通常、シルクと言えば蚕（かいこ）などの繭から引き出された極細の白い糸を想像するかと思いますが、ごくまれにクモからも採取できることがあるそうです。
クモから採取した黄金のシルク
その糸はクモから採取した天然の糸ですが、着色せずとも黄金に輝いており、神秘的に色づいています。
この黄金に輝くクモのシルクを使ったケープは、１００万匹のクモからつむぎ、糸の採取から編み込むまでの期間を入れるとなんと、5年もかかったそうです。
イギリスの歴史美術アートを専門としているSimon Peers（サイモン・ピア）と彼のビジネスパートナーであるNicholas Godley（ニコラス・ゴッドリー）は特殊な装置により、5年の歳月をかけこの黄金のクモの糸を採取したようです。
２８グラムの絹糸を採取するのに２３,０００匹のクモが必要
１オンス（約２８g）の絹を採取するのに23,000匹のクモが必要だったようでここまでの歳月がかかってしまったといいます。
完成されたドレスは刺繍が施されとても柔らかな味わいを漂わせています。
ひとつひとつの糸が細いだけあって、キメが細かく自然な柔らかさがあります。
自然色ということが信じられないほど、美しい色合いで輝いています。
みているだけでうっとりです。大量生産はできませんが、このクモのドレスに関しては、大量生産よりも、その制作過程と、制作意欲に価値があるのだと思います。
大量生産、大量消費の時代ですが、私たちが忘れかけている大切な何かをこの話は思い起こさせてくれているような気がします。
参考：
Dress Made From Silk Of 1 Million Spiders – WHOA
