埼玉県の大宮市に今までにみたこともない全面ガラス張りの狭小住宅があります。場所は大宮駅に程近い住宅地。そんな一角にまるで幾何学的な構造をした全面ガラス張りで透明な、複雑な階層上のネットワークの建物があります。
この建物の名前は「S-House」。柄沢祐輔建築設計事務所によって建築設計された建物です。
なんでもこの「S-House」は、今日の情報化社会における「複雑な階層状のネットワーク」と名付けることで、情報とネットワークの時代にふさわしい建築空間のプロトタイプとして提示しようとし、設計されたとのこと。
ガラス張りの狭小住宅「S-House」の外観
住宅地に突如としてあらわれたこの建物「S-House」。階層的には二階建ての建物になるようですが、周りと比べるとその異質さは歴然。中まで丸見えの文字通り全面ガラス張りの建物となっています。
こちらは正面にまわったときの「S-House」。写真右に郵便受けが見えます。郵便受けの横に扉のようなものが見えますね。どうやらそこが入り口のようです。
ガラス張りの狭小住宅「S-House」の内観
やはり中に入っても異質な空間が広がっています。辛うじてトイレは扉を開け閉めすることによってプライバシーな空間を保つことが出来るようになっていますが、それ以外は丸見え。
本当にこの建物が建てられたということがにわかには信じる事ができません。
こちらがリビングにあたるのでしょうか。外を歩く人も少し恥ずかしくなってしまいそうな・・・そんなお家。
まるであみだくじのような階段がいくつもあり、それを昇ることによって各フロアへ移動することが出来ます。
建物中央部は空間の吹き抜けになっており視覚的には各階層のフロアと繋がっていますが、各フロアにたどり着く為には、その階層を大きく迂回しなければなりません。
ひとつの空間の中に短い距離と長い距離を混在させることによって、建築の内部に多様な距離関係を埋め込み、実際の空間よりも広い空間を知覚・経験することができる工夫が施されているようです。
つまりは、空間を広くとることが出来ない狭小住宅を、広くみせるがための工夫によりこのような複雑な空間作りが施されているという訳です。
こちらはキッチン。
角度をかえてみました。
また角度をかえて。
こちらはバスルーム。正面からはプライバシーを守ることが出来ますが、裏側はやはり透明。つまり外部と内部の境目をできるだけなくし、「ガラス張り」の境界に頼ることによって、内部を広くみせることができるというわけです。
これも狭小住宅ならではの工夫。
ちなみにユニットバスです。
こちらがジグザグ構造の階段。
夜になるとこんなにも明るく綺麗になります。
この階段を昇っていくと・・・
屋上にたどり着きます。
全面がガラス張りの住宅である為、あらゆるところから内部に光を取り入れることができます。
夜になるととっても幻想的ですね。中央部分のヴォイド(吹き抜けの空間)がとってもいい感じ 。
本当に人が住んでいるということが信じられないくらいに全面がガラス張りの非常にユニークな建物です。長期的に住むにはちょっと勇気がいるかもしれませんが、ちょっとだけなら住んでみたい気もします。
この家に住めば、朝は気持ちよく目覚めることが出来るでしょうね。
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▼参考:(外部サイト)
柄沢祐輔建築設計事務所 _ works _ s-house(http://yuusukekarasawa.com/works/2014/05/shouse.php)
Transparent House Consists of Alternating Levels Connected by Multiple Staircases – My Modern Met