玄関に収納するものは多くあります。
玄関には靴だけではなく、傘などの日用品を収納したり、コートを掛けたり、それにゴルフクラブなどの使用頻度の低いスポーツ用品などを収納したり、様々なものを保管する場所として活用されます。
収納力はあるに越したことはなく、その分、収納力の高い大容量の玄関収納スペースをつくることが望ましいですが、収納力の高い玄関収納スペースをつくってしまうと、今度は逆に玄関が狭く窮屈なものになってしまう恐れがあります。
大事なのは開放的に感じさせる工夫を施しながらも、生活スタイルや目的に応じて収納のバランスをとることです。
実は、玄関を開放的に保ちながらも、玄関の収納力を高めるにはいくつかコツが入ります。
今回は、玄関を開放的な雰囲気に保ちながらも玄関の収納力を最大限に高める7つのコツやアイデアについてお話ししていきます。
もちろんより使い勝手の良い玄関を検討する上で、住宅において玄関とはどんな役割を担っているスペースなのかも知っておく必要があるので、広く玄関のイロハを交えてお話ししていきます。
Contents
- 1 玄関とは
- 2 玄関の役割
- 3 玄関ラインをつくる3つの形
- 4 玄関のタタキとホールをつなぐ框(かまち)の高さ
- 5 玄関タタキ(土間)の4つの形
- 6 玄関に必要なもの
- 7 姿見は玄関タタキの方が都合がいい
- 8 玄関の下駄箱の4つの配置の仕方
- 9 玄関収納の考え方は4種類
- 10 開放的な玄関収納を叶える7つのコツ(アイデア)
- 11 玄関の窓を利用して開放的に見せるコツ
- 12 玄関収納のプランニングのポイント
- 13 まとめ:それぞれの生活に合わせて玄関収納を考えることが大事
- 14 いい家をできるだけ安く建てる方法
玄関とは
日本の住環境では、玄関では靴やコートを脱ぎ、家の中に入る準備をするための場所を指し、玄関は「タタキ」と呼ばれる土間の部分と、「ホール」と呼ばれる上がり(廊下)の部分に分けられたつくりになっています。
ただし「玄関」や「玄関ホール」といった場合、タタキとホールの部分を合わせてさすこともあります。
玄関の役割
日本の住環境において玄関の役割は非常に重要なものです。
玄関は、家の内部と外部をつなぐ境界線のようなもので、日本では靴を脱ぐことで家の中と外を明確に切り分けています。
そして、玄関には大きく分けると3つの役割があります。
1:気持ちの切り替えをうながす
外出時には外出する気持ちを高め、帰宅時には気持ちを落ち着かせる効果があります。
日本では靴を脱ぐことで気持ちの切り替えを促す効果が高まるため、自然と「靴を脱ぎたくなる玄関」や「脱いだ靴の収納場所」をしっかりと考えた設計が非常に大事なポイントとなります。
2:家に上がる準備をする
玄関には靴を脱ぎ、家に上がる準備をするための役割があります。
玄関は家の出入り口となり、毎日使う場所ですから、使っていて気持ちよい空間にする工夫が必要になります。
使い勝手の良い玄関にするためには、家の内と外の境界線である「タタキ」と「ホール」の広さや高さを計算し、住む人にとっていかに気持ちの良い設計にするかにかかっています。
3:外に出かける準備をする
一方で、玄関には靴を履き外出する準備をするための役割があります。
家に上がる時の靴の脱ぎやすさはもちろん、外出時の靴の履きやすさを考えて玄関を設計する工夫が必要になります。
気持ちよく外出するためには、やはり靴を履く「タタキ」と「ホール」の境界線を気持ち良いものとするのかをしっかりと検討する必要がありますし、玄関収納などの利便性を考えぬいた収納スペースを工夫する必要があります。
また、外出前に身なりを整える家の中の最後の場所としての役割もあります。
玄関ラインをつくる3つの形
玄関または玄関ホールは、靴を履き土足で歩く土間の部分の「タタキ」と、靴を脱いで素足で歩く廊下に直結する「ホール」部分に分けられますが、「タタキ」と「ホール」の2つの境界線となる玄関のラインは通常3つの形で分けられます。
上がり框(あがりかまち)
まず1つ目の玄関ラインを分ける形は、上がり框(あがりかまち)と呼ばれるホール側の床の端部にある1本の横木(板)で、玄関ラインを区切る方法です。
玄関の框(かまち)は摩擦などで擦れるため、ヒノキやケヤキなどが使われることが多いですが、摩擦に強い御影石(みかげいし)や人造大理石(人工大理石)などが使われることもあります。
式台(しきだい)
玄関のホールの床面(廊下)から、一段低くなった部分に設置された板敷のことを式台(しきだい)と呼びます。
玄関の「タタキ」と「ホール」の床の高さに段差がある場合は、段差を緩和するために踏み台として、通常、式台(しきだい)と呼ばれる板を設置します。
式台(しきだい)には通常、靴の脱ぎ履きがしやすいように奥行きが300ミリメートル以上の板が設けられます。
靴脱ぎ石(くつぬぎいし)
靴脱ぎ石を置き、玄関ラインを明確に区切る方法もあります。
タタキとホールの段差が通常よりも高い場合に靴脱ぎ石がおかれることがあります。
玄関のタタキとホールをつなぐ框(かまち)の高さ
玄関の「タタキ(土間)」と「ホール(廊下)」の高さは、通常、段差が低ければ低いほど内外部との境界が緩和されより近い距離に感じることができます。
上がり框(かまち)の高さは、玄関の利用の仕方によって検討する必要があり、腰を下ろして靴の脱ぎ履きをしたい場合は、300ミリメートル程度必要となりますから、段差を300ミリメートル前後(上がり框(かまち)の標準的な高さは360mm前後)に設定することもあります。
また、玄関のホール(廊下)への上がりやすさ、靴の脱ぎ履きのしやすさを優先した場合、30ミリメートル程度の低い段差に設定することもあります。
さらに、特に2世帯住宅で玄関を共有する場合などは、バリアフリーの観点からできるだけ高さの違いを設けずに段差をつくる場合もあります。
この場合、どちらが優れていて使い勝手が良く、どちらが劣っていて使い勝手が悪いという話ではなく、生活スタイルや目的、好みなど各家庭の状況によって使い分けることが重要です。
ただし、どちらにもメリットデメリットがあります。
玄関タタキ(土間)の4つの形
一般的な住宅で用いられる玄関タタキ(土間)の配置の仕方は下記の4つの通りです。
1:玄関の「奥行き」がある玄関タタキ(土間)
まず1つ目が、奥行きがある玄関のタタキ(土間)です。
玄関のタタキが縦に長い場合、通常、一人ずつ靴を履いて玄関から出て行く形になります。
玄関のタタキに奥行きを設けた場合、縦に長い玄関となるため、ある程度の横幅を確保しないと窮屈な玄関となってしまうことがあるので注意が必要となります。
これは特に、玄関のタタキに下駄箱を設置した場合などに言えます。
またこのタイプの玄関は通常、横幅を設けずに設置するため、玄関前に靴を揃えて綺麗に並べたい場合には向きません。
2:玄関の「奥行き」があり「側面」に玄関扉を設置する
奥行きがある場合、玄関扉を正面に設置するのか、側面に設置するのか2つの方法が取られますが、玄関扉を側面に設置した場合、玄関の奥行きを確保しながらも、出入りしやすい玄関にすることができます。
ただし奥行きのあるタイプの玄関で側面に玄関扉を設置した場合、帰宅時は玄関扉を開けた正面に壁がくるため、場合によっては玄関扉を開いた時に圧迫感がある玄関になってしまうこともあるので注意してください。
また、靴を綺麗に横に揃えて置くのは難しくなります。
3:玄関の「横幅」があり「正面」に玄関扉を設置する
玄関が横に長い場合、2人以上で同時に靴の脱ぎ履きができる玄関になります。
また横に長い玄関の場合、靴を綺麗に揃えて置くことも可能になります。
4:玄関の「横幅」があり「側面」に玄関ドアを設置する
玄関の横幅を設けた場合で、側面に玄関扉を設置する方法もあります。
玄関扉を正面に設置する配置の仕方よりは、靴を横に綺麗に並べることが難しくなりますが、わざわざ靴を履いて玄関のタタキに降りなくても、玄関扉の開け閉めや鍵をかけることができます。
玄関に必要なもの
一般的に玄関に必要なものは下記の通りです。
1:靴箱(下駄箱)
玄関には靴べらをはじめとした靴を収納するための場所が必要です。
2:飾り棚
玄関を華やかに彩るために、通常下駄箱の上のスペースなどを利用して飾り棚を設置します。
3:傘立て
玄関には雨天時に使用する傘を立てて置くスペースが必要になります。
4:コート掛け
玄関に冬の寒い時期に、外に羽織っていくコートを掛ける場所を確保することもあります。
5:姿見(鏡)
場合によっては玄関に姿見(鏡)を置き、出かける前の服装チェックなどに使用します。
姿見は玄関タタキの方が都合がいい
姿見を玄関に設置する場合、ホール(廊下)のスペースの壁に設置するのか、タタキ(土間)のスペースの壁に設置するのか悩むところだと思いますが、タタキ(土間)のスペースの壁に設置した方がいいでしょう。
なぜなら、ホール(廊下)のスペースに姿見を設置すると不便になる可能性が考えられるからです。
例えば、外出時には靴を履きますが、ホール(廊下)に姿見を設置してしまうと、靴の脱ぎ履きをしている間に着衣が乱れる恐れがあります。
また、ホール(廊下)に姿見(鏡)をおいてしまうと服装と靴を合わせたい時に、鏡を見ることが難しくなってしまいます。
玄関に置いた姿見(鏡)には、出かける前の衣服を最終チェックする場所としての役割があります。
玄関の下駄箱の4つの配置の仕方
通常、玄関には靴を収納する場所として下駄箱を設置しますが、下駄箱の配置の仕方は4つあります。
いずれの配置にもメリットやデメリットはあり、下駄箱の配置の仕方によって玄関の使い勝手は大きく左右されます。
1:タタキ(土間)に下駄箱を設置する
まず1つ目の玄関下駄箱の配置の方法は、玄関タタキに設置する方法です。
一般的な方法で玄関タタキに下駄箱を置いた場合、特にホール(廊下)から遠い奥の方に収納された靴を、下駄箱から取り出すのが不便となります。
一旦玄関タタキ(土間)に降りなければ靴を取り出せないことが最大のデメリットです。
一方で玄関のホール(廊下)を広く利用できるメリットがあります。
2:ホール(廊下)に下駄箱を設置する
2つ目は玄関のホール側に下駄箱を配置する方法です。
玄関のホール側に下駄箱を置いた場合、玄関タタキに降りなくても下駄箱から靴を取り出せるメリットがある一方で、靴についた汚れで玄関のホールが汚くなってしまう恐れがあります。
つまり家の中に外からの泥を持ち運ぶ可能性が高くなることが最大のデメリットと言えます。
3:タタキ(土間)とホール(廊下)にまたいで下駄箱を設置する
それを解消する方法として、玄関タタキと玄関のホールにまたがって下駄箱を設置する方法もあります。
玄関のホールと玄関タタキをまたいだ形で下駄箱を設置した場合、ホールとタタキのどちらからでも靴を取り出せるようになるメリットがありますが、横に長く広いスペースが必要となりその分玄関が狭くなってしまうデメリットがあります。
4:専用のクローゼット(ウォークスルー)を設置する
最後に思い切って、2畳ほどの空間を確保してシュークロークをつくる方法もあります。
シュークロークをつくることで、玄関をスッキリさせることができますが、その代わり、シュークロークを設置するために、別に広いスペースを確保する必要があります。
玄関収納の考え方は4種類
また、基本的な玄関収納の考え方は下記の4つにまとめられます。
1:背の高い収納棚を設ける
1つ目は、収納力を重視して背の高い収納棚を設けることです。
背の高い玄関収納棚の設置方法は、天井いっぱいまで収納スペースを広げる方法と、天井との間に空きスペースを設ける方法があります。
ただし、通常の方法で設置すると、収納力が増える分、圧迫感がうまれるため工夫を施す必要があります。
2:腰の位置辺りまでの収納棚を設ける
この場合、上部のスペースに余裕がうまれ、玄関を開放的な雰囲気にすることができます。
また玄関収納棚の上のスペースを飾り棚として使用することもできます。
3:下部と上部に収納棚を設ける
3つ目は、ひと続きで背の高い収納棚を設置するのではなく、玄関の収納棚を上下2つに分けて設置する方法です。
1つ目の収納棚(下駄箱)は腰のあたりまでの収納棚にし、もう1つの収納棚(下駄箱)は吊り戸棚として設置する方法がこれにあたります。
この方法の場合、飾り棚を設置しながらも十分な収納力を発揮することができます。
4:ウォークイン(ウォークスルー)の収納棚を設ける(別にシュークロークを設ける)
4つ目は、玄関横にウォークインの収納棚を設ける方法です。
玄関の役割と収納の役割を緩やかに分けることができるため、非常にスッキリとした玄関にすることができます。
ただしこの方法は間取りに制限があったり、設置するにあたってある程度広いスペースを確保することが必要になります。
開放的な玄関収納を叶える7つのコツ(アイデア)
では、開放的でありながらも収納力のある、玄関収納をつくるにはどのようにすればいいのでしょうか。
収納力はあるに越したことはありませんが、何も考えずに収納力のある玄関にすると、今度は圧迫感のある玄関となってしまい、使っていてあまり気持ち良くない玄関になってしまいます。
一方で開放的な玄関にしようと収納力のない玄関にしてしまうと、今度は必要なものを十分に収納することができずに使い勝手の悪い玄関となってしまいます。
実は、収納力と開放感を両立させた玄関にするにはコツが入ります。
ここからは具体的な玄関収納の7つのコツについてお話ししていきます。
1:玄関にウォークイン収納をつくる
玄関にタタキ(土間)から入れるウォークイン収納を設置すると開放感を保ちながら、収納力のある棚を設けることができます。
ウォークイン収納の大きさとしては一般的な家庭の場合、2畳ほどの収納スペースを確保すればよいと思います。
もちろん、人によっては玄関収納スペースに靴以外に、自転車やベビーカーを収納したり、コート、清掃用具、傘立てなどはもちろん、キャンプ用品やゴルフ用品などのかさばるものをおいておきたいという方もいると思いますので、求めているものにより最適な広さは変わってきます。
また、比較的大きなものを玄関収納に置く予定のある方は、収納スペース入り口の高さや幅もよく検討して設計する必要があります。
必ず設計士と納得のいくまで話し合い、必要に応じて最適なスペースを確保してください。
設置に際してのコストについては、そこまでかかることはなく、一般的には玄関に造作で大容量の収納スペースをつくるよりもウォークイン収納をつくる方がコストを抑えることができます。
※ウォークイン収納ではなく、高さを抑え(高さ1.4m以下)直上階の2分の1の広さの蔵をつくる方法もあります。蔵をつくった間取りとしてはミサワホームが有名ですが、蔵を作った場合のメリットとしては、収納面積量を増やすことができることや、延床面積に参入されないなどがあげられます。ただし構造上の問題や、使い勝手が悪いという意見もあり、通常の収納スペースとして頻繁に利用するものを収納する目的には向きません。
ミサワホームをはじめとしたカタログについては「LIFULL HOME’S 注文住宅」から一括して取り寄せることができるので必要に応じて取り寄せて、注文住宅での家づくりの参考にしてください。カタログを使った家づくりの詳しい方法については「無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ」や「注文住宅のカタログを請求して新築の家を建てる16のコツ」を参考にしてください。
使い勝手のよいウォークイン収納をつくるポイント
使い勝手のよいウォークイン収納をつくるには、いくつかポイントを抑えておく必要があります。
ここではより使い勝手のよいウォークイン収納をつくるポイントについてお話ししていきます。
・1:「扉なし」の場合はウォークイン収納の入り口の高さを抑える
玄関にウォークイン収納をつくる場合、扉の「あり」「なし」を選ぶことができますが、扉がない場合、玄関からリビングへの入り口が複数あるように見えてしまい、開口部を増やすことで迷ったり落ち着かない空間になってしまう恐れがあります。
もちろん普段の使い勝手には支障はありませんが、気になる方は、「ウォークイン収納の入り口部分の高さ」を「玄関の扉よりも低く設定」すると納まりがよくなることが多いので参考にしてください。
つまり、収納スペースの入り口を、玄関の扉よりも意識的に低く設定することで、適度な開放感を保ちながら意識をそらすことができます。
例えば、玄関扉の高さが2100ミリメートルだった場合、収納スペースの入り口部分を1800ミリメートルにするなど意識的に低く設定します。
・2:動線を複数用意する
また玄関のウォークイン収納からの動線を複数用意することも効果的です。
例えば、ウォークイン収納から直接玄関ホール(廊下)に入れるように間取りを設計したり、そのまま土間続きで別部屋に行くことができる間取りにするなど、工夫するとより玄関のウォークイン収納がより活きてくると思います。
・3:玄関から土間続きでパントリー、キッチンへの動線を確保する
さらに動線を便利にする方法としては「注文住宅のキッチンで抑えておきたい6種類のキッチンとレイアウトのコツ」内の「家事動線を考えたキッチンのつくり方7つのポイント」の項目でもお伝えしたように、玄関から土間続きでパントリー、キッチンに移動できる動線を確保しておくとさらに便利な動線になります。
つまり、玄関から靴を脱がずにパントリーや、キッチンなどへ抜けるスペースがあると家事動線が楽になります。
2:姿見(鏡)を張る
玄関に姿見(鏡)を張ることで空間全体を広く見せることができます。
玄関に姿見(鏡)を設置する際、玄関扉の高さに合わせた姿見(鏡)を張ると、より効果的で、空間を広く美しく見せることができます。
姿見(鏡)を張るときは、ホールに設置するというやり方もありますが、使い勝手を考慮したり、より美しく見せるためには、やはり玄関タタキの土間のスペースの壁に、姿見(鏡)を設置するとよいでしょう。
3:上がり框(あがりかまち)を利用して収納スペースをつくる
上がり框(あがりかまち)を利用して、上がり框の下に収納スペースを作る方法もあります。
・3ー1:上がり框(あがりかまち)を跳ね出して蹴り込みを深くする
例えば、タタキから上がり框(あがりかまち)までの高さが300ミリメートル以上の場合、上がり框(あがりかまち)の下に蹴り込みを作り、上がり框(あがりかまち)と、玄関のタタキ(土間)の隙間の蹴り込み部分に、靴を収納するスペースをつくることが出来ます。
・3ー2:上がり框の下に引き出し収納をつくる
また、玄関のタタキ(土間)から、上がり框(あがりかまち)の間に引き出しを設けて、収納スペースを設置する方法も検討できます。
この方法で引き出し型の収納にすれば、玄関に靴を揃えて広げて置く必要がなくなるため、使わない靴は上がり框(あがりかまち)の下の引き出しに収納して置くなどすれば、玄関をスッキリとさせることもできます。
4:上がり框(あがりかまち)を低くして奥行き感を出す
また、逆に上がり框(あがりかまち)の高さを低くする方法もあります。
上がり框(あがりかまち)の高さを低くして、玄関ポーチ、玄関タタキ(土間)、玄関ホール、廊下と出来るだけ同じ高さで揃え、さらに、同じ床材を使えば、同じ面積の玄関でも、玄関の奥行き感を醸し出すこともできます。
狭小住宅などではこのプランを採用し、玄関ホールをなくしてタタキ(土間)とリビングを直結させるプランも検討できます。
5:玄関の圧迫感をなくす収納のコツ
通常、玄関に背の高い収納を設けてしまうと、圧迫感が出ることが多くなります。
玄関を開放的な空間にするためにも収納棚の高さを、ある程度低くすることが必要となります。
特に玄関ホールが狭い空間の場合は、収納棚の高さを抑えることは重要で、玄関収納棚の高さは玄関タタキ(土間)の高さを基準として1200ミリメートル〜1250ミリメートル程度にとどめておくのが理想的です。
6:玄関収納スペースを浮かしてつくる
圧迫感のない開放的で気持ちのいい玄関にするために、玄関の収納棚の下部を通常よりも広く空ける方法もあります。
収納棚の下部を空けた分、収納力は少なくなりますが、玄関の収納棚を浮かせれば圧迫感のない玄関収納にすることが出来ます。
このとき、収納棚の高さも合わせて低くすると重心が下がるため、より開放的な空間に見せることが出来ます。
7:収納スペースの上下に空間をつくる
天井まで目一杯に広げた収納棚は、収納力がある一方で圧迫感を与えます。
天井いっぱいの玄関収納棚の圧迫感をやわらげる方法として、目一杯の高さを使うのではなく、収納スペースの上下の空間に適当に空きスペースを設けることです。
玄関ホールを狭く取ることしかできず、玄関ホールの広さが1坪に満たない場合は、特に圧迫感を感じやすくなりますが、玄関の収納棚の上下の空間に200ミリメートルから400ミリメートル前後の「空きの空間」をとることで圧迫感を抑えた収納棚にすることが出来ます。
玄関の窓を利用して開放的に見せるコツ
また、今回は玄関収納を検討しながら、玄関を開放的に見せるコツについてお話ししているため、詳しいことは避けますが、玄関の「窓」を利用して開放的に見せる方法もあります。
例えば縦型のスリット窓や、横型の地窓を使って自然光を取り込むことで開放的に見せることもできますし、欄間(らんま)を利用する方法もあります。
また、外部から見えない玄関の場合、収納棚の上下に窓を設置することでも視線の抜けができるため玄関を広く見せることも出来ます。
玄関収納のプランニングのポイント
ここであげた玄関収納のプランは一部にしか過ぎません。
一言で玄関収納といってもそれぞれの家庭の状況により、様々なプランが検討されます。
玄関収納に限らず、収納場所を検討する上で大事なのは生活の動きに合わせて、それぞれが使いやすい位置にある収納を計画することです。
例えば、狭い敷地に家を建てる、いわゆる狭小住宅の場合は、玄関とリビング、ダイニングを一体化させたオープンプランが検討されるでしょうし、ゴルフやサーフィンが趣味の場合は玄関にスポーツ用品がしまえる蔵やウォークイン収納が検討されると思います。
玄関そばに靴収納を兼ねたウォークイン収納を設置した場合、外出時や帰宅時に外からの埃(ほこり)を持ち込まずに直接コートなどを玄関収納にかけておくこともできます。
小さなお子様がいる場合は、着替え用の替えの服を置いておくことも検討で切るでしょう。
着替えができるくらいの広さを確保すれば、出かける前にウォークイン収納で身支度を整えることができるので、出かける前の動線が非常にスムーズになります。
さらに車での移動が多い場合、玄関収納から直接車を駐車している場所へ続くドアを用意しておくと、外出時の動線が驚くほどスムーズになるでしょう。
以上のように様々なケースが考えられますが。玄関をプランニングする上で参考になるのは様々な事例から学ぶことです。
例えば、玄関をプランニングする上で住宅カタログを取り寄せて参考にする方法もあります。
住宅カタログを取り寄せる場合は、カタログの取り扱い数が一番のライフルホームズのカタログ請求サービスで取り寄せていただくと良いと思います。
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まとめ:それぞれの生活に合わせて玄関収納を考えることが大事
玄関収納は暮らしのしやすさを考える上でも、非常に大事なポイントの1つです。
玄関の収納をどのようにするかで、外出時をはじめ帰宅時の動線が大きく変わります。
また収納は広く大容量のものに越したことはありませんが、無理に玄関の収納力を高めると、今度は玄関が窮屈で不便になってしまう恐れがあります。
さらに、心地よい玄関にするには、圧迫感のない収納の寸法を意識して玄関収納を設置する必要があったりと様々な工夫を施すことが必要になります。
生活スタイルや目的、モノの使用頻度を考えてぜひ快適な玄関収納を実現してください。
いい家をできるだけ安く建てる方法
今回、お話しした玄関の間取りはもちろん、とことん細部までこだわって注文住宅を建てるのなら、複数社から間取りや見積もりを提案してもらい、プランの違いで比較検討すると良いでしょう。
家づくりは複雑なもので、それぞれの住宅会社により強みや弱みがはっきりと別れています。
金額的な面で言うと同等の条件で依頼しても、A社では3,000万円なのにB社に依頼すると2,500万円で建てられると言うことも普通にあります。
もちろん、家づくりは中身も大事ですから、どのような資材を使い、どのような職人さんに依頼しているのかも注視する必要があります。
どんなに素晴らしいプランを立てようが、使われている資材や、家をつくる職人さんの技術力が足りていなければ良い家を建てることはできないからです。
こだわりの注文住宅を建てるのなら必ず複数社から見積もりをとる
家を安く建てるために大事なのは、同じ条件で複数社に対して間取りの要望や見積もり金額はいくらなのかを投げてみることです。
例えば、複数社に具体的な提案をしてもらえば実感できますが、面白いことに同じ条件で間取りプランの提案を受けたとしても、それぞれの会社により違ったプランが出来上がってきます。
ただし、通常の方法で一社一社とコンタクトを取り同時進行で話を進めていくのは非常に面倒ですし手間もかかり、大変なことです。
同じ内容を説明するのに、1社に説明するのに1日がかりということも珍しくありません。
どんなに早くても半日はかかるでしょう。
同じ条件で一気に見積もりを取り徹底的に比較
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