「注文住宅の見積書をもらったけど、内容が難しくて何をどう比較していいのかわからない・・・」
「複数の住宅会社に見積もりをとったけど、どこをどう見ればいいのかさっぱりわからない・・・それぞれの会社で工事にかかる費用も違うし、どうやって依頼先を比較したらいいのかわからない」
もしあなたがそう感じているのであれば、ぜひこの記事を読んで比較してみてください。
見積書を簡単に比較できるようになります。
今回の記事では注文住宅の見積書を複数社からもらった後に、どのように比較検討していけば良いのか具体的な方法についてお伝えしていきます。
実は、注文住宅の工事見積書の書式は、法的にどのように作成しなくてはならないのか、項目の書き方や作成方法など特定のフォーマット(書式)が決められているわけではありません。
そのため、それぞれの住宅会社が独自の書式を使って見積書を作成しているということをあらかじめおさえておく必要があります。
どの住宅会社も見積書に盛り込む内容は基本的に同じものになりますが、依頼先ごとに書式が違うため素人目ではわかりにくく、ややこしく感じることも多いと思います。
注文住宅の見積書を理解するためには、3種類の見積書をはじめ見るべきポイントなどをおさえておく必要があります。
まず、3種類の注文住宅の見積書にについてご理解いただいてから、注文住宅の見積もり書を理解するために、住宅会社が用いる3つの積算方法(見積金額の出し方)についてお話ししていきます。
そうして注文住宅の見積書の全体像をお伝えした上で、見積書で見るべきポイントや、依頼先候補の住宅会社の比較の仕方について順を追ってお伝えしていきます。
【予算内で注文住宅を建てるために知っておきたい3つのこと】
注文住宅を予算内で建てるために、住宅会社に依頼する前に知っておいて欲しいことが3つあります
1:家を安く建てるための方法は?
注文住宅ではほとんどの場合、当初の予算を上回ってしまいます。
注文住宅を予算内で建てるには大きく言って7つの基本を押さえておく必要があります。
予算内でいい家を建てるための7つの基本は「家を安く建てる方法とコストダウンの7つの基本」をご覧ください。
2:注文住宅を予算内におさめるための家の形の話
あまり知られていませんが、家にはお金のかかる形の家と、お金がかからない形の家があります。
では、どのような家の形はお金がかかり、どのような形にすればお金がかからないのでしょうか?
それぞれの家の形の特徴とお金の関係については「家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い」をご覧ください。
3:無料でカタログを請求し理想の家を建てる方法
注文住宅は依頼先で決まります。だからこそ、依頼先は慎重に検討したいところですが、検討するにはまずはどんな家を建てたいのかを知らなくてはなりません。
無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して理想の家を建てる方法については「無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ」をご覧ください。
Contents
- 1 注文住宅の「見積書」とは、どんな「書類」なのか
- 2 注文住宅の見積書の種類は3形式(種類)ある
- 3 注文住宅の見積書の3つの書式(書き方)とは
- 4 注文住宅で使われる積算方法は3種類
- 5 「一式」見積書と「詳細」見積書(「明細」見積書)について
- 6 注文住宅の見積書を比較検討する方法
- 7 ステップ1:適正な工事価格を知るために相見積もりを取る
- 8 建築予算は多めに伝えたほうがいいの?見積もりを依頼する際におさえておくべきポイント
- 9 ステップ2:見積書をもらったら最初にチェックすべき2つのこと
- 10 ステップ3:見積書の書式を統一し「工事種別」ごとに分ける
- 11 建物本体工事費用を仕分けする際は2つの費用を計上する
- 12 工事見積書に記載されている建物本体工事以外の工事と諸費用について
- 13 ステップ4:複数社の見積もりを比較しやすいように、仕分けする
- 14 工事請負契約を結ぶ際の注意点とチェックポイント
- 15 注文住宅の工事見積比較表のつくり方のまとめ:
- 16 たった3分の手間で費用が数百万円変わる場合があります
注文住宅の「見積書」とは、どんな「書類」なのか
家を建てるための「工事請負契約」を締結する際には6つの書類が必要になります。
6つの書類の中でも、注文住宅の見積書とは、家を建てるために必要となる家の総額はもちろん、それぞれの工事にかかる費用の内訳、材料の種類(材料のグレード)、工事の範囲などを確認できる書類のことを言います。
見積書には家を建てるための費用とその内訳(根拠となるもの)が「表」や「数字」を使ってまとめられており、「工事請負契約」を結ぶ際に必要な大事な書類の一つとなります。
※工事請負契約を結ぶ際には下記の書類が必要となります。
【工事請負契約を締結する際に必要となる書類】
1:契約書
2:工事請負契約約款
3:設計図書
4:工事仕様書
5:見積書
6:工程表
これらの書類のうち、今回お話しするのは「5:見積書」の話です。
これらの書類は見積書を算出したものの根拠となる書類ですので、必ず全ての書類が揃い、全ての書類に目を通して内容を確認してから契約を結ぶようにしてください。
注文住宅の見積書の種類は3形式(種類)ある
冒頭でも、お話ししましたが、注文住宅の見積書の「形式」や「書式」には法律上、特に「こうして書かなければならない」など「決められた形」がありません。
そうした背景もあり、現在ではそれぞれの住宅会社が独自の方法で見積書を作成し、それぞれの会社のやり方で金額をはじき出して作成しています。
けれども、「書き方」が違っても、ほとんどのケースで見積書に書かれている内容は同じものになります。
つまり見積書の「書き方」は、それぞれの住宅会社で違い特徴がみられるものの、一般的な注文住宅の見積書に書かれている「工事内容」はどこの住宅会社も「ほぼ変わらない」ということです。
注文住宅の見積書で基本となる「書式(書き方)」は3つ
基本となる書式(書き方)は3つです。
第一に、部位ごとに金額を弾き出した「部位別の見積もり」。
第二に、建物本体工事などの工事内容でまとめられた「工事種別の見積もり」。
第三に、過去の事例と照らし合わせて簡易的におおよその金額を弾き出す「概算での見積もり」。
詳しい内容については、次の項目で取り扱いますが、注文住宅の見積書には以上の3つの種類があることをおさえておいてください。
注文住宅の見積書で使われる3種類の「計算方法」
そして見積もり書を作る際に必要となる計算方法も3種類あります。
第一に、一定のルールのもと金額を弾き出す「システム型」の計算方法。
第二に、特にルールを設けずに1つ1つの材料、長さ、面積などの項目ごとに細かく積み上げていく「積み上げ型」の計算方法。
第三に、あらかじめベースとなる建物本体価格が決まっていて、後からオプションとして追加していく「追加型」の計算方法。
注文住宅の見積書の計算方法は以上の3種類の積算方式があることをおさえておく必要があります。
注文住宅の見積書の3つの書式(書き方)とは
ここからは、注文住宅の見積書の書式(書き方)について詳しくお話ししていきます。
見積書の書式1:「部位別」の書式
「部位別の書式」とは、躯体(くたい)や屋根・建具など、建物の部位ごとに費用を算出した書式のことを言います。
「部位別の書式」は、どの部分にどれくらいの費用がかかっているのかがわかりやすく、この書式を使って見積書を計算すると、コストを削ったり、コストをかけたりなど、コストの割り振りがわかりやすい見積書になります。
どこの部位にどの材料を使い、どのような工事を行うのかコストが明細とともに記されているので、この書式を使って計算した見積書は「詳細見積もり(明細見積もり)」とも呼ばれます。
見積書の書式2:「工事種別」の書式
「工事種別の書式」とは「建物本体工事」や「設備工事」など、工事種別ごとに分類して算出した書式のことです。
つまり、「仮設工事 一式 いくら」「木工事 一式 いくら」と言ったように、工事種別ごとに必要となる金額を集計した見積書が「工事種別の書式」です。
見積書の書式3:「概算」での書式
設計事務所に依頼する場合は、実施設計図書が完成するまでは、過去の事例を照らし合わせ、予算を算出する、概算見積もりの方法で見積書が作成されます。
過去の事例と照らし合わせる形で、予算が集計され、実施設計図書が完成した段階で施工会社に、本見積もりを依頼することになります。
ただし、概算での見積もりは実際に見積もりを取ってみると、予想が外れることもあり、工務店の規模や、工務店の得意、不得意とするもの、工務店の経営状態、材料の相場などの条件によって変わってくるため、あくまで概算に過ぎないので注意が必要です。
注文住宅で使われる積算方法は3種類
また、あまり知られていませんが、注文住宅の見積もりの出し方(計算方法)には3種類の方法があります。
注文住宅の見積もりの出し方には3種類あることが理解できれば、複雑に見えていた注文住宅の見積書もわかりやすくなると思います。
積算方法1:システム型の積算方法
システム型の積算方法では、あらかじめ決められた「一定のルール」にならって計算されます。
例えば、「工事種別」ごとに、「材料」「長さ」「面積」などを拾い出して、「工事単価」をかけ合わせることで自動的に金額が加算されると言った形で算出されます。
システム型の積算方法では、それぞれの項目は、あらかじめ決められた「一定のルール」に基づき計算されるため、誰が見積もりを作っても同じような見積もり書を作成できます。
そのため、見積もり書を作成する効率が良く、見積もり書の作成にかかるコスト(人的、時間的)を大きく削減することができるメリットがあります。
ハウスメーカーなどの規模が大きい会社を始め、工務店などの少人数の会社で、システム型の積算方法を採用しているところが多い印象があります。
積算方法2:積み上げ型の積算方法
積み上げ型の積算方法とは、システム型のようにルールを設けることをせずに1つ1つの「材料」、「長さ」、「面積」などで「項目ごとに細かく調整」し「積み上げていく」ことで計算していく方法です。
積み上げ型の積算方法では、システム型のように、ルールが決められておらず、項目ごとに一つ一つ積み上げていくので、1つの見積もり書を作成するのに手間と時間がかかる上に、誰が積算を担当(見積もりを作成)するのかによって、如実に金額の差があらわれます。
工事の項目によって、一項目ずつ工事業者に確認をとり、金額をすり合わせていく方法をとるため、交渉する人次第で大きく金額が変わってくるからです。
積み上げ型の積算方法は、様々な住宅会社で採用されていますが、特に設計事務所などの、複雑な家や特殊な形の家の場合、一定のルールを設けて見積書を作成するのが難しいので、この「積み上げ型」の積算方法を多く採用しています。
積算方法3:追加型の積算方法
追加型の積算方法とは、あらかじめベースとなる金額(建物本体価格)が決まっていて、何をオプションとして追加していくのかで、最終的な金額が変わってくるタイプの見積もりの出し方です。
追加型の積算方法では、ある程度、家の本体価格(箱)が、決まっている住宅をまずはじめに選び、その後、オプションとして住宅設備設備やグレードに変更を加えていくことで、金額がどんどん加算されていきます。
変更を加えた部分の金額がすぐに見積もりに反映されるので、誤差がなく、誰でも簡単に見積書を作成することができますが、オプションで選択できる範囲は非常に限定的で、限られた種類の中からしか選択できません。
追加型の見積もり方式は、規格型住宅をはじめ、ハウスメーカーのユニット系の工法で建てられる家で採用されている積算方法です。
「一式」見積書と「詳細」見積書(「明細」見積書)について
また、注文住宅の見積書には「一式」表記の見積書と、工事単価などを細かく記載されている「詳細」見積書(「明細」見積書)があります。
契約を行う際は、必ず「詳細見積書(明細見積書)」が提示された段階で行ってください。
注文住宅の「一式見積書」とは
一式見積書とは、建築資材や設備のメーカー名、型番や品番などの詳細な情報を出さずに「仮設工事 一式 ●●円」や「木工事 一式 ●●円」「本体工事 一式 ●●円」といった型式で「一式」の価格が記された見積書のことを言います。
内訳がわからないので工事内容がわからず、どのような材料をどれだけ使い工事が進められるのかが不明な簡易的な見積書になります。
上記の図のように一式見積書では、単位が「一式」として表記され工事ごとの金額の合計のみが記されています。
具体的にどのような材料を使ってどのような工事を行うのかがこれだけではわからず、必要な工事がきちんと盛り込まれているのか内訳がわからない見積書となっています。
注文住宅の「詳細見積書(明細見積書)」とは
詳細見積書(明細見積書)とは、「建築資材」や「設備」の「メーカー名」、「型番」や「品番」に至るまでの詳細な情報が記されている見積書のことを指します。
つまり、工事名称、仕様、品番、品名、材料のグレードから単位(m2など)、単価、数量、金額、備考に至るまで、どの工事にどの建材を使い、どれくらいの金額がかかっているのかの内訳を詳細に明示した見積書が詳細見積書(明細見積書)にあたります。
詳細見積書(明細見積書)は、どの工事にいくらかかっているのかなど工事内容がしっかりと記載されており、工事内容などの詳細にわたって記載された見積書になります。
一式見積書と詳細見積書について、より詳しい内容については下記リンク先の記事を参考にしてください。
>>>注文住宅の仮契約前に知っておきたい2種類の見積書と必ず確認するべき3つのこと
注文住宅の見積書を比較検討する方法
それでは、いよいよここから見積書の比較の仕方についてお伝えしていきます。
ステップ1で依頼先候補に「相見積もり」を取り、つづいてステップ2で見積書をもらった後に「最初に見るべきポイント」についてお伝えしていきます。
その後の、ステップ3でいよいよ「比較表」に落とし込み、ステップ4であなたが建てたい注文住宅の相場はいくらくらいなのかを知ることができるようになります。
以下順番に記していきます。
【比較検討の4つのステップ】
ステップ1:相見積もりを取る
ステップ2;ポイントを絞り込む
ステップ3:比較表に落とし込む
ステップ4:建てたい家の相場を算出する
ステップ1:適正な工事価格を知るために相見積もりを取る
相見積もりとは、同じ設計の内容で、複数の施工会社から見積もりを取ることを言います。
注文住宅を建てる場合は、この相見積もりを取ることは絶対だと思ってください。
なぜ、相見積もりを行うのかというと、予算内におさめ家を安く建てることも目的の一つですが、もっとも重要な相見積もりを取る目的は、別々の施工会社に見積もりを依頼することで、建てたい家の適正な工事価格を知るためです。
【相見積もりをとる理由】
1:安い価格で家を建てるため
2:建てたい家の適正価格を知るため
相見積もりは、一括見積もりサイトを利用する方法もありますので比較検討の際に、利用してください。
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建築予算は多めに伝えたほうがいいの?見積もりを依頼する際におさえておくべきポイント
実は見積もりを依頼する際、注意すべきポイントがあります。
このポイントをしっかりとおさえて予算を伝えておかないと、最終的な本見積もりの際に、予算内に収めることができず、はじめに提示された金額よりも家の価格が高くなってしまう可能性があります。
家を建てる時はハウスメーカー、工務店、設計事務所(建築家)のいずれかに依頼することになりますが依頼する時は、それぞれ下記の点に注意して見積もり依頼をかけるようにしてください。
ハウスメーカーに依頼する際は総予算の7〜8割程度で伝える
ハウスメーカーは、こちらが希望する予算ピッタリの見積書を作成する傾向にあります。
つまり建物の予算が3,000万円と伝えた場合、予算ピッタリ、もしくは3,000万円前後の金額の見積書を提示してきます。
「おおっ!ぴったりおさまった!」と考えるのは早計です。
ハウスメーカーでは打ち合わせを進めていくうちにオプションとしてプランの変更をかけることが想定されるため、依頼時に予算ぴったりにおさまっているとかなり高い確率で最終的な予算がオーバーしてしまいます。
そのため、ハウスメーカーに見積もりを依頼する際は、実際の予算の7割から8割程度で伝えるといいと思います。
つまり3,000万円の家を希望する場合は「2,100万円〜2,400万円」といった形で希望予算を伝えてください。
ハウスメーカーはほとんどのケースでシステム型または追加型の積算方法を使用しているので、予算ぴったりに合わせてくることが多いです。
地域の工務店に依頼する際は最初に提示された見積予算をあてにしない
地域の工務店の場合は、最初に提示された金額はあてにならないことがほとんどです。
つまり依頼先検討段階での見積もりの精度が悪く、打ち合わせを重ねるたびに追加費用が発生することがほとんどだと思って下さい。
なぜかはお分かりでしょう。積み上げ方の積算方法を使用しているからです。
見積もりの出し方も、数量が「一式」であったり、明細などの詳細を求めないと非常に中身が見えにくい、見積書が提示されます。
積算方法も大雑把なことが多く、はじめの見積もりと、実際に建てることとなった際の工事単価が大きく異なることが頻繁に起きると考えてください。
つまり、要望次第ではあるものの、最終的に契約を合意するに至るまでは金額が膨らんでいくことが予想されるので注意が必要となります。
設計事務所では過去の事例から見積書が作成される
設計事務所に依頼する場合の注意点としては、はじめの見積もりはあまりあてにならないと考えたほうがいいと思います。
大きな理由としては2つあります。
まず1つ目の理由は、プラン依頼の際の見積もりは、過去の事例を参考にした、予想とされる見積もり金額であるからです(概算での積算方法)。
設計事務所では、プラン依頼を受けた際の見積書は、過去手がけた家を参考に見積書を作成していきます。
そのため、現在の資材価格や工事単価と相違が起こることがあります。
そして、2つ目は、打ち合わせを進めていくうちにできることがわかり、要望が膨らみ「あれもしたい、これもしたい」と変更や追加を加えていくうちに金額が膨れ上がってしまうからです。
設計事務所の場合は、ほとんどの場合において、はじめの見積もりと比べて予算をオーバーすると考えるのが良いと思います。
ステップ2:見積書をもらったら最初にチェックすべき2つのこと
見積書の表紙に書かれている内容とチェックポイント
見積書の表紙には、おおよそ下記のような内容が記載されていることが一般的です。
【見積書の表紙に書かれていること】
1:建築会社と施主の確認
2:総額と内訳
まず、「施工会社」と、「施主の情報」が正しいものであるのかを必ず確認してください。
非常に基本的なことですが、もらった書類は自分のものであるのかをしっかりと確認する必要があります。
「施工会社の社名」がきちんと記載されているか、「押印」されているかなども同時にチェックしてください。
その上で、総額と内訳を確認していきます。
表紙には「見積もり金額」と「消費税」それに「総額」が記載されていますので、まずは希望通りの予算に収められているのかをチェックしていきます。
その上で、内容をみていきます。
ステップ3:見積書の書式を統一し「工事種別」ごとに分ける
見積書を比較検討するには、それぞれの依頼先でバラバラな見積書の書式(フォーマット)を統一しなければなりません。
繰り返しになりますが、注文住宅の見積書の書式には法的に定められた形式がなく、それぞれの住宅会社が、独自の書式で作成していることが多いので比較をするにあたっては統一する必要があります。
金額を比較する際は下記のように「工事種別」ごとで割り振って、大雑把に仕分けをしていくとわかりやすいものになりますので参考にして作成して行ってください。
※大雑把でいいというところがポイントです。
【建物本体工事費用の項目】
1:仮設工事
2:基礎工事
3:木工事
4:屋根・板金工事
5:タイル工事
6:外壁工事
7:左官工事
8:建具工事
9:内壁工事
10:塗装工事
11:雑工事
【設備工事費用の項目】
1:住宅設備機器工事
2:電気設備工事
3:給排水衛生設備工事
【付帯設備工事費用】
1:外構工事
2:空調工事
3:ガス工事
【その他諸費用】
その他の諸費用(どの工事に当たるのか判断がつかない場合を含む)
・・・
工事種別ごとに仕分けをする際、今仕分けている内容が、どの工事に当たるのか判断がつかない場合は「諸費用」として計上するといいと思います。
細かい工事や判断に迷う工事は、必ずこの工事種別に分けなくてはならないということはありません。
仕分け表は下記のみほんを参考にしてください。
特記には、それぞれの住宅会社に見られる特徴や、仕様の違いなどを記入していきます。
また、「見積もり落とし」や「図面落とし」もある場合もあるため、比較する際は細心の注意を払うことが必要です。
それぞれの項目に含めるものや、含めないものなど具体的な要素については下記からの記事を参考にしてください。
建物本体工事費用を仕分けする際は2つの費用を計上する
本体工事費用は「躯体工事費用」「仕上げ工事費用」「設備工事費用」の3つの費用に分類できます。
けれども比較検討するにあたっては、「躯体工事費用」と「仕上げ工事費用」は「建物本体工事費用」として一つにまとめて、このうち「設備工事費用」は別工事として分類して作成するとわかりやすくなると思います。
1:躯体工事とは
「家の骨組みをつくる工事」のことを「躯体工事」と言います。
つまり、家の「基礎」をつくり、「柱」をたて「梁」を渡して家の「骨組み」をつくる一連の工事のことを言います。
躯体工事には下記の工事が含まれます。
【躯体工事に含まれるもの】
1:仮設工事
2:木工事
2:仕上げ工事とは
外壁の塗装や、防水工事、左官工事、内装のクロス張り、床のフローリングなどの工事を「仕上げ工事」と言います。
仕上げ工事には下記の工事が含まれます。
【仕上げ工事に含まれるもの】
1:屋根板金工事
2:外壁工事
3:内装工事
4:塗装工事
3:設備工事とは
建具や造作家具、キッチン、トイレ、浴槽などの住宅設備機器や電気などの内部配線を行う電気設備、水道の内部配管を行う工事を「設備工事」と言います。
設備工事には下記の工事が含まれます。
【設備工事に含まれるもの】
1:住宅設備機器工事
2:電気設備工事
工事見積書に記載されている建物本体工事以外の工事と諸費用について
注文住宅を建てる場合、先にあげた「建物本体工事費」の他にも、「別途工事(付帯工事)」や「諸費用(諸経費)」が必要となります。
そのため、「別途工事費用」や「諸費用」もあわせて比較してください。
ただし、「諸費用」については、施工会社によって大きく差がつくことがあるので判断が難しい状況にあります。
理由としては「諸費用」に含めるものが、会社によって随分と違ってくるからです。
ですから、諸費用については、「大雑把な諸費用」としてまとめてしまった方が比較する上で、都合が良くなります。
一般的に、それぞれの工事に含まれるものは下記の通りですので分類して仕分けしていくといいと思います。
別途工事費用(付帯工事費用)
一般的に、別途工事費(付帯工事費)には下記のような工事が含まれます。
比較をする際はこれらの費用はまとめて、「別途工事費」として、ひとつのくくりにまとめてしまった方が、見積もりを比較するのが容易になります。
比較検討の段階では、そこまで細かく分類する必要はないからです。
比較検討の段階で細かく仕分けをするのは無意味ですので、細かく分類するのは全ての書類が揃った契約前の段階にしてください。
【別途工事費用(付帯工事費用)に含まれるもの】
1:既存建物の解体費用
2:地盤改良工事費用
3:外構工事費用
4:照明器具工事費用
5:カーテン工事費用
6:空調工事/特殊設備工事費用
7:屋外電気工事/屋外給排水衛生工事費用
8:引き込み工事費用
それぞれの工事単価の違いなど細かく見ていく場合は、より詳しく仕分けをしていく必要がありますが、専門家でないとそれぞれの工事の適正価格の判断は難しいと思いますので、今回のように簡易的に見積金額を比較したいケースでは詳しく分ける必要はありません。
繰り返しになりますが、細かく仕分けをしてつぶさに確認していく作業は詳細見積書が出た後、契約直前の段階に限って行ってください。
素人目では判断が難しいと思いますので、その際は第三者の専門家を交えて確認していくことをお勧めします。
【設計検査申請費用】
また、デザイン設計料など、建物設計に際しての費用は、「別途工事費(付帯工事費)」に含める場合と、「諸費用(諸経費)」に含める場合があります。
ここではわかりやすいように「設計検査申請費用」として、「別途工事費(付帯工事費)」として統一して分類し仕分けしていきます。
設計検査申請費用に含まれるものは下記の通りです。
【別途工事費もしくは諸費用に含まれるもの】
1:デザイン設計料
2:基本設計料
3:構造計算費用
4:建築申請費用
5:建物中間完了検査費用
6:工事管理費用
7:地盤調査費用
8:契約印紙代
9:瑕疵担保保険料
諸費用
一般的な住宅会社で諸費用に含めるものは下記の通りとなります。
【諸費用に含まれるもの】
1:建築確認申請費用(別途工事費に含める場合も)
2:近隣挨拶関係費用
3:各種式典費用
4:建物表示登記費用
5:土地所有権移転登記・建物所有保存登記
6:抵当権設定登記
7:登記手数料
8:印紙税(印紙代とも。別途工事費に含める場合も)
9:登録免許税
10:不動産取得税
11:固定資産税
12:都市計画税
13:保証料
14:融資手数料
15:火災保険料
16:仮住まい費用
17:減失登記費用
18:引越し費用
ステップ4:複数社の見積もりを比較しやすいように、仕分けする
最終的に下記のようにまとめると、非常にすっきりし比較しやすくなります。
細かく分類するほど、より詳しくそれぞれの住宅会社の価格の違いを比較できますが、大雑把に分ける程度でも、十分に比較することができるので見積書を比較したい場合は、下記の図を参考にして下さい。
見積書の書き方や書式(フォーマット)は、住宅会社によって異なるため、仕分けをする際は、どの項目に仕分けして良いのか、判断に迷うこともあるかと思います。
ですがそこは割り切って大雑把に仕分けをして行ってください。
比較検討の段階では、1円単位で金額の差を比較する必要はありません。
複数社の見積金額を比較をする上では、千円単位で切り上げるなどして、あくまで簡易的にして計算していくことが大事です。
一つひとつの項目を丁寧に比較をすることは、素人の方には難しいと思いますし、かなりの手間がかかってしまうので、あまりオススメしません。
建てたい家の相場観を知ることを優先する
今回の比較表を作る目的はあなた建てたい家の相場を知ることにあります。
ですから、細かい数値を見るのではなく、まずは、建てたい家の相場観を知ることを優先してください。
そのため、今回のような比較表をつくって仕分けをし比較をする際は、だいたいでいいのでざっくりと「工事種別」ごとに、比較できる表を作り、見積書を比較していくのが比較検討する際の大事なポイントです。
気になる点については別途「特記事項欄」に記入してわかるようにしておくと便利です。
見積書は、設計図書とセットで見なければ十分に検討できないことは注意する
なお、ここで算出される数字は、あくまで「見積もり上の数字の比較検討」にすぎないということは肝に命じておく必要があります。
つまり「現在の条件で安く家を建てる」ことや、「あなたが建てたい家の相場を知る」ことには役立ちますが、「いい家を建てる」という視点から見た場合、検討材料として十分ではありません。
「いい家を建てる」という、枠組みで見た場合、これだけでは不十分で、必ず詳細な図面、仕様書、仕上げ表とセットで比較検討することが必要となります。
また、設計はもちろん職人の腕も必要になり、より複雑な条件をかみしなくてはならないため物事はより複雑になります。
工事請負契約を結ぶ際の注意点とチェックポイント
最後に工事請負契約を結ぶ際の注意点についてお伝えしていきます。
工事請負契約は、くれぐれも慎重に行ってください。
なぜか?それは「契約」だからです。
工事請負契約を結ぶ際は、見積書の金額を示す根拠となる書類が揃っているのかは、必ず確認してください。
注文住宅に限りませんが、絶対に安易に契約行為を行わないでください。
具体的には、契約書、工事請負契約約款、設計図書、工事仕様書、見積書、工程表などが確実に揃っているのかを、しっかりと確認してから契約を結ぶようにしてください。
また、工事請負契約を結ぶ際は、全ての書類に必ず目を通し、チェックするようにしてください。
わからない点や疑問点などがあれば、必ず質問し、解決してから契約を結ぶようにすることもポイントです。
工事請負契約約款は十分に確認する
契約を結ぶ前であれば、内容を訂正することができます。
特に「契約約款」の内容は、建築中をはじめ、建築後に建物にトラブルが生じた場合の責任の取り方、対処方法や解決方法について書いてありますので、きちんとそれらの内容が盛り込まれているのかは必ず確認してください。
例えば、工事が遅れた場合の工事遅延損害金(違約金)や、後から住宅に欠陥などの瑕疵が見つかった時の対応、住宅ローンが借りられなかった時の契約白紙解除などについても記載があります。
なければ、必ず内容を盛り込むようにしてください。なかったら覚書として必ず契約書に盛り込むようにして下さい。
契約約款の内容をチェックする際は、日弁連住宅建築工事請負約款を参考に、内容を照らし合わせ、契約約款の確認や作成を進めていくと良いと思います。
>>>日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:日弁連住宅建築工事請負契約約款
工事請負契約前に最低限確認したい項目のチェックリスト
特にチェックしたい項目については、チェックリストを用意しておきましたので、最低限、下記の内容はチェックするようにしてください。
1:変更点は変更された内容になっているか
2:契約約款は施工会社が有利なものになっていないか
注文住宅の工事見積比較表のつくり方のまとめ:
今回は依頼先からもらった見積書を簡易的に比較検討する方法についてお伝えしました。
プロではない素人の方が見積書を比較するにあたっては、出来るだけわかりやすく簡易的にまとめていくことを意識してまとめていくと良いと思います。
それぞれの工事にかかる予算感と合計金額をまとめることができれば、その他詳しいことは、大雑把でいいのです。
今回の方法で比較表を作る目的は、あくまであなたが建てたい家の相場感を知ることにあります。
どの工事にはどれくらいのお金がかかって、どれくらいの金額で家を建てることができそうなのか、それを知ることが今回の見積比較表をつくる狙いになります。
より安く家を建てたい方や、よりあなた好みの家を建てたいという方は下記の記事などを参考にしてください。
予算内でいい家を建てるための7つの基本について知りたい方は下記リンク先の記事を参考にしてください。
家の形の特徴と、お金の関係についてより詳しく知りたい方は下記リンク先の記事にまとめてあります。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
無料で住宅会社から請求できる住宅カタログを請求して理想の家を建てる方法については下記リンク先の記事に詳しくまとめさせていただいております。
たった3分の手間で費用が数百万円変わる場合があります
実際に体験した方にお伺いしたのですが、一括見積もりサイトに複数登録するだけで、数百万円のコストを下げられる可能性があります。
実際に渡された見積書を見せてもらいましたが、わかってはいましたが、会社によってここまで費用に差が出てきてしまうものなのかと、一括見積もりサイトの意味をあらためて実感しました。
ちなみに私が、ネットで相談を受けた人は最大で600万円ほど安く家を建てることが出来ました(条件としてはほぼ、同じです)。面白いですね。
もちろん、あなたがどのような条件によって、家を建てたいのかによって費用は大きく変わってきますが、条件にあった施工会社を見つける為にも、必ず登録しておくべきだと思います。
一括見積もりサイトは以下のサイトがオススメです。
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