建売住宅は欠陥住宅の宝庫だと住宅業界では言われることがあります。
あくまで個人的な見解になりますが、確かに建築現場を見せてもらうと、欠陥住宅とは言わないまでも欠陥住宅予備軍の建売住宅や、潜在的な欠陥を抱えている欠陥住宅はたくさんあるように思います。
なぜ建売住宅には欠陥住宅が多いのか?
また建売住宅で欠陥住宅をつかまないためには、どのようなことに気をつけて購入すればいいのか?
昨今、至る所で建売住宅を建築中の現場を目撃しますが、立地や価格だけではなく、きちんと押さえるべきところは押さえていかないと住み始めてから数年後に住宅を購入したことを後悔してしまうかもしれません。
今回の記事では、住宅建築に携わる私が実際に建売住宅を見てきて思う建売住宅の購入で失敗しないための注意すべきポイントなどについてお話ししていこうと思います。
【建売住宅か注文住宅か?悩んでいるあなたへ】
注文住宅は建売住宅よりも高いと思っている方は多いと思います。実際多くのケースで注文住宅の方がイニシャルコストは高くつきますが、実はポイントさえおさえれば建売住宅よりも、注文住宅を建てる方がコスト的にも安く建てられることがあります。
ここでは家を安く建てるためのコツをお伝えしていきます。
1:注文住宅を安く建てるための方法は?
注文住宅を予算内で建てるためには7つの基本を押さえておく必要があります。
価格の面で仕方なく建売住宅を選ぶという方は、まずは諦めず注文住宅を安く建てるコツをおさえて、住宅会社に依頼してみてください。
予算内でいい家を建てるための7つの基本は「家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本」にまとめてありますのでご覧の上、まずは依頼し見積もりなどを取ってみることをお勧めします。
2:注文住宅を予算内におさめるための家の形の話
あまり知られていませんが、家にはお金のかかる形の家と、お金がかからない形の家があります。
では、どのような家の形はお金がかかり、どのような形にすればお金がかからないのでしょうか?
それぞれの家の形の特徴とお金の関係については「家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い」をご覧ください。
3:無料でカタログを請求し理想の家を建てる方法
注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。
無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して理想の家を建てる方法については「無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ」をご覧ください。
Contents
- 1 建売住宅を購入する前に注意したい最大のポイント
- 2 建売住宅を検討する前に知っておきたい、建売住宅が販売される4つの時期と狙い目のタイミング
- 3 建売住宅をより安く購入できるタイミングについて
- 4 なぜ建売住宅は欠陥住宅の宝庫だと言われるのか?
- 5 建売住宅を購入する前に注意したいポイント
- 6 建売住宅を購入する前に確認したいポイント1:建売の現場を何度もしつこくチェックする
- 6.1 1−1:営業マンを同乗せずに何度も建売の現場に足を運ぶ
- 6.2 1−2:曜日を変えて何度も建売住宅の現場に足を運ぶ
- 6.3 1ー3:朝(早朝を含む)、昼、夜(夕方)など時間帯を変えて建売の現場に足を運ぶ
- 6.4 1ー4:購入を検討し始めたら近所の人に話を聞く
- 6.5 1ー5:建物周辺の将来的な社会環境の変化にも気を配る
- 6.6 1ー6:近くに不快感を感じさせるものはないか
- 6.7 1ー7:地域の特徴や特性を知る
- 6.8 1−8:朝・昼・夜の景色の違いを確認する
- 6.9 1−9:季節や天候による違いも確認する
- 6.10 1ー10:隣の家の間取りとの関係性を見極め問題がないかを確認する
- 6.11 1−11:外観や仕上がり以外の部分にも目を向ける
- 7 【こんな時は要注意】実際に体験した建売住宅の売り方の手口
- 8 失敗しない建売住宅を購入するための手引き
- 9 足を使って自分で調べることを面倒くさがらない
- 10 建売住宅は建築後どれくらいで安くなるの?購入はいつがいい?建売住宅を安く購入するコツ
- 11 建売住宅の「売れ残り物件」は高い確率で値引きをしてくれる
- 12 まとめ
- 13 予算内でいい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと
建売住宅を購入する前に注意したい最大のポイント
まずは建売住宅を購入する上での最大のポイントからお話しします。
これまで多くの建売住宅を見てきましたが、いずれにしても「建売住宅に掘り出し物はない」ということを前提として考えて購入するか否かを判断することが大事なように思います。
多くの建売住宅を見てつくづく感じることですが、建売住宅には正直なところ「格安物件」はあるかもしれませんが「掘り出し物の物件」はありません。
建売住宅の購入を検討する際は、まずこのことを頭の片隅に置いて見て回ることが大切です。
つまり「格安物件」や「掘り出し物物件」などという甘い言葉は、建売住宅の情報を集めているとよく耳にする言葉ですが、そうした甘い言葉には一切耳を傾けてはいけません。
それよりも、実際にその土地に住むことになった時のことを意識してシュミレーションし、できるだけフラットな視点で家を探すことが重要であるように思います。
そして「価格」や「立地」だけではなく、これからお話しするようなそれ以外の部分で、家を決める上でのポイントにも注意して家探しをしてください。
※建売住宅を見る際のポイント:
1:建売住宅に掘り出し物はないと心得ること
2:「価格」や「立地」だけで決めないこと
建売住宅を検討する前に知っておきたい、建売住宅が販売される4つの時期と狙い目のタイミング
販売会社が積極的に集客を行い建売住宅を販売する時期は大きくいって4つの時期に分けられます。
【一般的な販売会社の建売住宅の販売時期】
1:確認申請がとれただけの更地の状態
2:上棟の段階
3:完成直後、完成仕掛けの段階
4:完成してから数ヶ月後
なお詳しくは後でお話ししますが、建売住宅では様々な事情により販売時期によっては、実際に販売されている「表示価格」よりも住宅を安く購入できるケースがほとんどですので(値引き交渉も含む)、販売時期を見極めて交渉にあたると良いと思います。
ケース1:まだ建物が完成していない時期に物件を見て回る場合
建売住宅の販売時期は細かく分けると上記4つのタイミングがありますが、このうち「1:確認申請がとれただけの更地の状態」と「2:上棟の段階」のタイミングでは、現地に行っても、まだ建物自体が完成しておらず完成予想図(図面と価格表)を頼りに、そこに建てられるであろう住宅を想像して見て回ることになります。
ですから、建築予定地に行ってもそこに家が建つ予定であることが分かるだけで、内見することはできないため実際に見て触って確かめるなどの体験をすることができず、その建物からの眺めがどのようになるのかも知ることはできません。
ただし建築予定地周辺の環境はどのようなものかを知ることはできるので周辺環境を知ると言う意味では非常に意味があると思います。
なお、建売住宅では売れ残り物件は高い確率で値引きに応じてくれますが、この段階ではいくら業者に値引き交渉をしても値引き交渉に応じてくれないケースがほとんどです。
ケース2:完成直後、完成しかけの段階で建物を見て回る場合
先ほどの「1:確認申請が取れただけの更地の状態」「2:上棟の段階」で家が売れなかった場合、建売住宅の完成直後から様々な媒体を使って大々的に広告が打ち出され、ようやく本格的に建売住宅が販売されるようになります。
そして、様々な物件を見て回りはじめたら実感頂けるかと思いますが、建売住宅が本腰を入れて販売され出すのも完成しかけや完成直後のこの段階です。
このとき、多くのケースでは、建売住宅の事業主(売主)が販売会社を通して建売住宅を販売することになりますが、事業主(売主)が複数の販売会社に依頼して販売されることもあります。
※建売住宅に関わる会社については下記リンク先の記事にまとめてありますのでご確認ください。
また、値引き交渉に応じるようになるのもほとんどのケースで完成しかけか完成直後の段階からです。
建物がまだ完成していない段階では値引き交渉に応じてくれるケースはほとんどありませんが、建物が完成した後では、ほとんどの業者で値引き交渉に応じてくれるようになります。
特に何度も現地に足を運んだりして真剣に検討している購入の意思を見せるなどをすれば(フリでも良い)、事業主(売主)に値引きを交渉してくれる確率が高くなります。
これは覚えておくと良いと思います。建売住宅ではちょっとした交渉次第で軽く数百万円の金額が変わってきますので重要なポイントとしておさえておくべきです。
建売住宅の値引きの仕方などについては後で詳しくお話ししますが、値引き交渉で大事なのは交渉する「タイミング」としつこいくらいの「熱意」この2つだけです。
ケース3:建売住宅が完成してから数ヶ月経過している場合
建売住宅が完成してから数ヶ月間売れ残っていると「売れ残り物件(在庫扱い)」となります。
「売れ残り物件」扱いになると、販売会社は、在庫を売りさばくために、だいたい2ヶ月から3ヶ月単位で価格の見直し(価格改定)をおこなっていきます。
もちろん数ヶ月待たずとも、早い段階で価格の見直しに踏み切ることもあり、物件によってはたったの1ヶ月購入を待っただけで500万円から1,000万円以上価格が安くなることもあります。
ようは、販売会社としてはこのままずるずると売れ残りの物件を抱え込むよりも、いち早く売ってしまった方が会社の利益になると判断し値引きをして売れるようにしていくのです。
もちろん、同じ物件なのに時間がたつほどに安くなるのにはいくつかの理由があって、その大きな理由の一つは建売住宅は建築後1年も経過すると「新築物件」として販売できなくなるなどの事情が複雑に絡んでいます。
「新築物件」として売れなくなると、在庫を抱えるリスクが高くなり、だからこそ、販売する側としては値引きをしてまでも、とにかく早く売ってしまいたいという思いが強くなるのです。
そのような販売側の事情もあり、家が建ってから数ヶ月もすると、ほとんどのケースで値引き交渉に応じてくれるようになりますので、よりイニシャルコストをおさえて購入したい場合は覚えておくといいと思います。
つまり、より建売住宅を安く購入するという視点にたった場合、建売住宅を購入するタイミングでおすすめなのはこの建築後数ヶ月経過した時期です。
・・・が、もちろん人気の高いエリアの物件の場合は、この段階にくるまでに売れてしまうこともあります。
特に競争が激しい人気の高いエリアでは、「売れ残り物件」扱いにならないケースもあるため、ある程度郊外にある、あまり競争率の高くない物件を狙う場合は、この段階まで待ってから購入すると、表示価格よりも格安で建売住宅を購入できるようになります。
建売住宅をより安く購入できるタイミングについて
いったん、ここで建売住宅を安く購入できるタイミングについてまとめます。
建売住宅の販売時期は「1:確認申請がとれただけの更地の状態」「2:上棟の段階」「3:完成直後、完成仕掛けの段階」「4:完成してから数ヶ月後」の4つの時期に分かれていますが、建売住宅の購入を検討する際は、下記の2つのタイミングで交渉にあたると表示されている価格よりも安く購入できる可能性が非常に高くなります。
【建売住宅を安く購入できるタイミング】
3:建売住宅の完成直後、完成しかけの段階
4:建売住宅が完成してから数ヶ月後
建売住宅では、上記2つのタイミングを狙って購入を検討すれば、表示価格よりもかなり安く家を購入できる確率があがると思ってください。
ただし、業者側も値引きされることを見込んであらかじめ価格を高く設定しているケースもあります。
つまり完成直後では値引きされることを見越して、通常販売価格が通常価格よりも高い金額で設定されていることもあります。
だから、本格的に値引き交渉を始める場合は、ある程度期間をあけてから交渉をしはじめると良いと思います。
先ほどもお話ししましたが、お勧めは「4:建売住宅が完成してから数ヶ月後」の段階です。
この段階までくれば、ほぼ100%に近い確率で値引き交渉に応じてくれるようになりますし、本来の表示価格よりも数百万円は安く購入できると思います(それまでの経過や競争率の高さによってこの辺りの金額は変わってきます)。
それまでは、購入の意思を見せるために、何度も足を運んで建物の内部を見せてもらったり、時間を変えて現地に行ったり、近所の人に話を聞いたりしてそこに住んだ場合のイメージを深めていくといいと思います。
なぜ建売住宅は短期間でこんなにも簡単に値引き交渉に応じてくれるのか?
実は建売住宅が短期間で安くなるのには販売会社や売主側の複雑な事情があります。
建売住宅を安くお得に購入するためには、そうした販売会社の事情も知っておくとより交渉を有利に運ぶことができるでしょうし知っておいて損はないと思います。
では、なぜ、建売住宅はこんなにも短期間で価格が驚くほど安くなったり、簡単に値引き交渉に応じてくれるのか?
それには下記のような事情が関係しています。
【建売住宅が短期間で安くなったり値引き交渉に応じてくれる事業主側の事情】
1:販売当初は実際の価格よりも高く表記している
2:建売住宅は1年を過ぎると「新築物件」として販売できなくなる
3:金融機関の借入期間は通常12カ月となっているから
これらの事情はおそらく、どの販売会社のホームページにも積極的に公開されることはないと思います。
なぜなら、より高く売れるはずの物件を自らの事情を話すことで、安く販売してしまったり積極的に家の値引きをさせてしまうことにつながるからです。
資本主義の社会では、顧客により高く売って、より高い仲介手数料を手にしたいと思うのが世の常ですから積極的に公開されることは今後もないでしょう。
なぜ建売住宅は欠陥住宅の宝庫だと言われるのか?
ここで建売住宅が欠陥住宅の宝庫だと言われる所以についてお話ししていこうと思います。
冒頭でもお話ししましたが、建売住宅は欠陥住宅の宝庫だと揶揄されることがあり、私自身の実感としても、確かにそれは現実味を帯びているように思います。
そして、一般的に建売住宅は欠陥住宅が多いと言われる背景には大きくまとめると下記の2つの理由が関わっているように思います。
【建売住宅が欠陥住宅の宝庫だと言われる主な理由】
1:一般的な建売住宅は事業としての予算が限られているから
2:誰が住むかわからない顔が見えない相手の家を建てているから
1:一般的な建売住宅は事業としての予算が限られているから
まず第一に事業予算が限られているという理由です。
大雑把に言えば、建売住宅では特に購入希望者の目に付くところや、購入を決断する上で大事にするポイントには予算を大きくかけ、それ以外の部分では徹底的に予算を削って建てているケースが多いです。
例えばキッチンや水周りは購入を決断する上で大きなポイントとなるので見栄えよく作られていることがほとんどですし、それ以外の部分や建築資材、設備については比較的安価なものを使ったりするなど、全体の予算が事業主の都合で調整されていることがほとんどです。
さらに建物の形は価格を大きく反映しますから総二階建てとなっているケースが多いでしょう。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
間取りもできるだけ単純なものとし、一般的にどの家にもよくみられる間取りとなっていることがほとんどですし、最近の建売住宅では部屋数や間仕切りの数もできるだけ少なく簡素なものとされていることが多いように思います。
そして、ほとんどのケースで屋根の形は切妻屋根とされています。
もちろん注文住宅の現場でもそうした予算のメリハリをつけることは行われていますが、建売住宅の現場では、それが事業主側の都合でより顕著に行われていると思ってもらって問題ありません。
つまり、建売住宅では、「いい住まい」を提供しようという視点ではなく、より見栄えよく高く売れるようにという業者の立場から設計を行っていることが多く、そこに最大の問題があります。
業者のなかには、より利益を追求するために必要な工事を省略してしまうこともあります。そしてこれらは素人目ではわからず、建物が完成してしまえば隠れてしまう部分になるので、業者側としても随分と都合が良いのです。
さらに言いましょう。
一般的な建売住宅の現場ではギリギリの工期でスケジュールが組まれていることががほとんどです。
工期にゆとりがないので、天気が悪い日が続いたり、建築中に何か問題が起こった場合はそれに対処するための十分な時間が設けられていないことが多く、そのままないがしろにして工事が進められてしまい、そのしわ寄せは全て事情を何も知らずに購入した購入者にくることになります。
例えば、基礎などに使われるコンクリート打設工事は天気をよむ必要があります。
けれども工期の関係で雨であろうが関係なくコンクリート打設工事を行なってしまっている現場をよく目にします。
こうした中途半端な工事を行なってしまうと、しっかりと強度を確保することができず建物としての欠陥を抱えてしまう住宅になってしまいます。
建ててから数年はまだなんとかなります。
しかし、どこかで無理をした家は、5年から10年くらい経つとどこかで必ず不具合が生じてきます。
それも購入者が気が付かないうちにじわじわと進行しているのですから、気がついたときには大掛かりな改修工事が必要になってしまうこともあります。
場合によっては建物を壊さないとならないケースもあります。
・売主や販売会社の都合で話が進められる
建売住宅は限られた予算で、土地を仕入れ建物の設計、工事などをしなければなりません。
その上、利益を出さなければならないし、売れなかったら商売になりませんので値引きをしてまで売り切る必要が出てきます。
そうした厳しい条件の中で、あらゆることを想定し話を進めていくわけですから自ずと予算をかける部分と、予算をかけない部分の差異が大きくなってしまうのです。
もちろん家を建てる以上、そこに住む予定となる買主のことも考えて建てられているとは思いますが、売主や販売会社はあくまで家を商品の一つとして扱っているため、つまりは全ての判断は儲かるか儲からないかと言う視点で決められていき売主や販売会社の都合で計画が進められていきます。
そのため見えないところや、購入希望者がチェックできない箇所などにおいて予算が削られているケースが多いのです。
2:誰が住むかわからない顔が見えない相手の家を建てているから
あまり話題になりませんが、買主の顔が見えないというのはときに深刻な事態を引き起こします。
繰り返しになりますが、誰が住むかわからないということは、売主や販売会社からすれば、全ての決定権は売主や販売会社にあり、建売住宅の計画から竣工まで売主や販売会社の都合で進めることができます。
つまり実際に住む人のことを考えた家づくりが計画の中心になるのではなく、いかにして効率よく利益を出すのかを中心に全てがデザインされていきます。
そうすると、どうしても目につかない部分や、隠してしまえる部分は、できるだけ安い材料を使い、いかにして利益を出すかに焦点が向けられることになります。
どうとでも、ごまかしが効くのです。
それに工事業者からすれば、顔が見えない相手の家を建てるというのは気合の入らないものです。
誰が住むかわからない家を建てているので、気持ちが入らずどうしても手を抜きたくなる場面が出てきます。
つまり、工事が適当になってしまう場面も自ずと増えてくる傾向にあると言うことです。
特に狭い敷地内で工事をする場合は、無理な体勢で仕事をすることになりますから、人間ですからどうしても手を抜きたくなったり、適当に済ませてしまいたい気持ちが沸き起こってしまいます。
気候がいい時期の工事だったらまだいいですが、それが暑い夏場であったり、寒い冬場であった場合は気持ちの面で気合が入りづらくなります。
これは本来いけないことですが、気持ちの面で仕方のない面もあります。
また建売住宅では、労務費を押さえたい関係で、安い労働力を駆使しています。
外国からの労働者はもちろん、あまり経験のない若い労働者に現場工事を任せることが多く(熟練工は費用が高くつくため)そのため今自分が行なっていることがミスで大きなリスクにつながる工事だと気が付かない場面が時にあったりします。
監督はいくつも現場を掛け持ちしていることが多く常に余裕がないので、基本的に現場任せになってしまっており、そうなると監督不在で仕上げる場面がどうしても多くなってきます。
監督不在となるとどうしても手を抜きたくなったり、仕上げが疎かな部分になってしまう問題が生まれます。
会社でも上司がいなくなると途端に手を抜きたくなる方がいると思いますが、心情としてはそれと同じようなことなのでしょう。
本来あってはいけないことですが、経験の浅い若い人にとっては、そのような理由で手を抜く現場が出てきてしまうことも頭に入れておくべきです。
ここであげた理由はごく一部ですが、建売住宅では、こうした理由から潜在的な欠陥を抱えている建売住宅が多いのです。
建売住宅を購入する前に注意したいポイント
下記からは数々の建売住宅を実際に目で見て回った経験から、建売住宅の購入を判断する上で、特に確認しておいた方が良いと思う点など私が重要だと思ったポイントに絞ってお伝えしていきます。
これから建売住宅を購入する予定の方は、必ずこれから話す点に注意して購入を検討するようにしてください。
土地に関する問題と建物に関する問題を検討する
まず前提として、建売住宅は土地と建物がセットになっていますから、土地に関する問題と、建物に関する問題を分けて考え、順番に確認していくことが必要になります。
【建売住宅を購入する前に確認したい2つの問題】
1:土地に関する問題
2:建物に関する問題
【土地に関する問題】
建売住宅を購入する前に確認したいポイント1:建売の現場を何度もしつこくチェックする
はじめて現場に足を運ぶ際は、現地で待ち合わせるのではなく、営業マンが運転する車で現地へ向かい、建物の中を見せてもらうという流れが一般的です。
もしも見学した家が気に入り、真剣に住宅の購入を検討する段階に入ったら、必ず現場に何度も足を運び建物周辺の環境を確認するようにしてください。
その際のポイントは下記の通りです。
1:営業マンを同乗せずに何度も建売の現場に足を運ぶ
2:曜日を変えて何度も建売の現場に足を運ぶ
3:朝(早朝を含む)、昼、夜(夕方)など時間帯を変えて建売の現場に足を運ぶ
4:購入を検討し始めたら近所の人に話を聞く
5:建物周辺の将来的な社会環境の変化にも気を配る
6:近くに不快感を感じさせるものはないか
7:地域の特徴や特性を知る
1−1:営業マンを同乗せずに何度も建売の現場に足を運ぶ
購入を検討し始めたら、必ず後日、自分の足で現地まで向かうようにしてください。
その際はその家に住み生活している姿を想定して、あなたが実際に通ることになる道を歩いたり、車で行ってみたりしてみてください。
そうした細かい動きをして確認すると営業マンの運転では気がつかなかったことが、たくさん出てくるかと思います。
営業マンが同乗する車では無意識に様々ことをコントロールされているからです。
例えば簡単な例で言えば、こんなことがあります。
担当者との会話でこんなことがあったときは注意が必要です。
あなた「少し駅から遠いですね」
担当者「そうですか?遠くないと思いますよ。皆さん近いですねと言われます」
この会話では「皆さん」で多くの人が検討していることを匂わせ、たくさんの人が近いと言っているということで実際は距離があるのに近いと思わせるように誘導しています。
私もこの会話を実際に何度も耳にしたことがありますが、後日現場まで行ってみたらやはり駅からかなり距離がありました。
営業マンの車に同乗しているときは、車内で会話もしますし、周りの環境を見て過ごす余裕があるため、時間感覚が少しずれてしまうのです。
また、後日現地に向かう際のポイントとしては、不動産会社が用意したルートではなく、「そこに住むことになったらどういうルートを辿るのか」を想定したルートを通ってください。
不動産会社の用意したルートは、何か周辺に見せたくないものがあった場合、そこを避けて建売の現場にたどり着くようなルートを用意しているケースがあるからです。
1−2:曜日を変えて何度も建売住宅の現場に足を運ぶ
周辺状況の変化について詳しく知るために、曜日を変えて何度も現地に足を運ぶことをお勧めします。
特に曜日を変えて現地に足を運ぶことは重要で、多くの人が建売の現場を見に行く土曜日、日曜日だけを見て購入を決めるようなことは絶対にしないでください。
曜日を変えるだけで建売住宅周辺の環境や印象は随分と変わるものだからです。
特に近くに幹線道路が走っている場合は注意が必要で平日と休日によって交通量が大きく変わることがある上に、曜日が違うだけで騒音などの公害に悩まされることもあります。
また近くに幹線道路が走っていなくても、休日は何も問題ないのに、平日になると、目の前の道路や近くの道路を抜け道として使われてしまい、物凄い速さで走る車がたくさんあったり、家の目の前の道路が大渋滞を引き起こしていることもあります。
1ー3:朝(早朝を含む)、昼、夜(夕方)など時間帯を変えて建売の現場に足を運ぶ
同じ曜日であっても、朝、昼、夜(夕方)など時間帯を変えて、建売の現場に足を運ぶようにしてください。
同じ曜日でも時間帯をほんの少し変えるだけで建物の周辺環境はガラリと変化することがあるからです。
その際は、周辺の環境の変化に気を配るのはもちろん、時間帯による建物の日当たりの変化(日照条件)、においの変化、音の変化などの建物周りの環境要因にも気を配るようにしてください。
購入前には必ず現地まで行き、平日と休日による建物周辺の変化はもちろん、朝、昼、夜など時間帯による建物周辺の変化など五感をフルに使って音や匂いの変化などをしっかりと感じとるようにしてください。
実際の現場であったことをお話しすると、平日の昼間に足を運んでみると、近くにスイーツ工場があったのか甘い匂いが漂ってくることもありました。
別のケースでは養鶏場が近くにあり、時間によって不快な匂いが漂ってくることもありました(近くにあると言っても地図では、かなり遠くに記されていました。それでも匂ってきます)。
おそらく、風向きの関係なのかもしれませんが、その匂いをいい匂いだと受け入れられるのかどうかは人によって違うと思いますので、購入前は建物周辺の変化には敏感になって入念に下調べをすることをお勧めします。
養鶏場の近くの件で、周辺に住んでいる人の話を聞くと、湿度の高い日は特に独特の匂いがたち込めることが多いと言うことでした。
そこに住んだ場合、建物周辺の環境問題は変えることはできません。
ないからこそ慎重に購入を検討する必要がありますし、注意が必要だと思ってください。
1ー4:購入を検討し始めたら近所の人に話を聞く
意外と盲点で、もっとも効果的なのが実際に長いこと住んでいる近所の方に話を聞くことです。
購入を検討し始めたら必ず、近くの家のインターホンを押して、事情を説明し、話を聞くようにしてください。
実のところ、これが最大の確認すべきポイントになるかもしれません。
購入前にその地域に長いこと住んでいる方に、ざっくばらんに話を聞くと思わぬところで意外な発見をすることができるからです。
例えば工事中は周辺住民とトラブル続きだった、うるさくてたまらなかったとか、隣家の近く、それも玄関の近くにトイレが設置してあったため毎日臭くてたまらなかったなど、建築中に様々な問題を抱えていることがあります。
そうした場合はどんなにその家が素晴らしくても購入は避けたほうがいいと思います。
なぜなら、工事中のことだから関係ないと思えても、実際にそこに住むのはあなたのため、工事中のトラブルをそのままあなたの問題として抱え込む可能性が非常に高くなるからです。
これは意外な盲点となると思います。
現場でのトラブルは、ほぼ100%に近い確率であなたにそのまま引き継がれる点にはくれぐれも注意してください。
また、あなたがどんな人が周りに住んでいるのかを知りたいのと同じように、既にお住まいの近所の方も新しく近所に建てられた建売住宅にどんな方が入居してくるのかを非常に気にしています。
住民の方も、実際に近くに住む可能性のある方と話すことになるので、丁寧に話をしてくれるでしょう。
そして、その対応の仕方次第で、どんな方が住んでいるのかはわかるかと思います。
住み始めたら、そうした近所の人たちと関わりを持つことになるので、ここは必ず確認しておく必要があります。
1ー5:建物周辺の将来的な社会環境の変化にも気を配る
さらにもう一つ、意外と盲点なのが、将来にわたる建物周辺の環境要因の変化についてです。
特に現在開発中の土地にある建売住宅の場合は注意が必要です。
販売会社の営業マンは「大型のショッピングセンターができるので便利になりますよ」などと良い点だけを強調しますが、そこに住むとなると、良いことばかりではありません。
例えば状況によっては休日になれば、自由に出入りできないほど、周辺の道路が混雑することが予想されますし、今は静かであってもうるさくなってしまうこともあります。
それが人気の高い施設だった場合、遠方からのお客によりゴミなどが捨てられてしまったり、治安が悪くなってしまうことも十分に考えられます。
そうした将来的に起こりうる変化に対して許容できるかどうかも建売住宅を購入するときは大事になってきます。
1ー6:近くに不快感を感じさせるものはないか
例えば土地によっては早朝に、カラスや犬などの動物の泣き声が毎日していたり、近所の番犬が夜遅くになっても唸り声を上げるなどといったケースもあります。
また、家の近くにゴミ集積場所があった場合、風の流れによっては家の中に嫌な匂いが入ってきてしまうこともあります。
地域によっては特定の時間になると激しい音がするケースや、不定期で何らかの匂いが漂ってくるケース、なぜか原因不明の地面が揺れると言ったことがあったり、時間帯によって交通渋滞が起きるケースなど様々な問題を抱えていることがあります。
せっかく大枚を叩いて家を購入するのに、住み始めてから気がついたのでは時すでに遅しです。
建売住宅の購入を真剣に検討し始めたら時間を変えて、その土地の様子や雰囲気をあなたの足を使い、しっかりと確かめるようにしてください。
1ー7:地域の特徴や特性を知る
あなたに馴染みのある土地の近くに建てられた建売住宅を購入するのであれば、その地域の特性がわかっているかもしれませんが、そこがあまり馴染みのない土地だった場合は、必ず購入前に地域の特性を知るようにしてください。
これには、近隣に長く住んでいる方から話を聞くのが一番で、例えば近くに養鶏場があった場合は、風の流れによっては悪臭が漂って気持ち悪くなるほど匂いが充満してしまうということもあり得ます。
そうした匂いの問題はどうやっても避けることはできませんので注意してください。
また、近くに川が流れていた場合、川の流れ方によっては大雨が降ると避難警報が出る地域などもあります。
さらに傾斜地に建物が建てられている場合は、川が決壊したときに自然災害に見舞われてしまい、家が水浸しになってしまうという可能性もあり得ます。
こうした情報は地域のハザードマップでも確認することができます。
必ずその土地ならではの、地域の特徴や特性を十分に調査してから、建売住宅の購入を決断するようにしてください。
【建物に関する問題】
土地の問題に続いて、建物に関する問題も確認したり把握しておかなくてはなりません。
建売住宅を購入する際は、注文住宅とは違った視点で建物内外部の様子を確認する必要があることは覚えておいてください。
建売住宅を見る際の最大のポイントとしては、その建物を購入した場合、そこで24時間生活することになるのだという意識を常に持つことです。
つまり季節による違いや、朝昼夜などの時間の変化はもちろん、曜日によって移り変わる建物内部への影響などもしっかりと考慮して検討していく必要があります。
8:朝・昼・夜の景色の違いを確認する
9:季節や天候による違いも確認する
10:隣の家の間取りとの関係性を見極め問題がないかを確認する
11:外観や仕上がり以外の部分にも目を向ける
1−8:朝・昼・夜の景色の違いを確認する
建売住宅の内見は、明るい時間帯に行うことが多いですが、必ず夜、あたりが暗くなった状態でも確認するようにしてください。
日中の明るい時は特に気がつかなかったり目につかなかったことが、夜になると途端に我慢できないほど気になってしまったり目につくようになることがあるからです。
つまり同じ場所に立つ同じ建物だとしても、明るい時と、暗い時の景色はまるで別物であると意識してみることが大事です。
明るい時は問題なかったからと安心せずに、必ず全ての部屋でそこから見える外の光景を確認するようにしてください。
1−9:季節や天候による違いも確認する
建売住宅の購入を真剣に検討し始めたら晴れの日だけではなく、雨の日にも必ず現地へ行って家の中を見せてもらうようにしてください。
晴れの日と雨の日では状況が大きく変わり、雨の音が気になるケースがあったり、天気の良い晴れの日とは気になることに大きな違いが生まれるからです。
例えば、雰囲気や見た目重視で寝室にトップライト(天窓)が設置されていた場合などは、晴れた日は気持ちが良くても、雨になるとガラスに雨が当たる際に生じる跳ね返りの音がうるさくて気になって眠れないといったケースも考えられます。
夏場の暑い日はトップライトからの直射日光が強過ぎて、そこに居られない場所が生まれる可能性もあります。
建売住宅では売れなければ在庫として抱えてしまうリスクがあるため、このように雰囲気や見た目を良くするためにわざわざ実用的ではない方向に設計されていることもあるのです。
またリビングの目の前が土だった場合、屋根から落ちた雨がリビングの窓に飛び散ってしまっているということもあります。
それが購入を検討している建物からのものだったら、まだ対処のしようがありますが(それでも限界はあります)、隣り合った家などから雨が落ちてくる場合は、隣の家の人の協力を得る必要があります。
けれども、隣の人が後から建ったあなたの家のことをよく思っていなかったり、気難しい人であった場合は、対処のしようがなく、なくなくあなたが我慢しなければならなくなることもあります。
こうした問題は、注文住宅の場合は予め設計士と入念に意見を交わすことで問題に対処するプランを考えておくことができますが、建売住宅ではそれは不可能です。
様々な事情からどうしても見た目をよくする必要があり、配慮が十分でないケースが生まれてしまうのです。
1ー10:隣の家の間取りとの関係性を見極め問題がないかを確認する
あまり関係ないと思われるかもしれませんが、重要なポイントを一つ。
隣の家の間取りと、あなたが住むことになる家の間取りの関係性も重要なポイントとなることは必ず覚えておいてください。
特に、住宅密集地などで隣の家との距離が近い場合、どうしても問題が生まれやすくなります。
例えば、寝室同士が隣り合っていたり、寝室のすぐ近くに隣の空調室外機が置かれてあった場合は、夜ファンの音で静かに眠ることができないといったケースも考えられます。
早朝に隣の家のアラームが大きく鳴り響いてゆっくりと眠ることができないといったケースもありますし、夜寝静まった頃に毎日大きくアラームがなるということも実際にあります。
それが隣の家ではなくても、近くの家から聞こえることもあり、生活リズムの違いによる音の問題に悩まされる可能性があることは覚えておいてください。
また、お風呂とキッチンが隣り合わせである場合は換気扇からの排気が浴室に入ってきて匂いのトラブルを生じるケースもあります。
注文住宅ではこうした隣の家との関係があらかじめ考慮されて設計されることが多いですが、建売住宅では見た重視の設計が住宅デザインとして先行してしまうケースも多く、隣の家との間取りの関係性を考慮せずに設計されてしまっていることも正直多い印象を受けます。
建売住宅の購入を検討する際は、こうした実際に住んでみないと気がつきづらい点にも注意深くなり慎重に調査する必要があります。
1−11:外観や仕上がり以外の部分にも目を向ける
建売住宅では概して、見た目の仕上がり(見た目)が目を引くようなものになっていることが多いです。
特にキッチンや浴室などの水周りに関しては、他のどの設備よりも力を入れてつくられ、見栄えの良いものとなっているケースがほとんどです。
キッチンや浴室などの水周りは奥様方が家の購入を決める際の決め手になることを業者側も熟知しているからです。
そして家の購入を決める際は、家にいる時間の長い奥様の意見を少なからず旦那様が尊重するということも業者側は知っています。
だからこそ、特に目に付く部分については比較的お金をかけ見栄えをよくしているというケースがほとんどです。
このとき見るべき詳しくいポイントは、記事後半部分の「失敗しない建売住宅を購入するための手引き」でお伝えしますが、外観や仕上がり部分に目を奪われるのではなく、そこに住み始めてからのことを考えて、それ以外の部分にも目を向けるようにしてください。
【こんな時は要注意】実際に体験した建売住宅の売り方の手口
冒頭で建売住宅の購入を検討する際は、「建売住宅に掘り出し物はない」ということを十分に意識して探すことが必要だとお伝えしました。
そして、営業担当者の口車にできるだけ乗せられず、可能な限りフラットな状態で建物を含む周りの環境を見た方がいいということをお話ししました。
では、営業担当者はどのような方法で建売住宅を検討しているあなたに迫ってくるのでしょうか?
これからその具体的な手口についてお話ししていこうと思います。
読んでいただければわかるかと思いますが、まさしく「手口」と言っても良いくらいの方法で、冷静に考えれば笑ってしまうようなやり方で迫ってくる場合もあります。
事前にこうした相手の出方を知っておくことで、これから対策をねっておくことが可能になると思いますので、ここからは実際に私が建売住宅を見て回る際不動産会社の営業担当者に言われた経験のあることや、実際に建売住宅の販売に携わった不動産会社の営業マンから聞いた話を載せていこうと思います。
これから建売住宅の購入を検討している方は是非参考にしてください。
※なかにはこれっていいの?と思うような笑うに笑えない手口もあります。
【建売住宅の売り方の手口】
1:結論を急がせる
2:値引き交渉しているフリを見せたり真摯に対応しているフリをする
3:さくらを用意して競争しているように見せる
4:後から値引きに応じお得感をあおる
5:周辺環境の悪いところは隠し通す
建売住宅の販売手口1:結論を急がせる
建売住宅を販売する販売会社は仲介手数料で収益を得る構造となっているため、どの不動産会社も結論を急がせる傾向にあります。
特に建売住宅の場合は、建築条件付きの土地に建てているケースや、既にお話ししたように建築後1年経過した建物は「新築」として販売できないなどの法的な条件があるため、ハウスメーカーなどが建てる注文住宅の営業よりもかなりしつこく決断を急がせる傾向があります。
例えば、不動産会社の営業マンが「他の方も検討されていますので是非お早めにご決断を」などと購入を促されるかと思いますが、そのような言葉は無視していただいて結構です。
本当に検討している方がいるのかもしれませんが、相手も商売人としていち早く住宅を売ってしまいたいから、急かすような言葉を言っているに過ぎません。
もしも、それで購入者が決まってしまうようであれば、縁がなかったものと割り切ってしまってください。
そうした心構えが建売住宅を購入する上では大事です。
第一印象がどんなに素敵な理想の家で「いい物件を見つけた」と思ったとしても、まずは一度冷静になり、「建売住宅を購入する前に注意したいポイント」などを参考にしてゆっくりと検討し、きちんと建物周辺の情報を集めた上で購入を決断するようにしてください。
建売住宅の販売手口2:値引き交渉しているフリを見せたり真摯に対応しているフリをする
建売住宅に限らず、ハウスメーカーなどの注文住宅の現場でもよくみられますが、実際は交渉していないのに交渉しているフリをして「頑張っているアピール」をする販売会社はかなり多いので注意してください。
建売住宅の販売会社は、購入者のことを思い一生懸命「売主」と交渉しているフリをして目の前で電話をしたりしますが、実際にやりとりしているのは「売主」ではなく、例えば別の場所にいる「社内の人間」であったり「関係者」に電話をしているケースがほとんどです。
そして、そうした建売住宅の販売会社では、最終的に必ず値引きされた金額が提示されます。
以前、建売住宅を見学した際に同じような手口にあいましたが、電話の声が丸聞こえで、周到な演技に「そこまでやるのか」と身震いした記憶があります。
ここまでやられてしまうと、どこからどこまでが本心なのかが分からなくなりますが、建売住宅の担当者と話す時は、情に流されずあくまで相手は販売することを目的としているという営業マンにすぎないという意識を持つことが大事なのかもしれません。
建売住宅の販売手口3:さくらを用意して競争しているように見せる
建売住宅の現場では、わざわざ「さくら(おとり)」を用意して、他のお客さんもその物件を見て回っているかのように装い、競争させるような演出を施す販売会社もあります。
「さくら」とはいわゆる「販売店に雇われてその場の雰囲気をつくり出す役者」のことを言いますが、そうした現場では、わざわざ「さくら」が見学者に聞こえるような声で、真剣に購入を検討しているかのように演じ、競争しているかのように装うことがあります。
雇われた役者といえど「さくら」には、不自然なところはほとんどなく、本当のお客のように振る舞っているので、素人目ではそれが「さくら」かどうかはわからないことがほとんどです。
業界の関係者に聞いた話によると、もっともひどいところでは、「さくら」と話している営業マンも「さくら」だということがあるようです。
ここまでくると、もう何がなんだかわからなくなります。
競争させることで、1つしかない物件を取り合っているかのようにみせてライバル意識を煽ることが目的ですが、防衛策としてはもし誰かがその物件を見ていたとしても、先を越されてしまったら仕方ない程度の心構えで見て回ることが大事だと思います。
建売住宅の販売手口4:後から値引きに応じお得感をあおる
その場では値引きに応じず、後から値引きに応じるパターンも建売住宅の現場では多く見られます。
これには販売者側からすれば、後から値引きに応じることで、お得感をあおる意図があります。
販売会社側からすれば、もしも、そのまま提示した価格で売れれば儲け物ですし、実際ほとんどの建売住宅の現場では、値引きを見越した価格、つまり高い価格で表示価格設定をしている販売会社が多いということは十分に心得ておく必要があります。
値引きは難しいことを匂わせておきながら、後からしれっと「なんとか値引きできました」というケースもあるので情に流されないように注意してください。
また、一見すると(坪単価などをみると)住宅価格は相場程度になっているように見えますが、建売住宅では床面積も「延床面積」ではなく「施工床面積」で計算していることが多く、坪単価を操作していることがほとんどです。
>>>注文住宅の家づくりで坪単価があてにならない5つの理由と3つの注意点
周辺の相場よりも安く家を購入できるなどと思った場合でも、現実的な指標で計算してみれば、お得感はないことがほとんどですので「建売住宅に掘り出し物はない」という鉄則に従って、検討することが大事です。
建売住宅の販売手口5:周辺環境の悪いところは隠し通す
そこに住むことになったら必ず通る道を通らず、わざわざ遠回りして物件を案内するなど、いいところばかりみせる販売会社は非常に多いです。
家の近くに、匂いを発生する可能性のあるものや、騒音を伴うもの、お墓、斎場などがある場合は、非常に高い確率でそれらを避けて物件を案内します。
こうした建売住宅にまつわる不都合な事実や見られたくない現場は、顧客から尋ねられない限り答えないケースも多く、本当のことは営業マンから積極的に話されないことがほとんどですので、あなた自身の目で注意深く確認する必要があります。
販売会社である不動産会社の車で現地に向かった際は、そうした見せたくないルートを通って物件まで案内することがほとんどですので注意してください。
失敗しない建売住宅を購入するための手引き
つづいて建売住宅を購入する際に失敗しないためにチェックすべきポイントについてお話ししていきます。
建売住宅の購入を真剣に検討する最終段階に入ったら、下記の点にも合わせて注意を払うようにしてください。
【完成直後の建売住宅を購入する前に最低限チェックしたいポイント】
1:建物の傾きや建具の取り付け不良がないかをチェックする
2:人目につかない部分の外回りの状況をチェックする
3:近所の人に工事中にトラブルがなかったかを確認する
4:建物ができる前の状態を確認する
5:将来のライフスタイルの変化に対応できるかを確認する
6:メンテナンス性は十分かを確認する
7:増改築などの将来の変化に対応できるか
建売住宅を購入する方は多くのケースで「立地条件」と「価格」の2つを比較し天秤にかけて家の購入を決める方が多いように思いますが、それ以外にも確認したり注意しなければならないこと、つまり検討しなければならない懸念事項はたくさんあります。
少しでも家の購入を失敗しないためには最低限、下記の項目における条件をクリアしていることを確認してから購入を検討するようにしてください。
1:建物の傾きや建具の取り付け不良がないかをチェックする
建売住宅の施工不良で多いのが建物の傾きと、窓サッシの取り付け不良です。
建物が傾いていないかチェックする方法で一般的なものはビー玉を使うことですが、実はビー玉を使わなくても建物が傾いていないかはチェックすることができます。
まず外部から室内に吹き込む風の影響をなくすために、外部に通じる全ての窓や扉は閉めてください。その上で下記のようにチェックすることで建物が傾いているかどうかを確認することができます。
例えば、ドアを45度程度開けてそのままにしておく。しばらくして、意図せずに扉が空いてしまったり、逆に閉じてしまう場合は、建具の取り付けの不良、または建物が傾いていることが予想されます。
特に家中の扉が全て同じ方向にしまったり空いてしまったりする場合は、その方向に家が傾いている可能性があります。
また取り付け不良を確認する際は、扉だけではなく、窓を開けたり閉めたりする際、全ての窓で開閉がスムーズに行えるかどうかも確認してください。
合わせて網戸の開閉も確認するといいでしょう。
スムーズに開閉できるか、引っ掛かりはないかはもちろん、レール部分に細かいゴミなどがつまることによって生じる異音がしないかも確認してください。
2:人目につかない部分の外回りの状況をチェックする
建売住宅を見るにあたって、案外、目が行き届かないのが人目につかない部分の外回りの状況です。
特に都市部などの住宅密集地に建てられている建売住宅の場合、敷地目一杯ギリギリで建てられていることもあり、つまりは家同士の距離が近く、様々な不都合が生じている時もあります。
実際私が遭遇した例を挙げさせて貰えば、隣の家の軒が敷地境界線ギリギリにあり、雨が降った際、隣の家の屋根から敷地内に落ちてしまっているケースがありました。
これの何が問題かというと、片側の壁が泥はねによって汚くなってしまうのです。それだけではなく泥はねによって壁の傷みが進行してしまいます。
新築物件でそれなのですから、年数が経てば傷みが激しくなることは容易に想像できます。
また敷地を目一杯使って、ギリギリの範囲で家を建ててしまっている場合は、敷地内の隙間を通って建物周りをぐるりと一周できなかったり、敷地周りに余裕がなく人がやっとの思いをして通れるほど狭く、余裕のないわずかな隙間になってしまっていることもあります。
この場合は、点検やメンテナンスの際に様々な不都合が起きることになります。
こうした極端に敷地が狭いケースでは、隣の家の敷地に立ち入り、敷地を使わせてもらわないと点検やメンテナンスはもちろん、エアコンの設置などが難しくなるからです。
何度もお話ししているので言うまでもないですが、隣の家の室外機の位置はもちろん、間取りの配置(生活する上で不都合な配置になっていないか)なども合わせて確認してください。
実際にそこに24時間365日住み生活することになるのですから、隣の家との関係は非常に大切で、後から様々なトラブルで悩まされないために何度も何度も確認してもし足りないくらい入念にチェックをしてください。
建売住宅を購入する際は、そうした人目につかないところの「裏側」のチェックは必ず行ってください。
3:近所の人に工事中にトラブルがなかったかを確認する
真剣に建売住宅の購入を検討し始めたら面倒であっても、必ず近所の人に挨拶を兼ねて工事中にトラブルがなかったか(ご迷惑をかけていなかったか)を確認しに行ってください。
工事中に起きたトラブルは、あなたと関係がなくても、必ずその家に住む人に向けられるからです。
例えば隣の家の玄関近くに、仮設トイレが設置していた事実があれば間違いなくトラブルが起きているでしょうし、工事中の現場にゴミなどが散乱していたり、綺麗に片付いていなかったりしたら近隣の方に迷惑をかけていたことことが想像できます。
建売住宅ではスケジュールに余裕を持たせていないことも多く、なかには時間を守らず、驚くべきことに祝祭日はもちろん、朝早くから作業をはじめ、夜遅くまで作業していたという現場もあります。
工事中の騒音は作業によっては家にいられなくなるほどうるさいものですし、大型車が出入りするときや大掛かりな工事をしている時は地面が揺れるため、間違いなく家が揺れます。
こうした工事中の騒音などの問題は、時にそこで生活している近隣の方にとって耐えがたいものとなりますから、そうした工事中の様子などにもしっかりと耳を傾けておく必要があります。
さらに、工事現場では、工事が進むにつれてたくさんの業者が行き来するようになりますから、工事車両の駐停車についても問題になることが多くあります。
本来であれば近くのコインパーキングなどに工事車両を駐停車しておきますが、建売住宅の場合は、限られた予算で工事を行なっていますから、予算の関係で近くの道路に駐停車させてしまい迷惑をかけていたことも考えられます。
何かトラブルが生じたときに、施工会社がきちんと対応してくれていればまだ良いのですが、なかには対応がうやむやになったままで放置され、何も解決しないまま工事が進められているケースもあり、そうした場合は、住み始める前から近隣住民との間に根深い問題を抱えることになります。
4:建物ができる前の状態を確認する
近隣の方に話を聞く際は、同時に、建売住宅ができる前、その土地に何があったか、どのような状態であったかを確認してください。
状態が悪い土地だった場合は、何らかの造成をする必要がありますが、それがしかるべき手順を踏んで正しく行われていない場合は、住み始めてからの住まいの安全性を脅かすことになります。
家を購入してから建物ができる前はひどい状態だった、無理やり土地をならして家を建てたということが発覚したなど、家の購入を後悔をしないために必ず建物ができる前の状態は確認するようにしてください。
また、建売住宅では土地建物の資料を法務局から簡単に入手することができます。
建売住宅を購入する決断を下す前には必ず法務局に土地建物の資料を請求し、確認をしてから購入を決断するようにしてください。
5:生活していて不便を感じることはないかをきく
生活していて不便に感じることはないか、気になることはないかなどは実際に住んでいる人に聞くのが一番です。
あたり前のことですが、建売住宅を購入したらそこに住み生活するわけですから、生活していて不便に感じることはないかを実際に住んでいる近隣の方に聞くことを忘れないでください。
その土地に住んでいる人しかわからない点としては、例えば住宅密集地では、使用されている配水管の口径によっては、朝の時間や夕方の時間など、近隣住民が多く水を使う時間帯に、水の出が悪くなるといったことも起こり得ます。
また見た目ではわからないけれども緩やかな傾斜地になっており、大雨が降った際、一定の場所に水が溜まってしまったり、水はけが悪くいつまでも水が溜まったままの状態になってしまっているということもあります。
それがあなたが購入する予定の家の目の前だったとしたら嫌な思いをするのはあなた自身です。
そうしたことはその土地に住んでみないとわからない、潜在的な問題になるため、長い時間住んでいる方に聞いてみなければわかりません。
6:メンテナンス性のことを考えて設計されているか、十分機能が備わっているかを確認する
敷地目一杯を使って家を建てている場合は、様々な問題を抱えているケースが多くなります。
特に家を長持ちさせるための点検やメンテナンスをする際に問題になることが多くなります。
敷地内をぐるりと一周できるような、そこに人が通れるほどの余裕がなかったりすると、点検やメンテナンスの際も隣の敷地を使わせてもらう許可を得なければならないからです。
人が通れないのですから敷地内に足場を設置することもできません。そうした場合は隣家の敷地を使わせてもらうことになります。
また、別の角度から見れば、そうした敷地内ギリギリに建てられている住宅は、排水管の点検に問題を抱えているケースがほとんどです。
通常、排水管は地面に埋設された形で設置しますが、敷地の条件次第では建物1階の床下を通して道路側まで排水していることがあるからです。
排水管は使い方やケースによっては詰まりやすく、また家の点検やメンテナンスを行うにあたって非常に重要な箇所となります。
排水管を建物1階の床下に通すケースは床下点検口から点検できますが、なかには床下全体がコンクリート打ちとなっており、排水管がコンクリートの下に埋設されてしまっている場合があります。
そして、この場合は注意が必要になります。
床下全体がコンクリート打ちになっている場合は、外部の掃除口から点検をすることになりますが、信じられないことにいまだに床下点検口も外部の掃除口もないというケースもあるからです。
いうまでもありませんが、床下点検口もしくは外部の掃除口がないと排水管の点検ができません。
要するにメンテナンスのことが考えてつくられていない建物だということになります。メンテナンス性が悪いと建物の耐久性にも大きな問題を抱えることになり、点検やメンテナンスのために大掛かりな工事が必要になるケースもあります。
排水管に限りませんが、建物は余白の部分がないと窮屈に感じてしまったり、どうしても何かを犠牲にして建てる必要が出てきてしまうので、特に住宅が密集している土地に建てられている建売住宅は注意が必要です。
・使われている材料によってもメンテナンスの時期は変わる
また、使われている材料次第で修繕をしなければならない時期も変わってきますので、そうしたことまでを含めてチェックする必要があります。
特に外壁や屋根は外部の影響を受けやすいため、材質によっては何度も修繕をしなければならなくなったりもし、家を購入するためのイニシャルコストがどんなに安くても結果的に高くついてしまう家もあります。
7:増改築などの将来の変化に対応できるか
増改築などの将来の変化に対応できるのかも大きなポイントだと思います。
子供が大きくなって家から出て行った時どうするのか、これから家族が増えた時に増改築などに対応できる建物なのかもあらかじめ考えて購入することが必要です。
多くの方は家を建てた時、もしくは家を購入した時をピークの状態に持ってこようとします。
そしてそのタイミングは結婚したタイミング、お子様が生まれたタイミング、お子様が小学生などに上がるタイミングです。
ですが、多くの家族を見てきてそれは間違いだと断言できます。
もちろん、どの時点でピークに持ってくるのかはそれぞれの家族や家族が抱える事情、ライフスタイルなどによって変わると思いますが、夫婦の生活ではなく子供を中心に考えるのは少しおかしなことだと思ってください。
ゆくゆくは子供はその家を巣立ち、離れていきます。
子供部屋がいくつもあった場合、その部屋は将来的に物置として使われることが多く、無駄な部屋が多くなります。
・将来の変化に対応した建物か
また、建売住宅の中には、増改築などをしたくてもできない建物もあります。
将来の変化に対応することができなかった場合、家族が増えて手狭になってしまうとその家を手放さなければならなくなったりします。
賃貸に出したり、売却ができればいいのですが、借りてや買い手がつかないこともあり、その場合は、様々なリスクをあなた自身が抱えこむことになります。
また購入時の土地所有形態によってはそもそも、それらが難しいこともあります。
そうした将来の変化に対応できるようなつくりになっているのかは家を購入するにあたって、慎重に検討すべき項目の一つだと思ってください。
足を使って自分で調べることを面倒くさがらない
建売住宅に限りませんが、自分の足を使って調べることを決して面倒くさがらないでください。
特に現代人は忙しいからと、足を使い十分に調べることをせずに、営業マンのいうことをそのまま信じてしまったり、土地の確認をGoogle マップのみで調べて何も問題ないと手早く結論を出してしまう傾向にありますが、安易に結論を下すと数年後に必ず後悔します。
建売住宅の場合、ゆっくりと時間をかけて家の購入を決めることが大事です。
もちろん注文住宅にしても、ゆっくりと時間をかけてプランを練る必要があることは言うまでもありません。
建売住宅も同じように、注文住宅を立てるときと同じように、もしくはそれ以上に時間をかけて慎重に購入するようにしてください。
ほとんどのケースにおいて、住宅の購入は一生に一度あるか、ないし二度あるかだと思います。
だからこそ、入念に納得いくまで徹底的に調査し、調べてから購入をするようにしてください。
自分の足で調べたからこそ、結果としてどんな家であろうと気持ちの上で満足できる家になります。
それがただ営業マンの言うことのみを信じて購入を決断しようものなら、何か問題が起きた際に、営業マンのせいにしてしまうでしょうし、少なからぬ怒りが沸き起こってくるでしょう。
そういった後々生じる後悔をなくすといった意味でも、建売住宅を購入する際は必ず自分の足で調べることはしたほうがいいと思います。
建売住宅は建築後どれくらいで安くなるの?購入はいつがいい?建売住宅を安く購入するコツ
最後に建売住宅を安く購入するコツについてお話ししていこうと思います。
本文でも触れましたが、建売住宅は多くのケースで値引きが期待できます。
それも大幅な値引きが期待できます。
そして、値引きには家が建てられてから購入するまでのタイミングが大きく関わっています。
だからこそ、建売住宅をお得に購入するためには販売会社が安くするタイミングを見計らって購入に踏み切る必要があります。
建売住宅は注文住宅とは違って、その建物を購入するのだという「熱意」と「根気」が必要になると心得てください。
建売住宅の「売れ残り物件」は高い確率で値引きをしてくれる
建売住宅では、数ヶ月経っても買い手が見つからず売れ残っている物件では、ほぼ100%に近い確率で値引きに応じてくれます。
それは建売住宅は建築後「新築」と表記していいのは1年以内に限るという特殊な事情があり、1年を過ぎると同じ建物であっても表記上の価値が落ちることに原因があります。
つまり、建売住宅が完成してから1年を経過してしまうと「新築物件」として表記できなくなってしまうのです。
つまり「新古品」のような扱いになってしまうのです。
そうした事業主側の事情もあり、大抵は数ヶ月ごとに価格の見直しをはかり、順次住宅価格を安くしていくことが一般的です。
どの程度値引きに応じてくれるのかは、建物やエリア、それに携わる業者などにより様々でケースによって違いますが、売れ残り物件の場合は、何もしなくても400〜500万円は普通に安くなります。
具体的な例を出すと、土地建物で4,000万円程度の建物の場合、売れ残った物件ですと500万円から1,000万円前後は何もしなくても安くなることはごく普通にあるものだと思ってください。
つまり値引き交渉しなくても、時間が経てばそれに応じて次第に安くなっていきます。
そして安くなったタイミングで値引き交渉をすると、さらに安くなります。
特に販売開始直後は最も高い価格で設定されることが多く、だからこそ人気のあるエリア以外ではこのタイミングでの購入はお勧めしません。
建売住宅では絶対に値引きができないと言われても売れなければ値引きされる
冒頭の売主側の事情の項目でも話しましたが、建売住宅は売主側の特殊な事情により、販売当初は「絶対に値引きできない」と言われても諦めないでください。
売れ残り物件扱いになればほぼ100%に近い確率で値引き交渉に応じてくれます。
本当にその物件が気に入ったのであれば、営業マンから他の物件を紹介されようと、理由をつけて頑なに応じず、じっくりと待つのも一つの手です。
もちろん人気が高い物件の場合は売れてしまうこともありますので、ある程度運も必要になります。
その辺りのことは自己の責任により、判断してください。
気に入った物件は継続的に追って情報を集めたり、現地に足を運ぶ
もしも建売住宅で、あなたが本当に気に入った物件があったのなら、すぐにその場で決断することはせずに何度も現地に足を運び情報を集めることはもちろん、担当している営業マンに何度も連絡を取り、時間を変えて何度も家の中を見せてもらったり、定期的にコンタクトを取り、真剣に物件の購入を検討している意思を見せておくことも大事です。
そうして何度も何度も、購入を検討している熱意を行動で見せることで、物件が売れ残った場合、大幅に値引きに応じてくれる可能性が高くなります。
そうした熱意と根気を見せれば、建売住宅購入希望者であるあなたと不動産会社、または売主が、お互いに納得する価格で購入できるようになると思います。
まとめ
以上、建売住宅を購入するにあたって、確認しなければならない項目や注意したい項目など大事なポイントをお話ししてきました。
建売住宅では慎重に検討しなければならない項目はたくさんあるので、ここに書かれてあることだけをクリしておけば間違いない、十分であるとは言えませんが、土地と建物を見る上で今回お話ししたことをしっかりとおさえていただければ、最低限、本当に最低限のことはクリアできるはずです。
是非、あなたの住宅の購入に役立てていただければ幸いです。
予算内でいい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと
冒頭でもお話ししましたが、予算内で、いい家を安く建てるために知っておいて欲しいことが、実は、3つあります。
もしも建売住宅よりもやっぱり注文住宅を検討したいと思った際は下記リンク先の記事を参考にして一度、実際に見積もりの依頼をかけてみることをお勧めします。
見積もりの依頼自体は無料でできますし、実際に依頼してみてやはり予算の都合がつかないとなった場合、建売住宅を購入するということも十分できますので
家は多くの場合、一生に一度の大きな買い物ですので、妥協せず、時間をかけて納得のいくまで理想の住まいとはどのような住まいかを家族で話し合いながら進めていくとかけがえのない体験をすることができると思います。
ここでは、いい家を安く建てるために知っておきたい3つの記事をご紹介します。
1:予算内でいい家を建てるための7つの基本
注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーします。
何も考えずに理想だけを追い求めすぎると必ず予算オーバーをしますので、家づくりを依頼する側が家を安く建てるための基本やコツをおさえておき、しっかりとコストをコントロールをする必要があります。
下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因やコストダウンの基本などについてお話ししていますので、参考にしていただき、予算内でいい家を安く建ててください。
2:注文住宅を予算内におさめるために知っておきたい家の形の話
家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。
下記の記事では、お金のかかる家とお金のかからない家の形の違いについてお伝えすると同時に、どのような家の形はコストが上がるかなどの例も載せておきますので、注文住宅で家づくりを検討しはじめたら、長い目で、家の形にも注意して家づくりを進めていくことをお勧めします。
家の形については下記の記事を参考にしてください。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
3:無料でもらえる住宅カタログを使って理想の家を建てる方法
注文住宅での、家づくりは情報を集めるところからスタートします。
そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。
実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に違いが生まれますし、予算の違いだけではなく、同じ要望でも依頼先次第で提案されるプランも違ったり、できることやできないことも違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。
だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決める必要があります。
依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、おさえておきたいポイントなどがあります。
下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、押さえたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。
>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ
以上、参考にして家づくりを進めてください。