世界で初めてアクアリウム(水中造園)の世界に日本庭園の世界をつくった人物、それが天野尚(あまのたかし)氏だと言われています。
実は、そんな天野尚(あまのたかし)氏は16年間競輪選手として活動し、その一方でアマゾンやボルネオなどを代表とする世界各地の熱帯雨林などを訪れ風景写真やエッセイなどを専門誌に発表していたそうです。
天野尚(あまのたかし)氏は、1982年にはアクアデザインアマノ(ADA)を創立。
自らがデザインした水草を使ったアクアリウムのレイアウトをADA本社にネイチャーアクアリウムギャラリーとして展示するなど、もっぱらのアクアリストでもあります。
最近は2012年5月、東京スカイツリータウン内にオープンしたすみだ水族館の水草水槽レイアウトを手がけるなど精力的に活動しています。
天野尚(あまのたかし)氏が手がけた水槽レイアウトの世界はどれも言葉にできないほど素晴らしく、まるで水槽の中にもうひとつの世界があるのではないかと錯覚をおこしてしまうほど精巧につくられています。
水槽に水草を配植し、その美しさを楽しむ水槽のことを水草レイアウトと呼んでいますが、天野尚(あまのたかし)氏を代表とする水中造形家ががつくるアクアリウムの世界は「自然から学ぶ」ことをコンセプトとしており、ネイチャーアクアリウムと呼ばれています。
ネイチャーアクアリウムでは自然の美しさを学ぶことで、その自然の美しさを水槽の中に取り入れ、自然そのままに石や流木で構図をつくり、水草を植栽して美しい景観を表現する手法がとられています。
さらにネイチャーアクアリウムでは、その水槽の中の世界を大事にしており、水槽の中の世界は自然そのものの縮図として機能しています。
自然の縮図として機能するとはどういうことかというと、私たちが普段触れている自然そのままに・・・例えば、ネイチャーアクアリウムでは水草、魚、微生物が相互作用を持ちながら形成する小さな生態系によってその環境が支えられています。
これは自然そのままの生態系を、小さな水槽の中にレイアウトしているということになります。
そんな考えがあるからこそ、他のアクアリウムにはみられない美しさを、ネイチャーアクアリウムでは感じ取ることが出来るのかもしれません。
身近な風景はもちろん、今までいったことのない熱帯雨林などの世界を水槽の中に自然の縮図として閉じ込める。
水槽の中の生態系にも木を配りもうひとつの世界を表現する。
だからこそ、自然本来の世界に近いからこそ、その中に泳ぐ魚はいきいきと泳ぐことができるのかもしれません。
壮大なる大自然を自らの想像力で小さな水槽に凝縮し、その中で生まれる新しい生態系を楽しむ。それがネイチャーアクアリウムの魅力のひとつなのかもしれません。
繊細かつ壮大なるアクアリウムの世界。その魅力に取り憑かれてしまったもの。それがネイチャーアクアリストです。
まるで水槽が生きているようにさえ感じます。
どの作品も一般的なアクアリウムにはみられない現実がそこに感じられます。
流木と水草を巧みに利用し、どことなく儚い世界をつくり出しています。
水草で覆われた水槽の中の山々。叶わない夢ですがこの世界に住んでみたい気がします。
自然を切り取る、という表現にふさわしく、その切り取られた自然が非常に美しく表現されています。
動画もあるのでその世界を堪能されたい方は一度ご覧になってみてください。
天野尚(あまのたかし)氏がつくりあげるネイチャーアクアリウムの世界・・・素晴らしい世界です。
天野尚氏公式ホームページ:天野尚 – AmanoTakashi.jp -(http://www.amanotakashi.jp)
▼参考:(外部サイト)
・Nature Aquariums and Aquascaping Inspiration
URL:https://www.home-designing.com/2012/01/nature-aquariums-and-aquascaping-inspiration