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ベランダやテラス、バルコニーをサンルームにするポイントと注意点

サンルームは人気の高い間取りです。

新築時にサンルームをつくる方もいれば、リフォームで後付けのサンルームをつくる方もいらっしゃいますが、いずれにせよ、サンルームはきちんとした目的を持ってつくる必要があります。

今回は誰もがうらやむサンルームのつくり方からサンルームにかかる費用、サンルームをつくる上での注意点などについて合わせて解説していきたいと思います。

家づくりでサンルームをつくろうかと検討している方はぜひ、一度読んでいただき、より快適な住まいを実現させてください。



Contents

サンルームのつくり方は2種類

サンルームのつくり方は2種類あります。

【サンルームのつくり方】

1:間取りの一部をサンルームにする
2:バルコニーやベランダ、テラスをサンルームにする

1:間取りの一部をサンルームにする

まず一つ目の方法は間取りの一部をサンルームにする方法です。

新築時にサンルームとして計画する方法とリフォームで後から対応する方法がありますが、リフォームで住戸内の部屋をサンルームにつくり変えようとした場合は対応が難しいケースもあります。

家を建ててしばらくしてから、後付けでサンルームを検討している方は設計段階からきちんと検討しておく必要があります。

>>>おしゃれなサンルームをつくるコツや、費用、メリットデメリットについて徹底解説します

2:バルコニーやベランダ、テラスをサンルームにする

リビングの隣などの建物の外壁から迫り出したスペースを利用してサンルームをつくる方法がこれにあたります。

新築時はもちろん、後付けでも対応できることが多く、2階のベランダ(またはバルコニー)を利用してつくるサンルームを「バルコニー囲い」と言い、1階のベランダ(またはテラス)を利用してつくるサンルームを「テラス囲い」と言います。

この記事ではバルコニーやベランダまたはテラスをサンルームにする際のポイントや注意点についてお話ししていきます。

ベランダとテラス、バルコニーの違いは?

混乱が起きないようベランダやテラス、バルコニーの違いについて簡単に解説していきます。

ベランダって何?

ベランダとは建物の外壁から張り出したスペースのことで、柵、手すりなどで囲われ、屋根、庇、軒下などがあるタイプのスペースのことを言います。

テラスって何?

テラスとは建物の外壁から張り出した「1階」部分のスペースのことで、屋根・庇・軒下などがないタイプのスペースのことを言います。

バルコニーって何?

バルコニーとは建物の外壁から張り出した「2階」以上のスペースのことで、屋根・庇・軒下などがないタイプのスペースのことを言います。

ただし、この3つのスペースは、もともとの意味の違いこそあれど、私を含むプロの設計士(または建築士)と話していても厳密には使い分けられておらず、全てを一緒くたにして扱われているケースもあるので、会話の中では全て一緒のものとして話していくと会話がスムーズに運ぶと思います。

ちなみに和風住宅に見られる、縁側や下屋は、屋根、庇、軒下などで囲われているためベランダとして位置付けられます。

ちなみにこれら3つは住戸【内】ではなく住戸【外】として扱われます。

【ベランダ、テラス、バルコニーの違いについて簡単解説】

ベランダ:建物の外壁から張り出した「屋根付き」のスペースのこと。
テラス:「1階」につくられた建物の外壁から張り出した「屋根なし」のスペースのこと。
バルコニー:「2階」以上につくられた建物の外壁から張り出した「屋根なし」のスペースのこと。

住戸外のサンルームの種類

建物の外壁からせり出したスペースを利用してサンルームをつくる方法は2通りあります。

【住戸外につくるサンルームは2種類】

1:1階のテラス(ベランダ)を利用した「テラス囲い」のサンルーム
2:2階のバルコニー(ベランダ)を利用した「バルコニー囲い」のサンルーム

ここであげた2種類のサンルームは、新築時にサンルームが欲しいけれど、他の部屋の広さを確保したいなどスペース的に余裕がないケースで余ったスペースを有効活用される方。

または、家を建てた後にリフォームなどで改築して新たにサンルームをつくろうとしたときに検討されることが多いです。

1:1階のテラス(ベランダ)を利用した「テラス囲い」のサンルーム

テラス囲いは1階部分の建物からせり出したスペースを利用してサンルームをつくる方法です。

リフォームなどの改築時に後付けでサンルームを作りたい場合は、8割型1階部分のテラス(ベランダ)を利用した「テラス囲い」のサンルームを選択されます。

一般的にはテラス部分をガラスなどの透過性の高い素材で囲って屋根をつけ、サンルームとするケースが多いです。

テラス囲いのサンルームの用途は?

サンルームをリビングとつづきの空間とすることで、家事動線もよくなり、わざわざ階段の上り下りをしなくてもサンルームに足を運ぶことができる間取り(空間のとり方)になります。

テラス囲いにした場合のサンルームは、洗濯物を干す用途としてはもちろん、くつろぎの空間として、趣味の部屋として、子供たちを自由に遊ばせるスペースや家庭菜園などを行うスペースなどの用途で利用できるサンルームになります。

2:2階のバルコニー(ベランダ)を利用した「バルコニー囲い」のサンルーム

バルコニー囲いのサンルームは、2階部分の建物からせり出したスペースを利用してサンルームをつくる方法です。

家を建てたけれど、たいしてベランダを活用していなかったケースなどでサンルームを検討されている方はこのバルコニー囲いのタイプのサンルームを選択されます。

一般的にバルコニーとしてつくられた柵(壁)の上にガラスやポリカーボネートなどの透過性の高い素材で囲って屋根をつけ、サンルームとするケースが多いです。

バルコニー囲いのサンルームの用途は?

一般的に多い1階にリビングを配置する間取りではなく、2階にリビングを配置する2階リビングの間取りの方はバルコニー囲いにすれば、リビングとつづきの空間とすることでリビングを広く使えるようになります。

また、バルコニー部分を半屋外の空間として利用できるようになりますので、リビングの延長の空間として広々とした2階リビング利用いただけるようになります。

写真は旭化成ヘーベルハウス そらのま+(プラス)

 

例えば、上の写真では2階リビングの隣にパーゴラのようなバルコニーをつくりサンルームのような間取りにしています。

バルコニーにサンルームをつくる場合は、物干しスペースになることが多い

ただ、リビング以外の諸室のバルコニーをサンルームとする場合は、ほとんどのケースで物干しスペースとして使用することが多いです。

サンルームとすることで、外のほこりや花粉などから衣類を守り、天日干しをすることができるからです。

一部家庭菜園などやくつろぎの空間として利用されている方もいますが、諸室の隣にサンルームを設けてしまうと、足が遠くなることも多いようです。

使えるサンルームにしたいのであれば、リビングの横に配置した方がやはりいいと思います。

テラス囲いとバルコニー囲いのサンルーム・・・どちらが安いの?

一概には言えませんが、2階部分のバルコニーを利用したバルコニー囲いのサンルームとする方が新築、リフォームともに費用は安くなることが多いです。

なぜなら1階部分のテラスにサンルームを設置する場合は、土台などをつくる基礎工事費用が必要になりますが、2階部分のバルコニーでは基礎工事費用が必要ないからです。

ただ、これは土地の状況や間取りなどによっても変わるので一概にはっきりしたことは言えず、サンルーム設置費用が変わったとしても、そこまで大きな費用が動くわけではないことも多いので、費用で判断するのではなく、よりあなたの暮らしにあったタイプのサンルームを選ぶことを優先した方がいいと思います。

サンルーム設置にかかる費用はどれくらい?

およそ100万〜300万円未満が相場です。

1階部分のテラス囲い、2階部分のバルコニー囲い共に最低ラインとして100万円からを見ておけばいいと思います。

新築時、リフォーム時、大体100万円以上、300万円未満の予算を組めば一般的なサイズ(2間×6尺)のサンルームをつくることができます。

もちろんここであげた費用感はサイズによっても違います。例えば1坪程度の広さなどでよければ80万円くらいでサンルームをつくることもできます。

もちろん、使われる素材や仕様などによってはそれ以上となることもありますので、あくまでサンルームをつくるときにかかる「最低ラインの価格」と捉えておいてください。

サンルームの選び方

サンルームにも種類があり、今では、様々なサンルームがありますから、どんなサンルームにしようか悩むことも多いかと思います。

そんな時は下記の3つを軸にして検討していただくと、スムーズに決められると思います。

【サンルームの選び方】

1:素材を選ぶ
2:扉を選ぶ
3:屋根を選ぶ

サンルームの選び方1:全体の雰囲気を決める「素材」を選ぶ

サンルームの壁には耐風パネル、換気パネルなどそれぞれに特徴があります。

また、網戸の有無、カーテンレール有無、日除けの有無などオプションだけ見ても実に豊富なラインナップがあります。

サンルームの用途や目的、設置する場所に合わせてまずは素材を選んでいただくとスムーズに決められると思います。

また床材の種類も豊富にありますし、床暖房をつけたタイプのものなど機能にこだわったタイプのものもあります。

自然素材、または柔らかい雰囲気が感じられる木目調の素材を選べば雰囲気が出るでしょう。前面ガラス張りでなくとも一部をガラス張りにしたタイプの素材もあります。

カラー、素材としての質感、本当に様々あります。

こうした素材はサンルームの使用目的に合わせて検討していってください。

サンルームの選び方2:使い勝手を左右する「扉」を選ぶ

素材を決めたら続いて「扉」を選んでいきます。

サンルームの扉には、「カーテン式の扉」や「引き戸タイプ」、「折り戸」など様々な種類が用意されています。

またサンルームの「扉」には内外部の一体感が生まれる「全開式」などの扉も用意されています。

そして、サンルームを繋ぐリビング側の窓の種類によっては「掃き出し窓」もあります。

換気しやすい窓や扉にしたり、遮熱ガラスを利用すると言った選択肢もあります。

サンルームの扉一つでサンルームの印象はもちろんサンルームの使い勝手を大きく左右する部分になりますから、慎重に選んでください。

サンルームの選び方3:用途によって異なる種類の「屋根」を選ぶ

最後に屋根を選びましょう。

部屋干しをするための用途のみであれば、透過性の素材で構いませんが、くつろぎのスペースとして使用することを検討している場合は、サンルームが暑くなりすぎないように「日除けができる」タイプや「透過性のない」タイプの屋根を選ぶこともあります。

またこの時、ケースによっては「エアコンの設置」も考える必要が出てくるかもしれません。

サンルーム内部の温度をおさえるために熱線吸収タイプの「ポリカーボネート」素材にするとある程度、サンルームないの熱を緩和することができます。

屋根にもサンルームに求めるものによっていろいろありますので、楽しみながら選んでください。

ベランダをサンルームにする時の注意点

最後にベランダをサンルームにするときの注意点についてもお話ししていきます。

サイズによっては居住空間として扱われる

ベランダの広さ(サイズ)によっては居住空間として扱われてしまう可能性もあります。

広いサンルームで居住空間とみなされた場合、サンルームが床面積として算入されることになりますので建ぺい率の問題はもちろん、固定資産税がかかるケースもあります。

新築時をもちろん、改築時にベランダをサンルームとして利用する時は、サイズにはくれぐれも注意してください。

※固定資産税は6畳ほどの広さであれば年15,000円程度かかります。

2階のバルコニーに作るサンルームは条件によっては高くなることもある

2階のバルコニーを利用して「バルコニー囲い」のサンルームをつくる場合、基礎工事が必要ないため、1階テラス部分に作る「テラス囲い」のサンルームよりも設置費用が安くなるとお話ししました。

けれども、建物の耐震性によっては1階部分の「壁」や「柱」の補強工事が必要になることもあります。

そうした場合は費用が膨らむ可能性があり、ケースによっては高額になってしまうこともありますので注意してください。

必ずサンルームの使用目的を考えてから決める

サンルームは、必ずどのような目的でサンルームを作るのか、使用目的を決めてから検討してください。

例えば使用用途によって最適なサンルームの広さ必要な物、サイズ感なども変わってきます。

主に寛ぐスペースとして使いたいのであれば床にコンクリートやタイルを敷き詰めてもいいでしょうが、サンルームを洗濯物を干すだけのスペースとして考えた場合は、簡易的に樹脂製のデッキだけで済ませることもあります。

必ずどのような目的でサンルームを使いたいのかまで事前に考えてから設置するようにしてください。

まとめ

今回の記事ではサンルームのつくりかたからはじまり、ベランダ、テラス、バルコニーの違い、それぞれの場所にサンルームを設置する方法、サンルームの目的や用途、サンルームの設置にかかる費用、サンルームの選び方、サンルームをつくるときの注意点に至るまで、住戸外にサンルームをつくる際のポイントについて解説してきました。

いろいろお話ししてきましたが、サンルームをつくる上で最も大事なことは、必ずどんな目的でサンルームをつくるのかを十分に検討することだと思います。

本文にも書きましたが、その上で、素材、扉、屋根などを選んでいただければきっと快適なサンルームをつくることができるはずです。

ぜひ、サンルームをつくる目的を明確にしていただき、誰もが羨む快適なサンルームを作っていただけたらと思います。



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