壁掛けエアコンの場合、何も考えないでつけてしまうと、エアコンが妙に主張してしまう、おしゃれとは言えない空間になってしまうことがあります。
特に吹き抜けのような広い空間にエアコンを設置する場合は、エアコンも大型化しやすく、エアコンの部分だけが主張しすぎてしまい、お世辞にもおしゃれとは言い難い空間が出来上がってしまったりします。
そこで今回の記事ではおしゃれなエアコンの取り付け方とおしゃれに見えるエアコンの取り付け位置について解説していこうと思います。
Contents
エアコンの取り付け位置の基本
あまり知られていませんが、エアコンの取り付け位置は、2通りの方法があります。
【エアコンの取り付け位置は2通り】
1:壁掛けエアコン
2:床置きエアコン
壁掛けエアコンとは
壁掛けエアコンは一般的に普及している壁にかけて高いところから送風するタイプのエアコンのことです。
メリットとしては部屋全体に送風しやすくなりますが、壁からでっぱる形になるため見た目のデザインがあまり良くないデメリットがあります。
2:床置きエアコン
床置きエアコンとは床に置いて温風を上方向に送り床面近くに降りてきた空気を吸い込むタイプのエアコンのことです。
メリットとしては家具などのように置くことができ、またデザイン性も高いものも多いですが、デメリットとして低い位置にあることで送風がしづらく効果的にするには置き場所が限られること、さらに価格が高価な点が挙げられます。
床置きエアコンは薄型のものが多いため、壁に埋め込むことも簡単ですし、高さが大体700mm前後、幅もそこまでとらず大体800mm程度には納まることも多いので建具や、家具のデザインとも合わせやすいと思います。
エアコンの取り付け位置で空間をおしゃれに見せるコツ
ここからは、エアコンの取り付け位置を変えて空間をおしゃれに見せるコツについて解説していきます。
【エアコンの取り付け位置で空間をおしゃれに見せる5つのコツ】
1:【壁掛け】ニッチをつくりエアコンを埋める
2:【壁掛け】エアコンの上下を開けて蓋をする
3:【壁掛け】エアコンを吊り戸棚で隠す
4:【床置き】スキップフロアの階段踊り場に設置する
5:【床置き】建具の幅に合わせて目立たないようにする
1:【壁掛け】ニッチをつくりエアコンを埋める
空間をおしゃれに見せるエアコンの取り付け方の、まず一つ目の方法は、壁にニッチ(くぼみ)をつけてその中にエアコンを埋めるというやり方です。
エアコンは上から空気を吸い込み、下から送風するのが一般的ですから、エアコンの上下の部分に隙間を開けて露出させることが必要になりますが、壁にニッチをつくりニッチの中に埋めるとエアコンの存在が目立たなくなります。
このとき、壁面とエアコンの前面が平らになるように設計してあげると、より納まりが良くなり、インテリアデザインを綺麗に見せることができるようになります。
注意点1:ニッチをつくると外壁をふかす必要がある
ただこの方法では外壁を外側に向けて、ふかしてあげなければならなくなるので、何も考えずに設計してしまうと外観の一部が出っ張ってしまい、外観デザイン上おかしな形になってしまいます。
これを防ぐためには、リビングダイニングには、テラスなどを設けて出っ張っていることを見せないようにすると良いと思います。
注意点2:エアコン下部にはテーパーをつける
エアコンの下部は空気の送風口となるため、ニッチの部分を四角くデザインしてしまうとうまく送風することができなくなってしまいます。
エアコンの故障にも繋がりかねませんので、必ずエアコンの下部にはそう風を邪魔しないようにテーパー(角度)をつけて設置するようにして下さい。
2:【壁掛け】エアコンの上下を開けて蓋をする
ニッチをつくるとエアコンそのものを綺麗に納めることができますが、それだけ予算もかかってしまうし、どうしてもニッチがつくれないというケースもあるかと思います。
そんな場合は蓋をするしかありません。
デザイン的に統一されたものになるよう、またインテリアの水平ラインを揃えることを意識して設置すれば、インテリアデザインと調和するので、エアコンだけが主張するといったようなことがなくなります。
注意点1:エアコンの上下は絶対にふさがない
エアコンは機器の上下で空気を循環させ、室内の空気を冷やしていきます。
そのためエアコン機器の上下を塞いでしまうと、風の通り道がなくなってしまったり、給気口と排気口の位置が近すぎて狭い空間で空気が循環してしまうショートサーキットを起こしてしまうこともあるので注意して下さい。
またデザインが良くなったとしても、エアコンの故障の原因にもなってしまいますので注意して下さい。
注意点2:全面を隠してしまうとセンサー機能が働かなくなる
センサー機能がついているエアコンの場合、エアコンの前面全部を隠してしまうと、センサーが働かなくなります。
センサー機能がついているエアコンを使う場合や今後のことを見据えた場合は慎重に計画するようにして下さい。
注意点3:取り外しができるようにしておく
蓋をするタイプを選んだとしても、必ず取り外しができるようにしておいて下さい。
エアコンの掃除や、エアコンを取り替えたり修理したりするときに、蓋を壊してからでないとできないようにしてしまった場合は、費用の面でも大変になりますので、必ず取り外しがきくものを取り付けるようにして下さい。
3:【壁掛け】エアコンを吊り戸棚で隠す
また、デザイン性と、実用性を兼ね備えたインテリアにしたいのであれば、エアコンを吊り戸棚で隠してしまうという方法もあります。
壁掛けエアコンの高さと水平ラインで揃うようにして、横に長い連続した吊り戸棚を設置すれば、あたかも壁に設置された収納の一部のように見せることができます。
このときエアコンにかぶせる蓋は左右の収納棚の側面から持ち出すようにして納めると、蓋を取ることも簡単になりますので、掃除や点検をするとき楽になります。
注意点1:バランスを考えて位置を決める
壁掛けエアコンを取り付ける場合は、他の家具や周辺の照明などの関係と合わせて検討するようにして下さい。
エアコンの空間だけが浮かないように設計するのが大事なポイントです。
注意点2:エアコン前面を開けられるように設計する
エアコンを隠すこともできれば、隠さないこともできると言った、フタの納まりを使い分けられるデザインにすると良いと思います。
こうした使い分けができるように設定してるとセンサーなどがついた場合でも、センサーを使う時と、使わない時の使い分けができるようになるので、実用性が高まると思います。
(何度も言いますがデザイン性と実用性はトレードオフの関係にあることが多いのです・・・)
4:【床置き】スキップフロアの階段踊り場に設置する
床置き型のエアコンの場合は目立たないように、目立たない場所に設置するといいと思います。
また床置き型のエアコンは、特殊な間取りで性能を発揮しやすくなります。
例えばスキップフロアの間取りにした場合、一段の階段の蹴上が200mm程度となることが一般的です。
床置き型のエアコンの高さは大体600〜700mmが一般的なので、スキップフロアの階段の4段から5段程度の踊り場部分に格納する形で床置きのエアコンを設置すればインテリアとしてエアコンが溶け込むようになります。
つまりはスキップフロアと床置き型のエアコンは非常に相性が良いのです。
注意点:暖気ぬきが必要になる
階段の蹴上を利用してエアコンを設置する場合上部に放熱するための暖気ぬきをつくる必要があります。
そのため、階段の天板部分の強度が問題になることもありますので注意して下さい。
5:【床置き】建具の幅に合わせて目立たないようにする
床置き型のエアコンは横幅がコンパクトなものが多いので、壁の中にすっきりと納められれることが多くなります。
そのため、建具の幅に合わせて壁の中に床置き型エアコンそのものを埋め込み、目立たなくすることも簡単にできます。
床置き型のエアコンは奥行きも小さくなりますので、一般的な建具をつくるのとあまり変わらずに、建具のデザインに合わせて設置できますのでぜひ検討してみて下さい。
まとめ
今回の記事ではエアコンの取り付け方を工夫して空間をおしゃれに見せる5つのコツについて解説してきました。
【エアコンの取り付け位置で空間をおしゃれに見せる5つのコツ】
1:【壁掛け】ニッチをつくりエアコンを埋める
2:【壁掛け】エアコンの上下を開けて蓋をする
3:【壁掛け】エアコンを吊り戸棚で隠す
4:【床置き】スキップフロアの階段踊り場に設置する
5:【床置き】建具の幅に合わせて目立たないようにする
間取りによって、相性の良いやり方と相性があまり良くないやり方があるかと思いますが、今回のポイントをおさえていただければ、エアコンが主張しすぎない空間を設計できると思います。
ぜひ、取り入れていただいて、おしゃれな家となるように工夫して行ってみて下さい。