天井や床の高さを利用して空間を開放的に見せたり、逆に開放感を抑えた空間にすることができます。
例えば、天井の高さや床の高さを変えることで空間全体に動きが生まれ、視線をそらすことができ空間全体を広く認識で来るようになります。
また、天井が低い場合でも、間取りをはじめ空間に工夫を施すことで視覚的に開放感のある空間にすることができます。
ただし、単純に天井や床の高さを変えればいいというわけではなく、間取りによってはいくつか注意したい点等もあります。
代表的なのはキッチンの高さです。
キッチンは天井の高さを「上げる」のではなく「下げる」方がいいということは定石ですが、開放感を得るためにも、キッチンの天井を下げた方がいいのにはきちんとした理由があります。
今回は、天井の高さや床の高さを利用した空間づくりの方法を、「基本編」と「応用編」に分けてお伝えします。
是非あなたがこれから建てる注文住宅での家づくりにお役立てください。
★★★基本編★★★
天井の高さを利用して、開放感を持たせる間取りづくりの基本は下記の通りです。
Contents
1:天井の高さを利用した視覚効果で、LDKを落ち着いた雰囲気に見せる方法
例えば、天井の高さが低い場合でも、視覚的な効果により開放的な空間を演出することができます。
一方で天井の高さが高すぎる場合も、工夫を施すことで落ち着いた雰囲気の空間にすることができます。
現在の一般的な一戸建て住宅の階高は2600ミリメートルから3000ミリメートル程となることがほとんどのため、LDKの床から天井までの高さは2300ミリメートルから2500ミリメートルの高さに設定されます。
間取りのとり方や設計にもよりますが、天井の高さが2300ミリメートル以下に設定された場合、圧迫感を感じることも多く、より広がりを感じられる工夫を施す必要があります。
※階高(かいだか)とは・・・
階高とは、ある階の床面の高さから、すぐ上の階の床面までの高さのことを言います。
天井高による空間の見え方の違い
例えばここに2枚の写真がありますが、どちらが部屋が広く見えるかは明白です。
一方は2200ミリメートルの天井高、一方は2400ミリメートルの天井高に設定されています。
続いて2400ミリメートルに設定した場合です。
たった200mm(2cm)天井高が違うだけでこれだけ違った印象の空間になります。
このように、一般的に、天井高をあげると空間全体に広がりを持たせることができます。
床の高さを下げた場合も同様の効果を得ることができます。
天井の高さが低い場合(2300ミリメートル以下)
天井高が低い場合に用いられる、天井の高さを高く見せる代表的な工夫は6つあります。
ケースにより様々ですが、一般的に天井高が低い場合は下記の6つの工夫を取り入れると天井の低さが気にならなくなります。
・1:吊り戸棚の位置を下げる
一般的に吊り戸棚は天井にくっつける形で設置しますが、吊り戸棚を天井にくっつけることをせずにあえて、天井から離して設置することでLDKの天井の低さが気にならず、LDKの天井を開放的に高く見せることができます。
天井から離して吊り戸棚を設置することで空間の重心が下がり、天井との間に隙間も生まれるので天井の高さを、通常よりも高く感じさせることができるからです。
また、吊り戸棚の位置を下げる方法は天井が高い場合にも有効で、天井高が高い場合で吊り戸棚の位置を下げた場合は、よりLDKの空間に広がりを感じさせながらも、LDKの空間を落ち着いた雰囲気に仕上げることができます。
・2:照明を工夫する(ダウンライトを利用する)
天井からはできるだけ余計なものをぶら下げないようにすることで、低い天井でも高く見せることができます。
照明は天井に埋め込むタイプのダウンライトや、壁への反射光を利用して天井面を照らす「コーブ照明」を利用するといいと思います。
また、ブラケットや、フロア照明を上手に活用することで灯りの重心を散らすことができます。
照明の当て方を工夫し、天井面に視線を誘導することで、自然と視線が上へと向くので、空間に広がりを持たせることができます。
・3:天井を羽目板張りにする
天井高が低い場合、天井を「羽目板張り」にすることで天井高を高く感じさせることができます。
この時、天井から垂れ下がったような形の壁(垂れ壁)を設けないことがポイントとなります。
垂れ壁を設けずに「羽目板」を天井に設置することで、天井に伸びやかさが生まれるため天井高が気にならない空間にすることができます。
木材の種類については「新築の注文住宅で失敗しない無垢フローリングの選び方と16の特徴新築の注文住宅で失敗しない無垢フローリングの選び方と16の特徴」や「新築の注文住宅で知らないと損する15種の無垢フローリングの特徴とメリット、デメリット」を参考にしてください。
・4:羽目板と床の向きを揃える
また、天井の「羽目板の向き」を工夫することで、視線を誘導することもできます。
例えば「床に張られた板の向き」と「天井の羽目板張りの向き」を上下対称に揃えることで正面の壁に視線が集中するようになります。
壁のデザインを際立たせたい場合は、壁の方向に向けて床と天井の羽目板の向きを「垂直方向に壁側に向けて設置」すれば、自然と視線が壁に集中するようになります。
また窓などの「開口部に向けて板の向きを揃える」と、開口部に向けて視線が集中し、さらに板の幅などを工夫することで、水平方向に向かっても、空間に広がりを感じさせることができます。
・5:床・天井・壁に同一幅で統一された素材を使う
床、天井、壁に同一の素材を使うことで天井の低さを意識させない方法もあります。
その時に、同一幅の素材を張りまわすと、より天井の低さを意識させない雰囲気に仕上げることができます。
同一素材を張りまわす場合、基本的に木材を使用することになりますが、キッチンなどの火気を使用する場所や、一定の条件に該当する場合は、建築基準法上の「内装制限」に該当する場合があるので注意してください。
その場合、木材仕上げをするには、「不燃認定を取得した木材」しか使用できなくなります。
※内装制限とは
火災時の防火対策として仕上げ材に燃えにくいものを使用することで安全性を確保するための制限のことを言います。
3階建以上の建物、台所、浴室などの火を使う設備機器を用いる場合で条件に引っかかる場合は、壁や天井などの仕上げを不燃性や難燃性のあるものにしなくてはならない制限があります。
ただし、建具や収納については建築基準法上の内装制限の対象外となるので木材を使用することができます。
・6:天井の高さと同じ高さの開口部を設ける
天井の高さと合わせた開口部を設けることでも、天井の高さを高く見せることができます。
天井高いっぱいの開口部を設けることで、外部の空間と一体感が生まれ、空間に広がりが生まれ、視覚的に天井を高く感じさせることができます。
天井の高さが標準的な高さの場合(2300ミリメートルから2500ミリメートル)
天井の高さが標準的な高さの場合でも、より開放的に見せる工夫を施すことができます。
開放的に見せるポイントとしては「空間の重心を下げること」です。
空間の重心を下げることで実際の天井高よりも高くみせることができ、より開放的な空間として感じることができます。
・1:間接照明で天井を照らす
例えば、間接照明を天井に向けて照らすことで、天井を高く感じることができます。
天井の高さが一般的な住宅の標準的な天井高である2300ミリメートルから2500ミリメートルの場合、天井の近くの壁に「幕板」を張り、天井を照らすコーブ照明を設置すれば、より広がりを感じる開放的な雰囲気に見せることができます。
また、間接照明を納めるための、横に長く張った板のことを「幕板」と言いますが、幕板を利用することで空間を上下に分けることができるので、視覚的に空間の重心を下げられ空間全体を落ち着いた雰囲気にすることが期待できます。
この時、天井と間接照明の空寸法を300ミリメートル以上にすると、より照明の光が天井全体に広がるため、実際の高さよりも開放的に感じることができ、間接照明の効果を実感していただけるかと思います。
★★★応用編★★★
ここからは、天井や床の段差を利用した開放的な間取りづくりの方法や、吹き抜けを利用したLDKのコツなど、基本編を応用した方法についてお話ししていきます。
2:段差を利用して開放的なリビングに見せる方法
床や天井などの高さに変化をつけて、開放的なリビングに見せる方法もあります。
LDKが一体型の間取りの場合は、設備計画の関係から、リビングの天井に高さを設け、ダイニングやキッチンの天井を低く抑える方法が最も合理的な天井高の計画になります。
段差を利用する方法は、天井をフラットなまま床に段差をつけるのか、天井に段差を設けることにより、変化をつけるのかの2種類の方法があります。
つまり、段差を利用する方法は、天井高を上下させる方法と、床のレベルを上下させる方法の2種類となりますますが、実用的な方法としてLDKで考えた場合、リビングの天井には高さを設け、ダイニングやキッチンの天井高を低くする方法が一般的なものとなります。
リビングの床の高さをダイニングやキッチンよりも低くする
天井に高さを持たせる方法は、天井の高さを上げるだけではありません。
天井の高さは一定のまま、天井高を確保する方法もあります。それがリビングの床の高さをダイニングやキッチンよりも低くする方法です。
LDKがひとつづきの場合、リビングの床の高さを下げることでで天井に高さを持たせ開放的な空間にすることができます。
リビング床のレベルを下げた場合、天井の高さはそのままで、それぞれの間取りがひとつづきの空間が生まれるため、一体感を感じやすい間取りにすることができます。
この時に天井の仕上げも一体感を持たせたつくりにすると、なお開放感が増します。
一般的な住宅の場合、LDKに一体感を持たせながら、開放的な印象の空間にしたい場合は、リビング床の高さを階段2段分の段差(300ミリメートルから400ミリメートル程度)下げると心地よい空間にすることができると思います。
階段2段分の高さを下げた場合、キッチンの高さは2100ミリメートルから2200ミリメートル程度に落ち着くのでダイニングで食事をする場合も天井の低さをあまり感じることなく食事をすることができます。
キッチンの天井高を下げる
キッチンの天井高を下げる方法も効果的です。
キッチンの天井の高さを下げた場合、天井懐に余裕が生まれるのでダクトスペースとして利用でき、設備機器の設置に関しても効果的に働きます。
キッチンに設置する、レンジフードに関しても同様のことが言えます。
LDKにつながりを持たせ、より一体感のあるLDKにしたい場合はダイニングの天井高も一緒に下げると良いでしょう。
ダイニングやキッチンの天井高は、2100ミリメートルから2200ミリメートル程度に落ち着かせると納まりがよくなります。
つまりダイニングやキッチンの天井高を300ミリメートルから400ミリメートルほど下げることになります。
・キッチンの垂れ壁を利用する
キッチンの天井高を300ミリメートルから400ミリメートルほど下げた場合、そのスペースを吊り戸棚に利用するなどの活用方法が考えられます。
このときに、垂れ壁の上部を凹ませ、間接照明を設置すると、天井高が広く見え、機能性と実用性を兼ね備えた作りとなり、より効果的に働くことがあります。
3:キッチンの床の段差を利用して開放的に見せるコツ
キッチンの床の段差をうまく活用することで、LDKに一体感を持たせながら、空間を有効的に活用する方法もあります。
キッチンの床面の高さに変化を加えることで、ダイニングテーブルと一体感を持たせることができたり、ダイニングの床面のレベルまで落とすことで、ダイニングテーブルを利用するときの「床座」として利用することもできます。
さらにLDKの天井面での高さを合わせながら、キッチンまたはダイニングとキッチンの床のレベルを下げることで、ゾーニングを明確にする効果もあります。
ゾーニングにより間取りを区切る場合は、壁などを利用し間仕切りをする方法が一般的ですが、床に段差を加えることで緩やかなゾーニングを施すことができます。
キッチンの床を低くしてダイニングテーブルと高さを揃える
キッチンの床を下げることで、キッチンのワークトップ面との高さとダイニングテーブルとの高さを揃え、ひとつづきにして横に並べると空間に広がりを持たせることができます。
また、キッチンカウンターとダイニングテーブルの高さを揃えると、配膳や後片付けもスムーズになり調理時の導線がよくなります。
一般的なキッチンカウンターの高さ(キッチンのワークトップ面での高さ)は850ミリメートルです。
対して、一般的なダイニングテーブルの高さはおよそ700ミリメートルほどなのでキッチンの床面は150ミリメートル下げると高さが合うことが多いです。
ただし、ダイニングテーブルとキッチンの段差との距離が近いとダイニングテーブルの椅子が段差に落ちてしまう可能性があります。
そのためダイニングテーブルとキッチン段差との距離を適度に保っておくことが必要になります。キッチンカウンターをダイニングテーブル側に伸ばして段差との距離を設けると効果的です。
またキッチンの床に段差をつくると、意図せずに転びやすくなってしまう可能性があるので、キッチン側の床面の素材を変えるなどし段差部分の境目を強調することが大切です。
このとき、一般的にはキッチン側の床面をタイル張りにすることが多いです。
キッチンの床を下げて床座テーブルにする
床座とは、床に直接座る生活スタイルのことを言いますが、キッチンに段差をつくり、キッチンの床面のレベルを下げ、床をダイニングテーブルの椅子がわりにすることで、床座テーブルにする方法もあります。
床座として使用する場合は、一般的にはキッチンの床面を300ミリメートルから400ミリメートルほど下げると心地よい高さの床座にすることができます。
床座にする場合、もちろん、ダイニングテーブルの椅子の高さと床座として使用する床の高さを合わせる必要があります。
床座スタイルにした場合、キッチンとダイニングに一体感が生まれ空間に広がりを持たせることができます。
ただし、キッチンの床面を下げた場合、キッチンの天井が高くなりすぎてしまう可能性もあります。
もしも、必要以上に開放的な空間にすることが好ましくない場合、高さを調整しキッチンの天井を低くする工夫を施す必要があります。
キッチンの天井を低くするメリットは、設備機器のスペースを確保する以外にもあり、リビングやダイニングスペースの開放感が際だち、キッチンからリビング・ダイニングを見た場合視覚的に抜けるので、空間を広く感じることができる効果も期待できます。
水廻りの高さを揃えてゾーニングをする
スキップフロアでも利用される方法ですが、床面の段差を利用することで開放的な空間を保ちつつ、空間を緩やかに分けることができます。
洗面室や浴室など水廻りの空間で分けたい場合は、キッチンの床面を150ミリメートルほど下げると良いでしょう。
床の段差を利用し、水廻りで空間を分けることで、家事動線がスムーズになります。
その他心地よいキッチンにするアイデアについては「注文住宅のキッチンで心地のいい間取りにするための7つのコツ」を参考にしてください。
4:吹き抜けの高さに強弱をつけることで空間を広く見せる方法
天井の高さに強弱をつけることで、開放的な空間にする工夫もあります。
空間に連続性を持たせた開放的なLDKで考えた場合ですが、もっともスタンダードな考え方として、例えばリビングのみを吹き抜けにし、キッチンの天井高を抑えることで、よりリビング側の天井の高さが際立ち、開放的に感じさせることができます。
このとき、一般的にキッチンの高さは2100ミリメートルから2300ミリメートルほどにすることが多いです。
ダイニングとキッチンの天井の高さを低くして、リビングを高くする
連続した空間のLDKの場合、天井の高さに強弱をつけることで、空間の間取りをゾーニングすることができます。
一般的にはダイニングやキッチンのスペースの天井高を低く抑えて、リビング側の天井高を高くします。
このとき、リビング側のみ吹き抜けの空間にすると、空間にメリハリが生まれるのでより開放的で天井を高く感じることができます。
また、キッチンやダイニングの天井高を抑えることで、視線が横に広がるので、調理時や食事中も程よく開放的な空間となり、ダイニングで食事をするときも落ち着いて食べることができます。
食事をするスペースの場合、垂直方向に広がりを持たせた場合は開放的すぎる側面がありますが、あえてダイニング側の天井の高さを抑えて、水平方向へと広がりを持たせることで、納まりの良い空間にすることができます。
基礎立上りを利用してリビングの高さを下げる
基礎立上りを利用してリビングの床面の高さだけを下げる方法もあります。
リビングの床面だけを低くした場合、天井は高くなりますが、床に座った時に高さ400ミリメートル前後が壁となり、囲われる形になるので、開放的な空間でありながらも、それとなく落ち着いた空間をつくることができます。
ソファを設置して座ると包まれているかのような気分になることもあります。
また、リビング横にデッキを設けた場合、視線の高さがデッキの高さになるので外部とのつながりを持たせることもできます。
このとき、吹き抜けを利用すれば、吹き抜けは空間に垂直方向での開放感を持たせることができるので、さらに間取りに開放感を感じることができます。
吹き抜けのリビングにロフトをつくる
ロフトについて書いた「ロフトは必要?家づくりでロフトを設置するメリットとデメリット」でも言及しましたが、ロフトは設置の場所を間違うとかえって使いづらくなり、使用機会が減ってしまう傾向にあります。
その点、リビングにロフトを設置した場合、使用機会が増えるため、ロフトを有効活用できる確率が高くなります。
また、リビングの吹き抜けが開放的すぎる場合、リビングにロフトを設置すると開放感を抑える働きが生まれるため、相性が良く収まりが良い傾向にあります。
このとき、ロフトに窓を設置すれば、ロフトから採光を取ったり風通しをよくすることもできます。
吹き抜けの高さを抑える工夫
天井高を高くしすぎると、開放的すぎて逆に落ち着かなくなるなどのデメリットが生じることもあります。
また吹き抜けを利用すると、冷暖房効率も大きな負担となります。
その場合は、意識的に天井高を絞る工夫を施す必要がありますが、開放感を失わずに天井高を絞るには、スキップフロアを活用して段差をつくる方法や、勾配天井を利用する方法などをあげることができます。
・スキップフロアを利用する方法
吹き抜けの高さを抑えるために、思い切ってスキップフロア仕様にする方法があります。
例えば、キッチンとダイニングを最下層に設定し、キッチンとダイニングの天井高を抑えてつくり、スキップフロアで段差をつくりリビングにつながるようにします。
スキップフロアによって、リビングをあげ床とし2階に近づけるように工夫すれば、吹き抜けの天井高を抑えながらも程よい開放感を得ることができます。
このとき、リビングにリビング階段を設置すれば吹き抜けの開放感を程よく抑えながらも、空間全体に活気を与えることができるのでオススメです。
スキップフロアを利用する場合のちょっとしたテクニックとしては、リビングのソファーに座ったとき、キッチンに立った人と目線の高さがちょうど同じくらいに設定すると、お互いに心地よい空間にすることができます。
目線の高さを考慮する場合、スキップフロアによってうまれる段差の高さはおよそ700ミリメートル前後にすると納まりがよくなると思います。
・勾配天井を利用する方法
勾配天井にすることで、天井の高さを絞る方法もあります。
天井の勾配を利用することで視線が自然と開口部側に向くようになるため、開放的でありながらも、天井の高さをやわらげる効果が期待できます。
5:吹き抜けの大きさを利用して空間の広さを調整する方法
吹き抜けというと、リビング全体を吹き抜けにし、開放的な空間を演出する方法に気を取られがちですが、小さな吹き抜けを随所に設けることで空間に広がりを持たせる方法もあります。
小さな吹き抜けをつくることで、空間に遊びがうまれ、場所による変化を楽しむことができます。
リビングに部分的に小さな吹き抜けを複数(2カ所)つくる
小さな吹き抜けには自然光を室内に取り入れる工夫のほか、諸室と連続した空間を持たせる効果があります。
吹き抜けを利用して高い位置に窓を取り付けたり、スポットで天窓を設けることで室内に取り入れる光を調整することもできます。
小さな吹き抜けを利用する場合は、大小異なる高さの吹き抜けをつくると空間に動きが生まれるので、様々な角度から自然光を取り入れて、1日の中で時間によって変化のある陰影をつくったり、単調になりがちなLDKの空間の表情に変化を加えることができます。
例えばソファの上だけを吹き抜けにしたり、リビングの中央部分だけを吹き抜けにして、天窓を設ければ、昼間はリビングでくつろぎながらも自然光を取り入れたり、空を見上げることもできます。
空間の活かし方にもよりますが、細長い吹き抜けをつくり高い位置に窓を設ければ、壁に反射した柔らかい自然光を室内に取り入れることもできます。
そうした小さな吹き抜けを複数箇所に作ると、より複雑な陰影が家の中に生まれるので空間の表情が豊かになります。
また空間のボリュームを抑えながらも、吹き抜けを利用して空間を広く見せることが可能です。
南側に吹き抜けを設置する
外部からの自然の光をリビングいっぱいに取り入れたい場合は、南側に吹き抜けを設置すると良いでしょう。
部分的にリビングの南側だけを吹き抜けとすることで、南側から室内全体に自然光を取り入れることができます。
吹き抜けと窓の組み合わせや、設置の仕方次第では、自然光を光井戸のように室内に取り入れることもできます。
ただし、その場合、夏場は暑くなりすぎないように注意する必要があります。
また部分的に吹き抜けを設置した場合、隣接してルーフバルコニーを設置すると、機能面でも充実した間取り計画をすることができます。
ルーフバルコニーについては「屋上のある家ってどう?家づくりで屋上のある家のメリットとデメリット」も参考にして家づくりを進めるといいでしょう。
・バルコニーから吹き抜けへ自然光を落とし込む際の工夫
2階のバルコニーと隣接した小さな吹き抜けをつくる場合、バルコニーから室内に取り入れる採光を壁に反射させて、階下に落とし込む方法があります。
このとき、吹き抜け部分の自然光が当たる方の壁に、あえて凹凸を加える仕上げにしたり、壁の色の変化をつけると違った陰影が生まれるので面白くなります。
6:大きな吹き抜けでもリビングを開放的にしすぎないコツ
全体に広がる、大きな吹き抜けの場合、開放的しすぎてしまい、かえって落ち着かない空間になってしまうことがあります。
その場合は大きな吹き抜けでも、開放的にしすぎない工夫を施すことが大事になります。
柱や梁を利用して吹き抜けを抑える
開放的にしすぎると、落ち着かない空間になってしまったり、冷暖房効率が落ちてしまったりと、かえって吹き抜けのメリットを感じづらくなることがあります。
その場合、柱や梁をあえて見せる工夫を施すことも一つの方法論としてはありだと思います。
場合によってはごちゃごちゃとした印象になってしまいがちな柱や梁を有効活用して、デザインとして見せると、大きすぎる吹き抜けの空間の納まりが良くなることがあります。
LDKを開放的に見せる方法のまとめ
今回は、開放的に見せる方法の基本と応用をお話ししました。
2300ミリメートル以下の天井など、天井の高さが低い場合でも空間や間取りに工夫を施すことよって実際の広さよりも広く見せることができます。
標準的な天井の高さである2300ミリメートルから2500ミリメートルでも間接照明や幕板、吊り戸棚の位置を天井から離すことで重心が下がり、開放的でありながらも落ち着いた空間設計を施すことができます。
また吹き抜けを利用した場合など、開放的すぎると感じた場合でも、今回の記事であげたような柱や梁を利用したり一部を吹き抜けとすることで、程よい開放感でありながらも開放的にしすぎない間取りをつくることができます。
外部からの自然光を利用して壁に陰影を作る方法は、1日の時間帯によって移り変わる自然の表情をそれとなく気づかせてくれます。
是非、あなたの住まいにも今回のアイデアを取り入れて、素敵な住まいを実現してください。
間取りにこだわるなら注文住宅の間取りを無料で複数社に一括依頼する方法も
間取りがなかなか決まらない・・・なかなかいい間取りを提案してもらえない・・・期待している間取りがなかなか完成しないなど、間取りづくりに悩んでいるのであれば、一度複数社に間取りを一括して提案してもらうといいかもしれません。
複数社に同時に依頼することで、提案内容や会社の対応などを比較できたり、期待を超えて、思ってもいなかった素敵な間取りを提案されることもあるようです。
さらに、複数社と同時進行で進めていくことで、依頼先候補の住宅の特徴や、設計士の相性を比較できるので、一気に依頼先候補を絞り込むこともできます。
資金計画や土地探しなどにも応じてもらえるので、予定地だけでまだ何も決まっていないという方でもサービスを利用していただけます。
もちろん、これから依頼先をどこにしようか探している方でも、無料で利用することができます。
これから家づくりをこれから始めるという方でも、存分に活用していただけると思いますので気軽に利用してみてください。
お勧めです。
▼タウンライフ家づくり
無料で簡単!3分で一括依頼が可能!
・独自の間取りをはじめ、家づくりの計画書を無料で作成してもらえる
・全国対応可能で、600社以上の注文住宅会社があなたをサポートしてくれる
詳細はタウンライフ家づくりのページで確認いただけます。
予算内でいい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと
予算内で、いい家を安く建てるために知っておいて欲しいことが、実は、3つあります。
ここでは、いい家を安く建てるために知っておきたい3つの記事をご紹介します。
1:予算内でいい家を建てるための7つの基本
注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーします。
予算をオーバーする原因は様々ですが、打ち合わせを重ね、プランを進めてしまうと、一度プランを白紙に戻さないと引き返すことができなくなるなど、後戻りができなくなってしまうケースもあります。
もちろんプランを白紙に戻した際は、余計なコストがかかることは言うまでもありません
ですから、家を検討しはじめた、早い段階で依頼する側が、最低限の家を安く建てるための基本やコツを知っておき、しっかりとコストをコントロールをする必要があります。
また、何も知らずに依頼先の住宅会社と契約をかわしてしまうと、依頼先の住宅会社では希望している家が建てられないということが、家づくりのプランを進めてからはじめてわかり、納得しないままに家づくりを進めなくてはならないこともあるので、契約をする前にベースとして持っておきたい知識があります。
下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因やコストダウンの基本などについてお話ししていますので、参考にしていただき、予算内でいい家を安く建ててください。
2:注文住宅を予算内におさめるために知っておきたい家の形の話
家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。
また家の形次第で、間取りに制限がかかるなど、暮らしやすさが大きく左右されたり、長期間住むことで建物がダメージを受ける部分が違うためメンテナンスにかかる費用(維持費用)が変わってきたり、家の形によるメリットやデメリットが少なからずあります。
特に角の多い家は、注意が必要で、角が一箇所増えるにつれて、見積もり金額に10万円から20万円の金額差が生まれます。
下記の記事では、お金のかかる家とお金のかからない家の形の違いについてお伝えすると同時に、どのような家の形はコストが上がるかなどの例も載せておきますので、注文住宅で家づくりを検討しはじめたら、長い目で、家の形にも注意して家づくりを進めていくことをお勧めします。
家の形については下記の記事を参考にしてください。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
3:無料でもらえる住宅カタログを使って理想の家を建てる方法
注文住宅での、家づくりは情報を集めるところからスタートします。
そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。
実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に違いが生まれますし、予算の違いだけではなく、同じ要望でも依頼先次第で提案されるプランも違ったり、できることやできないことも違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。
だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決める必要があります。
依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、押さえておきたいポイントなどがあります。
下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、押さえたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。
>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ
以上、参考にして家づくりを進めてください。