住宅ローンは組んだら終わりではありません。
住宅ローンを組んだ後も、定期的に返済条件を見直すことが大事です、
今回の記事では、返済条件を見直すことで、総返済額を少なくし、賢く住宅ローンを返す、代表的な3つの方法についてお話ししていきます。
住宅ローンの3つの賢い返し方とは
住宅ローンには上手な返し方があります。
住宅ローンを定期的に見直し、繰上げ返済にあてたり、返済条件を変更したり、住宅ローンの借り換えを行うことで、総返済額を低くすることができる場合があります。
ここからは、そんな総返済額を抑える上で代表的な、下記の3つの返済方法についてお話ししていきます。
【住宅ローンの総返済額を抑える返済方法】
1:繰上げ返済
2:返済条件の変更
3:借り換え
1:繰上げ返済について
繰上げ返済とは
繰上げ返済とは、毎月の返済額とは別に、まとまった金額を返済する返し方のことを言います。
繰上げ返済に充てられた返済額は、全額「元金」に充てられるため、元金が減れば、利息で支払わなくてはいけない返済額が減り、より効率的に返済額を減らすことができます。
繰上げ返済は2種類ある
繰上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の返済方法があります。
1:「期間短縮型」の繰上げ返済とは
期間短縮型の繰上げ返済とは「毎月の返済額」を変えることなく、「返済期間」を短縮する返済方法です。
繰上げ返済によって「元金」と「利息」が減った分、返済期間が短縮される方法です。
2:「返済額軽減型」の繰上げ返済とは
返済額軽減型の繰上げ返済とは、「返済期間」を変えることなく、「毎月の返済額」を減らす方法です。
繰上げ返済を行うことで、「返済期間」は変わりませんが、返済額の分、「毎月の返済額」が減っていくので、毎月返済の負担を減らすことができます。
繰上げ返済の効果を高める方法
繰上げ返済は、借入額が大きく、利息の割合も高い、借りてから早い段階に行うほど、大きな効果が期待できます。
目安としては、借りてから10年以内の繰上げ返済は、より効果を大きくすることができます。
逆に、住宅ローンを借りてから、年数がたつにつれて、返済が進んでいくので、返済額のうち利息が占める割合が徐々に減っていく理由から、年数が経つほど、繰上げ返済による利息削減効果は薄くなっていきます。
ちなみに「返済額軽減型」よりも「期間短縮型」の繰上げ返済の方が、より利息削減効果を期待することができます。
繰上げ返済の効果を高めるポイントは2つ
繰上げ返済をより効果的に利用するポイントは2つです。
【繰上げ返済をより効果的に利用する2つのポイント】
1:住宅ローンを借り入れてから、できるだけ早い時期に
2:できるだけ大きな金額を繰上げ返済に充てる
以上の2つのポイントを守ることで、より繰上げ返済の効果を高めることができます。
2:返済条件の変更について
返済条件の変更とは
返済条件の変更とは、状況により、返済期間を長くしたり、ボーナス返済額の割合を減らし、毎月返済額の割合を増やしたり、返済の条件を変更する方法のことを言います。
主に「返済期間」「毎月の返済方法」「ボーナス返済額」の条件を見直すことで、無理な返済や、無駄な返済がないように変更を加えることを言います。
【返済条件の変更の3つの方法】
1:返済期間を見直す
2:毎月の返済方法を見直す
3:ボーナス返済額を見直す
1:「返済期間」を見直す
例えば、現在の状態で家計にゆとりがある場合は、毎月の返済額を増やして、返済期間を短縮することで、住宅ローンの総返済額の削減効果が期待できます。
逆に、現在の状態で、家計が苦しい場合は、少し無理をしている可能性があるので、返済期間を延長することで、月々の返済額を減らすことができます。
2:「毎月の返済方法」を見直す
例えば、毎月の返済額が同じ「元利均等返済」で住宅ローンを組んでいて、現在の状態で家計にゆとりがある場合、元金を毎月均等に返済する「元金均等返済」に変更することで、総返済額を減らすことができます。
逆に、毎月の返済額がはじめのうちは大きくなる「元金均等返済」で住宅ローンを組んでいる場合で、収入が減少したなどの理由で、現在の状態で家計が苦しい場合は、毎月の返済額が同じになる「元利均等返済」に変更することで、月々の負担を減らすことができます。
3:「ボーナス返済額」を見直す
例えば、ボーナス返済額を低くして、毎月の返済額に回すことで、毎月の返済額は高くなりますが、返済条件を見直すことができます。
逆に、毎月の返済額を減らしたい場合は、ボーナス時に返済する返済額の割合を高くすることで、毎月の返済額の負担をやわらげることができます。
手数料を支払えば、返済条件を変更できる
返済条件の変更には、所定の手数料が必要となりますが、手数料を支払えば住宅ローンの返済条件を変更することができます。
住宅ローンを組んだ時は問題なくても、住宅ローン返済における無理や、無駄が生じた場合で、家計が苦しい場合は、条件の変更を検討することが大事です。
3:借り換えについて
借り換えとは
住宅ローンの「借り換え」とは、現在組んでいる住宅ローンを精算してしまい、他の住宅ローンに組み替えることを言います。
主に金利を引き下げる目的で「借り換え」を行い、より低く、より新しく有利な住宅ローンに組み替えることを目的として行われます。
借り換えを行った方がいいケース
ただし、どんなケースでも借り換えを行なった方がいいというわけではありません。
住宅ローンを借りかえるためには、新しく住宅ローンを組むときと同様の手続き費用や、担保設定費用などがかかり、一般的な借り換えでは数十万円(通常20万円から30万円)ほどの費用が発生します。
借り換えが有効に働く目安としては、現在の住宅ローン残高が1,000万円以上、返済期間が10年以上経っている場合で、借り換えた後の金利が1%以上、下がるのであれば検討してみるといいと思います。
借り換えをオススメしないケース
返済期間が残り少なかったり、金利差が小さすぎる場合は借り換えのメリットは、ほとんどないのであまりオススメしません。
借り換えを行わずに金利を引き下げる方法も
また、借り換えなくても金利を低くしてもらうことができる場合があります。
現在、住宅ローンを借り入れている金融機関との間で、金利の引き下げ交渉をする方法としては、年末を外した時期に「残高証明書」を発行することです。
年末以外の時期に「残高証明書」を発行することで、「借り換えを検討している」サインを金融機関に伝えることができます。
金利引き下げ交渉は「借り換え」と違い、金利引き下げの際の手数料がほとんどかからず、契約の際の収入印紙代200円程度で済ませることができます。
金利の種類を変える時は手数料がかかる場合も
例えば「固定金利型」や「変動金利型」など、金利の種類を変える場合は「金利変更手数料」がかかる場合がありますが、「金利」の種類を変えずに「金利の引き下げ」を行う場合は、手数料がかからない場合がほとんどです。
金利引き下げの場合は、借り換えほど面倒な手間はかからず、銀行に訪問するだけで、簡単に金利を引き下げることができます。
ただし、たとえ金利を引き下げることができたとしても「借り換え」時よりも、金利を下げることはできないことがほとんどですので、注意してください。
金利引き下げ交渉時の「金利の引き下げ幅」の目安について
金融機関や、借り入れ状況などによって違いますが、「変動金利」の場合、「新規顧客」向けの最優遇金利に0.15%から0.2%を足した金利だと思ってください。
つまり「最優遇金利」が0.6%だった場合、0.75%から0.8%程度であれば交渉できる可能性があります。
交渉に失敗してしまった場合でも、期間をあけて再度、金利引き下げ交渉を行うことはできますので挑戦してみる価値はあります。
例えば、新規顧客向けの金利が下がったタイミングは、再度交渉を行うチャンスだと捉えてもらって問題ありません。
まとめ:住宅ローンの返済の負担を楽にする3つの返済方法
今回の記事では賢く住宅ローンを返済する方法として「繰上げ返済」「返済条件の変更」「借り換え」を検討する話やポイントなどについて見てきました。
本文でもお話ししましたが、住宅ローンは定期的に見直して、無理や無駄をなくしていくことが賢く住宅ローンを返済していく最大のポイントとなります。
ぜひ、今回の記事を参考にしていただき、より住宅ローン返済の負担をなくす方法で返済計画を立てていってください。