注文住宅の間取りの中でも、キッチンの間取りには特にこだわりを持って、家づくりをされる方は多いものです。
キッチンを含む水回り関係の間取りは、生活の中でも頻繁に利用する間取りですし、生活の中心となる場所のため、どのようにキッチンを計画するかによって注文住宅全体の間取りに影響を与えてきます。
キッチンをどのようにレイアウトするのか、家の中でもどの位置にキッチンをつくるのか・・・水回り関係の間取りの中でも、キッチンの間取りは、それだけ大事な間取りと言えます。
今回の記事では、注文住宅で心地のいいキッチンの間取りを計画する7つのコツをお話しします。
記事後半では、キッチンを心地よく使えるようにするための、キッチン収納のコツについてもお話ししていきますので注文住宅で間取りを計画する際の参考にしてください。
Contents
- 1 注文住宅のキッチンのスタイルは3つ
- 2 それぞれのキッチンのスタイルのメリットを活かしながらも、デメリットを防ぐ工夫やレイアウト
- 3 心地よいキッチンの間取り1:キッチンに小窓を設置する(特に独立型のレイアウトで有効)
- 4 心地よいキッチンの間取り2:オープンキッチンにして料理を楽しむ
- 5 心地よいキッチンの間取り3:独立型キッチンではキッチンの間口を広めにする
- 6 心地よいキッチンの間取り4:キッチンをシンプルな形にして無駄なく機能的にする
- 7 キッチンを心地よい空間にするために、キッチンの収納関係の間取りを工夫するコツ
- 8 心地よいキッチン収納が考えられた間取り5:吊り戸棚を低い位置に設置する
- 9 心地よいキッチン収納が考えられた間取り6:通り抜けられるパントリーを設置する
- 10 心地よいキッチン収納が考えられた間取り7:サービスヤードまたはサービスバルコニーを設ける
- 11 まとめ:注文住宅のキッチンで心地よい間取りにする7つのコツ
- 12 注文住宅で相性の良い設計士を見極める方法
注文住宅のキッチンのスタイルは3つ
注文住宅のキッチンには3つのスタイルがあります。
1つ目のキッチンのスタイルは、アイランドキッチンのようなワンルームでつなげたオープンスタイルです。
キッチンを一つのインテリアととらえることで、非常にスタイリッシュで自由なキッチンを計画することができますが、その一方で常にキッチンを綺麗に整頓しておく必要があったり、他の間取り(居住空間)へ音や匂いが漏れやすくなるデメリットがあります。
2つ目のキッチンのスタイルは、カウンターや吊り戸棚などで他の間取り(居室)と部分的に仕切ったセミオープンスタイルです。
キッチンとリビング・ダイニングを緩やかに切り離すことでオープンスタイルのような開放感を維持しながらも、キッチン内の雑多な印象を程よく隠すことができますが、やはり他の間取り(居室)へ音や匂いは伝わりやすくなります。
3つ目のキッチンのスタイルは、リビングやダイニングと完全に切り離し、キッチンを別部屋として設ける独立型スタイル(クローズドスタイル)です。
キッチンが他の間取り(居室)と独立して存在するため、キッチンの音や匂いが他の間取り(居室)に影響しづらく、より使いやすいキッチンの間取りを計画することができる一方で、調理部屋という色が濃くなるので、オープンキッチンのように調理をしながら家族と会話することが、難しくなるデメリットがあります。
それぞれのキッチンのスタイルのメリットを活かしながらも、デメリットを防ぐ工夫やレイアウト
それぞれの注文住宅のキッチンのスタイルには、メリットがあれば必ずデメリットがあります。
使い勝手が良く、なおかつ調理をしていて心地いいキッチンにするには、それぞれのキッチンにするメリットやデメリットをしっかりと理解した上で、キッチンの間取りを計画することが大事です。
つまり、注文住宅のキッチンの間取りを計画するときは、それぞれのキッチンスタイルのメリットを活かし、キッチンのスタイルを選ぶことによって生じるデメリットを、できるだけ抑えるように工夫することで心地のいいキッチンにすることができます。
例えば、オープンスタイルのワンルームで開放的なキッチンの特徴を活かしながら、匂いや音の問題をどのように軽減するのかということや、独立型キッチンの調理に集中できる空間というメリットをきちんと活かしながらも、独立型キッチン特有の閉塞感をカバーするにはどうしたらいいのかをしっかりと検討することです。
ここからは、そんなそれぞれの注文住宅のキッチンのスタイルのメリットを活かしながらも、デメリットをできるだけ抑え、心地のいいキッチンにするための7つのコツについてお話しして行きます。
心地よいキッチンの間取り1:キッチンに小窓を設置する(特に独立型のレイアウトで有効)
注文住宅のキッチンを心地よい間取りやレイアウトにするためには、それが例え独立型キッチンであっても、程よく開放的な空間にすることが大事です。
ただしキッチンを開放的にしすぎると、音や匂いが他の部屋にも伝わってしまったり動線が増えすぎてしまい、キッチンに侵入されるなどしてしまったりして、独立型キッチンにするメリットが消えてしまいます。
そんな時は窓を有効活用してください。
特に「小窓」を利用すると、それぞれのスタイルのキッチンのメリットを活かしながらも、デメリットを抑えることができます。
オープンスタイルのキッチンであろうが、間取り次第ではキッチンが暗くなってしまいますが、壁側に小窓を設置したり、トップライト(天窓)から優しい光を取り入れれば、開放的で明るい素敵なキッチンをつくることができます。
キッチン小窓の設置が巧みな事例
ここからは、キッチンの小窓が工夫された事例についてお話ししていきます(私が設計したものではありません)。
上のキッチンでは、カウンターに使われている素材と、キッチン小窓サッシの素材を合わせることで、全体的に柔らかい印象のキッチンになるように工夫されています。
キッチンの小窓には曇りガラスが使われているため、程よくキッチン内部を隠しながらもダイニング側からの柔らかい光を取り入れることに成功しているキッチン小窓の設置事例と言えます。
上記の住宅は、建売の住宅で、もともとあったキッチンの小窓に、黒い枠をつけてDIYした事例です。
キッチン小窓の黒いフレームは木製で、小窓に使われるガラスの代用としてアクリルが使われているそうで、独立型キッチンとセミオープン型キッチンのちょうど中間にあたるような程よい開放感のあるキッチンに仕上げています。
カフェのような雰囲気のキッチンがお好みの方は、こうしたキッチンの小窓を検討するといいかもしれません。
普段は独立型のキッチンで、キッチン内部も隠してしまいたいという方は、小窓と兼用して配膳台の設置をする方法も、小窓の設置方法として非常に有効的だと思います。
上記のようにキッチンとダイニングを小窓で繋ぎ、アンティーク調の引き戸で締めるとぎゅっと空間を引き締めることが出来ます。
低い位置に設置した吊り戸棚の下にキッチン小窓を設置すると、吊り戸棚の圧迫感を抑えながらも開放感のあるキッチンにすることが出来ます。
写真の住宅では、キッチンにタモ材を使用しており暖かい雰囲気を醸し出しています。
心地よいキッチンの間取り2:オープンキッチンにして料理を楽しむ
キッチンはシンク、作業台、コンロ、それに収納スペースの4つの機能で構成されています。
キッチンのスタイルを始め、キッチンの形やキッチンのレイアウトの次第では、どのような家にしたいのかから逆算して、様々なキッチンの間取りを楽しむことができます。
その一つが、アイランド型キッチンに代表されるオープンスタイルのキッチンです。
オープンスタイルのキッチンでは、キッチンそのものをインテリアとして扱い、リビング、ダイニング、キッチンをひとつなぎのワンルームにして、開放的な空間にすることができます。
オープンキッチンのデメリットとしては、やはり匂いや音の問題が代表的なデメリットとなります。またダイニング側への油汚れや水はねなどを考慮しなければなりません。
そんな時は下記の3つの間取りの工夫を施すと、オープンキッチンのメリットを活かしながらも、デメリットを抑えることができます。
オープンキッチンの間取りの工夫1:いっそのことカウンターテーブルとつなげてしまう
オープンキッチンの開放的なメリットを活かしながらも、デメリットを防ぐ方法として、いっそのこと、キッチンとダイニングをつなげてしまう方法を検討するといいでしょう。
その際は、キッチンの正面に平行して設置するのではなく、キッチン横につなげて並べるような形でダイニングテーブルを設置し、アイランドキッチンとダイニングテーブルを繋げると、オープン型キッチンのデメリットを抑えながらも、オープンキッチンの開放的であるメリットを活かすことができます。
また、調理動線はもちろん、配膳の際の動線や、食べ終わった後の片付けの動線も良くなります。
オープンキッチンの間取りの工夫2:キッチン正面をリビングではなく庭に向ける
一般的に、オープンキッチンの間取りでは、キッチンの正面をリビングに向けて間取りを検討します。
ただしオープンキッチンでは、キッチン正面にダイニングやリビングを持ってきた際、油汚れや水はねの問題が生じてきます。
このデメリットを防ぐ方法として、キッチンの正面をダイニングやリビング側ではなく庭の方に向けて設置する方法があります。
キッチンの正面に立った時にダイニングやリビングを見ることができなくなりますが、顔を横に向ければダイニングやリビングを見渡すことができるので、オープンキッチンのメリットを活かしながらも、油汚れや、水はねなどによる面倒な汚れを防ぐことができます。
オープンキッチンの間取りの工夫3:コンロは壁側に設置する
壁から完全に切り離されて設置されるアイランドキッチンや、片方の端が壁に接触するペニンシュラ型キッチンを採用した場合、どうしても匂いや音の問題、また油汚れの問題が生じてきます。
そんな時は、いっそのこと水洗いのシンクと、食材を下ごしらえする作業スペースだけをアイランドスペースに持ってきて、火を使うコンロ(熱源)の場所を壁側に設置する方法を検討するといいと思います。
通常アイランド部分には、防火制限により、ガスコンロの設置はできずIHのみ使用可能となっていますが、壁側に設置すれば、ガスコンロを使用することもできるのでより調理の幅を広げることができます。
また、壁側にコンロを持ってくることで、音や匂い、油汚れの問題も軽減することができます。
オープンキッチンの収納のポイント
オープンキッチンでは、リビングとダイニング、キッチンが一つに繋がったワンルームの開放的な間取りを計画することができますが、壁が少なくなるため、同時に収納スペースの問題も生じてきます。
オープンキッチンの収納のポイントとしては、如何にキッチン収納を隠すことができるかにつきます。
例えば、キッチン横にパントリーを設置するのもいいでしょうし、対面型のキッチンでは、シンク下のデッドスペースを活用するのもいいと思います。
アイランドキッチンでは、開放的な空間にできる一方で、吊り戸棚の設置はできませんから、メリットを活かしながらも収納の問題というデメリットを抑えるためには、やはりパントリーを設置するのが一番効果的かと思います。
心地よいキッチンの間取り3:独立型キッチンではキッチンの間口を広めにする
独立型キッチンは、他の居室と切り離されているため、より使いやすいキッチンにするための間取りを検討することができます。
ダイニングスペースが水や油などで汚れる心配もなく、キッチンの調味料などのレイアウトはもちろん、調理器具のレイアウトまで自分の好きなように楽しめるのが最大の特徴です。
ですから、より調理に特化した機能性を十分に高めたキッチンの間取りにすることもできます。
しかし、独立型キッチンは調理に集中する間取りを作ることができる一方で、他の間取り(居室)から孤立してしまうことがあります。
そのような時は、独立型キッチンの間口を広めにとると、閉塞感を抑え程よく空間をつなげることができます。
間口を広くとると、配膳などもスムーズになりますし、キッチンを明るくすることもできます。
キッチンの間口を広く取った住宅の事例
上の写真では、独立型キッチンの間口が広めに取られているため、独立型でありながらも開放的な雰囲気のキッチンに仕上げられています。
暗くなりがちな独立型キッチンでも、キッチン小窓を調整することでも、明るい雰囲気にすることが出来ます。
心地よいキッチンの間取り4:キッチンをシンプルな形にして無駄なく機能的にする
調理時の作業効率をはじめ、家事効率の良いキッチンを検討する場合、選ばれるキッチンの形はI型かII型が適当だと思います。
I型やII型のキッチンはシンプルな形のキッチンで、キッチンの機能性を高めながら、作業効率を考えた使い勝手の良いキッチンの間取りを計画することができます。
II型キッチンでは特に、キッチン内のワークトライアングルを意識した動線が効果的に働く場合が多いので、キッチンの使い勝手を活かしながら、キッチンの機能をコンパクトにまとめることができます。
対面型のキッチンでもダイニングとの間に立ち上がり壁を設ければ調理中の手元が見えなくなくなりますし、ダイニング側から程よくキッチン内部を目隠しすることもできます。
キッチンの立ち上がり壁の部分は、リビングやダイニング側からは死角になるので、キッチン小物を隠しながら収納すると無駄がなくキッチンのスペースを有効活用することができます。
その際は横長いバーをつけるなどしてよく使うキッチン小物をぶら下げておく方法も効果的だと思います。
また壁付け型のオープンキッチンにする場合でも、ダイニングとの間に棚を設置すれば間仕切りを兼ねた作業台として間取りを無駄なく有効活用することができます。
キッチンの立ち上がり壁(腰壁)の収納を工夫して機能的にする
例えば上の写真のようにキッチンの立ち上がり壁の内部を凹ませて小物を収納できるスペースにするのも機能的にする一つの事例と言えます。
調味料などを収納することで、雑多になりがちなキッチン周りの印象をすっきりと抑えることができます。
またキッチンの立ち上がり壁にバーを設置して小物を掛けておくのもキッチンを機能的にする収納方法のひとつです。
ワークトライアングルを意識したキッチンの事例
ワークトライアングルとはキッチンの使いやすさを考えた動線のことをいいますが、キッチンの間取りを検討する際は必ず、ワークトライアングルを意識してキッチンの間取りを計画しなければなりません。
それぞれのキッチンの形にはメリットがあれば必ずメリットがあります。
例えば調理動線だけではなく、家事動線までを検討した場合次のようなキッチンの間取りにすれば家事動線を意識したキッチンの間取りにすることができます。
上記の写真では「1」が勝手口とパントリー、「2」がキッチン、「3」がパントリーとして、キッチン周辺の間取りが計画されています。
上の間取りですと、買い物から帰ってきたとき、玄関を通ることなく勝手口から、直接「3」のパントリーへ行くこともできますし、調理の際に野菜を取りに行きたい場合は勝手口に設置されたパントリーから食材を持ってくることもできます。
上の間取りの場合、おそらく「3」のパントリースペースの先には洗面所やトイレなどの水回り関係が設置されるでしょうから、その中間に家事室(ユーティリティ)が設置されることで、家事動線がより使いやすいものとして活きてきます。
また家事室から直接、ダイニングへいける動線も用意されているため、日常的に使用する水回り関係へのアクセスが非常によくなるように設計されていることがわかります。
さらに、冷蔵庫、シンク、コンロとの距離もバランスのとれた位置に配置されているため、キッチンを中心に日常のルーティンな家事を連続して行えるように工夫されていることがわかります。
ダイニングとの間の立ち上がり壁を有効活用した事例
上記の写真は株式会社LiB contensのオーダーキッチンの施工事例ですが、立ち上がり壁をリビング収納にするとダイニングとの間の壁を有効活用することができます。
上記の写真のような形でキッチンの立ち上がり壁を設置すれば、ダイニング側からの収納としても利用できますし、調理の際の油はねや水はねなどを防ぐことができます。
キッチンとダイニングをセミオープン型で緩やかにつなげながらも、空間を有効活用した面白い事例だと思います。
ダイニングやリビングとの間に間仕切りを兼ねた作業台を設置した事例
上記のようにインテリアとして、収納を兼用した作業台を設置すると見た目もスタイリッシュに、ダイニングやリビング側への間仕切りとして使用することができます。
広いワンルームの空間に壁付けキッチンを設置する場合などは、収納スペースを兼ねた作業台を設置すると、空間に溶け込ませる形でキッチンカウンターを設置することができます。
キッチンを心地よい空間にするために、キッチンの収納関係の間取りを工夫するコツ
これまではキッチンの間取りの工夫についてお話ししてきましたが、ここからは主にキッチンの収納関係を兼ねた間取りのコツについてお話ししていきます。
使いやすくて便利な、心地よいキッチンの間取りを計画する上では、キッチン収納の問題を外して考えることはできません。
ここからはキッチン収納関係をどのように、綺麗に美しくそして使い勝手良くまとめることができるのか、キッチン収納の間取りのコツについてお話しして行きます。
心地よいキッチン収納が考えられた間取り5:吊り戸棚を低い位置に設置する
キッチンの間取り計画において、キッチンの収納スペースをどのように確保するのかは皆が悩まれるところです。
注文住宅での家づくりにはありがちですが、一方を立てれば一方が立たずということもよくあります。
例えば、機能性を高めれば高めるほど、キッチンぽさが表に出過ぎてしまい、野暮ったい印象になってしまったり、スタイリッシュさが失われてしまう傾向にあります。
吊り戸棚もそのうちの一つです。
ただし吊り戸棚もレイアウトを工夫することでスタイリッシュな吊り戸棚にすることができます。またスタイリッシュさを保つだけではなく、使い勝手も考えた吊り戸棚にすることができます。
ポイントは吊り戸棚の位置です。
一般的な吊り戸棚は天井からぶら下げるような形で設置されますが、天井から切り離し、吊り戸棚を設置することで野暮ったさが消えます。
欧米のキッチンに多い吊り戸棚ですが、背面のキッチンカウンターに吊り戸棚を設置する場合、低い位置に設置することでよりスタイリッシュになり、無理なく手が届く場所に設置されるため出し入れも楽で利便性の高い収納を確保することもできます。
ただし吊り戸棚を設置する高さには注意する必要があり、あまりに低すぎると圧迫感が出てしまいますし、あまりに高すぎると機能性が失われてしまい、さらにスタイリッシュさもなくなってしまいます。
スタイリッシュさを失わない吊り戸棚にするためには高さを40〜50㎝の高さにし、引き手のない扉にすることが大事なポイントとなります。
低い位置に設置された吊り戸棚の事例
吊り戸棚は通常、オーダー(造作)で製作されるので使う人の使いやすい高さに合わせて設置することができます。
上記の例ではアンティークのタイルと組み合わせることにより、キッチンの空間の印象を引き締めることに成功しています。
例えばキッチンの吊り戸棚を天井からぶら下げる形にしても、上の写真のようにキッチン吊り戸棚を手の届きやすい位置に持ってきて設置を検討するのも面白いと思います。
ただし、日本は地震が多い国ですので、設置の際は開閉扉などを設置することを検討しなければなりません。
シンク下を有効活用する
キッチンには収納スペースの問題がつきまといますが、一つの解決策として、シンク下のスペースを収納に当てるのも効果的な方法です。
シンク下の収納はリビングやダイニングから隠すことができ、また比較的手を伸ばせば取りやすい場所に位置するので作業時の効率も良くなります。
ただし、シンク下の収納は、屈まないと取り出すことができず、設置の仕方によっては使いづらくなるので注意が必要です。
作業効率を考えた場合、背面の壁側に、収納スペースをまとめて持ってくる方法も極めて有効的です。
ポイントとしては無理のない姿勢でも、手の届く場所によく活用するキッチン用品をまとめて収納しておくことです。
II型キッチンでは、対面型キッチンの背面に収納棚やカウンターが設けられるため、キッチン使用時の移動距離が少なく、無駄な動きを少なくすることができるので、利便性の高いキッチン収納をつくることが出来ます。
キッチン背面の壁側にある収納棚を引き戸タイプにしておけば、キッチンを使用しない時は、閉めておくことで壁のようになり、キッチンの収納を目隠しすることができ、使用時に開いておけば収納を取り出しやすいスペースに工夫することも可能です。
(引き戸でなくても空間と調和するようなタイプの収納でしたら構いません)
電子レンジはもちろん、冷蔵庫なども普段は隠しておくことでよりインテリアとしてスタイリッシュなキッチンの間取りを計画することができます。
美しく見せるキッチンの収納は、如何に収納をインテリアとして空間に溶け込ませることができるのかがポイントです。
写真は米田木材株式会社のキッチンの施工事例ですが、非常にコンパクトでありながら大容量のキッチン収納スペースを実現しています。
例えば壁面の収納扉を開くと・・・
ここまで高い収納力を実現しています。一言で素晴らしいと思います。家事を行うスペースもキッチン内に設けられており、パソコンやちょっとした家事をこなしながらキッチンが使用できるようになっています。
キッチン作業台と合わせるとかなりの収納スペースが取られています。
棚の中で区分けされており、食器の種類ごとに収納できるよう工夫されています。
心地よいキッチン収納が考えられた間取り6:通り抜けられるパントリーを設置する
キッチンの収納を便利にする間取りとして、よくパントリーの設置が考えられます。
パントリーとは、いわゆる食料庫のことですが、現在では食品に限らず、キッチン家電などが置かれることもあったり、より広い意味での収納スペースとして活用されています。
一般的にパントリーはキッチンの隣に設置されますが、この時の工夫として、廊下やリビングなど、他の間取りへ通り抜けられるようなパントリーにすると動線が良くなり便利なパントリーにすることが出来ます。
例えば、ぐるぐると回れる回遊式の動線にするとパントリーの使い勝手が良くなります。
さらに、別の方法としてはキッチンの脇にパントリーを設置し、パントリー内に勝手口を設けるパターンです。
この場合、買い出しに行った食料をそのまま勝手口から入り、パントリーに貯蔵することができる他、パントリーとキッチンの間に扉を設ければ、断熱効果を高めることもできます。
また別の方法としては、玄関から入り、リビングへ行く動線とは別に玄関→パントリー→キッチンにアクセスできる間取りです。
この場合パントリーの半分以上を土間仕様にしておけば、土足で入りながら、パントリーに入ることが出来ます。
買い物から帰ったらそのまま玄関を通り、パントリー、キッチンへと足を運べる動線を確保できるので使い勝手の良いパントリーとキッチンを組み合わせることが出来ます。
使い勝手の良いパントリー設置の事例
例えば上記の間取りですと、玄関からダイニングを通ってキッチンへ行ける動線と、玄関からパントリーを通ってキッチンへ行ける動線、さらに勝手口からパントリーを通ってキッチンへ行ける動線の3つの導線が確保されています。
買い物から帰った際に利用できる動線や、キッチンから出たゴミを勝手口を通って家の外に持っていくことができるのでキッチン周りの導線が非常にスムーズになります。
心地よいキッチン収納が考えられた間取り7:サービスヤードまたはサービスバルコニーを設ける
1階でしたら、サービスヤード、2階でしたらサービスバルコニーを設置すると心地よく使い勝手の良いキッチンにすることが出来ます。
サービスヤード、またはサービスバルコニーでは、一般的にゴミ箱を設置したり、簡単なものを乾かしたりするのに使用されますが、キッチン周りにおける裏方の存在として案外便利に活用することが出来ます。
物置として利用するだけではなく、ちょっと工夫を加えるだけでもサービスヤードは便利な形に生まれ変わらせることができるので、様々な用途で利用することが検討できます。
ただしサービスヤードやサービスバルコニーを設置する際は、直射日光を避けた場所に設置するようにしてください。
つまり通常、北側への設置が望ましいと言えます。
間取りの都合でどうしても直射日光が当たる場所に設置することになってしまう場合は、植栽などで仕切るといいでしょう。2階のサービスバルコニーの場合は、外から見えないように目隠しをすることが大事です。
また、あくまで裏方の存在なので、メインとなる居室からは見えないように設置するのがいいでしょう。
さらに一言付け加えるのならば、ゴミ箱の設置は匂いを発生させるので特に夏場など注意が必要です。必ず、近隣の方に迷惑にならない場所に設置してください。
サービスヤード、またはサービスバルコニーの活用事例
上記のサービスヤードでは、木材で囲いをつくることで目隠しとなり、さらに日よけにもなっているサービスヤードとなっています。
右側のドアが勝手口にあたるため、キッチンからの動線が非常にスムーズになるように設計されていることがわかります。
こうしたサービスヤードですと、単なる物置としてだけではなく、普段使いもできるため活躍の幅が広がると思います。
サービスヤードを単なる物置としてだけではなく、もっと幅広い用途で使うためには、使いやすい動線を確保し、普段から使いやすいように工夫して設計することが大事です。
もちろんそれぞれの家の要望によって設置の仕方は変わってくるため、優秀な設計士と出会い、家づくりを進めていく必要があります。
また、バルコニーの設置に関しては「家づくりでバルコニーは必要?バルコニーをつくる時に注意すべきこと」にバルコニー設置に際しての注意点やメリットやデメリットをまとめさせて頂いておりますので検討の際は一読ください。
まとめ:注文住宅のキッチンで心地よい間取りにする7つのコツ
今回は注文住宅のキッチンを心地よい間取りにするための7つの工夫についてお話しさせていただきました。
心地よさの感じ方は人により違い、一概にこれが正解だということはできません。
オープンキッチンが好みの方もいれば、独立型キッチンの方が好みだという方もいます。
せっかく注文住宅で家を建てるわけですから、家族の理想となるいい家づくりをしたいものです。
家づくりをする上で一番大事なのは家族でしっかりと話し合う時間を設けることです。そして、それぞれの家の想いや理想をまとめ、具体的な計画を立てることです。
具体的なことは、実際の家づくりを進め始めてから決めていくとして、どのような家にしたいのかは話し合い、話を詰めることができます。
あとは、家族との話し合いの末、まとめられた理想の家の形を腕の良い設計士にぶつけ、いい提案を期待することです。
ただし、設計士は建築基準法などの法規に則った住宅のプランを提示しますから、期待するだけではなく、なぜその間取りが必要なのか、「なぜ必要?」という理由をつけた上できちんとコミュニケーションを取り、家づくりを進めていくことが大事です。
注文住宅は、どの場所にどの間取りを持ってくるかによって、全体のバランスが大きく変化します。
何を家の中心にして、どのようなテーマで注文住宅の間取りを検討するのかでも、違います。
キッチン一つとってみても、設計士によってプランの幅は違ってきますし、設計士の腕はもちろん、間取りづくりの得手不得手、さらには広い意味での相性の問題もあります。
一級建築士だからといって、なんでも出来るだろうというのは思い込みに過ぎず、単なる資格にすぎませんので腕の良し悪しは様々です。
ここら辺はお医者さんを選ぶのに似ているところです。皆共通して同じ医師免許を持っていようと専門が違えば腕は様々です。
どうせなら相性の良い設計士と出逢い一緒に注文住宅の家づくりを進めていきたいものです。
注文住宅で相性の良い設計士を見極める方法
注文住宅の間取りは面白いもので、同じ要望でも100人の設計士に提示すれば、100通りの答えが返ってきます。
それだけプランの幅があるということですが、それを利用して相性の良い設計士はもちろん相性の良い住宅会社に出会う方法があります。
それは複数の住宅会社に一気に間取りを提案してもらうことです。
今までは、住宅展示場に足を運んだり、雑誌を読んだり、知人の伝手(つて)で直接住宅会社に問い合わせる方法が一般的でしたが、現在では、インターネットの普及によって、インターネットから申し込めば無料で一括して間取りを提示してもらうこともできます。
詳しくは「家づくりを失敗する5つの理由と新築一戸建て注文住宅の購入を検討し始めたら利用したい2つのサービス」でもお伝えしていますが、家づくりの要望を伝え、間取りを提案してもらうことで相性の良い住宅会社かどうかを見極めた上で話を進めることができます。
どうも、要望がうまく伝わらなかったり、意図を汲み取ってもらえなかったり、要望とはかけ離れたプランが提示された場合、その住宅会社とは相性がよくないことが予想されますから計画段階で外した方がいいかもしれません。
もちろん、無料での間取り作成ですのでラフプラン(たたき台の間取り)での提示となりますが、そこから話を進めていくと思わぬところで良い間取りを提案されることがあります(いいプランを提示されるかどうかは、正直なところ設計士の腕次第です)。
必要に応じて、土地探しから進めることもできますし、見積もりも同時にもらうことができますので家づくりを検討し始めたら一度利用してみてください。
当サイトから依頼いただければ、複数社に同じ条件で一括して無料で間取りを提案してもらうことができます。さらに、ONE PROJECT(当サイト)からの特典として小冊子「成功する家づくり7つの法則」もプレゼントしていますので家づくりの参考にご活用ください。
▼注文住宅で住宅会社を検討し始めたら、まずは複数社から家づくりの提案を受けて見てください▼
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