ベトナムにローコストで、しかも建物のほとんどにおいて竹を使用し建てられた家があります。
ベトナムは高温多雨で熱帯モンスーン気候に属しており嵐や洪水など自然災害の多い地域でもあります。
そんなベトナムにおいてこのほとんどが竹で出来た新しい住宅「Blooming Bamboo Home」はベトナムの地域を考慮した様々な工夫が施され、今後の新しいベトナムの住宅になりうるのではないかということで注目されています。
このほとんどが竹で出来た家「Blooming Bamboo Home」はH&P Architects（http://www.hpa.vn）によって設計されました。
低コストで完成した竹でできた家の概要と外観
雨の多いベトナム。それを考慮してつくられたこの竹で出来た建物は、洪水になってもたまった水を堰き止めることなく建物の下を通過していくように創られています。
また、高床式になっておりその高さは1,5mの洪水にも堪えられる高さに設計されています。この建物には写真の右端に見えるはしごをつたうことで昇ることができます。
この建物のほとんどにおいて竹が使われており、見た目にも涼しい建築物となっています。夜になるとライトアップされる姿は、鮮やかでどことなくエキゾチックな味わいを建物全体からかもし出しているといえましょう。
ちなみに、竹の直径は８センチから１０センチのものがスタンダードとして使われていますが、場合によっては調整することも可能だそうです。
低コストで完成した竹でできた家の内観
上の写真がリビングにあたります。竹の隙間からこもれでる灯りが非常に幻想的に辺りを照らし出しています。また日光が強いベトナムにおいて、直射日光をさけることができ、優しい灯りを建物内部に取り込んでくれる効果もあります。
さらに建物の床から壁、至る所に竹が使われています。家具もまた、すべて竹で出来ているようですね。
高温だけではなく、湿気の多いベトナムにおいて風の通り道をつくることは非常に重要。
そんな高温多湿なベトナムの気候を考慮し、至る所に風の通り道がつくられています。
ひとつひとつのドアも非常に大きく、広く開け放つことができるように設計されています。
建物に備え付けられた竹で簡単な植物を栽培することも可能。大きくなれば植物のカーテンとしても使用することができそうですね。
こちらはベッドルームです。ベッドも竹で出来ているようです。
実はこの建物、二階もあります。二階には写真右側のはしごをつたうことであがることができます。
そしてこちらが二階全体の写真。建物の屋根までもが広く開け放たれている部分が特に印象的ですね。
こうすることにより、風の通り道をつくり、涼しい風を建物内部に運んでくれるよう設計されています。
もちろん、屋根は閉じることも出来ます。雨の日はとじ、日が照り、蒸し暑い日は開け放ち、風を取り込む。
まさしく自然と共に生きる家と言えましょう。
三角に形作られた屋根。気持ちよく過ごすことができそうです。
ちなみにこのスペースでは勉強をしたり、お祈りをすることができるようです。
こちらは一階からみた時の二階部分の写真です。ほとんどが竹で出来ているとは思えない程しっかりしたつくりになっています。
こちらも同じく、一階から二階をみた時の写真。
続いて今度は二階から一階のリビングをみた時の写真です。結構な高さがありますね。
別の角度からみるとこんな感じ。
雨の日は左の写真のように全てを閉じ、空が晴れれば右側の写真のように変形することができます。可動式なのが非常に嬉しいですね。
こちらは建物が出来上がるまでの図。将来的に増築することも可能なようですね。素晴らしい。
低コストで完成した竹でできた家の間取りがわかる見取図
細かな間取りは上の写真から。生活する分には、充分な程ぎっしりと機能が詰め込まれています。
設計元のH&P Architectsでは現在は3mの洪水にも堪えられるようなモデルを実験中とのこと。家、医療施設、コミュニティースペース、学校などで使用することも考えてつくられているとのことです。
一棟建てるのに必要なコストは2500$。しかもたったの２５日で建てることの出来るこの家は、将来的にベトナムの幾つかの地域で生きる人々にとってスタンダードな存在になるかもしれません。
設計事務所：HPA | H&P Architects（http://www.hpa.vn）
ONE PROJECT編集部 オススメ記事：
・世界中の住宅建築を知り尽くした住宅建築のプロによる、世界に一つだけのこだわりの家のつくりかたを探している方はこちらの記事を合わせてお読みください。
＞＞＞理想の家づくりに向けて
・世界中の住宅建築のデザインをお探しの方は合わせてこちらをお読みください。
＞＞＞世界の住宅建築
▼参考：（外部サイト）
Blooming Bamboo Home by H&P Architects
