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ランニングコストのかからない家のつくりかた

新築の注文住宅で家を建てるときは、家を建ててからのランニングコストもしっかりと考えて予算に組み入れて計画していくことが大事です。

どれだけ家を安く建てることができたとしても、日々の暮らしにかかるランニングコストや建物を維持するためのメンテナンスコストが高ければ意味がありません。

たとえば、たとえ1,000万円で家が建てられたとしても、ランニングコストを含む、家のトータルコストで考えた場合、結局は2,000万円で建てられた家と変わらないということが起こりえます。

この場合、もちろん2,000万円で建てられた家の方が満足度は高いでしょうから、家にかかるイニシャルコスト(初期費用)を安く抑えることができたとしても、最終的には、損な買い物をしていることになります。

実は価格が安い家になればなるほど、この傾向はあり、結局は建ててからのコストが高くかかるので、始めが安いだけで変わらない、または損をしてしまう家も普通にあります。

今回の記事では、間取りや設備機器、素材を変更することで、ランニングコストのかからない家のつくり方についてお話しして行きます。

今回の記事を参考にしていただくことで、家を建ててからのランニングコストを抑えられる家を建てて頂くための一助としていただけたら嬉しく思います。

これから新築で注文住宅を建てる予定の方は是非参考にしてください。

注文住宅を建てる時に、「ランニングコストのかからない家」という視点で建てられる方は案外少ないものです。

今回は、ランニングコストを抑えるという視点で、家の断熱という大きな話から、注文住宅を「建ててからのランニングコストを抑える3つの方法」についてお話ししています。

実は、しっかりと検討して軒をつくるなど、ちょっとした工夫を加えることで、ランニングコストがかからない家にすることができますので、ぜひ参考にしていただきプランに盛り込み、家づくりをされていって下さい。

ただし、住宅会社に依頼する場合は、複数の住宅会社に必ず依頼をかけて比較検討をして下さい。

比較検討をすることでより、あなたの要望に近い家を建てることができるからです。

これは、たくさんの家づくりの現場に携わってきて、本当にそう思います。

逆に十分に比較検討をされずに注文住宅を建てられた方は、どこかしらで不満を持つ方が多いように思います。

しっかりと比較検討し、納得をして建てていただくことで、「十分に考え抜いた家」ということで、結果として満足度につながるのかもしれません。

依頼をかける際は、ネットから利用できる注文住宅の一括依頼サービスを利用するといいでしょう。

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もちろん気に入らなければ、断ることも簡単にできますので、注文住宅を検討しはじめたらぜひ、一度利用してみて下さい。

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Contents

家にかかるランニングコストとは

家にかかるランニングコストとは、暮らしを維持するためにかかる費用のことを言います。

ランニングコストには水道、ガス、電気代などの光熱費はもちろん、建物を修繕維持していくためのメンテナンスコストも含まれます。

家は建てたらそれで終わりではなく、点検や修理を行いながら、長く付き合っていく必要があります。

マンションではメンテナンスにかかる費用は、「修繕費」として積み立てられて行きますが、注文住宅の場合は、それぞれの家庭で管理し計画していく必要があります。

家は建ててからもお金がかかる

ランニングコストも考慮した場合、家は建てたら、それで終わりではなく、建ててからが本当のスタートといっても過言ではありません。

家を建てるためにかかる費用(イニシャルコストとも言う)でコストを抑え、どんなに安く家を建てられたとしても、暮らしを維持するためのランニングコストが、かかってしまっては意味がありません。

そのため、家を建てる前に、暮らしを維持するために必要な、ランニングコストのかからないプランを検討し、家づくりを計画していく必要があります。

新築の注文住宅では、イニシャルコストだけではなく維持費用を含んだ「トータルコスト」でみることも大事

日本の住宅寿命は平均で30年前後と言われていますが、家を維持するためには、家を建てる費用とは別に、修繕費などのメンテナンスにかける費用が必要になります。

具体的な金額を示すと、一般的な住宅の場合メンテナンス費用だけで、30年で概算600万円ほどのお金がかかると言われています。

こうした、メンテナンスなどにかかるコストを抑えた家づくりを計画することで、ランニングコストを削減することができ、初期費用は多少高くついたとしても、結果としてお得な家を建てることができます。

今回の記事では、こうしたランニングコストを抑えた家づくりのコツについてお話ししていきます。

まず、ランニングコストを抑える基本の話をしてから、そのあとに細かいコツについてお話ししていきます。

1:ランニングコストを抑えるためには断熱工事をしっかりする

では、ランニングコストを抑えるためには具体的にはどんなことをしていけば良いのでしょう。

まず、ランニングコストを抑えた家づくり行うには、断熱性能がきちんと高められた設計にすることが大前提としてあります。

また設計だけではなく、断熱工事をしっかりと行うことが最大のポイントとなります。

断熱性能表示に潜む罠

もちろん、ハウスメーカーを含む住宅会社各社は、それぞれに断熱性能を高める工夫をしています。

実際にそれぞれの工法がどれだけ優れているのかを競い合い、断熱性能の高さが、それぞれの商品のウリになっています。

ただし、あまり大きな声では言えませんが、実際は机上の空論であることも多く、プロの目から見ても設計上の断熱性能に疑問を持つことは少なくありません。

もちろん大手ハウスメーカーを含む住宅会社の設計は、当然プロの設計士の手により作成されているものでしょうが、実際よくみてみると、致命的な欠陥を抱えている図面も見かけます。

どのメーカーの住宅とは言いませんが、構造上の特徴をきちんと理解せずに設計されていることもあり、理論と現場の施工が乖離していることも見受けられます(おそらく現場は困っているのではないでしょうか)。

ですから、住宅会社の提示する情報をそのまま鵜呑みにしてしまうのは、実はあまりよくありません。

設計図通りに家が建てられているのかも重要

また設計がどんなに素晴らしくても、設計図通りに施工をしないことが原因の不具合もあると聞きます。

ですから、家づくりは設計はもちろん大事ですが、細かいことを言えば、それ以上に、どんな業者(工務店)によって家が建てられているのかが、大事なポイントとなります。

ハウスメーカーを含む住宅会社の中には、自社で施工部隊を持つ会社もありますが、ほとんどが外部に委託し、家を建てているのが現実で、設計上の不具合があっても、その細かい内容が本部に上がって来ずに、そのまま図面通りに家づくりが進められていることも少なくありません。

この辺りはプロの確かな目が必要となるので、素人の方が見抜くのは、なかなか難しいと思いますが、コストだけを重視してしまうと、建ててからの不具合も目立つようになってしまう恐れがあるので注意してください。

要するに家づくりは、予算をかけるところにはしっかりとかけ、予算を削るところは削るといったバランス感覚が非常に大事になってきます。

2種類の断熱のメリットとデメリット

内断熱と外断熱のイメージ

では、家の性能を高める断熱方法には、どのような方法があるのでしょうか。

大きなくくりでいうと、住宅設計において、断熱の方法は内側から断熱を施す「内断熱」と、外側で断熱をする「外断熱」の2種類があります。

内断熱とは

内断熱とは柱と柱の間に断熱材を入れて、家の内部に断熱を施すタイプの断熱方法です。

内断熱のメリットとデメリット

内断熱のメリットとデメリットは下記の通りです。

【内断熱のメリット】

1:比較的安価に施工が可能
2:施工が簡単で施工できる住宅会社が多い
3:種類が豊富

【内断熱のデメリット】

1:隙間が起きやすく内部結露が起こりやすい
2:熱損失が起きやすい

外断熱とは

外断熱とは建物を外側から覆うようにして、断熱材を施工するタイプの断熱方法です。

外断熱のメリットとデメリット

外断熱のメリットとデメリットは下記の通りです。

【外断熱のメリット】

1:建物を覆うため断熱材が途切れず熱損失が少ない
2:気密性が高くなる
3:結露が起こりにくい

【外断熱のデメリット】

1:コストが高い
2:外装材の種類が少ない

以上が、2つの断熱方法のメリットとデメリットとなりますが、どちらが優れているのかという、ものさしで測るのなら、外断熱の方が優れた断熱方法となります。

外断熱では、家をすっぽりと外から囲み断熱をするので、熱損失が少なく、夏は涼しく、冬は暖かい家ができます。

住宅会社の中には屋根裏までも断熱を行う会社もあり、その場合、熱損失が最も少ない家づくりができます。

ただし外断熱を行うと建物内部の面積が狭くなってしまうデメリットもあるので、注意が必要です。

工法によっても断熱工事のしやすさが変わる

繰り返しになりますが、設計プランも大事ですが、それ以上に現場レベルでの工事も大事です。

現場レベルで考えた場合、厳密に言えば断熱材の種類はもちろん、工法や構造によって断熱工事のしやすさは変わってきます。

断熱材の基本は、隙間なく断熱材を詰めることですが、断熱材の種類によっては木枠が邪魔をして、どうしても隙間ができてしまう場合があります。

断熱材を入れる際、筋交いが邪魔をすることもある

例えば、木造住宅の在来工法で建てる場合は、筋交いが邪魔をする場合が多く、断熱材を無理やり押し込むことで、断熱材が潰れてしまいその性能を発揮できなくなることもありますし、隙間が生まれてしまうこともあります。

こうしたミスは、発泡性の断熱材を使用することで、ある程度は防ぐことができますが、それでも完全ではなく、業者によっては隙間ができた状態で壁が閉じられてしまうこともあります。

そうして建てられた家は部分的に熱損失が発生したり、内外部の温度差により内部結露が発生しやすい住宅になってしまいます。

内部結露が起こると内部を腐らせ、木造ならシロアリなどの被害にあいやすくなったり、鉄骨の場合は構造部にサビが生じたりしたりと、住宅にいたずらをする原因となります。

※家づくの工法について詳しくは「ハウスメーカーが注文住宅で採用している6つの工法のメリットとデメリット」を参考にしてください。

家が傷む原因は結露によるものが大きい

結露は著しく住宅の寿命を短くします。

日本の住宅寿命が、他の先進国と比べて低いのには、様々な理由がありますが、住宅寿命を著しく低くする理由の一つに、日本特有の高温多湿な過酷な住環境が影響しているとみられています。

特に、内部結露は住宅の柱などの建物を支える構造材を蝕む(むしばむ)原因となります。

木造住宅の場合は、木を腐らせ、シロアリやカビなどの発生を促進させます。また鉄骨住宅の場合はヒートブリッジ現象により、結露が生じ、内部結露を促進させ耐久性を著しく低下させます。

鉄骨住宅の場合、鉄は熱伝導率が高いため、断熱をしっかりしないと内外部の温度差により、結露が生じてしまいます。この現象をヒートブリッジ現象と言います。

そのため、しっかりと外断熱を施す必要がありますが、ここに構造上の問題があることが多いのが現実です。

つまり外断熱とは名前ばかりで、実際は、十分な外断熱ができていないことがほとんどです。

各社を比較することで特徴を理解する

もう一つ、新築で注文住宅を建てる場合は必ず、各社からカタログを取り寄せ、比較してください。

ランニングコストを抑えるためには、どのような断熱方法がとられているのかを知ることも大事ですが、どのような家を建てているのかも大事なポイントとなります。

カタログ自体は各社のホームページからも取り寄せることができますが、一軒一軒入力していく手間がかかり意外と面倒です。

その場合は、一括カタログ請求サービスを利用すると便利です。

予算、プラン、エリア、住宅会社などから好みにあったデザインのカタログを複数社から取り寄せることができるのでカタログを比較することができます。

カタログの請求は無料でできますので、こうした使えるサービスはどんどん利用していくといいでしょう。

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2:ランニングコストを抑えた家づくりのコツ

ここからはいよいよ、ランニングコストを抑える家づくりをする具体的な方法についてお話ししていきます。

お話しする内容は大きく言って3つです。

【建ててからのランニングコストを抑える3つの方法】

1:間取りを工夫することでランニングコストを抑える方法
2:設備機器を変更することでランニングコストを抑える方法
3:メンテナンスコストを抑えた家づくりの方法

以上の、3つの方法でランニングコストを抑える方法についてお話ししていきます。

まず、間取りを工夫してランニングコストを抑える家づくりのコツについてお話ししていきます。

それから、設備機器を選びランニングコストを抑える家づくりの工夫、建ててからのメンテナンスコストを考えた家づくりの工夫の仕方を話していきます。

つまり、今回の記事を読み、活かすことで、トータルコストを抑えて賢く家を建てる工夫を知ることができます

建ててからも、得する内容についてお話ししていきますので、新築の注文住宅での家づくりを検討されている方は参考にしていただけると思います。

間取りを工夫し家のランニングコストを抑える

断熱性能ばかりについてお話ししてきましたが、間取り(空間の取り方)を工夫することでも、ランニングコストを抑えた家づくりをすることができます。

例えば、夏場には、軒(のき)によって直射日光が防げる設計にしたり、暖められた熱気が室内に滞留しないよう、外へ抜けるような工夫をすることなどが考えられます。

また、冬場では、太陽の光が内部にしっかり差し込むようなプランを検討することで、夜になっても暖かさが室内に残り、暖房機器にかかる光熱費を最小限に抑えながらも、ぽかぽかと快適な住環境を手にすることがもできます。

このように、間取りにちょっとした工夫を取り入れることで、生活していく上でのランニングコストを大きく削減することができます。

間取りの工夫でランニングコストを抑えるコツ

間取りでランニングコストを抑える基本をまとめると、下記のようになります。

・【夏場】

1:軒をつくり直射日光を防ぐ
2:熱気が室内に滞留しないように逃げ道をつくる

・【冬場】

1:太陽の光が内部までしっかりと届くようなプランを設計する
2:暖められた空気が外に逃げないようなプランにする。

しっかりとした軒をつくることで外壁の耐久性も高めることができる

軒は外壁の耐久性も高める

雨の多い日本の住環境において、軒の役割は重要です。

しっかりと計算された軒をつくることで、雨が降った時の外壁の汚れを回避してくれ、外壁などのメンテナンスにかかる維持費用を削減することができるからです。

軒のないプランは、シンプルでスタイリッシュな印象がありますが、日本の住環境においては、実は実用的ではなく、日本の住環境には向かないことが多くあります。

ですから、その辺りのバランスをしっかりと考えた上でプランを作成する必要があります。

軒の役割はメンテナンスコストを抑えるためにも重要

軒の出を含む、屋根の機能的な役割と特徴については「家づくりで知らないと損する8種類の屋根の形とそれぞれの特徴」の「家の屋根と外観の関係」の項目でもお話ししましたが、建物の劣化や汚れに強い家にすることができます。

軒には、「建物を守る」という役割があります。

それぞれの間取りの役割については「注文住宅の間取りとマイホームプランで知っておきたい建物の各部名称と役割」で詳しくご紹介していますので、家づくりの参考にしてください。

コンパクトな設計にする

コンパクトな設計の家

コンパクトな設計にして、部屋数を少なくすることでも、家のランニングコストを抑えることができます。

新築の注文住宅を賢く、安く建てるためのプランニングの24のコツ」でも話しましたが、部屋の数を多くするほど、間仕切り(壁)の数も多くなり、それに伴い材料費や工事費が発生します。

また、それぞれの部屋に、エアコンなどの冷暖房設備や、照明などの設備機器を設置する必要があります。

そのため、一般的に部屋数が多いほど、家を維持するためのランニングコストはかさんでいきます。

そこで、間仕切りのないオープンプランにすれば家の建築コストを抑えることができるほか、光熱費などのランニングコストを抑えた住宅にすることができます。

この時に、できるだけ無駄を省き、必要のない部屋を削るなど、コンパクトな設計にすると、さらに光熱費などのランニングコストを抑えた家づくりをすることができます。

つまり、オープンな間取りでコンパクトな設計がランニングコストを抑えた家づくりには必要となります。

※部屋数が多い場合は「全館空調システム」を採用することで、ランニングコストを抑えることができる場合もあります。

通風や採光の取り入れかたを工夫した間取りにする

先ほども少しお話ししましたが、採光の工夫や、きちんとした風の通り道を計画することで、ランニングコストを抑えた家をつくることができます。

ここからは、そうした間取りにちょっとした工夫を加えることでランニングコストを抑えた家づくりをするコツについてお話ししていきます。

住宅密集地では中庭を作る

素敵な中庭 写真:テクトン建築設計事務所(SUVACO)

住宅密集地に新築で注文住宅を建てる場合、中庭を作りコートハウスの間取りにすることで、ランニングコストを抑えた家づくりができることがあります。

例えば、すべての部屋が中庭に面した間取りにすれば、住宅密集地であっても風通しはもちろん、家の隅から隅まで、くまなく採光をとる間取りにできます。

特に隣家との距離が近い土地や、旗竿状地などの特殊な土地では、プライバシーを確保するという意味でも、家の中央に中庭をつくる間取りが有効となるケースが多いです。

そうした土地に家を建てる予定がある場合は、中庭のある家を一度検討して見てください。

注文住宅で中庭をつくるときの注意点

ただし、開口部を広くとるほど、熱損失は高くなり、ランニングコストが高くなってしまい、かえって効果が薄くなってしまうどころか、逆効果になってしまう可能性もあるので、開口部の取り方にはくれぐれも注意する必要があります。

【中庭をつくることで得られるコスト的なメリットとその理由】

1:風通しが良くなることで室内に溜まった滞留熱を逃がすことができる。その結果、室内に溜まった熱を逃がし快適な住環境を得られる可能性が高くなる。

2:開口部から採光をとることで冬場は暖かい家にすることができる。断熱性能を高め熱を逃がさない工夫をすることで、日中、自然光で暖められた空気を室内にとどめる事ができる。

その他、中庭をつくることのメリットやデメリットについては「家づくりで中庭のある家「コートハウス」にする15のメリットとデメリット」を参考にしてください。

軒の代わりにオーニングで日差しをカットする

軒の代わりにオーニングでも代用が可能

間取りによっては、軒よりもオーニングなどで日差しを遮る工夫を取り入れた方が効果的な場合があります。

例えば、夏場の日差しが強い時期に、必要以上に日光が室内に降り注いでしまう場合、オーニングを利用する事で直射日光を遮り、冷房の効率を良くすることもできます。

カーテンやブラインドなどで日差しを遮るよりも、日よけの効果は10倍以上あると言われており、日照に合わせて、張り出す幅を調整できる点も大きな利点と言えます。

吹き抜けの間取りでは床暖房を設置する

吹き抜けの間取りを採用する場合、冷暖房効率などを気にされる方が多い印象を受けます。

しかし、住宅会社により細かい違いはあるかと思いますが、現在の家のつくりでは問題にならないケースの方が多いと思います。

現在の断熱性と気密性の高められた設計の家で、しっかりと断熱工事が施された家であれば、そこまで気にすることはありません。

つまりどの住宅会社でも、一般的に言われているほど、そこまで寒さは感じないですし、実際冬場でも暖かく過ごすことができる家になると思います。

断熱性が高い家であれば、暖められた空気はもちろん、冷房によって冷やされた空気も長いこと留まるので快適に過ごすことができるはずです。

また、開口部を大きくとれば、その分熱損失は大きくなりますが、窓にダブルガラスやトリプルガラスなどの「複層ガラス」を利用すれば、さらに熱損失を抑える事ができます。

性能の高い家は魔法瓶のような役割を果たす

もちろん、吹き抜けの間取りでは、夏場に部屋の温度を下げたり、冬場に部屋を暖めたりするのには、空間が広くなった分だけ時間がかかります。

ただし、断熱性や気密性がしっかりした家は、一度冷やすと何時間も持続し、暖められた場合も同様に、何時間も暖かさが継続します。

吹き抜けの家にする12のメリットとデメリット」でもお話ししましたが、断熱性と気密性が高められた家というのは、いわば魔法瓶のようなものです。

暖められた熱も、冷やされた熱も、同様に熱を外に逃がさないので、結果的にランニングコストを抑えた家づくりができます。

吹き抜けの間取りでは床暖房は必須

吹き抜けの場合は床暖房は必須

あえていうのなら、吹き抜けを採用する場合は、床暖房を検討すると良いと思います。

床暖房は、エアコンなどの空調システムよりもぽかぽかと暖かく、体に優しい上に、使い方によってはランニングコストを抑える事ができます。

冬場の寒い時期には、足元から部屋を暖めていき、輻射熱(ふくしゃねつ)によって暖められた空気が上昇し、空間全体を暖かくしてくれます。

床暖房は空調機と違いメンテナンスコストがかからない

また、床暖房は光熱費などのランニングコストのメリットだけではなく、エアコンの設備機器のように定期的なメンテナンスが必要なく、エアコンの設置よりもメンテナンスコストが少なくて済む点においても大きなメリットと言えます。

吹き抜けの家のメリットやデメリットについてより詳しく知ってから検討したいという方は、繰り返しになりますが「吹き抜けの家にする12のメリットとデメリット」の記事に、吹き抜けの間取りを採用することでの一般的なメリットやデメリットについて記しておきましたので、検討の際にご一読くださればと思います。

また、床暖房を含む家づくりのオプションにかかる費用の目安については「こだわりの家づくりの26のオプションとそれにかかる費用と特徴」を参考にしてください。

ここまでのまとめ

話が複雑になっておりますのでここで一旦、今までのまとめをしていきます。

まずランニングコストのかからない家にするには大前提として、断熱性が高められた家にする必要があります。

その上で間取りや採光の取り方などを工夫していくことでランニングコストのかからない家にしていきます。

これまでのランニングコストのかからない家にする工夫でお話しした内容は大きく言って3つです。

1:軒をつくる
2:中庭をつくる
3:コンパクトな設計にする
4:吹き抜けでは床暖房を設置する

ランニングコストを抑えて、快適な空間にするためには、外部からの採光をどのようにコントロールするのかが一つの課題として上がります。

工夫の仕方としては、軒をつくることで、日差しをコントロールしたり、外壁を守るなどの方法があります。

軒の代わりにオーニングを使用するのもいいと思います。オーニングで代用した場合、時間によって変わる日の入り方を調整することができます。

間取りの工夫としては、特に住宅密集地に有効的ですが、中庭をつくると中庭から、日差しを取り入れることができるため、便利になります。

また場合によっては間仕切りのないオープンな間取りにし、コンパクトな設計にすることもいいでしょう。

吹き抜けの間取りにした場合、床暖房を採用すれば輻射熱によって温められるので快適な空間にすることができます。床暖房はメンテナンスコストがかからないことも多く、メンテナンスを楽にすることができます。

以上の工夫がこれまでお話ししたランニングコストのかからない家にするまとめとなります。

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住宅設備機器はメンテナンスのことも考えて選ぶ

続いて、ここからは「2:設備機器を変更することでランニングコストを抑える方法」についてお話ししていきます。

住宅設備機器を選ぶときは、デザインや価格だけに目を奪われがちですが、実際はメンテナンスが容易であるかも大事なポイントです。

ですから、住宅設備機器を選ぶときは、メンテナンスがしやすい仕様になっているのかもしっかりと確認してください。

メンテナンスコストを抑えることで、家を建ててからのランニングコストを大きく抑えることができるので家にかかるトータルコストを抑えることができます。

デザイン性が高いものや海外製品では特に注意が必要

特にデザイン性の高い設備機器は、メンテナンスコストがかかることが多くあります。

デザイン性が高いものを選ぶ場合は、故障した際や修理が必要になった時に、保証はどの程度あるのかや、修理や交換のしやすさにも気をつける必要があります。

また、海外製品の場合は、保証はどこが行うのか、部品の取り寄せを含むアフターケアなどもしっかりと把握した上で選ぶ必要があります。

設備機器は必ず故障する

住宅設備機器は必ず故障する

住宅設備機器は機械のため、耐用年数の違いこそあれど、必ず壊れます。

ですから、故障することを前提に選ぶ必要があります。

また、設備機器を長持ちをさせるためには、定期的なメンテナンスが必須となるので、家を建てた後のランニングコストを抑えるためには、メンテナンスのしやすさまで注意を払う必要が出てきます。

住宅設備機器は定番のものを選ぶのがベター

住宅設備機器を選ぶときは、実は定番化されたものを選ぶと、メンテナンスコストを抑えられる確率が高くなります。

理由としては、流行の商品など、定番化された以外の商品は、故障した際に廃盤になっていることがあり、メーカーに部品がない場合があるからです。

設備機器は毎年のように新商品が出ており、人気のないものについてはどんどん廃盤になっていきます。

メーカーは一定期間倉庫に部品を保管しているものの、一定期間をすぎると処分してしまうため、必要な時に、部品がなく修理ができないということも実際に起こり得ます。

そうした事態を防ぐためにも、なるべく定番となっているものを選んだ方がいいと言えます。

新商品は初期費用が高い上にメンテナンスコストが高くなる恐れがある

住宅設備機器は毎年のように新商品が出ています。

みなどれも、最新の性能を売りにしていますが、毎年のように刷新するため、実際は最新のものを使用してもそこまで大きな変化はありません。

例え、最新のものが優れた省エネ仕様であったとして、先ほどもお話ししたように最新の設備機器で人気が出ない場合、廃盤になってしまうこともあります。

その場合は故障した際にそもそも修理できないかもしくは特別な部品を使用する必要があります。

修理できない場合は新しい商品を購入する必要があったり、特別な部品を使用する場合は、逆にメンテナンスコストがかかってしまい、トータルで見た場合、ランニングコストが高くついてしまうこともあります。

住宅設備機器の一般的な耐用年数

設備機器の一般的な耐用年数は下記の通りです。

【住宅設備機器の一般的な耐用年数】

・キッチンの耐用年数:10〜15年
・コンロの耐用年数:10年
・給湯器の耐用年数:8〜15年
・照明器具の耐用年数:8〜10年
・冷暖房設備の耐用年数:10年〜15年
・給排水設備の耐用年数:15年〜20年
・トイレの耐用年数:5〜10年
・浴槽の耐用年数:10年〜20年

厳密には使用頻度や素材、定期的なメンテナンスをしているかによって寿命は変わってきますが、上記の耐用年数が一般的です。

設備を選びランニングコストを抑える

ここからは、ランニングコストが抑えられた設備とは、具体的にどのようなものなのかについてお話ししていきます。

標準タイプで採用されて、一般化されていることも多いためそこまで気にする必要はないかもしれませんが、念のため、お伝えしておきます。

複層ガラスを利用する

複層ガラス イラスト:YKK ap

家の性能を高め、ランニングコストを抑えるためには、窓に使われるサッシ(窓枠)は、もちろん大事ですが、窓ガラスにも配慮する必要があります。

窓ガラスには大きく言って「単板ガラス」と「複層ガラス」の2種類のガラスがありますが、ガラスの間に、乾燥した空気の層を挟んだ複層ガラスを使用すると、熱損失を防ぐことができます。

複層ガラスでは、単板ガラスよりも、ガラスの間に空気の層を挟むことで断熱性能を向上させることができます。

家を建てた後のランニングコストを考えるのなら、最低でもペアガラス、できればトリプルガラスを採用するとより効果的です。

ただしトリプルガラスは性能がいいものの、現在はまだ価格も高い傾向にあるので、予算との兼ね合いで検討すると良いでしょう。

また、一言で複層ガラスといっても、メーカーにより「価格」も「種類」も「性能」も様々なため、十分に検討して選ぶようにしてください。

断熱性や気密性を高めるためには、窓の仕様に変化を加えることは必須です。

窓の種類や特徴、配置のコツなどについては「注文住宅の窓で失敗しないために抑えておきたい21種類の窓と配置のコツ」を参考にしてください。

高効率で節水タイプの設備機器を選ぶ

ランニングコストを抑えた家づくりをする上で、高効率のものや節水タイプの設備機器は必須です。

とは言いつつも、一般的な国内メーカーの設備機器は省エネ型になっており、価格もそれほど変わりはないので、そこまで気にする必要はないかもしれません。

熱交換型の換気扇を選ぶ

熱交換型の換気扇を選ぶ

換気は汚れた空気を外に排出し、新鮮な空気を室内に取り込む役割を担っていますが、通常のタイプの換気扇ではなく、温度調整して室内に空気を取り込んでくれる「熱交換型の換気扇」にすることで、熱損失を防ぐことができ、部屋の温度を一定に保つことができます。

つまり、換気による熱の損失を防ぐことができるので、ランニングコストを抑えることができます。

換気の役割については「注文住宅の間取りとマイホームプランで知っておきたい建物の各部名称と役割」の「12:換気口」で詳しくお話しさせていただいておりますので参考にして下さい。

冷暖房機器は型落ちの物を選ぶ

冷暖房設備も毎年のように最新のものが出回っています。

最新のものは、確かに魅力的な商品が多いですが、実はたいして性能に差がないのが現実です。

つまり、メーカー側の表記によれば、毎年のように性能や機能がアップしたような表現をしていていますが、実際はそこまで性能に変化がないのが現実です。

ひどいものでは大して性能の差がないのに「見せ方」を工夫することで、性能がアップしたかのようにしている場合もあります。

それに対して型落ちの商品は、比較的安く導入できるほか、ランニングコストにも大して変化はないことも多いため、こだわりがないのであれば、冷暖房設備は型落ちの物を選ぶと良いと思います。

※繰り返しになりますが、住宅設備機器はいずれ壊れます。冷暖房設備の耐用年数は10年から15年程度と言われており、そうしたことも踏まえた上で比較検討することが大事なポイントとなります。

外壁をメンテナンスコストのかからないものにする

外壁は、家のメンテナンスの中でも最もコストがかかる部分です。

例えば一般的に使われている外壁材であるサイディングを使用した場合、張り替えなどの費用を入れると、一般的に長期優良住宅と呼ばれる住宅でも、30年で300万円から400万円ほどの費用が必要になると言われています

また、ものによってはサイディングのつなぎ目の目地の補修などにも費用はかかりますし、部分補修が必要となる場合もあります。

※サイディング(外壁)については「新築の注文住宅の外観で失敗しないために抑えておきたい4種のサイディングの特徴」に詳しくかいてあります。
※長期優良住宅については「長期優良住宅とは?長期優良住宅のメリットとデメリット認定基準や注意点」に詳しく書いてありますので参考にしてください。

外壁材として使われるサイディングのメリットとデメリット

「サイディング」といっても様々で、「窯業系」、「金属系」、「木質系」、「樹脂系」など様々なサイディングがあります。

ものにもよりますが、一般的にサイディングは材料費が安価で、施行作業が簡単なため、多くの住宅会社で採用されています。

そのため現在では、新築される住宅の約8割にサイディングが使用され、一般的なものとなっています。

【サイディングのメリット】

1:施工が容易
2:大量生産が可能で材料費が安価

【サイディングのデメリット】

1:外気に影響されやすい
2:10年程度で塗装が剥がれ表面が割れる恐れがある
3:隙間をふさぐコーキング材は3年〜5年程度しか耐久性がない
4:定期的なメンテナンスと補修が必要となることが多い

また、外壁材やコーキング材は、国の定める「住宅瑕疵担保履行法」の10年間保証の対象外となりますので、保証は適用されないので注意が必要です。

※住宅瑕疵担保履行法は、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」は瑕疵担保責任により、引き渡しから10年以内であるなら売主は買主に対して責任を負わなければならない法律です。

内装をはじめ外装など、自然劣化による不具合は保証に含まれませんので注意してください。

瑕疵担保履行法について詳しくは「瑕疵担保責任と住宅瑕疵担保履行法の内容、それに注意すべきこと」をご覧ください。

サイディングは材料費は安いが維持費用がかかる

あまり知られていませんが、一般的に住宅で使われることが多いサイディングは、意外と維持費用(点検などメンテナンスのための費用)がかかります。

もちろん、耐久性が高いサイディングもあるので、一概に「サイディングはコストがかかる」という言葉で一括りにできない部分もあり、どのようなサイディングを使うのか、サイディングの種類にもよって耐久性は変わってきます。

住宅会社によっては「メンテナンスフリーの外壁」とうたわれていることもありますが、実際は外壁そのものはメンテナンスフリーであっても、目地の部分や、部分的な補修をするためにメンテナンスを行う必要があり、「メンテナンスフリー」でないことがほとんどですので、注意してください(ここでは「ほとんど」と濁していますが、ほぼ100パーセントに近い確率でメンテナンスが必要になります)。

部分補修と張り替えにかかる費用

サイディングは強い揺れなどにより、剥がれることがあります。

またモノによっては外気の影響を受けることで、劣化が進行し、耐久性が著しく悪くなってしまう場合もあるので注意してください。

外壁にサイディングを採用した場合、定期的な点検や部分補修は、10年ごとに行う必要があり、面積にもよりますが、部分補修でおよそ20万円から30万円、サイディングの張り替えに至っては200万円から300万円ほどの費用がかかります。

目地の補修にかかる費用

サイディングは一枚一枚を胴縁と呼ばれる下地に引っ掛けて、目地にコーキングを施し隙間を埋めることで設置しています。

コーキング材(ゴム質)の耐用年数はどんなに長くても10年ほどだと言われており、定期的に目地の補修が必要になります。

傷んだ状態でほうっておくと、目地の間から雨水が建物の内部に入り込み、柱や梁、断熱材を傷め、カビやダニを誘発し、建物の耐久性を弱くしてしまう恐れがあるので定期的に補修が必要となります。

この目地の補修には約5年ごとに、必要となり、面積にもよりますが、メンテナンスや補修費用はおよそ3万円から5万円ほどかかります。

なるべくメンテナンスのかからない外壁を採用する

家を建てる場所によって住環境は大きくちがい、本質的には、どの外壁が適しているのかは家を建てる場所によって異なります。

外壁はサイディング、塗装仕上げ、タイル素材、ALCなどがあり、住宅会社が独自に開発している素材を入れればそれこそ多くあります。

価格も様々のため、その土地の住環境に詳しい設計士に依頼し、家を建てることが前提となります。

例えば、寒冷地など寒暖差が激しい地域では、窯業系サイディングは向きません。

外観デザインも重要ですが、家を建ててから必要となるメンテナンスコストのこともしっかりと計算し、設計士と話し合いの上、決めていくことです。

メンテナンスフリーの外壁は存在しない

誤解をうむような表現となってしまいますが、メンテナンスフリーの外壁は存在しません。

多かれ少なかれ、必ずメンテナンスは必要となります。

ただし、定期的に手入れをしてあげることで、メンテナンスコストを抑えた家づくりをすることはできます。

ですから、土地によって向き不向きの素材をしっかりと理解し、建ててからどれくらいの期間でメンテナンスが必要で、どれくらいの点検や修繕費が必要となるのかを、家を建てる前に把握しておくことが大事だと思います。

メンテナンスの面から見た理想的な外壁とは

日本ではあまり見かけまませんが、外断熱材に伸縮性のある発泡ポリスチレンフォームを利用して下地をつくり、外壁は塗り壁とするのが平均的な日本の住環境では一番適切なのではないのか思います。

発泡ポリスチレンフォームは火に強く、伸縮性があるためひび割れに強い上に、通気性があるので、内部結露を抑制する効果があります。

メンテナンスコストもあまりかからず、長期的にみていい家づくりができると思います。

※ただし発泡ポリスチレンフォームといっても様々な質のものがありますので、日本の住環境に適した適切な素材を選ぶ必要があります。

屋根をメンテナンスコストのかからないものにする

外壁の次に、家のメンテナンスコストがかかる部位は「屋根」だと言われています。

以前は瓦屋根が主流でしたが、現在の日本では、一般的に屋根材としてスレート屋根が使われています。

スレート屋根には天然スレートと化粧スレートがあり、一般的に使用されているのはセメントと繊維を混ぜ込んでつくられた化粧スレートの方です。

※それぞれの屋根材の特徴や違いについては「家づくりで知らないと損する8種類の屋根の形とそれぞれの特徴」に詳しく書かせていただいております。どのような屋根材があるのかを選ぶ際の参考にしてください。

屋根のスレート瓦は張り替えにコストがかかる

化粧スレートは工業製品のため価格も安く、素材そのものの品質は均一化されています。

さらに、軽量で工事もしやすい屋根材のため、一般的に普及しています。

ただし風や雨の影響で割れやすく、メンテナンスにかかる費用は他の屋根材と比べると高い傾向にあります。

特に、表面に施されている塗装が剥がれると劣化が進行し、屋根から漏水し、建物の中にまで水が染み込み、建物を、著しく傷めてしまうこともあるため注意が必要で、頻繁に定期的なメンテナンスを行う必要があります。

屋根材としての寿命は、平均的な日本の住環境でおよそ20年程度と言われており、その他、定期的に劣化を防ぐための塗装、板金交換などが必要となります。

ただし屋根の構造は単純なため、細かい修繕費用は比較的安い傾向にあります。

屋根の部分補修と防水施工にかかる費用

住環境や面積にもよりますが、定期的に部分補修と防水施工を施す必要があり、数年ごとに10万円から15万円ほどのメンテナンスコストがかかります。

屋根の張り替えにかかる費用

スレート屋根は20年程度で寿命がおとずれ、張り替え工事が必要となります。

放っておくと漏水などにより建物を著しく傷めることもあり、張り替えは必須となります。

張り替えとなった場合、面積や屋根の種類にもよりますが、およそ100万円から150万円のコストがかかります。

メンテナンスの面から見た理想的な屋根とは

メンテナンスを考えた場合、総合的に見て陶器製の瓦が適切だと思います。

耐久性が最も高く、高温多湿な日本の住環境に適した素材であると思います。

ただし、屋根設置に際しての、建築コストが高くなる上に、割れやすく地震などに弱いという側面もあるので、その辺りは建てる地域を含んだ住環境を考慮して決定していってください。

まとめ:ランニングコストのかからない家

繰り返しになりますが、家は建てて終わりではありません。

建ててからもメンテナンスを繰り返し、住まいとしての機能や性能を保つ必要があります。

性能を保つためにはコストがかかるため、いかにして維持費用を抑えるかが一つの大きな課題となります。

今回、ランニングコストのかからない家を建てるというテーマで、まずは、断熱性能を高められた家にするという話をしました。

その上で間取りの工夫をしたり、ランニングコストのかからない住宅設備機器の選び方、さらには外壁や屋根材の選び方についてもお話してきました。

今回の話を、全ての住宅で取り入れることは様々な制約があるので難しいかもしれませんが、断熱性能が高められた家であることを前提に、部分的に使用することでランニングコストが抑えられた家にすることができると思います。

ぜひ今回の内容をあなたの家づくりに取り入れていただき、快適な住環境と建ててから維持するコストのかからない家づくりをされてください。

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