入居後に不具合が見つかったら、どうすれば良いのか・・・。新築住宅を建てる際、誰もが疑問に思うことです。そんな時、あなたを守ってくれるのが「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」です。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の柱は下記の3つになります。
1:新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例
2:住宅性能表示制度
3:住宅専門の紛争処理体制
このうち「1:瑕疵担保責任に関する特例」が、今回お話する内容にあたります。
Contents
瑕疵担保責任とは
瑕疵担保責任の瑕疵(かし)とは、建物が完成したときからある傷などの不具合のことを言います。つまり、一般的には傷や欠陥などのことを指し、法律上は「請負契約で定められた内容や建物として通常期待される性質ないし正常を備えていないこと」をいいます。
入居後に、建物の完成時には気がつかなかった隠れた瑕疵が発見された場合、売主(宅建業者)や請負主(建設業者)が買主(建て主)に対して責任を負わなければなりませんが、それを瑕疵担保責任と言います。
簡単に言えば、売主や請負主が、買主に対して責任を負うことを瑕疵担保責任と言います。
瑕疵担保責任の対象となる2つの部分の概要
瑕疵担保責任はすべての瑕疵が対象ではありません。瑕疵担保責任で対象となる部位は・・・
1:構造耐力上主要な部分
2:雨水の浸入を防止する部分
以上の2つです。注意すべき点は、内装や外装などは瑕疵担保責任の対象外だということです。
瑕疵担保責任で対象となる具体的な部分
「住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)」による、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例の内容は以下になります。
※住宅:住宅の品質確保の促進等に関する法律 – 国土交通省より引用
1:構造耐力上主要な部分
住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床材、屋根版、横架材のうち当該住宅の自重、もしくは積載荷重、積雪、風圧、土圧もしくは水圧または地震、その他の振動もしくは衝撃を支える部分。(建築基準法施行令第1条第1項第3号と 同様の内容)
つまり、基礎も含めた構造躯体の部分をさします。
2:雨水の浸入を防止する部分
1、住宅の屋根または外壁
2、住宅の屋根または外壁の開口部に設ける戸、枠(わく)その他の建具
3、雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根もしくは外壁の内部または屋内に当たる部分
つまり、屋根や外壁の一定部分を想定しています。
内装や設備における瑕疵は瑕疵担保責任の対象とならない
また、「瑕疵の部分」と「瑕疵によって不具合が生じた部分」は必ずしも一致しません。例えばこんなケースが考えられます。
内装に亀裂が生じたとしましょう。その場合、その原因がどこにあるのかが重要なポイントとなります。例えば内装の品質不良によるものであるならば、その瑕疵は内装部分にあったものだと判断されるので、住宅品質確保促進法に基づく義務づけの対象になりません
ただし、その亀裂が住宅の基礎や柱などの瑕疵によるものであった場合は、基本構造部の瑕疵にあたるので、引き渡し後10年以内であれば住宅業者は瑕疵担保責任を負うことになります。
地盤が原因で不具合が生じた場合はどうなる?
では、地盤が原因で建物に不具合が生じた場合はどうなるのでしょうか。結論から言ってしまえば、基本的には、地盤の問題になるので、住宅の施工業者や売主が瑕疵担保責任を負うことはありません。
地盤は土地の問題であり、住宅には含まれないからです。
ただし、住宅の設計・施工を行う設計施工業者は、地盤の状況をきちんと把握した上で、その地盤の状況に対応した基礎の設計・施工を行う責任があると考えられており、軟弱地盤であるにもかかわらず、これに対応していない基礎を選定、施工業者が漫然と当該基礎工事を行い、不同沈下などの瑕疵(不具合現象)が発生した場合には、「基礎」の瑕疵として瑕疵担保責任を負わなければなりません。
詳しくは、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「地盤と10年間の瑕疵担保期間義務付け 」を参照してください。
瑕疵担保責任の期間はどれくらい?
瑕疵担保責任の保証期間は引き渡しから10年間です。また、建物の点検時に瑕疵がみつかった場合、売主や請負主は不具合が起きていなくても修理しなければなりません。
ただし、自然劣化等により生じた不具合は保証されていないので注意が必要です。
また、責任を追及できる期間は決まっており、買主が瑕疵を発見した日から1年以内に請求しなくてはなりません。
瑕疵担保責任で請求できる内容は?
買主が売主に対して請求できる内容は、補修(無料)か瑕疵によって生じた損害の賠償となります。
1:修補請求(民法上売買契約に明文なし)
2:損害賠償請求
3:解除(解除は売買契約のみで、修補不能な場合に限る)
売主や請負主が倒産したらどうするの?
しかし、場合によっては、瑕疵に気がついた時点で、売主や請負主が倒産しているケースや、法律に規定されている権利に則り損害賠償を求めても、業者に支払い能力がない場合もあります。
業者が倒産した場合や、業者に支払い能力がなく補修を拒否した場合には、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保法)により、供託金の還付や保険金の支払いを受けることができます。
平成21年10月1日に施行された、住宅瑕疵担保法では、新築住宅を供給する施工業者や売主に対して以下のことが義務づけられています。
1:保険への加入
または・・・
2:保証金の供託
具体的な内容は下記の通りです。
保険制度とは
保険制度は、国土交通大臣指定の保険法人が提供する「新築住宅の保険」を利用した住宅は、引き渡し後10年以内に瑕疵があった場合、補修を行った事業者に保険金が支払われる制度です。
住宅事業社が倒産している場合や、住宅事業者に支払い能力がなく補修等を行なうことが出来ない場合、発注者と買主は保険法人に対して、瑕疵の補修などにかかる費用、すなわち保険金を保険法人へ直接請求出来る制度です。
保証金の供託制度とは
新築住宅に瑕疵があれば、事業者は補修を行う責任がありますが、万が一その事業者が倒産した場合にそなえて、事業者が法律で定められた額の保証金をあらかじめ法務局などの供託所に預けおく制度です。
供託制度により、消費者は供託所への保証金の還付請求が出来ます。事業者が倒産等で瑕疵の補修が行えない場合は、消費者はその補修等に必要な金額について、保証金からの還付を供託所に請求することができます。
住宅瑕疵担保法によりどれくらいの補修費用がおりるのか?
つまり、柱や屋根など、基本構造に欠陥が見つかった場合の、10年間の瑕疵担保責任を果たすために必要な資力、即ち供託金を積んでおくこと、もしくは、保険に加入することが義務づけられています。
住宅瑕疵担保法により、事業者が倒産した場合等でも、2000万円までの補修費用の支払いは保険法人から受けられます。
住宅瑕疵担保履行法により、瑕疵担保責任を履行する為の資金力確保の措置が定められたことで、買主は安心して新築住宅を取得することが出来ます。
以上のことから、2016年7月現在の法律では、買主はしっかりと法律によって守られているということになります。
新築住宅を購入する上での注意点
いくら法律で守られているからといえ、契約時には建設会社や工務店が加入する保険や保証の限度額、免責額などを確認しておくと良いでしょう。
もしなんらかの問題が起きた場合など、最悪のケースを想定しておくことは大事なことです。
また、住宅の建設や販売の際、事業者は資力確保措置として、保険や供託の措置をとっているかについての説明が義務付けられています。重要事項説明チェックシートは下記のものが参考となりますので、ダウンロードのうえ合わせてご確認ください。
新築住宅購入時の注意点について:重要事項説明チェックシート
※リンク切れのため、現在はダウンロードいただけなくなっています。
瑕疵担保責任と住宅瑕疵担保履行法についてのまとめ
瑕疵担保責任とはなかなかききなれない言葉で、難しく感じてしまいますが、噛み砕いて言えば要点は2つです。
それは、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」は瑕疵担保責任により、引き渡しから10年以内であるなら売主は買主に対して責任を負わなければならないということです。
内装や外装、または自然劣化による不具合は含まれません。ただし、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵が原因であるならば売主はその責任を負います。
そしてもし業者が倒産していた場合や、支払い能力がない場合は保険制度や供託制度を通して費用を請求することが出来ます。
保険制度や供託制度への加入は法律で義務づけられていますが、契約時には必ず建設会社や工務店が加入する保険や保証の限度額、免責額などを確認しておくことが大切です。
また国土交通省の住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要も合わせてご参考ください。加えて、住宅の品質確保の促進等に関する法律についてのはリンク先から確認して頂けます。
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家づくりをはじめる前に、まずはじめに知っておきたいこと
誰もが『理想の家づくり』を望んでいるにも関わらず、その全てを任せる『住宅会社の選び方』はあまり知られていません。
効率良く情報を集めながら、理想の家づくりをするために最適な住宅会社を見つける方法をご紹介します。
予算内でいい家を安く建てるために知っておいて欲しいこと
予算内で、いい家を安く建てるために知っておいて欲しいことが、実は、3つあります。
ここでは、いい家を安く建てるために知っておきたい3つの記事をご紹介します。
1:予算内でいい家を建てるための7つの基本
注文住宅では、ほとんどの場合、当初の予算をオーバーします。
予算をオーバーする原因は様々ですが、打ち合わせを重ね、プランを進めてしまうと、一度プランを白紙に戻さないと引き返すことができなくなるなど、後戻りができなくなってしまうケースもあります。
もちろんプランを白紙に戻した際は、余計なコストがかかることは言うまでもありません
ですから、家を検討しはじめた、早い段階で依頼する側が、最低限の家を安く建てるための基本やコツを知っておき、しっかりとコストをコントロールをする必要があります。
また、何も知らずに依頼先の住宅会社と契約をかわしてしまうと、依頼先の住宅会社では希望している家が建てられないということが、家づくりのプランを進めてからはじめてわかり、納得しないままに家づくりを進めなくてはならないこともあるので、契約をする前にベースとして持っておきたい知識があります。
下記の記事では、家の価格の決まり方の話や、家のコストを決定づける要因やコストダウンの基本などについてお話ししていますので、参考にしていただき、予算内でいい家を安く建ててください。
2:注文住宅を予算内におさめるために知っておきたい家の形の話
家には、お金がかかる家の形と、お金がかからない家の形があります。
また家の形次第で、間取りに制限がかかるなど、暮らしやすさが大きく左右されたり、長期間住むことで建物がダメージを受ける部分が違うためメンテナンスにかかる費用(維持費用)が変わってきたり、家の形によるメリットやデメリットが少なからずあります。
特に角の多い家は、注意が必要で、角が一箇所増えるにつれて、見積もり金額に10万円から20万円の金額差が生まれます。
下記の記事では、お金のかかる家とお金のかからない家の形の違いについてお伝えすると同時に、どのような家の形はコストが上がるかなどの例も載せておきますので、注文住宅で家づくりを検討しはじめたら、長い目で、家の形にも注意して家づくりを進めていくことをお勧めします。
家の形については下記の記事を参考にしてください。
>>>家づくりで覚えておきたい家の形とお金のかかる家とかからない家の違い
3:無料でもらえる住宅カタログを使って家づくりを進める方法
注文住宅での、家づくりは情報を集めるところからスタートします。
そして、最終的に、いい家を建てられるかどうかの大きな分かれ目は、依頼先選びで決まると言っても過言ではありません。
実際、同じようなプランでも、依頼先によって見積もり金額に違いが生まれますし、予算の違いだけではなく、同じ要望でも依頼先次第で提案されるプランも違ったり、できることやできないことも違い、さらには工事の良し悪しも変わってきます。
だからこそ、失敗のない注文住宅を建てる上では、各社をしっかりと比較し、しっかりと検討してから依頼先を決める必要があります。
依頼先選びで、各社を比較検討をするためには、住宅カタログを利用すると便利ですが、各社のカタログを読み解く上で、押さえておきたいポイントなどがあります。
下記の記事では、無料で住宅カタログを取り寄せて、住宅カタログの見るべきポイントや、押さえたいポイント、住宅カタログを使いこなして賢く家を建てるポイントなどについて書いておりますのでぜひ、参考にして家づくりを進めていってください。
>>>無料で貰える住宅カタログを使いこなし賢く家を建てる6つのステップ
以上、参考にして家づくりを進めてください。