風を受けることで開展する「風車」と時間を計る為に使用する「時計」に関連性を持たせることで新しいデザインとして生まれ変わらせることに成功した時計があります。
それが今回紹介する風車のような時計「kazadokei」。風を受けて回転する「風車」と時間を受けて回転する「時計」を感覚的にリンクさせた、時間を体感するための装置となっています。
まずはラフスケッチから。「kazadokei」には一般的な時計と同じように3つの針がついておりそれぞれが、秒針、分針、時針として機能しています。
また右に書かれてあるように「時間」=「風」というコンセプトをもっています。
それで出来たのが上の写真の「kazadokei」。インテリア用の壁掛型や置型の時計ではなく、ビルや公園などで使われる大時計の内部機構を応用した高さ2メートル、秒針の長さが1.5メートルの時計となっています。
時計の部分をアップで見るとこんな感じに。風のように颯爽としたシャープな印象を持ちつつも、時計の機能を失わない見事なデザインと言えます。
「kazadokei」はデザインとしての面白さも同時に感覚的に感じることの出来る非常に優れたデザインのひとつだと思います。
真っ正面から見るとこんなデザインにうつります。風車のような、それでいて時計のような・・・不思議なデザインです。
後ろから見るとこんな感じ。シャープな印象はそのままで、機能以外の余計なものは一切省いたデザインです。
「kazadokei」が本領を発揮するのは複数並んだ時。もちろん単体でもインパクトのあるデザインですが、複数横に並べることでその印象はぐっと強くなります。
上の写真のように複数の時計を一列に並べ、ピタリと同じ時を刻み続けることで風車が並ぶ丘のような風景になることを想定してつくられました。
上の写真は「東京都現代美術館(MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO)」の様子。
nendoの公式ページによる見解によると「kazadokei」は、「時計の存在価値が機能性から、嗜好性や意匠性へと変化し、それと比例するように時間に対する感覚が麻痺しつつある現状に対して、風を受けて回転する「風車」と時間を受けて回転する「時計」を感覚的にリンクさせた、時間を体感するための装置」だそう。
この「kazadokei」は、非常に面白い試みだと思います。
▼参考:
kazadokei | nendo(http://www.nendo.jp/jp/works/kazadokei/?release)