まずは上の絵をご覧頂き、次に以下の絵をご覧下さい。
二つの絵は全く同じ場所に描かれた作品です。しかし、ある場所を離れると全く別の作品になってしまっています。
この手法はアナモルフォーシスと呼ばれる目の錯覚を利用した手法で 、ある角度からみると全く別の絵に映ると言う一種のだまし絵(トリックアート)のような技法です。
アナモルフォーシスを利用した最も古い絵がレオナルド・ダ・ヴィンチの『レオナルドの目』とも呼ばれており、絵画の世界では伝統的な手法のひとつです。
これから紹介する作品はスイス人のアーティストFelice Variniによって1979年から、30年以上に渡り、創られたアナモルフォーシスを利用した歪像画です。
ある一点からみるとそれらは作品として正しく目に映り、その一点を外れると作品としての価値を失ってしまうという非常に面白い絵となっています。
ある一点に立つと、階段の前に透明な赤い壁があり、その壁の所々がまるく切り抜かれているようにみえます。
しかし、実は前に透明な赤い壁がある訳でも、丸く切り抜かれている訳ではありません。ある一点を離れると、階段と壁に絵が描かれているだけということがわかります。
これがアナモルフォーシスという技法です。
これは一番上の写真でご紹介した通りです。一見する広い空間を中途半端な四角い柱が工作しているようにみえます。・・・が。
ある一点を離れると、そこに青い四角い柱がないことがわかります。要するに、トリックアート、目の錯覚を利用した騙し絵です。
まるでシャッターを切ったかのようになっていますが・・・。
先ほどのシャッターは、違う角度からみると、バラバラになってしまいます。これもトリックアート、騙し絵です。
長い廊下の先からぐるぐると円が渦巻いています。・・・が。
ある一点を離れると、形が崩れ、騙し絵だということがはっきりとわかります。それにしても随分と大掛かりなトリックアートですね。
今度は一体どうなっているのでしょうか。
どうやら、細長い四角が壁のあちこちに点在している仕掛けによるトリックアートのようですね。
今度は今までに見たことのない形状ですね。一体どうなっているのでしょうか。
ある一点を離れると作品としての価値を失ってしまい破片が飛び散ってしまっています。これこそアナモルフォーシスを利用したトリックアートです。
綺麗な水玉が描かれています・・・が。
もちろん騙し絵。トリックアートです。
今度はカラフルな円が描かれています・・・が。
これも騙し絵。列記としたトリックアートです。
この作品は、2番目にみた作品に近い様子ですね。
もちろん騙し絵。トリックアート。
どうみても薄く黄色い壁が目の前にあるようにしかみえませんが・・・。
この通り。人が立つとその部分が浮き彫りになりよくわかりますね。
複雑な模様がきれいに描き出されています・・・が。
ある一点を離れるとよくわからなくなってしまいます。
街中に描かれた大掛かりな騙し絵です。
ちょっとわかりづらいでしょうか。
奥の方から綺麗な円が描かれています。
斜めから見ると、実は円ではないことがわかる。これも騙し絵。トリックートです。
廊下にまで赤い色が映ってしまっています。
・・・と、角度を変えると、少し汚らしくなってしまいます。
ぐるぐると四角が描かれていますが・・・。
実はバラバラ。トリックアートでした。
これももちろん・・・。
空間を利用したトリックアートです。しかしこちらの騙し絵は赤いゼブラ柄のようにみえて綺麗ですね。
なんと村全体で・・・
トリックアートでした。この村はスイス、アルプスのフェアコリン(Vercorin)という村だそうです。
村全体でトリックアートにのぞむなんて、ものすごいですね。
▼参考:
Anamorphic Illusions by Felice Varini | Bored Panda(外部リンク)