ロール状に巻き取られたプリーツ紙の束を一枚一枚丁寧に剥いていくことで、一脚の椅子を生み出したデザイン、それが今回紹介する「cabbage chair(キャベツチェアー)」。
その名の通り、キャベツのような表情豊かなデザインとなっています。
この「cabbage chair(キャベツチェアー)」は、「プリーツ布地を製造する過程で大量に廃棄されるプリーツ紙を使って家具を作って欲しい」と三宅一生氏にリクエストされたことでうまれたデザインだそうです。
「cabbage chair(キャベツチェアー)」の表情はとても荒々しいものとなっておりますが、プリーツ紙特有の伸縮性と弾力性により座り心地は非常に優しいものとなっているようです。
「cabbage chair(キャベツチェアー)」の公式ホームページによると
骨組みや仕上げなどがなく、釘やネジも使わないプリミティブなデザインは、製造・物流コストや環境問題といった、21世紀に我々が抱きつつある諸問題に緩やかに順応し、三宅氏が思い描く「衣服をまとっていくのではなく、脱皮をしていく」ような、よりエネルギッシュで前向きな「21世紀人」の姿に呼応している気がした。
と記載があります。つまり、「cabbage chair(キャベツチェアー)」は環境問題にも配慮した椅子と言う訳。
横から見たときの「cabbage chair(キャベツチェアー)」。横から見ると正面から見たときのような荒々しさはそれほどなく、独特な柔らかい表情を時折覗かせます。
まとめられたプリーツ紙を剥いていくときの感覚を考えると溜まらなくなりますね。
実際に座るとこんな感じ。すっぽりと椅子の中におさまっていることがよくわかります。
プリーツ紙の色を変えることで様々な表情を見せてくれます。手前右の写真は「cabbage chair(キャベツチェアー)」そのものですね。
このように華やかに・・・。
白と黒、この組み合わせも非常にシックでしまります。
対してこちらは真っ黒に色を付けたプリーツ紙を使ったもの。
白と白黒、黒色の「cabbage chair(キャベツチェアー)」を並べるとこんな感じに。
このデザインは東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTの1周年を記念した、三宅一生氏ディレクションによる企画展「XXIc. -21世紀人」のためにデザインした小椅子だそうです。
プリーツ布地を製造する過程で大量に廃棄されるプリーツ紙を使った企画ということですが、見事にデザインに落とし込むワザはさすがnendo。
佐藤オオキ氏による様々な試行錯誤の上完成したことが随所に見受けられます。
最後に実際の製造過程を。徐々に剥かれていく姿はやっぱり気持ちいい。
▼参考:
cabbage chair | nendo(http://www.nendo.jp/jp/works/cabbage-chair/?release)