3階建て住宅は設計時に注意しておかなければならないことが2つほどあります。
今回は、3階建て住宅を建てるにあたって注意しなくてはならない2つのポイントについてお伝えしていきます。
Contents
3階建住宅を建てる注意点
それでは早速、プロの視点から見て3階建て住宅を建てる注意点についてお話ししていきます。
【3階建て住宅を建てる上で注意したい点】
1:建築基準法に注意する必要がある
2:木造住宅の3階建て住宅では屋上はやめておいたほうがいい
3階建て住宅で注意したい点1:建築基準法に注意する必要がある
3階建て住宅では建築基準法が定める規制に注意してください。
中でも下記の3点には特に注意する必要があります。
【3階建て住宅の建築基準法で注意するポイント】
・1:建物の高さ制限
・2:斜線制限や高度地区、日影規制
・3:敷地内通路と代替進入口
1:建物の高さ制限について
建築基準法では高さ制限が適用される地域があり、土地によっては建物の高さは10メートルまたは12メートルを超えることができないと定められています。
10メートルから12メートルの高さとなると、4階建てくらいの高さになるので、3階建て住宅では引っかかることはないかもしれませんが、こうした法規状の制限に引っかかっていない土地であるかは注意が必要となります。
建ぺい率と容積率について
また建築基準法では「建ぺい率」と「容積率」により、それぞれの土地に建てられる面積に上限が設けられています。
「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積の割合のことをいい、「容積率」とは敷地面積に対する延べ床面積の割合のことを言います。
【建ぺい率と容積率の違い】
建ぺい率=敷地面積に対する建築面積の割合【一階部分の面積】
容積率=敷地面積に対する延べ床面積の割合【各階の床面積の合計】
建ぺい率と容積率について詳しくは>>>家づくりで後悔しない為に抑えておきたい土地購入で役立つ5つの言葉
わかりやすいように例をあげます。
【例】
土地の広さ:66m2(約20坪)
建ぺい率:60%
容積率:300%
上記の例では土地の広さ66m2に対して、建ぺい率が60%ですから、建築面積の上限が約39m2(およそ11坪)となります。
また、上記の例の土地の場合は容積率が300%ですから敷地目一杯に家を建てたとして延べ床面積は198m2(およそ59坪分)が限界となり、5階建ての家が建てられる計算になります。
けれども、先ほどの10メートルから12メートルの高さ制限があると4階建て程度が限度となり、狭小地で目一杯の建物が建てられなくなることもあるのです。
狭小地に家を建てる場合はこうしたことは土地を購入する前に確認するようにしてください。
2:斜線制限や高度地区、日影規制について
3階建て住宅がよくみられる住宅密集地では土地によっては斜線制限や高度地区、日影規制の対象となっている地域があります。
これらの規制のかかった土地の場合、3階部分を後退させる必要があったり、敷地と建物の関係を奥にずらす必要が出てきたりします。
緩和措置がある地域もありますが、これらの規制に引っかかると全面道路や敷地境界との位置関係によって住宅の形や間取りが大きく影響されますので敷地条件は必ず確認しておくようにしてください。
3:敷地内通路と代替進入口について
建築基準法施行令第128条により、3階建て住宅の敷地内には必ず災害時の避難通路として幅1.5m以上の敷地内通路を設ける必要がありました。
ですが2020年4月に法改正され、3階建て以下で延べ200m2以下の建築物であれば、幅0.9m以上の敷地内通路があればいいことになり、事実上条件は緩和されましたが、それでも幅0.9m以下の敷地内通路を設けることが必要になります。
細かいことのようですが、3階建て住宅を建てる予定なのであればこうした規制は必ず覚えておいてください。
非常用進入口と代替進入口について
また建築基準法施行令第126条の6により高さ31m以下の3階以上の階には非常用進入口の設置が必要となります。
ただし火事などが起きた際に利用する、消防活動のための代替進入口を設置すれば、非常用進入口の設置は免除されます。
これも細かいことですが3階建て住宅を検討されている方は覚えておくと良いでしょう。
3階建て住宅で注意したい点2:木造住宅の3階建て住宅では屋上はやめておいたほうがいい
鉄骨造はもちろんですが、現在では木造でも3階建て住宅を建てることはできます(木造の場合は構造計算が必要になります)。
ですが木造とする場合は、屋上の設置はお勧めしません。
3階建住宅では屋上を検討することが多いですが、3階建住宅に限らず2階建て住宅でも木造住宅では屋上の設置は避けたほうがいいでしょう。
理由としては雨漏れによる構造体の腐食が原因で建物の耐久性が低くなり建物の寿命が著しく短くなってしまうからです。
3階建て住宅のポイントの記事「狭小地で快適な3階建て住宅を建てるための4つのポイント」で3階建て住宅では屋上の設置もお勧めですよと書きましたが、建物を木造とするのであれば屋上の設置は避けてください。
もちろん3階建てだけではなく2階建ての場合も同じで、木造住宅にするのであれば、屋上は避けた方が無難です。
屋上を検討されたいのでしたら必ず鉄骨造とすることをお勧めします。
>>>屋上のある家ってどう?家づくりで屋上のある家のメリットとデメリット
以上が3階建て住宅を検討する上で抑えておきたい注意点です。
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