える必要があります。

大掛かりな工事となる場合は、さらにコストが膨らむ場合がありますので注意が必要です。

◎浴室をシステムバスにするデメリット4:大きな窓を設置できない

システムバスでは、基本的に、メーカーにより規格化された素材を使用する必要があります。

そのため規格外の大きさの窓は設置する事が出来ません。大きな窓を設置することで、屋外の光を取り込んで、明るく開放感のある浴室にしたくても、規格内の大きさに限定されてしまいます。

ですから、例えば、浴室から眺められる庭をつくっても、限定された大きさの窓からしか眺める事が出来ません。

※浴室からみえる庭を造る場合ですが注意が必要です。なぜならほとんどの場合、浴室から屋外へいけるような扉をつけない限り、浴室の窓が温度差により曇ってしまうからです(扉をつけなくても換気がよければ大丈夫です)。せっかく湯船につかりながらみられる手のこんだ庭をつくったとしても、窓が曇ってぼやっとしか見ることが出来ないという話はたまにききます(私のクライアントにはいません)。

◎浴室をシステムバスにするデメリット5:露天風呂をつくれない

露天風呂 画像:黒柳建設

システムバスは、基本的には露天風呂はもちろん、半露天風呂にも対応していません。

もし、どうしても新築の注文住宅では露天風呂をつくりたいと検討されている場合は、この次にお話する在来風呂(造作風呂)で浴室をつくる必要があります。

ただし、在来風呂の場合は、オーダーメイドで作られる浴室の為、価格は高価になります。

在来風呂(造作風呂)

在来風呂(造作風呂)とは

在来風呂(造作風呂)とは、オーダーメイド型の浴室のことです。

システムバスのように空間に合わせる必要はなく、浴室を現場でイチからつくりあげるので、在来風呂(造作風呂)では、空間の広さや空間の形に合わせて柔軟に、好きなようにお風呂を作ることが出来ます。

舟形浴槽(ふながたよくそう)のお風呂

在来風呂(造作風呂)は、オーダーメイドでつくられる浴室なので、自由度が高く、例えば特殊な形状のヒノキ風呂を設置できたり、浴室に欧米でよく見られるような、浴槽の底が足付きの舟形浴槽(ふながたよくそう)を据え置くという形にも対応できます。

※欧米の浴槽は日本の浴槽のように壁にくっつける事をせずに、床の上にそのまま置いて使用します。

在来風呂(造作風呂)の特徴

屋上テラスに設置された露天風呂 画像:ベルハウス

在来風呂(造作風呂)では、浴槽から水栓、床、窓、壁、扉、天井にいたるまで自由に決めることができるので、オーダーメイドで自分好みの浴室をつくることが出来ます。

例えばお風呂場に、大理石の床を作る事も可能だったりと、在来風呂は、浴室の種類の中で最も自由度が高いのが特徴です(世界にひとつだけの浴室を作ることが可能です)。

システムバス(ユニットバス)や、ハーフユニットバスでは不可能な、大きな開口部のある浴室にすることも可能で、屋外に出るためのドアをつけて、さらに隣家から見えないように柵などで囲えば、露天風呂を作ることも出来ます。

もちろん、屋根付きの半露天風呂にすることも可能です。

屋上テラスに設置された露天風呂2 画像:ベルハウス

それぞれのパーツは独立していて、現場で施工し浴室が作られるため、システムバスでは不可能な、浴室の床にタイルをはり付けることも出来ます。(昔のお風呂は在来風呂が多かったので、タイルがはり付けてあるお風呂を良く見かけます)

システムバス(ユニットバス)や、ハーフユニットバスと違い、メーカーで定められた浴室の規格サイズを気にすることなく、基本的には自分で自由にサイズを決め、自由に浴室を作ることが出来ます。

ただし、在来風呂はシステムバスのようにパッケージ化されていない分、コストは高くなり、浴室の種類の中でも最も高価なつくりとなる浴室です。

また、細かいところに至るまで、自由に決められる分、断熱性や防水性の機能面、さらには品質の安定性では心配なところもあります(現場施工なので浴室をつくる業者により仕上がり具合は左右されます。在来風呂になれている業者に依頼する必要があります)。

在来風呂(造作風呂)にする価格の目安

古代檜のお風呂 画像:テラジマアーキテクツ

在来風呂は3つの浴室の種類の中で、最も高価なお風呂です。

在来風呂の価格は、お風呂の大きさやこだわり具合により限りがなく、青天井なところがありますが、最低ラインでも高価なシステムバスを導入するくらいのコストはかかると考えて問題ないと思います。

浴室を在来風呂(造作風呂)にするメリット

つづいて浴室を在来風呂にするメリットを見ていきます。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするメリット1:自由にお風呂が作れる

在来風呂の一番のメリットはやはり、どの種類の浴室よりも自由度が高い点にあるでしょう。

オーダーメイド型の商品のため、浴室のサイズから、浴槽の種類、床や壁、天井に至るまでの素材などをひとつひとつ吟味して選ぶ事が出来ます。

窓のデザインや位置、さらには窓の大きさも細かく指定できるので、建物の構造上、問題がなければホテルや高級旅館でみられるような浴室にする事も可能です。

※在来風呂では、海外映画に出てくるような、浴槽だけを据え置いた舟形浴槽(ふながたよくそう)の浴室を作る事も出来ます。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするメリット2:露天風呂をつくれる

半露天風呂 画像:桧山建工

在来風呂では、システムバスでは設置が難しい、浴室から直接屋外に出る為のドア(扉)を設置する事が出来るので、浴室と連続した露天風呂をつくる事も出来ます。

露天風呂、または半露天風呂をつくることで、自宅にいながらも露天風呂付きの高級旅館に泊まっているかのような開放感の溢れる浴室にする事も出来ます。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするメリット3:間取りが特殊な形でも対応できる

在来風呂は、空間にあわせてお風呂をつくる事が出来るので、構造上の問題がなければ、壁が斜めだったり、特殊な形状でも対応する事が出来ます。

特殊な形状の大きな開口部をつくったり、壁一面をガラス張りにして外の景色を眺められるように設計したり、在来風呂は浴室の広さや形に関係なく、自分好みのこだわりぬいた浴室を作ることが出来ます。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするメリット4:浴槽や床などの内装をこだわった仕様に出来る

在来風呂では、オーダーメイドの浴室なので、浴槽の素材を変更することも出来ます。例えば一般的なシステムバス(ユニットバス)にはない素材のヒノキや、大理石を使用することも出来ますし、窓の形を変更したり、窓の大きさを細かく指定することも出来ます。

ひとつひとつの素材やサイズが選べるので、プライベートのこだわりぬいた浴室がつくれます。

浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット

つづいて浴室を在来風呂にするデメリットについてみていきます。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット1:コストがかかる

在来風呂は、こだわればこだわった分だけコストがかかります。在来風呂は、素材の問題はもちろん、現場でイチから職人が工事をするため、人件費も高くなります。

浴室にこだわるほどに、工期も長くなりますから、それが人件費に反映され想定していた以上に高価になってしまう場合もあります。

また、在来風呂は、維持管理する為のメンテナンスにも、大きなコストがかかります。

浴室を作った後に想定される維持管理コストについてしっかりと考えていないと、作ってからの方が費用が高くなってしまう恐れもあります。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット2:手間がかかるため工期が長い

在来風呂は、システムバスのような施工方法ではなく、現場作業がメインとなる為、工期が長くなります。

もちろん、どれくらいこだわるかによってコストも違えば、工期も変わってきます。

浴室に対してのこだわりが強いほど、手間がかかり、工期も長くなるので、長くなった分だけ工事費や人件費が発生し、コストがかさんでいきます。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット3:完成するまで実物を確かめることが出来ない

システムバスは、完成した浴室の形をショールームで見る事が出来るので、実物を実際に見て触って確かめる事で、カタログではわからない細かい使い勝手などを確認できます。

一方で、在来風呂は、完成してから初めて使える形になるので、工事が完了し使ってみるまで、浴室の細かい使い勝手がわからないという心許なさがあります。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット4:品質や仕上がりが安定していない

在来風呂は、システムバスに比べると品質や仕上がりが安定していません。

在来風呂は、現場施工のため、工事が難しく、業者や職人の技術に依存する部分が大きいため、品質にバラツキが生まれます。特に在来風呂になれていない業者や職人だと、工事に手間取る場合があるので注意が必要です。

また、水漏れに対するリスクも、一般的なシステムバスより高くなります。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット5:機能性は期待出来ない

在来風呂は、断熱性などの機能性は期待できません。

在来風呂は、基本的には自由につくることができますが、在来風呂を選ばれるほとんどの方はデザインや快適性を重視しています。

どうしても、メーカーのように、防水性や断熱性、保温性などの機能性を重視して作ることが難しいため、浴室の機能性には期待しない方が良いと思います。

(余談ですが、もしも機能性を考えて浴室を作る場合は、細かな点を除けばシステムバスの方がよっぽど安価に作れる事の方が多いです)

またメンテナンス性も、それぞれのオーダーメイドで作られた浴室により違うので、不透明なところがあります(思いがけないところから傷んでくる事もあります)。

ただし、在来風呂は、自由に自分の好みに応じてアレンジが出来るため、よっぽどのことがない限り、お風呂の快適性は3種類の浴室の中で一番です。

◎浴室を在来風呂(造作風呂)にするデメリット6:掃除や管理が面倒になる可能性が高い

在来風呂を作る時には、もちろん掃除のことも考えて設計されるでしょうが、掃除や管理のしやすさで言えば、どうしてもシステムバスよりも劣ってしまいます。

例えば在来風呂で、ヒノキ風呂を選んだ場合は、ヒノキの香りに包まれながら入浴できるので快適性は増しますが、お湯をしっかりと抜き、こまめに水洗いをしないと、お風呂の内側にぬめりがついてしまい、浴槽に触れたとき、ヌルヌルとしたお風呂になってしまいます。

ヒノキ風呂は乾燥を促す事も必要ですが、乾燥のし過ぎはひび割れの原因ともなり、普段の手入れや管理にも気を使うことになります。

浴室を在来風呂(造作風呂)にする注意点

広さを感じられる浴室 画像:遠藤誠建築設計事務所

もしも浴室を在来風呂でつくりたい場合、自分の作りたいお風呂のイメージを伝える道具として写真の切り抜きなどを用意しておくと設計士に伝わりやすくなります。

基本的には、家づくりで注文住宅のイメージを固める際の要領と同じで、雑誌はもちろん、インターネットで具体的に説明する為の素材を検索するなどして、具体的な写真を含めた、要望ノートを作ってください。

旅館や、ホテルなどの浴室の写真を手元に用意して、部分ごとにこうしたいというイメージを伝えるのも良いと思います。

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ハーフユニットバス

ハーフユニットバスとは

ハーフユニットバスとは、壁と天井を自由に決められる浴室の事です。

ハーフユニットバスでは、システムバスのように浴槽と床、それに壁の立ち上がりの下部まではセットにされていますが、壁と天井は自分の好みに合わせてアレンジする事が出来ます。

ハーフユニットバスは、名前の通りシステムバスと在来風呂を組み合わせた、両者のちょうど中間に当たるような浴室です。

ハーフユニットバスは、在来風呂のように全てを自分の好みに合わせて、自由に決める事はできませんが、システムバスのように全てがパッケージ化されるような形でセット販売されているわけではなく、壁や天井などのパーツを自分好みにアレンジできます。

・・・が、現状、商品バリエーションが少ない事が難点としてあります。

ハーフユニットバスの特徴

ハーフユニットバスは、システムバスの浴槽から床、それから壁の下部にかけての部分までがセットにされた浴室の事です。

繰り返しになりますが、浴室の印象を左右する浴室内部の壁や、浴室の天井は自由に選ぶことができるので、好みに合わせて浴室の雰囲気を変える事が出来ます。

また、ハーフユニットバスは、システムバスのように、浴槽から床にかけての防水性や断熱性を持ちながらも、壁から天井にかけてのデザインを変更できるため、例えばシステムバスよりも大きめの窓枠を壁に取る事が出来るようになります。

さらには、壁一面をタイル素材にしたり、壁に木材を使用した浴室にする事も可能で、好みの素材を浴室に取り入れる事も出来ます。

もちろん在来風呂よりも自由度はありませんが、在来風呂よりもコストを抑えられ、さらに浴室デザインにほどよい柔軟性があることから、在来風呂よりも簡単に、こだわりのある浴室をつくる事が出来ます。

ハーフユニットバスの価格の目安

ハーフユニットバスをつくるには、システムバスの高級ラインと同じくらいの費用が必要になります。

ただし全てをオーダーする在来風呂よりは安く、3種の浴室の中で、在来風呂よりのちょうど中間あたりに位置している浴室です。

価格で言うと、安いものからシステムバス→ハーフユニットバス→在来風呂となります。

ただし、ハーフユニットバスは決して安くはないため、お風呂に特別なこだわりを持っていて、けれども在来風呂までする必要はない方向けのお風呂です。

浴室をハーフユニットバスにするメリット

つづいて浴室をハーフユニットバスにするメリットについてみていきます。

◎浴室をハーフユニットバスにするメリット1:ある程度自由にお風呂がつくれる

ハーフユニットバスは、在来工法でつくられる在来風呂よりも自由度はありませんが、壁や天井は、好みに合わせてある程度自由につくることができます。

浴室の壁に木材を使い、ガラッと雰囲気を変える事も出来ますし、タイルや石などを使い旅館のような味わい深い浴室にすることもできます。ただし選択肢は在来風呂と比べると限定的になるので注意が必要です。

◎浴室をハーフユニットバスにするメリット2:防水性や断熱性など機能性を保てる

ハーフユニットバスは、浴槽と洗い場(床)の部分は、仕組みとしてはシステムバスと同じため、システムバスと同じくらいの防水性や断熱性をもっています。

そのため、浴槽や床の防水性能や断熱性能をしっかりと維持しながらも、壁や天井のデザインを変更することで浴室全体の雰囲気をかえることができるので、両者のいいところを組み合わせて、こだわりのお風呂をつくる事が出来ます。

◎浴室をハーフユニットバスにするメリット3:ある程度柔軟なデザインに対応できる

ハーフユニットバスは、ユニットバスと比べると、壁から天井にかけての自由度がかなり高い浴室です。

浴槽と床以外の、壁と天井を自由に使えるため、システムバスでは不可能な、窓の大きさを変更したり、予算が許せば、浴室の壁一面をガラス窓にし外を眺められる浴室をつくることも可能です(モノによります)。

ハーフユニットバスは、一般的に選択肢はそこまで多くはありませんが、適度にこだわりのある浴室が作れるので、システムバスではもの足りないけれども、在来風呂にするほどこだわってはいないという方には、ピッタリな浴室の種類です。

◎浴室をハーフユニットバスにするメリット4:メンテナンスが比較的容易

ハーフユニットバスは、浴槽と床がシステムバスと同じで一体化しているため、一般的にはメンテナンスや掃除が非常に楽だということがあげられます。

もちろん壁に木などの素材を使用すれば、それだけ掃除やメンテナンスは難しくなってきますが、浴槽と床の部分においては非常に簡単に掃除やメンテナンスをする事が可能です。

浴室をハーフユニットバスにするデメリット

つづいて浴室をハーフユニットバスにするデメリットについて見ていきます。

◎浴室をハーフユニットバスにするデメリット1:ユニットバスと比べ、コストがかかる

ハーフユニットバスは、高価な浴室です。

壁や天井に使われる素材にもよりますが、一般的には在来風呂よりはコストを掛けずに、安く仕上げる事が出来ますが、システムバスよりは高額になります。

壁や天井の素材で使われるものによっては、システムバスの高級ラインよりも高くつく事があります。

◎浴室をハーフユニットバスにするデメリット2:素材によってはメンテナンスが面倒になる

ハーフユニットバスの壁や天井にメンテナンスや掃除がしにくい素材を使うと、掃除やメンテナンスが非常に面倒になる事が多くなってしまいます。

ハーフユニットバスの下部は、システムバスと同じ仕組みとなっているので防水性をはじめ汚れがつきにくいなど耐久性が高くなっていますが、壁や天井を含む浴室上部の部分は、こまめにメンテナンスや掃除などの手間を加えてあげないと、劣化が進行してしまいます。

特に浴槽の壁に木の素材を使った場合は、換気が悪いとすぐにカビが生えてしまうこともあるため注意が必要です。

◎浴室をハーフユニットバスにするデメリット3:サイズが決められている

ハーフユニットバスは、浴槽と壁の下部に至るまでがセットとなっている浴室です。

そのため、浴室のサイズや寸法はシステムバスの規格に依存しておりあらかじめ決められています。

◎浴室をハーフユニットバスにするデメリット4:商品バリエーションが少ない

良く言われる事ですが、ハーフユニットバスはシステムバスと比べると商品のバリエーションは少ないです。

壁や天井における自由度はシステムバスよりも高く、例えばコーナー窓をつけたり、壁一面に天井までの大きな窓を取り付けることもできますが、現在はまだ商品点数は限られてしまっています。

ハーフユニットバスは、壁や天井をタイル張りにする事も出来ますし、ハーフユニットバスに対応できる商品も増えてきてはいますが、やはり一点一点の商品バリエーションは、まだまだ少ないのが現状です。

◎浴室をハーフユニットバスにするデメリット5:工事が難しい

ハーフユニットバスは、システムバスよりも工事が複雑になります。

ハーフユニットバスを作る時は、工事になれている業者に頼まなければならず、技術のある業者ほど工事費用は高くなる傾向にあります。

浴室の2つのつくりかた(施工方法)

浴室の施工方法は、現場施工の「在来工法」と、工場で作られたパーツを現場で組み立てる「ユニットバス(乾式工法)」の2種類があります。

この2つの施工方法の違いは前述した通りですが、ここではもう少し詳しく解説します。

在来工法(現場施工法)

在来工法は、オーダーメイド型のお風呂、在来風呂をつくるときに用いられる施工方法です。

在来工法では、自分の好みの浴室にする事が出来るので、浴槽をはじめ、床をタイルにしたり、壁に木を使う事も出来ます。

基本的には、床をタイルにしたり各部材を張り付ける為に水を使うタイプの施工方法、湿式工法で浴室がつくられます。

もちろん、間取りも自由にできますが、在来工法では、職人が手作業で浴室をつくるため、工期が長くなるデメリットがあります。

また、在来工法は、現場施工のため、職人の技量により、どうしても仕上がり具合にムラが生まれます。

ユニットバス(乾式工法)

ユニットバスでは、工場であらかじめつくられた部材を現場に運び、パーツを現場で組み立てて仕上げます。

基本的なパーツはすべて工場で生産され、現場で行なうのは組み立て作業だけですので、工期が短くて済みます。

基本的には、パネルなどを、ボルトや釘、ネジを使い固定していくタイプの施工方法で、現場で水を使わない乾式工法で浴室がつくられます。

ユニットバスの工法の良いところは、浴室自体がパッケージ化されているので品質が安定しており、防水性も高い点にあります。

ユニットバスは防水性が高いため、家の2階にバスルームをつくる時にも適した浴室です。

※家づくりの工法については「家づくりで知っておきたい3つの構造と6つの工法のメリットとデメリット」を参考にしてください。

浴室の標準的な広さについて

つづいて、浴室の標準的な広さについて見ていきます。

浴室の寸法はシステムバスと、現場施工の在来バスでは、多少異なりますが、ここではシステムバスの標準的な広さについてみていきます。(寸法上は、システムバスの方が多少狭くなります。)

システムバスの標準的な広さについて

システムバスは一定の規格サイズでつくられています。メーカーによって多少の違いはありますが、一般的には0.75坪、1坪、1.25坪、1.5坪と、0.25坪単位で区切られています。

サイズ表記の注意点

さらにややこしいことに、システムバスは「マンションタイプ」と「一戸建てタイプ」ではサイズ表記が異なっています。

例えば、1216とよばれる「1200ミリ×1600ミリ」サイズのユニットバスが、一戸建てでは「1150ミリ×1600ミリ」と、一般的な木造一戸建てのサイズに合わせた表記となっている事がありますので注意が必要です。(鉄筋、コンクリート造りの戸建ての場合はマンション用サイズが使用される事もあります。)

浴室の標準的なサイズについて

浴室のサイズは様々にありますが、一般的に広く使用されているサイズは限られています。

一戸建てで広く使用されている浴室のサイズ

一戸建てで使用される浴室の場合は、「1216サイズ」と呼ばれる「0.75坪のサイズ」と、「1616サイズ」と呼ばれる「1坪サイズ」の浴室が一般的にはよく使われています。

そのなかでも「1坪サイズ」の浴室は広く使用されています。

マンションで広く使用されている浴室のサイズ

マンションで使用される浴室の場合は「1418サイズ」と呼ばれる「0.75坪のサイズ」と、「1620サイズ」と呼ばれる「1坪サイズ」の浴室が一般的にはよく使われています。

マンションの場合は、一戸建てと違い「0.75坪サイズ」の浴室が広く使用されています。

快適に入れる浴槽の広さについて

快適なお風呂にする為には、浴槽の広さを良く検討する必要があります。

なかでも浴槽の幅は重要で、足を伸ばして入るのか、それとも足を曲げて入るのか、またひとりで入るのか、親子で入るのかなど、シチュエーションの違いによって快適に入れる浴槽の広さは変わってきます。

ちなみに、親子で入る場合の浴室の広さは1.25坪がオススメです。

快適に入れる洗い場の広さについて

一般的に使用されているシステムバスの、標準仕様の浴槽の奥行きは、大体700ミリ程度で、当たり前ですが、システムバス全体の広さを広くするほど洗い場の面積も広くなります。

例えば0.75坪のサイズでは大人1人で入浴するのに気にならない大きさですが、子供と一緒にお風呂に入る事を想定すると少し小さすぎるサイズ感があります。

ですから、子供と入る場合は1坪からの大きさがちょうどいいと思います。

また、浴槽の奥行きを広くする為に、ワイドタイプも用意されています。

ワイドタイプの浴槽にすると標準仕様の浴槽の奥行きよりも100ミリから200ミリ程度大きくする事が出来ます。ワイドタイプにする事で、子供と入浴してもゆったりとお風呂に入る事が出来ます。

※100ミリから200ミリは10cmから20cmの違いなので、あまり変わらないだろうと思われるかもしれませんが、実際は使い勝手がかなり違います。

浴室のリフォームにかかる費用と期間について

・浴室のリフォームにかかる期間について

現在ある浴室をリフォームする場合ですが、「システムバス」から「システムバス」にリフォームする場合は、3〜5日程度とされ、「在来風呂」から「システムバス」にリフォームする場合は、一般的には5日〜10日程度かかるとされています。

(在来風呂にする場合は、それぞれのケースにより違いますが、一般的にはここであげた工期よりも長くなります)

ただし、浴室の状態や家の状態によっては工期が前後する事もあります。

また、例えば浴槽だけを交換する場合は1日だけで終わる場合があったり、「在来風呂」から「システムバス」へ変更する場合は、お風呂の床や壁を一度壊してから、設置工事をする必要があるので工期が長くなります。

・浴室のリフォームにかかる費用について

どのグレード(ライン)のシステムバスを導入するかによっても、価格は大きく違ってきますが、一般的なグレードで「システムバス」から「システムバス」へ浴室リフォームで変更する場合は60万円〜150万円をみておくと良いと思います。

また、「在来風呂」から「システムバス」へリフォームする場合は、床や壁などを一度取り壊す必要があるので70万円〜300万円程度の幅を見ておくと良いと思います。

つづいて今あるお風呂を、「在来風呂」にしたい場合ですが、200万円〜500万円は最低ラインとしてみておくべきです。

浴室に使われる素材やデザインによって価格は大きく異なりますので、下記の見積もりサイトなどを利用して、相見積もりを取ると良いと思います。

>>>相見積もりはこちらのサービスが便利です。

快適なお風呂にする2つのポイント

快適なお風呂にする為には、いくつかポイントを抑える必要があります。

特に重要なのは2点で、お風呂を家の中のどの場所にするのかという「お風呂の配置」と、浴室内の「お風呂の窓」をどうするか、この2点です。

最低限、この2つのポイントをしっかりと抑えれば、快適なお風呂をつくる事が出来ます。

ここからは、快適なお風呂にする為の2つのポイントを中心に、システムバスの選び方、浴室プランの注意点や、さらに快適にする為の浴室プランの細かいポイントについても解説していきます。

快適なお風呂にするポイント1:お風呂の配置(場所)はどうするのか?

現在の一般的な家の間取りでは、北側に水まわりのキッチン、トイレ、洗面所、浴室を配置し、南側にLDKを持ってくることが多いです。

土地の条件にもよりますが、一般的には南側は明るく陽が入りやすいため、家族でくつろげるリビングを中心に考えた場合、必然的にこの間取りになります。

また、お風呂を北側に配置するのか、それとも南側に配置するのかで、それぞれの注意点が変わってきます。

◎北側にお風呂を設置する場合の注意点

ほとんどの家で、キッチンやトイレなどの水まわりは北側に持ってくる事が多いため、北側にお風呂を配置する事で水まわりの導線がスムーズになります。

そのため、一般的に毎日の家事動線を優先的に考えた配置だと、水まわりの設備をまとめて、北側に浴室を持ってきます。

水まわりを一カ所にまとめる理由は、料理をしながら洗濯機を回したり、お風呂を掃除したり、洗濯物を畳んだり、洗濯物を干したりなどの家事を同時進行でおこなうことができるようになり、家事動線がしっかりと考えられた間取りにすることができるからです。

ただし、浴室を北側に持ってきた場合、浴室に陽が入りにくくなるので、湿気を溜め込まない為に換気の方法を考える必要があります。

浴室の換気が悪いとすぐに浴室内にカビが生えてしまったり、比較的長いスパンで見れば、浴室の寿命も短くなってしまいます。

もちろん現在のシステムバスはカビや汚れがつきにくい仕様に工夫が施されていますが、如何に工夫されていても換気が悪いと、浴室内にカビは生えます。

また、浴室内の換気が悪いとカビが発生するだけではなく、水垢やヌメりが生じるなど、浴室に汚れがたまりやすくなってしまいます。

浴室を北側に配置する場合は、浴室内の水気をとる必要があるので、こまめに浴室の掃除をする事や、窓の配置や窓の大きさを工夫するなどの、浴室換気の方法をしっかりと検討しておく必要があります。(屋外からの光による水分の蒸発は期待できません)

換気や掃除を怠り、浴室が傷んでしまうと、浴室を修繕するメンテナンスコストも高くなってしまう恐れがあるので、浴室換気の方法や対策を間取り作成の段階から、しっかりと考えておく必要があります。

◎南側にお風呂を設置する場合の注意点

南側に配置された明るい浴室

南側に浴室をもってくると陽当たりが良くなり、カビにくく掃除も楽な浴室にする事が出来ます。

洗面所や脱衣所で洗濯物を干す事が多い家庭の場合は、南側にお風呂を持ってくる事で、洗濯物の浴室乾燥も可能になります。

特に花粉が多い季節には最適で、外に干すと付着してしまう花粉も浴室を使っての室内乾燥なら、その心配がありません。

ただし、南側に浴室を持ってくることでその他の間取りにも影響が出てきます。

例えば、一般的な間取りでは南側にLDKを配置するケースが多いですが、浴室を南側に持ってきてしまうと、建物が大きくない限りLDKを南側に配置する事が難しくなってしまいます。

そうすると、たとえ浴室が快適になったとしても、家全体の陽当たりに影響し、全体的に居心地の悪い空間になってしまう恐れがあります。

また、間取りが圧迫される事で、家全体のバランスもおかしくなってしまうことが多くあります。例えば、一般的なサイズの家だと、浴室を南側に配置すると間取りの関係で、家が狭く見えてしまう事もあります。

南側に浴室を配置する場合は、全体の間取りを良く考えてつくらなければなりません。

◎2階のお風呂(浴室を2階にもってくる)

2階南側に設置された浴室 写真:studio acca

南側に浴室を持ってきたい時に生じる問題の解決策として、必ずあがるのが、それならば2階に浴室を持ってくるという間取りプランです。

1階にLDKを設置する場合に特に有効で、2階の南側に浴室を持ってくることで陽当たりの良いLDKにも出来ますし、快適で明るいお風呂がある間取りにする事も出来ます。

2階に設置された浴室は、陽当たりはもちろん、風通しも良くなるので、浴室がすぐに乾き、カビが生えるリスクも少なくなります。

周りの家から浴室が見えないようにする為の囲いを作れば、浴槽につかりながらのぞける、ちょっとした中庭を作る事も出来ます。

寝室の側に浴室があれば、入浴後にすぐに寝床につく事も可能になります。

◎2階にお風呂場を設置する場合の注意点

一見すると、良い事ばかりのように見えますが、例えば浴室だけを2階に持ってきた場合は、お風呂は快適になるかもしれませんが、お風呂掃除や、洗濯機を回すのに、わざわざ2階にいかなくてはならなくなります。

浴室の機能を2階に移す事で、家事動線が悪くなり使い勝手の悪い間取りになってしまう恐れがあります。

さらに注意したいのが音の問題です。浴室の音は伝わりやすいので出来るだけ、リビングの上に配置するのは避けた方がいいでしょう。

その他、水道の水圧が低い場合、大きめの容量の給湯器を選ぶ必要があったり、防水について設計者や施工者に確認する必要があります。

洗濯機を置く場所を再検討する

洗濯機を回すたびに、2階から1階に洗濯物を運ぶのは毎日の家事作業の中では、非常に面倒に感じる場面が必ず出てきます。

ですから、間取りのバランス上、どうしても2階に水まわりを持ってこなければならない場合は、洗濯機能だけを一階に移すなどの工夫が必要になります。

2階に水まわりをまとめてしまう方法もありますが、その場合は、全体的な間取りを変更する必要がでてきます。

2階に水まわりの機能を持ってくると2階のスペースが圧迫されるため、多くの場合、バランスをとる為に1階部分に寝室や子供部屋などのプライベートな空間を持ってくることになります。

その場合、全体的な間取りのバランスを見直さなくてはなりません。

洗濯物を干す時の動線を改めて考える

また、2階に水まわりを持ってくる場合は、洗濯物を干す時の動線も改めて考えなくてはなりません。

2階に水まわりを持ってくる場合、例えば、バルコニーを設置してバルコニーで洗濯物を干せるようにしたり、1階に水まわりを作る時とは別な意味での間取りの工夫を施す必要があります。

毎日の生活を一階で完結できないので、歳を取った時に間取り的にきつくなってしまう可能性もあります。

もちろんそのような場合はリフォームをするなどして、一階に水まわりを戻す事も出来ますが、大掛かりなリフォームとなる為、費用はかさみます。

>>>家づくりでバルコニーは必要?バルコニーをつくる時に注意すべきこと

>>>インナーバルコニーで抑えておきたい7つのメリットとデメリット

浴室の配置に対する2つの考え方

ここまでを見てもわかる通り、浴室をどこに配置するのかという問題は、設計士の間でも頭を悩ませるポイントです。

例えば、一般的な家庭に多く見られる2階建て住宅の間取りで、一階がリビング中心のゾーニングをし、2階にベッドルーム中心のゾーニングだった場合、どこに浴室を配置すれば快適な間取りになるか考えてみるとします。

この場合、浴室の配置には2つの考え方があります。

それは1階に、水まわりをまとめる事を優先する「水まわり集約論」と、2階のプライベートな空間にあえて浴室をもってくる「浴室=プライベート論」です。

浴室配置の考え方1:「水まわり集約論」の場合

浴室をキッチンと隣接させることで、設備設計上と家事を考えた動線にする考え方が「水まわり集約論」です。お風呂は家族間で共有するもので、わざわざ家の中で浴室を隠す必要がないという考え方です。

プライバシーよりも、家事動線を優先する考え方です。

浴室配置の考え方2:「浴室=プライベート論」の場合

上の条件の場合、2階に浴室を設置する根拠の最もたるものが「浴室=プライベート論」です。浴室は裸になる場所であり、着替えも寝室にあるのだから、浴室は寝室に隣接させるのが基本という考え方です。

家事動線よりも、プライバシーを優先する考え方です。

これらは、どちらの意見も正しく、正解がないので、結局は好きな方の浴室に対する考え方をとるしかありません。

快適なお風呂にするポイント2:お風呂の窓の配置はどうするのか?

快適なお風呂にするポイントの2つ目は、お風呂の窓の配置です。

注文住宅の窓で失敗しないために抑えておきたい21種の窓と配置のコツ」でも詳しく書きましたが、窓の役割と機能は、外を眺める為の「1:視認」、あかりを採る為の「2:採光」、風通しをよくするための「3:通風」の3つです。

浴室の窓の場合は、このうちの「2:採光」と「3:通風」の機能を如何に取り入れるのかが大事なポイントとなります。

もちろん、外を眺める為の「1:視認」の役割と機能を取り入れて、浴室から見える位置に中庭を作り、浴槽に浸かった時にちょうど目線の先に中庭が見えるように工夫するのも良いですが、浴室の快適性を重視した場合「2:採光」と「3:通風」が大事になります。

快適で使いやすい浴室にするには、できるだけ屋外からの陽の光があたりやすい位置に窓を配置し「採光」を確保し、さらに開閉式の窓にすることで「通風」を促すことで浴室を換気させてあげる必要があります。

システムバスでは窓の大きさそのものを大きく変更する事は出来ませんが、細かい仕様でしたら、変更する事が出来るので通風の機能がある開閉式の窓を浴室に採用すると、浴室を快適に使用する事が出来ます。

浴室からみえる中庭をつくる時の注意点

浴室換気が考えられた窓

また、もしも、「1:視認」としての機能を浴室に取り入れる場合は別の注意が必要になります。それは入浴時には100%の確立で浴室の窓は曇るということです。

浴室の窓を曇らなくするには、窓を開け換気を促す必要があります。つまり浴室の窓を開閉式の窓にしないと、必ず浴室の窓が曇るので、優雅に中庭を眺める事は出来ません。

もちろん、窓を拭いたり、窓に水をかけたりすることで、窓の曇りを取る事は出来ますが、それらは一時的なものに過ぎず、時間がたつとすぐに窓が曇ってしまいます。

また、明るい場所から暗い場所をみることは難しいので、お風呂から眺める事の出来る中庭にも、電飾を配置するなどのライトアップが必要になります。

その他、水まわりを含む間取りに関する工夫などは「家族が快適に暮らせる、心地いい間取りの家をつくる11のポイント」で詳しくお話していますので家づくりの参考にご一読ください。

浴室の配置はどうするかなどの、間取りプランで悩んだら「新築の注文住宅の間取りで失敗しないマイホームの間取りプラン作成のコツ」を読んで頂くと、スムーズに間取りを決めて頂く事ができると思いますので参考にしてください。

システムバスの選び方

つづいてここからは、注文住宅やリフォームの際に選ばれる事の多い、システムバスの具体的な選び方についてみていこうと思います。

システムバスを選ぶ時の決定的なポイントは各家庭によって違うかと思いますが、どの家庭でも共通してシステムバスを選ぶ際、注意しておくべき点がいくつかあります。

ここからは、そんなシステムバスを選ぶ際の注意点やシステムバス選びのポイントについて書いていきます。

まず、システムバス選びで、大きなポイントとなるのは、機能性、仕様、デザイン性(配色)の3つです。

システムバスの選び方1:システムバスを機能性でチェックする

システムバスを選ぶ際には、まずは各メーカーによる機能の違いをチェックしてください。

全ての条件を満たす必要はありませんが、各家庭に合った性能をチェックする事が一番のポイントです。

1:システムバスの保温性をチェックする

システムバスを選ぶ際は、まずは保温性をチェックしてください。

システムバスの保温性は、浴室内をはじめ、浴槽、床でチェックしてください。

例えば選ぶ予定のシステムバスの床材は、早く乾くかどうかや、触った時に冷たい感じがしないかなどは非常に大事な観点です。

遅い時間帯に帰宅する家族がいる場合は、浴槽内にどれだけ保温機能があるかによって、追い炊きの回数が違ってきますので保温性が高い浴槽の方が長い目でみれば、ガス代の節約にも繋がります。

また、浴室内の温度を長時間、快適に保つことが出来るかどうかについてもチェックしてください。浴室内の温度を快適に保つ為には、暖房しながら換気するタイプの浴室乾燥暖房機の設置が必要になります。

浴室乾燥暖房機には乾燥機能もついているので、雨が降った時や、人に見られたくないものなどを室内に干したい時に活用する事も出来ます。

2:システムバスの掃除のしやすさをチェックする

次に、浴室内の掃除のしやすさをチェックする事も大事なポイントとなります。

浴室内は湿気がたまりやすく、隙間にたまった汚れと湿気によりカビが発生しやすい環境になっているので、水はけが良いかどうかは掃除のしやすさを左右する、ひとつの大事なチェックポイントです。

特に、カウンター周りや、シャンプーやリンスなどを置いている収納棚は水がたまりやすく、水垢がつきやすい場所のひとつなので水はけが良いかどうかは、しっかりとチェックしてください。

またあわせて排水口内にたまったゴミは取り出しやすく、掃除しやすくなっているかどうかもチェックしてください。

水滴の跡や水垢がつきにくく、目立ちにくい素材であるかなども、掃除のしやすさを左右するのでしっかりとチェックしておくべきです。

※カビの繁殖条件は、酸素があり、温度が20度から30度の間で湿度が60%以上、さらに汚れなどカビが好むものがあることです。

3:システムバスの使い勝手をチェックする

さらに浴室内の使い勝手はどうか、快適に使用出来るかどうかも大事なチェック項目のひとつです。

例えば、浴室内の鏡が曇り止め仕様(ヒーター付きやフッ素コーティング)になっているかによって、洗い場の使い勝手は変わってきます。

さらにフェイスタオルやバスタオルをかける場所は適当かどうかや、細かいようですが、シャワーヘッドに手元切り替えスイッチがついているかどうかで、シャンプー時の頭の洗いやすさは変わってきます。

水栓が、シャンプーなどの泡がついた手で触っても操作しやすい形状になっているかどうかも、大事なチェックポイントです。

4:システムバスを省エネ性でチェックする

浴槽が省エネ仕様になっているかどうかもひとつのチェックポイントです。

お風呂場は、家の中で一番水を使う場所です。さらにお湯を沸かすのにガスを使用しますから、長い目でみれば省エネ仕様かどうかで光熱費が随分と変わってきます。

省エネ性は、例えば、浴槽内のお湯の保温性をみても確認できますし、洗い場についているシャワーヘッドが適当な節水型になっているかどうかなどでも計る事が出来ます。

また浴槽も工夫された形になっていて、節湯できる仕様になっているのかどうかも確認すると良いでしょう。

5:システムバスを機能的デザイン性でチェックする

浴室の機能性のチェック項目の最後に、機能的側面から見たデザイン性でシステムバスをチェックする事も大事です。ほとんどの機能的デザイン性はオプションで追加する事になりますが、それぞれをきちんとチェックする事が非常に大事です。

例えば浴室でテレビを見たい場合は、浴室内に埋め込み式のテレビを設置する事が検討されるでしょうし、よりリラックスできる空間を演出する為に間接照明やダウンライトなどを設置するのも良いと思います。

ミストサウナや、打たせ湯機能、浴槽にジェットバス機能をつけるのもいいでしょうし、浴室が広いシステムバスを選ぶ際は、浴槽の広さを重視するのか、洗い場の広さを重視するのかを検討する事も大事です。

システムバスの選び方2:システムバスの仕様をチェックする

いつでも快適なシステムバスにする為には、浴室を常に清潔に保つ必要があります。ここでは浴室を常に快適な空間にするために必要なユニットバスの仕様についてお話していきます。

ここでのポイントは主に2つで、浴室乾燥暖房機が装備されているか、また掃除がしやすい工夫がされているかです。

浴室乾燥暖房機とは

浴室乾燥暖房 画像:東京ガス

浴室乾燥暖房機とは、換気、暖房、乾燥、涼風によって浴室を快適で清潔に使う為の機械の事です。浴室乾燥暖房機には電気ヒーター方式のものと、温水方式のものの2種類あります。

また、浴室乾燥暖房機の形状は天井に埋め込まれるタイプの「天井埋め込み型」と、壁に取り付けるタイプの「壁取り付け型」があります。

浴室乾燥暖房機は一般的には1〜1.5坪程度の広さで気密性、断熱性が高いユニットバスへの取り付けが推奨されており、天井が低く、浴室が広すぎないほうが性能を充分に発揮できるとされています。

浴室乾燥暖房機の機能

浴室乾燥暖房機には主に4つの機能があります。

1:乾燥

浴室乾燥暖房機の1つめの機能は浴室乾燥機能です。

浴室は家の中で一番湿度が高い場所のため、乾燥機能を使う事で、カビはもちろん嫌な臭いの発生を抑える事が出来ます。またお風呂場で衣類を乾燥させる際にも使う事が出来ます。

特に陰干しした方が良い衣類や、ウールなどの繊細な素材、濡れた靴を乾燥させる時は浴室乾燥機能は重宝します。

2:暖房

浴室乾燥暖房機の2つめの機能は浴室暖房機能です。

浴室暖房機能を使う事で浴室内を全体に均等に暖め、寒さの辛い冬の浴室を自然と暖めてくれます。

浴室暖房機能を使えば、浴室内と、入浴の際のお湯の温度との温度差を少なくできるので、ヒートショックなどを引き起こす元となる急激な温度変化をやわらげてくれます。

3:換気

浴室乾燥暖房機の3つめの機能は浴室換気機能です。

24時間換気機能付きの浴室乾燥暖房機の場合は、それぞれの部屋の給気口から給気し、トイレや洗面所などの集中換気を行ないます。

計画換気により、室内に新鮮な空気を取り込む事が出来ます。

4:涼風

浴室乾燥暖房機の4つめの機能は浴室涼風機能です。

湿気のたまりやすい浴室内で、湿気を排出しながら涼しい風を浴室内に送り込んでくれます。

涼風機能を使う事で真夏の暑い日でも、暑さをやわらげる事が出来、夏でも快適に入浴する事ができます。

掃除のしやすい仕様かどうかのチェックポイント

つづいて浴室の掃除がしやすい仕様になっているかどうかのチェックポイントについて書いていきます。

◎鏡は水垢がつきにくいものになっているか

鏡に付着する水垢は完全に防ぐ事は出来ません。

水垢は、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが鏡に付着し結晶化してしまうことや、シャンプーや石鹸などのカスが鏡に付着し蓄積していくことが原因です。

それらの汚れは、鏡に付いたシャンプーなどの泡をしっかり洗い落としたり、鏡に水滴が残らないように拭き取ることで、ある程度は防ぐ事が出来ますが、どんなに丁寧に掃除やメンテナンスを繰り返しても、使用するにつれてどうしても水垢はついてしまいます。

しかし水をはじく撥水材(フッ素コーティングなど)で水垢をつきにくくする事は出来るので、そうした汚れがつきにくい仕様になっているかどうかを確認してください。

◎床は乾きやすく、汚れが落ちやすい仕様か

床が乾きやすいかも大事なチェックポイントのひとつです。

浴室は水気が多い場所ですので、水はけが悪く、さらに乾きにくい床になっていると汚れが蓄積される他、すぐにカビが生じてしまい、使い勝手の悪い浴室になってしまう恐れがあります。

システムバスの場合は、ショールームに足を運ぶ事で、実際にみて触って確かめる事が出来るので、実際に確かめるようにしてください。

◎排水口は汚れがまとまる形状か

浴槽洗い場の排水口は汚れがたまりやすく、カビが繁殖しやすい場所のひとつです。

洗い場の排水口は放っておくと、すぐに髪の毛がたまり、ヌメりが生じてきます。また汚れがたまってくると排水口が詰まり、上手く排水できなくなってしまいます。

現在は、排水口にたまった汚れが、簡単に捨てやすいように工夫されているものが主流となっていますが、念のため排水口にたまったゴミがまとまりやすく簡単に捨てやすい仕様になっているかをチェックしてください。

◎カウンターは水はけが良い仕様になっているか

カウンターの水はけの良さも必ずチェックしてください。

カウンターは浴室の中で水がたまりやすく汚れが蓄積しやすい場所のひとつです。

またカウンターが取り外し出来るのかどうかもひとつのチェックポイントとなります。

お風呂場を清潔で綺麗に保つ為のコツ

お風呂場を清潔な空間に保つには、日々の掃除が不可欠です。

そうはいっても毎日、充分に掃除をする時間が取れるわけではないと思いますので、ここでは最低限抑えておきたい、浴室を清潔に保つ3つのポイントについて端的にお話していきます。

お風呂場を綺麗に保つコツ1:使用後は、壁や床に冷水をかける

お風呂を使った後は、壁や床に冷水をかけるようにしてください。冷水をかける事で、浴室内の温度を下げ、壁や床についた汚れを落とす効果があります。

たった一手間、冷水をかけるだけで浴室を綺麗に保てる期間が随分違ってきます。

お風呂場を綺麗に保つコツ2:乾いたタオルなどで浴室内の水分を充分に拭き取る

浴室内の水分は、出来るだけ充分に拭き取るようにしてください。完全に取り切る事は難しいと思いますので、最低限、水はけが悪い場所や、汚れがたまりやすい場所は乾いたタオルなどでこまめに拭き取るようにしてください。

お風呂場を綺麗に保つコツ3:排水口のゴミはこまめに捨てる

最後に排水口にたまったゴミは、カビの栄養源となるので、排水口のゴミはこまめに捨てるようにしてください。排水口にたまったゴミは、できるだけ毎日捨てるようにしてください。

システムバスの選び方3:システムバスの配色を検討する

システムバスの機能性と仕様をチェックしたら最後に配色をチェックする必要があります。

デザイン性を優先するのなら別ですが、使い勝手の良さを左右する機能性で考えると、浴室の配色もしっかり考える必要があります。

ここでは主に、機能性から見た浴室の配色についてお話していきます。

1:汚れが目立ちにくい色を使っているか

一般的に、濃い色を使用すると汚れが目立ちやすいとされています。特に浴室の汚れは水垢などの薄い色合いの汚れが多いため、浴室に濃い色を持ってくると、どうしても汚れが目立ちやすくなってしまいます。

清掃の頻度が高い場合はあまり関係ありませんが、浴室に濃い色を持ってくるとデザイン性が高くなり落ち着いた雰囲気に仕上げることが出来ますが、薄い汚れがかなり目立つようになります。

あまり浴室の掃除をしない場合は、薄い色をもってくると汚れが目立ちにくくなりますので家庭環境に合わせて選ぶと良いと思います。

2:照明の色

浴室は北側に配置される事が多いので、あまり陽当たりが良くなく暗い空間になりがちです。

ショールームに展示されている浴室は明るく見えるので、実際に設置した時にどの程度の明るさなのかも確認しておく事が大事です。

照明次第で、浴室の印象や使い勝手が随分と変わるので、しっかりとチェックするようにしてください。

3:洗面所や脱衣所との相性で選ぶ

洗面所や脱衣所との相性で、浴室の色を選ぶ方法は2つあります。

1つめは、洗面所や脱衣所に対し、浴室の印象をガラっと変える方法、2つめは、洗面所、脱衣所、浴室を同じような配色にし連続した空間にする方法です。

これらの配色の違いは好みの問題ですが、同系色にすると空間に広がりが生まれるのに対して、異系色にすると空間にアクセントが生まれ引き締めることができます。

浴室プランのポイント

つづいて浴室プランのポイントについて書いていきます。浴室を決める場合は、下記の順番で計画して頂くと、スムーズにプランニングできると思います。

◎浴室プランのポイント1:システムバスか、造作風呂か

浴室プランで、まず、はじめに決めたいのはシステムバスにするのか、造作風呂にするのかということです。

例えば、家の間取り上、変形した形の浴室を作らなければならない場合は、必然的に造作風呂にする必要が出てくるでしょうし、お風呂に対して細かいところまで自分の思い通りにしたいという方も造作風呂にする必要があります。

一方で、2階に浴室を設置する場合、防水性などの機能面の問題からシステムバスを使用する機会が多いでしょうし、快適性と機能性をできるだけ損なう事なく、バランスのとれた浴室にしたい場合もシステムバスを採用する機会が多いと思います。

浴室プランは特に条件によって変わってきますし、どの配置に浴室をもってくるのかによって大きく変わってきます。ですから、それぞれの家庭の都合や、住宅環境によってケースごとに考える必要があります。

◎浴室プランのポイント2:浴槽の種類とサイズを決める

浴室をプランニングする手順で、一般的に最初に決める仕様は、希望する「浴槽のサイズ」です。浴槽のサイズを決めた上で、浴室全体の細かい設備を決めていきます。

浴槽のサイズについては前述した通りで、この記事内にある「浴室の標準的な広さについて」を参考に決めてください。

ここの「浴槽の種類とサイズを決める」の項目では、主に浴室プランで必要な「浴槽の種類」について書いていきます。

浴槽には3つの種類があり、下記にそれぞれの浴槽と、その特徴を書いていきますので浴槽選びの参考にしてください。

※「浴槽のタイプ」には日本で一般的な「埋め込み型」の浴槽と、欧米で一般的な足付き「据え置き型」の舟形浴槽(ふながたよくそう)がありますが、舟形浴槽の場合は浴室を造作する必要があります。

・浴槽の種類1:和風浴槽

和風浴槽

和風浴槽とは、深さがたっぷりと取られている浴槽で、浴槽の底に座り、肩の部分までゆったりとお湯につかれる、座浴スタイルの浴槽のことをいいます。

浴槽自体の長さが短いため狭い浴室でも使用する事が出来ます。

・浴槽の種類2:洋風浴槽

洋風浴槽

洋風浴槽とは、深さはあまりありませんが、そのかわり長さがたっぷりと取られている浴槽です。

背もたれに角度がついているため、足を伸ばしてお湯につかれる浴槽です。

和風浴槽と違い足を伸ばして肩までつかり体全体を暖める事が出来ます。

・浴槽の種類3:和洋折衷浴槽

和洋折衷浴槽

和洋折衷浴槽とは、和風の深さと、洋風の長さ、両方を取り入れた浴槽です。

和風浴槽に匹敵する深さがあるため肩までたっぷりとつかる事が出来る他、洋風浴槽に匹敵する浴槽の長さもあるので適度に足を伸ばせるのが特徴の浴槽です。

日本では、この和洋折衷型の浴槽が広く普及しています。

◎浴室プランのポイント3:窓のプランニングをする

浴室内の窓については、「採光」と「通風」の機能を重視するべきですが、人によっては「視認」の機能を追加する事で快適な空間にしたい方もいらっしゃいます。

浴室の窓で「視認」の機能を付ける場合は、外から丸見えにならないようにプライバシーの確保が出来るかどうかをしっかりと確認してください。

また、浴槽につかりながら眺められる中庭をつくる場合は、隣の家からみえないように柵などで囲うようにしてください。

浴槽の窓のひとつのアイデアとしては、浴槽脇に出窓をつけると入浴時のお湯につかった時に、浴室に広がりを感じられるので、そうした工夫を取り入れてみてもいいかもしれません。

◎浴室プランのポイント4:仕様を決める

最後に浴室内の細かい仕様を決めていきます。例えば洗面室との間仕切りに、一般的な壁ではなく、ガラスの間仕切りにするなどの仕様もここに含まれます。

ガラスの間仕切りにする事で、洗面所から浴室が丸見えになってしまいますが、広々とした空間を演出できます。また浴室乾燥暖房機をつければ、一年中快適にお風呂に入る事が出来ます。

・浴室の仕様1:シャワーの種類

シャワーの種類は、手に持つ事が出来る「ハンドシャワー」と、固定して使う固定式の「固定シャワー」があります。

人間が快適に感じるシャワーの温度は42度程度と言われており、快適に感じる湯量は1分間に12リットル前後とされています。また水圧は0.5Mpa以上を確保することが好ましいとされています。

シャワー水栓には、水圧や水流が変化した時でも、自動で湯水の割合を調整し、常に一定の温度を保って給湯する方式の「サーモスタット式」とよばれるものや、レバーを左右に回転させる事で湯温の調整をし、吐水、止水、温度調整を行なう「シングルレバー式」と呼ばれる水栓があります。

※海外製品は、大水量で高圧力のものが多いので注意してください。

・浴室シャワーの種類1:ハンドシャワー

ハンドシャワーとは、シャワーヘッドを手で自由に動かしてお湯の出る方向を変えて使用できるタイプのシャワーのことです。

一般的に用いられているシャワーがこのハンドシャワーにあたります。

・浴室シャワーの種類2:固定シャワー

固定シャワーとは、シャワーヘッドが主に頭上に固定されて、一定の方向にしか水が出ないようにされているシャワーのことです。

海水浴場や海外のビーチリゾートホテルの浴室でよくみられ、多くの場合頭の上から、体全体にシャワーを浴びる際に使用します。

・浴室シャワーの種類3:固定+ハンドシャワー

固定シャワーとハンドシャワーを両方つけたタイプのシャワーが、固定+ハンドシャワーです。

用途に応じてそれぞれのシャワーを使い分けられるので便利なシャワータイプと言えます。

◎浴室の仕様2:吐水(とすい)の種類

吐水とは水栓から水を出すことを言いますが、一般的な家庭で選択される吐水には主に3種類の機能があります。吐水方法の違いで使い心地が大きく左右されます。

・吐水の種類1:ミスト吐水

ミスト吐水は、広範囲を霧状に吐水するタイプです。

霧状(ミスト)にすることで体全体を包み込むように、効果的に暖めてくれます。

ミスト吐水は、毛穴の奥の汚れを効果的に落としてくれると言われています。

・吐水の種類2:マッサージ吐水

マッサージ吐水は、強力な水流を断続的に吐水するタイプです。

強力な水流が肌を刺激し、心地よいマッサージ感が得られ、血流をよくしてくれます。

・吐水の種類3:スプレー吐水

スプレー吐水は、適度な勢いと水流のボリュームがあり、スッキリとした爽快感が得られるタイプです。

一般的な家庭で良く用いられているタイプの吐水は、このスプレー吐水です。

◎浴室の仕様3:浴室乾燥暖房機(浴室暖房乾燥機)

浴室乾燥機と浴室暖房機の性能を兼ね備えたもので、乾燥機能では、換気を促したり、湿度の調整が出来るため、浴室内のカビを抑止したり浴室内の換気を促す事が出来ます。

また暖房機能では、浴室内の温度を調整し、お風呂のお湯につかっている時と、洗い場で体を洗う時の温度差を少なくしてくれます。

なお、浴室乾燥機と浴室暖房機は別に設置する事もできます。

◎浴室の仕様4:ミストサウナ

ミストサウナとは、湿式低温サウナのことで、浴室内に蒸気を発生させ、相対湿度を100%にし、室温を40度前後に保つことで、一般的な高温のサウナに比べて、カラダに負担をかけずに利用できる蒸し風呂のことです。

ミストサウナの特徴は長時間入っていても息苦しさを感じる事が少なく、湿度が高いため、低温でも熱がカラダに伝わりやすい部分にあります。

ミストサウナで期待できる効果は美容効果です。

ミストサウナは、じわじわとカラダが暖められることで発汗量が増えるため、少しずつ毛穴が開いて汚れが落ちやすくなり、汗と一緒に分泌される皮脂が肌の乾燥を防ぎ、潤いを与えてくれるので健康や美容に良いと言われています。

まとめ:快適な浴室を作る時の注意点と9つのポイント

今回の記事では、快適な浴室をつくるためのポイントをお話しました。

浴室の3つのつくり方からはじまり、それぞれの浴室の種類の特徴をはじめ、価格の違い、それぞれのメリットやデメリットと注意点なども様々な視点からお話しました。

今回お話した9つのポイントとは

1:お風呂の配置はどうするのか?
2:お風呂の窓の位置はどうするのか?

をはじめとして、システムバスを選ぶ際は

3:システムバスを機能性でチェックする
4:システムバスの仕様をチェックする
5:システムバスの配色を検討する

さらに浴室プランを決める際のポイントとして

6:システムバスか、造作風呂か
7:浴槽の種類とサイズを決める
8:窓のプランニングをする
9:仕様を決める

を、検討する必要がある事をお話しました。

その中でも特に、浴室を快適な空間にする為に気をつけたいのが、浴室の配置と窓の位置です。

例えば、本文でも述べましたが、2階に浴室を配置する場合は、特に洗濯動線に気を配る必要があります。2階のバルコニーに干すか、洗濯機能を1階に持ってくるなどの工夫を施さないと非常に不便な動線になってしまう恐れがあります。

また、浴室を北側に配置する場合は、陽当たりが期待できないので、湿気が原因によるカビ対策が必要です。風通しの良さを含んだ浴室内の、適切な場所に窓を配置したり、浴室乾燥暖房機などを設置し換気を促す必要があります。

一方で、南側に浴室を配置する場合は全体のバランスを考えた家づくりをしないと、浴室の配置の為に家のバランスが崩れ、居心地の悪い空間になる可能性があるので注意する必要もあります。

つまり浴室の間取りを失敗してしまうと、その他の間取りにも影響し、家全体のプランが崩れてしまう恐れがあります。

お風呂は毎日使うもので、1日の出来事を振り返ったり、体を休める場所になるので、今回の記事を読み、注意すべきところは気をつけて、是非こだわりのある快適な空間にしていってください。

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