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リビング階段は寒い?リビング階段の寒さで後悔しない3つの基本と寒さ対策について

リビング階段は寒い・・・そう思われている方も多いかもしれません。

そして、もしかしたらそれは、リビング階段の間取りの取り方に原因があるのかもしれません。

今回の記事ではリビング階段の寒さで後悔しないために家づくりでおさえておきたい2つの寒さ対策についてお話していこうと思います。



リビング階段の間取りにするとなぜ寒くなるのか?

寒さを感じさせない家にするためには「断熱性能」と「気密性能」を高めることが大前提として必要であると思ってください。

リビング階段にすると冬場に寒さを感じやすくなるのは、暖気は上に上昇し、冷気は下に降りてくる性質があるからです。

リビング階段が冷気の通り道となって、上階から冷気がリビングまで降りてきてしまい、暖められた暖気は上へ上へと上昇してしまい、せっかく暖められたリビングの暖気が逃げてしまうという悪循環になってしまうのです。

吹き抜けは寒い?寒い吹き抜けにしないために抑えておきたい6つの対策」でもお話しましたが、暖かい家にする基本として、「断熱性能」と「気密性能」を高める必要があります。

リビング階段の寒さを防ぐ3つの基本

リビング階段の寒さを防ぐためには下記のような対策をすることが基本となります。

【リビング階段の寒さを防ぐ3つの基本】

1:熱が2階に移動しないように食い止める
2:冷気がリビングまで降りてこないようにする
3:床暖房を使用する

リビング階段でも、この2つの対策をしっかりと行えば、冬場にリビングで感じる寒さを大きく軽減できると思ってください。

リビング階段の寒さ対策1:階段にロールカーテンを取り付ける

吹き抜けを採用していない、一般的なリビング階段の場合はロールカーテンを取り付けるだけで、冬場に感じる寒さは随分と和らぐと思います。

もちろん、その他の部分で家の「断熱性」や、「隙間風」などがないように「気密性」を高めていくことが必要になります。

けれども、一般的な間取りで多くみられるリビング階段であれば、熱が階段から2階に逃げていかないように、また冬場の冷気が階段を通してリビングに降りてこないように、建具やロールカーテンで防いで上げるだけで感じる寒さがかなり変わってきますので、試してみてください。

リビング階段の寒さ対策2:階段に引き戸などの建具を取り付ける

階段付近に建具として「ドア」や「扉」を階段に取り付けるとロールカーテンよりも寒さに対する効果は期待できます。

このとき、「引き戸」にすると出入りがしやすくなりますのでおすすめです。

横に引いて開くタイプの「引き戸」にすれば、扉の前に人がいても思いがけずドアにあたってしまうと言ったリスクが低くなるからです。

リビング階段の寒さ対策3:床暖房を使用する

リビング階段のある家の10のメリットとデメリット」でもまとめてありますが、リビングの床面70%以上を床暖房にすると、冬場に感じられる寒さがかなり変わってくると思います。

狭い範囲では効果は望めませんが、広い範囲で床暖房をきかせると、効果が期待できますので試してみてください。

ただし、床暖房を設置するだけでは効果はなく、「1:熱が2階に移動しないように食い止める」「2:冷気がリビングまで降りてこないようにする」この2つの対策を施した上で、床暖房を使用しなければなりません。

吹き抜けのリビング階段にするとなぜ寒くなるのか?

「吹き抜け」の間取り(空間のとり方)と「リビング階段」は相性が良く、「吹き抜け」にするなら「リビング階段」、「リビング階段」にするなら「吹き抜け」といった形で2つの間取りはペアで検討されることが多いです。

実際、この2つの間取りは非常に相性が良く、セットで採用すればリビングがより広く開放的な空間に感じられるようになり、家の中に快適性を生み出す空間づくりができるようになります。

しかし、一方で吹き抜けとリビング階段、この2つの間取りを組み合わせることで空間がより広くなるので、寒さを感じやすくなるデメリットも生じてきます。

吹き抜けのリビング階段の寒さを防ぐ2つの対処法

吹き抜けのリビング階段の寒さに対処するアプローチは2通りあります。

【吹き抜けのリビング階段を寒くしない方法】

1:家の性能を高める
2:家の設備を整える

吹き抜けのリビング階段の寒さ対策1:家の性能を高める

吹き抜けのリビング階段にするのであれば、必ず高気密、高断熱にして家の性能を高めることからはじめてください。

高気密、高断熱にすると室内の温度の変化を安定させ、快適な温度に保っていられるようになり、寒さを感じやすい冬場でも快適に過ごせるようになります。

高性能の家は同じ温度でも体感温度が暖かく感じられる

例えば同じ20度の室温であっても、断熱性能や気密性能が高められた高性能の家では「体感温度」が高く感じられます。

実は、断熱性能が低い家では室温が20度を表示していても14度程度に感じたり15度程度に感じたりしてしまうのです。

温度計の示す温度が高いのになぜ、なぜこんなに家が寒いのだろうと思われている方は、家の性能を疑ってみてください。

室温と湿度がどんなに快適な数値を示していても、家の性能が悪いと体感温度が寒く感じられる家になってしまうのです。

室温と体感温度はなぜ違うのか?

ではなぜ、同じ20度を示しているのに、高性能の家では暖かく快適に感じられ、性能の良くない家では寒さを感じられるようになるのでしょうか。

これは、家の断熱性能が低いと、家の壁、床、天井などの表面温度が外気の影響を受けて低くなり、表面温度の低さが室内で感じられる体感温度に強い影響をもたらすためです。

一方で、断熱性能を高くすれば、床や壁、天井の憑依面の温度が高くなり、体感として感じられる温度は19度や18度と言ったように高く感じられるようになるのです。

また気密性を高めることで、隙間風が感じられなくなり、室温が同じ20度であっても体感として感じる温度は高くなるのです。

つまり家の断熱性能と気密性能を高めることで体感として感じられる体感温度には大きな違いが生まれてくるのです。

※性能の高い家は、外気の影響を受けづらいため同じ室温でも体感温度が快適に感じられる

吹き抜けのリビングだけではなく外断熱にして家全体で性能を高める

吹き抜けは寒い?寒い吹き抜けにしないために抑えておきたい6つの対策」で吹き抜けの寒さ対策として家を内断熱ではなく、外断熱にすると言った対策法をあげました。

これは、外断熱にすると、家全体を断熱材ですっぽりと覆う形になるので、外気の影響を受けづらくなるからです。

先ほどもお話した通り、外気の影響を受けづらくなると、室温が同じ20度であっても、体感温度が暖かく快適に感じられるようになるのです。

例えるならば魔法瓶のようなものです。

家全体を外側から包み込み魔法瓶のように外側からしっかりと断熱させることで、室内で暖められた暖気が外に逃げづらくなり、室内にとどまるようになるので同じ室温20度でも体感温度として暖かく感じられるようになるのです。

なぜ吹き抜けのリビングだけではなく家全体で断熱をすることが必要なのか?

これは家の中の温度差をなくすためです。

家の中の温度差をなくすことによって、冷気が移動するのを防ぎ、室温を均一にたもてられるようになるのです。

冷気は下に流れていき暖気は上昇する性質を持っていますから、家の中の温度にムラがあるとそれぞれの空気が心地よい方に移動してしまうのです。

家全体として断熱性を高め、また気密性を高めて、家の性能をよくすることで、この流れを食い止め、快適な温度に保っていられるようになるのです。

断熱性と気密性は必ずセットで考える

また暖かく快適な吹き抜けのリビング階段にしたいのであれば断熱性を高めるだけではなく、同時に家全体の気密性も高めてください。

気密性を高めることで家の隙間から熱が逃げてしまうのを防ぐのです。

「断熱性」と「気密性」はセットになることで、より高い効果が期待できます。

逆に言えば、家の性能がこの2つのどちらかに偏ってしまっていては十分な性能を発揮できない家になりますので注意してください。

吹き抜けのリビング階段の寒さ対策2:家の設備を整える

家の性能を高めたら、続いて設備を整えていきます。

家の性能を高めて熱を逃さないようにしたら、今度は家の設備を整えて、中から暖かくなるように寒さ対策をしていくのです。

寒さを防ぐために床暖房を使用する

まず冷気は下に滞留しますから、床下からじんわりと暖めて暖気にかえてあげる工夫が必要になります。

これには床暖房を使用するといいと思います。

リビング階段の寒さ対策でもお話しましたが、リビングの床全体の70%以上は床暖房にあてると効果がより期待できます。

室温を一定にするために全館空調システムを採用する

また家全体として快適な室温を保つためにも、吹き抜けのリビング階段を間取りとして採用するのであれば全館空調システムを取り入れてください。

居室ごとに調整するのではなく、廊下、諸室、浴室、リビングなど家全体で冷暖房管理し、24時間換気を行う空調システムにすると室内の温度が常に一定になるためより快適に感じられるようになります。

特に断熱性能を高めて全館空調システムを採用すると、換気システムにより窓を閉じていても汚れた空気を排出し、常に新鮮な空気を取り込んでくれますし、室内のどこにいても温度差がなくなるため、家で過ごしていて快適に感じられるようになります。

冬場などは寒くて部屋間の移動が面倒になるものですが、全館空調システムを取り入れれば寒い冬場であっても移動が楽になります。

室温のムラをなくすために空気を循環させる

吹き抜けの寒さ対策でもお話ししましたが、このときさらにシーリングファンを天井に設置してください。

上昇する性質を持つ暖気をシーリングファンによって落とし、空気を循環させることで室温のムラがなくなり、室温が体感温度に近づき、より暖かく感じられるようになります。

まとめ

今回はリビング階段の間取りの寒さ対策と、リビング階段を採用する時に合わせて検討されることの多い「リビング階段+吹き抜け」の寒さ対策について解説してきました。

リビング階段を寒くしないためには

【リビング階段の寒さを防ぐ3つの基本】

1:熱が2階に移動しないように食い止める
2:冷気がリビングまで降りてこないようにする
3:床暖房を使用する

以上の対策をすることが基本になります。

また「リビング階段+吹き抜け」にする場合は

1:家の性能を高める
2:家の設備を整える

この2つの対策をあらかじめ講じておくことが基本となります。

せっかくいい家を建てたのに寒くていられないということにならないように、必ず設計段階から寒さ対策はしておくようにしてください。



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