日本には優れた伝統工芸が数多く存在していますが、その多くは存続の危機にひんしているといわれています。今回紹介する、日本の古き良き文化の象徴である提灯もそのひとつ。
存続の危機にひんしている伝統工芸品をを後世に残す最も有効な方法は、それらを使う事。そんな思いから500年の歴史があると言われる岐阜提灯を用い照明器具をデザインしたようです。
このランプの名前はChochin Lamp。日本には諸行無常の思想が根付いており、移りゆくものの儚さに美しさを見いだしてきた
日本独自の思想をデザインに取り込んだようです。
また、生活空間に伝統美が取り込まれ日本らしい灯りが再び呼び戻される事を願ってChochin Lampは制作されたとのこと。
そして公式ホームページにはChochin Lampについて下記のような記載があります。
日本には陰影礼讃という誇るべき美意識が存在するにも関わらず、隅々まで均質な光を行き渡らせ、闇を駆逐したライティングを頻繁に目にします。そのような環境の中では、日本人が連綿と受け継いできた美に対する繊細な感度を維持するのは困難です。
奇しくも3.11後に展開された節電が我々に陰影礼讃の精神を再考するきっかけを与えてくれました。
我々は節電によって控えめで優しい光の魅力を再発見し、光に関して足るを知るということを体感したのです。
そのような機運の中で、我々は日本らしい灯りをもう一度見直す必要があると考え
Chochin Lampをデザインしました。
このデザインは板坂 諭氏率いるh220430によるもの。
デザイナー:板坂 諭
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▼参考:
h220430_Chochin Lamp
Chochin Lamp Designed in Praise of Shadows by Satoshi Itasaka’s H220430 | BLOUIN ARTINFO