屋根が開く、3mCUBEのセカンドハウス「PACO」。
あなたはこの3×3×3の大きさの四角い箱に何を思い描くでしょうか。畳に換算すると約4.5畳。約4.5畳程の限られたスペースにキッチン、トイレ、バスルームなど生活に欠かす事の出来ないスペースが確保されています。
生きる為に最低限必要な設備に絞り一ぬいた切の無駄がない3メートル四方の生活空間。それが今回紹介する不思議な箱「PACO」です。
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3mCUBEのセカンドハウス「PACO」の外観
これが外観。3メートル四方の立方体です。ところどころ気になる線が入っておりますが、この気になる切れ目は一体どんな工夫が施されているのか。また、内部はどうなっているのか。非常に気になりますね。
実際に設置されている横浜のお宅に訪問してみましょう。・・・ん?・・・庭先に白い物体のようなものがみえます。
「PACO」だ!・・・「PACO」です!本当に庭に「PACO」が設置されています!・・・意外とかっこいい。どうやら裏側にも線が入っていますね。ちょっと近寄ってみましょうか。
おっ!どうやらここが入り口のようです。そっとパコッちゃいますか。
じゃん!「PACO」がパコッと開きました。中がうっすらと確認できますね。
おお!それではこれから気になる「PACO」の中身について真面目に解説していきましょう。
3mCUBEのセカンドハウス「PACO」の9つの特徴
PACOの特徴 その1「可動ルーフ」
実は、PACOの屋根は開閉することが出来ます。
なんでも、屋根全部が開くのは世界でも例がないそうです。これは油圧シリンダーによって実現してるとのこと。
さらにすごいことにシリンダーは、人まで持ち上げる力があるそうで、しかもハンモックをブランコのように屋根にぶら下げることもできるため、寝ながら外の風景を楽しむことができるようです。
PACOの特徴 その2 「あかり」
実はPACOには、高輝度のLED照明を搭載しています。
その明るさや、たった二粒で60W電球並みの照度があるとのこと。コンパクトな箱の中におさまった「形を持たない」照明ですね。
さらに自然光を取り込む為の天窓も備え付けてあります。アクリルハニカムパネルを利用したトップライトだそうで、二層構造で間に蜂の巣上の空気層を挟むため、結露対策としても有効だそうです。
PACOの特徴 その3 「ハンモック」
形態保持性と弾力性を合わせ持つ新素材三次元立体編み物を使用した新タイプのハンモックです。旧来のハンモックのようにお尻が落ちたり、肩を圧迫しないため、長時間寝ても体は痛くならないとのこと。
こんなふうにハンモックをPACOにひっかけて・・・
ハンモックに揺られることができます。
可動ルーフを開閉すると、外の風を感じながらすやすやと眠りに落ちることも出来ます。
たまの休日に、あんまり気持ち良さそうに眠っていると奥様におこされてしまうかもしれませんね。
美しいハンモックです。白で統一しているのがまたいい感じ。
留め金のようなものがあり、そこにハンモックの輪っかをひっかけることで使用します。つまりPACOのハンモックも、一般的なハンモックと同じ要領で使えます。
畳とハンモック・・・とてもお似合いです。
PACOの特徴 その4 「キッチン」
贅沢な透明アクリル10mmのスケルトンキッチン。玄関脇にあって、外でバーベキューなどするときも簡単に利用できるそうです。
PACOはミニマリズムを感じさせる作品ですね。シンプルに蛇口はひとつ、シンクもひとつ。
こんなに小さいのに、まな板などを置くスペースもきちんと設けられています。
PACO内の写真です。玄関脇に設置してあるのがわかりますね。
う〜ん、非常に美しい。
PACOの特徴 その5 「トイレ」
そもそも用を足す行為は他人がいるから隠したくなり、トイレというスペースが存在します。一人なら隠す必要もなく、広いにこしたことはありません。一日数回のために限られたスペースを作るのではなく、使用時以外はふたを閉めることで、床代わりになります。
極めて挑戦的なトイレは床下に設置してあります。PACOだけに床をパコッと開くとあら不思議、トイレが隠されていました。
こんなトイレ今までみたことあるでしょうか。床に埋まっているにも関わらず、きちんとした様式トイレとなっています。
PACOの特徴 その6 「シャワー」
テレビを見ながら、音楽を聴きながらお茶をすするように自然にシャワーを浴びることを目指してデザインたそうです。
やわらかく透き通ったオーガンジーのシャワーカーテンで間仕切られ、シースルーでありながら、完璧に防水加工されているとのこと。
シャワーカーテンを使用しない時は、写真のように壁にぶらさげて収納することができるようです。また、椅子に座ってシャワーを浴びる事ができるよう、便器にはフタをとりつけているというこだわりよう。
さすがPACO。細かい部分にも配慮されています。
PACOの特徴 その7 「テーブル」
使用時以外は床としても利用できるため、邪魔になりません。使用するときは持ち上げて 90 度回転させるだけで簡単に設置が可能・・・さすがです。
普段は床に埋まっていますが、写真のようにPACOだけに一部床をパコッっと持ち上げることができます。
もちあげたら、くるりんぱと90°回転。
するとあ〜ら不思議。なんにもないところに机が設置されました。
オレンジジュースを飲みながら、ゆっくりとくつろいでいます。
日光を浴びたい時は、可動ルーフを開けば良いだけ。
いろんな工夫がされていますね。
PACOの特徴 その8 「エボキシ床」
エポキシを流し込んだ床は水をはった様な透明感があり、スケルトンキッチンと一体をなした、スケルトンフロアになっているとのこと。
エボキシ床がテカテカと照り輝いています。このエボキシ床の部分は、横浜のPACOでは、畳となっていましたね。
そうなんです。PACOはカスタマイズも可能な建物なんです。
PACOの特徴 その9 「寝室・収納」
テーブルユニットの下の掘りごたつ風の空間は、床下の広い空間へと繋がっています。
視線をずらすために嵩上げされた床下のスペースは、寝室としても倉庫としても利用することができるようです。
一番上の写真の下の方にあった建物の切れ目は、寝室だったんですね。
アップするとこんな感じ。この床下のスペースが寝室となっています。
床下のスペースで実際に寝るとこんな感じ。きちんと寝ることができます。
「あなた時間よ、起きて」「おはよう」の図。
3mCUBEのセカンドハウス「PACO」のまとめ
以上をまとめるとこんな感じに。この狭い居住空間によくこれだけのものを詰め込めたものです。
さてさて、PACOに関する、すべての謎が解けたので横浜のPACOからは退散するとしますか。
狭いながらも、その空間を無駄なく利用している巧みの技・・・ご覧頂けましたでしょうか。
仮設住宅のようなものとして機能しても面白いかもしれませんね。
横浜にあるPACOのように広い中庭の一部に、手軽なセカンドハウスとして設置しても面白いかもしれません。
ゆっくりと日が暮れていきます。
PACOが気になる方は以下の公式ページよりその詳細をご確認ください。価格は機能あるなしによりバラツキがあるので、公式ページよりご確認ください。
PACO公式ページ:スモール・セカンド・ハウス PACO(http://schemata.jp/paco/)
※公式ページは現在閉鎖されてしまっています。
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▼参考:(外部サイト)
schemata architecture office + jo nagasaka: paco