人間が血統を組み合わせることにより様々な品種をつくってきてしまった歴史をもつ犬。その犬と人間の関係を見つめ直し、犬と良い関係を築くことにより環境をも考える。
そんなコンセプトのもと現在東京の青山で「犬のための建築」展が開かれています。
開催期間:10月25日(金)〜12月21日(土)
開館時間:11:00〜18:00 ※金曜日は19:00まで。日曜日・月曜日・祝日は休館。ただし10月27日(日)、28日(月)、11月3日(日)、4日(月)は開館。
会場:TOTO乃木坂ビル3F
入場料:無料
住所:港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
TEL:03-3402-1010
※会場へのペットのご同伴はご遠慮ください。
世界の名だたる建築家がそれぞれの犬の個性に合わせて、独自の視点で考えつくり出した「犬のための建築」。そのどれもが素晴らしく、またそれぞれの建築家がもつ味を存分に活かしつくられています。
多分に特徴を含んでいるため、一目見ただけで誰が設計したのかがわかるのが「犬のための建築」展の面白いところ。
またここで紹介したすべての犬の家、ドッグハウスにはホームページ上より設計図を印刷する為のブループリントがついており、自作できるようになっている点も非常にユニークです。
▲ARCHITECTURE FOR THE BICHON FRISE
by KAZUYO SEJIMA for BICHON FRISE
個性的なビジョンフリーゼの毛からインスピレーションを得てつくられたビジョンフリーゼの為の家をつくったのは建築家の妹島和世氏。
妹島和世氏は西沢立衛氏とタッグを組む建築ユニット「 SANAA(サナー)」でも知られる女性建築家です。
球をつぶしたような形が印象的で綿あめのような、雲であるかのような優しい特徴を持つビジョンフリーゼの毛の特徴を考えつくられています。
背部には出入り口がもうひとつあり、そこからも出入りできるように設計されているようです。
▲ARCHITECTURE FOR LONG-BODIED-SHORT-LEGGED DOG
by ATELIER BOW-WOW for DACHSHUND SMOOTH
ダックスフンドのための家を塚本由晴氏と貝島桃代氏の2人組。ダックスフンドが人間の目の高さに自然に昇って来れるように設計されたダックスフンドの為の家です。
階段をスロープ型にすることによって胴の長いダックスフンドの腰を痛めることなく飼い主と目を合わせることができるように設計されています。
▲POINTED T
by HARA DESIGN INSTITUTE for JAPANESE TERRIER
日本デザインセンターの原研究所のデザイナー三澤遥氏がデザインしたのはテリアの為の家。
犬がとんがり帽子をかぶっているかのような印象をもつこのドッグハウスは、実は天井から家を吊るすことにより家として機能しています。
犬の居住空間をあえて曖昧にすることにより、人間と犬の関係を見直した面白いデザインの犬のための家となっています。
▲MOUNT PUG
by KENGO KUMA for PUG
建築家、隈研吾がデザインしたのはパグのための家。600mmの細長い「枝」を使用しメッシュ状に組んでいったデザインとなっています。
釘やボンドを一切使わずにつくられたこのパグのためのドッグハウス。メッシュの先端にはおもちゃやおむつも吊るすことができるようです。
▲PARAMOUNT
by KONSTANTIN GRCIC for TOY POODLE
ドイツのミュンヘンにあるコンスタンチン・グルチッチ・インダストリアルデザイン事務所(KGID)のコンスタンチン・グルチッチがデザインしたのはトイプードルのための家。
犬は鏡に映る自分自身を認識できるのか否か、といった疑問に対しコンスタンチン・グルチッチがトイプードルのための家でその見解を示した作品。
鏡の前でトイプードルが自分自身を見つめることができるように鏡がついた家となっています。
▲NO DOG, NO LIFE!
by SOU FUJIMOTO for BOSTON TERRIER
藤本壮介氏がデザインしたのは人間と犬の間の柔らかな境界を考えてつくり出された家。
格子の上には犬の首輪や人間の生活物を置くことが出来るようになっており人間の良きパートナーである犬と人間の飼い主としての新しい関係を柔らかく紡ぎだすことに成功しています。
▲CHIHUAHUA CLOUD
by REISER + UMEMOTO for CHIHUAHUA
家具デザインから、住居・商業用建造物、景観、都市計画やインフラ計画に至るまで広い範囲で活動するReiser +Umemoto RUR Architecture PCがデザインしたのはチワワと一緒に移動することを考えつくられた移動住居。
チワワの雲と名付けられているようにフワフワとした質感の雲はチワワの動きや、スピード、個性などをうねりの紋様として置き換えてくれます。
▲D-TUNNEL
by KENYA HARA for TEACUP POODLE
「犬のための家」展の発起人である原研哉氏がデザインしたのはトイプードルのための家は犬が階段を昇ることによって人間の目とちょうどいい高さで向き合うことの出来る家。
小型犬と人間が自然に視線を交わすことの出来る高さにより、お互いに気持ちのよい関係を築くことができます。
▲WANMOCK
by TORAFU ARCHITECTS for JACK RUSSELL TERRIER
ワンモックと名付けられた、狩猟犬だったジャックラッセルテリアのためのハンモック。
飼い主の洋服の上が大好きだということもあり、ハンモックに使われているのは飼い主の洋服。非常にユニークなドッグハウスとなっています。
他にも全部で13の面白い作品がありますので興味がある方は是非ご覧になってみてください。
「犬のための家」展:Architecture for Dogs
「犬のための家」展は今後も活動は継続していく予定だそうで、今後の展開からも目が離せません。
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