これはまた、非常に面白い杖のデザインです。
杖(つえ、Wand)とは、細長くまっすぐな、手で持つのに適した道具で、長くて自分の足の長さ程度のものを言います。
その杖にお年寄りのことを考え幾つもの機能を持たせ新たなデザインを加えたものが今回紹介する多機能な杖「Together Canes」です。
この杖「Together Canes」は2人組デュオのデザイナーLanzavecchia + Waiによってデザインされました。
上の写真がお年寄りのことを考えた多機能杖「Together Canes」です。3つのタイプがありI-cane、U-caneそれにT-caneというタイプの杖があります。
それぞれ別の機能を兼ね備えており、どれも非常にシンプルですが実用性の高い非常に優れたアイデアのデザインとなっています。
上の写真が多機能杖「Together Canes」をアップしたもの。左からI-cane、U-caneそれにT-caneとなっています。
もちろん前に言ったようにそれぞれに特別の機能が持たされています。それではどんな機能なのかを見ていくこととしましょう。
まずは一番左のI-caneと呼ばれる「I」タイプのもの。「I」タイプのものはお茶や紅茶等のティーカップを運ぶ為のトレイがついています。これにより、お年寄りの方に簡単にお茶や紅茶等を運んで頂くことが出来るようになっています。
次に、中央のU-caneと呼ばれる「U」タイプのものですが実はこれ下部にバスケットがついており、それがマガジンホルダーになっています。雑誌だけでなく中にいろいろなものを入れて持ち運ぶことが出来るように工夫がされています。
最後に、一番右のT-caneと呼ばれる「T」タイプのもの。これはiPadなどのタブレットを置く為のホルダーがついているタイプの杖となっています。座った時にちょうどいい位置にタブレットを置くことが出来、そのままインターネットに繋げることで情報検索やメールなどを楽しむことが出来るようになっています。
そしてこれらの杖はすべて車輪がついておりころころと転がして持ち運ぶことが出来るように設計されています。
「I」タイプのものを実際に使うとこんな感じ。座った時にちょうどいい位置にトレイが配置されており、スマートに紅茶を飲むことができます。非常に優秀なデザインです。
続いてこちらは「U」タイプ。いろいろなものをバスケットに入れ運ぶことが出来るようになっています。
最後にこちらは「Tタイプ」。よくみると台の上に凹みがあり、タブレットが落下しないように工夫されています。
今ある物同士を組み合わせることで付加価値を加え、新たなデザインとして提案する・・・そう考えるといろんな組み合わせのデザインがうまれてきます。
ただ、斬新なデザインを追い求めるのではなく今あるデザインの組み合わせによって新しいデザインを生み出す。
それもデザインとしての立派なひとつの方法です。
▼参考:(外部サイト)
No Country For Old Men by Lanzavecchia + Wai – Dezeen
Lanzavecchia + Wai | Italy & Singapore » No Country for Old Men – Together