一般的に空き地は、駐車場となりますが、空き地を利用し、移動式の海運コンテナを使ったオフィスをつくってしまった例があります。
そのオフィスは岐阜県岐阜市にあり、すごろくオフィスと言われています。すごろくオフィスのユニークなところはたくさんありますが、その代表的なもののひとつに7つのコンテナを組むことで簡単に設置できる為、駐車場などの空きスペースがあれば、どこにでも移動可能なオフィスが建てられる点があげられます。
すごろくオフィスを設計したのは大建metという日本の建築設計事務所です。
設計事務所すごろくオフィスのある場所
大建met自らが設計し、自らの事務所としてすごろくオフィスは現在稼働しています。
すごろくオフィスの構造
この建築物の特徴は、鋼管フレームが主要部材となっており、骨組みの部分にコンテナ自体を納めるだけで設置出来る点にあります。そのため建築自体が比較的容易で解体移設も簡単にできると言う優れた建築物となっています。
すごろくオフィスの断面図
公式ホームページによると、すごろくオフィスは「移設可能な建築ユニットにより空地が駐車場にではなく、人やコトが動く場に転用されることを提案」とのこと。
確かにこれなら空き地が有効利用できそうです。
すごろくオフィスの外観
すごろくオフィスの設置の様子です。海運コンテナをクレーン車で持ち上げ、骨組みに納め部分的な装飾などを施せばあっという間に出来上がります。
すごろくオフィスの完成図です。1階がオフィスとなっており3棟あります。2階が食堂とキッチンとなっており、3階は将来的には住宅として利用するみたいです。
すごろくオフィスを正面から見た図です。
よくみると開閉式のコンテナの出入り口の部分に窓が設置されていることがわかります。階段ものこぎりの刃のようにギザギザ模様となっており、かなりおしゃれです。
きちんとベランダも用意されているみたいでちょっとした息抜きにちょうどいいかもしれません。
オフィスに灯りをともしてみました。防音などの問題を抜きにすれば普通に住居として住んでも良いかもしれませんね。
こちらがオフィス入り口です。それではさっそくお邪魔してみましょう。
すごろくオフィスの内観
1階オフィスの写真です。コンテナというと、中に入ると圧迫感があるのではないかというイメージがありますがコンテナとコンテナの側面を繋げることにより、より開放的で広い空間をつくり出していることがわかります。
内装はコンテナそのままではなく、板をはったりとしっかりと整備されているようです。
2階の食堂・キッチンの写真です。この写真だけを見る限りでは、ここがコンテナの中だとは思えません。東京都内にある、デザイナーズマンションのようです。
ひとつひとつのつくりが丁寧で、愛情が感じられるつくりとなっています。
遠くからみたすごろくオフィスです。存在感がありますね。
反対側の道路からみたすごろくオフィスです。この角度からみるとレンタル倉庫のようにみえますが、きちんとした3階建てのオフィスです。
例えば短期契約により土地だけを借り、そこに一定期間の間コンテナオフィスを建てるというのも面白いかもしれませんね。
実は私の友人の一人に同じようにコンテナを使った飲食店を計画しているものがいました。しかし実際にコンテナをみにいったところ、コンテナ内のあまりの圧迫感によって無理だと諦め、頓挫してしまったことがあります。だからこそ、この複数のコンテナを用いるというアイデアが、ものすごく素晴らしく感じてしまいます。
所在地 岐阜県岐阜市
竣工 2011/08
敷地面積 113.30m2
建築面積 49.32m2
延床面積 111.35m2
構造規模 S造
構造設計:なわけんジム
施工: なかむら工務店
すごろくオフィスの設計事務所大建metの最新情報は公式ホームページから確認することができます。
▼大建met
公式HP:http://netmet.jp/index.html
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▼参考
metworks shop すごろくオフィス