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新築の注文住宅の外観で失敗しないために抑えておきたい4種のサイディングの特徴

新築の注文住宅で家を建てるわけですから外壁にも気を使いたいものです。

注文住宅で家づくりをしている方は間取りには気を使うものの、特別なこだわりがない限り、意外と外観を気にしない方は少なくありません。

確かに外観は外から見た雰囲気を印象づけるだけのものですし、生活動線を考えてつくる間取りと比べれば、そこまで住み心地を左右するものではないのかもしれません。

しかし、使用する外壁材次第で、その後のメンテナンスに掛かる費用が大幅に変わってきますし、実は外壁ひとつで家の中での住み心地も大きく変わってきます。

だからこそ、注文住宅の外観で失敗しないためには、それぞれの外壁材の特徴をしっかりと抑えておく必要があります。

外壁材は様々な種類がありますが、今回はそんな外壁材の中でも「サイディング」について詳しくお話していきます。

※注文住宅で間取りを決める時に役立つ建物の各部名称と役割については「注文住宅の間取りとマイホームプランで知っておきたい建物の各部名称と役割」をご覧下さい。

また塗り壁については「新築の注文住宅の外壁で失敗しない3種の塗り壁の特徴とメリットとデメリット」を参考にされてください。

この記事では、サイディングがわからない方でも十分理解して頂けるように、サイディングについてイチから詳しく解説していきます。

そもそもサイディングとは「どのような特徴を持つ外壁材なのか」という基本的なことから、サイディングの種類とそれぞれのサイディングの特徴、それぞれのサイディングを使うメリットとデメリット、各サイディングのメンテナンスの方法など、注文住宅で家づくりをする方が、疑問に思うようなことをひとつひとつ丁寧に解説していきます。

何度も言いますが、サイディングの取り扱い方次第では、家を建ててからメンテナンスにかかる費用が大幅に変わってきます。正しい知識を持って、それぞれの住宅環境に合わせて外壁材を選び、取扱い、丁寧にメンテナンスをしていけば、長く賢く寄り添って建物並びに外壁と付き合っていくことが可能です。

※新築の注文住宅を建てるダンドリについては「新築の注文住宅で憧れのマイホームを建てる時の3つのステップ」をご覧下さい。上から順に進めて頂ければ、家づくり初心者の方でも注文住宅で家づくりをすることが出来るように記事構成されています。
また、間取りに悩まれている方は「新築の注文住宅の間取りで失敗しないマイホームの間取りプラン作成のコツ」を読んで頂ければ、より生活に寄り添った理想的な間取りをつくる際の参考にして頂けると思います。




1:サイディング

サイディングとは

サイディングとは外壁に使用する外装材のことをいいます。従来の外壁は、塗り壁や塗料などを塗り、外壁を仕上げる方法が主流でしたが、それに対してサイディングは工場で大量生産されたサイディングボードと呼ばれる「壁の型」を外壁に張りつけていく方法をとります。

サイディングは工事も比較的簡単で工場で大量に生産することが出来るため、生産コストを抑える事ができ、品質も安定しています。外壁に使用する際の費用や工賃も安く抑える事ができる他、耐水性や耐天候性にも優れている特徴があります。

機能的な面でみれば、塗り壁と違い、壁のひび割れなどの劣化が目立ちづらく、また起こりづらい特徴があります。

サイディングボードとモルタル

少し前までは外壁材としてモルタルが主流で使われていました。しかし、モルタルは火には強いものの、何度も塗る作業が必要なため施工時間がかかることや材料費や工費がかかるうえ、出来上がった外壁にヒビが入りやすいなどのデメリットを抱えていました。

対して、サイディングは基本的には、板状のサイディングボードを張るだけなので工期を短縮でき、さらに軽量で耐久性もよく、火にも強いことから次第にモルタルに替わってサイディングが台頭してきました。

ただしサイディングには、熱を吸収しやすくシーリングの劣化が目立ちやすいというデメリットもあります(熱を吸収しづらいサイディングもあります)。

サイディングボードの施工法

サイディングボードを張る方法は、「直張り工法」と「外壁通気工法」があります。

外壁直張り工法 図:金丸塗装

直張り工法とは、サイディングボードの裏面が直接防水シートと密着し張り付けられている工法のことを言います。

直張り工法は、サイディングボードと防水シートが密着しているため、建物との間で空気が通らないことから、侵入した水分の逃げ場がなく湿気が溜まりやすい構造となってしまっています。

そのため腐食などの劣化が起こりやすい工法で、2000年4月までに施工された外壁は、まだそうした点が理解されておらず、直張り工法をとっています。

直張り工法で張り付けられたサイディングボードは、吸水した水分や湿気が防水シートに阻まれることで逃げ場を失ってしまい、塗装されていないサイディングボードの裏面から吸水されます。

直張り工法の最大の問題点はここにあり、通気層がないため水分が入り込むと、うまく蒸発することが出来ずに、サイディングボードそのものが湿気を吸収してしまい劣化を防ぐほか、サイディングボードから湿気が蒸発する際に塗膜を押し上げるところにあります。つまり劣化が進むと塗膜が膨張したり剥がれたりします。(撥水性のあるサイディングボードは湿気がたまることで建物の劣化を進行させます)

外壁通気工法 図:金丸塗装

それに対して、外壁通気工法とは、サイディングボードの裏面と防水シートの間に空気の層ができるようにサイディングボードを張り付けていく工法のことを言います。

外壁通気工法では結露や浸水が発生しても外壁と建物の間に空気が流れることで、湿気を空気層で逃がすことができます。また空気の層があることで、水分が防水シートを通って土台の水切りから排出され乾燥させます。

「直張り工法」と「外壁通気工法」この二つの工法の違いは、要するに隙間があるかどうかです。

しかし、この2つの違いは些細なようで大きな違いがあります。なぜなら建物の寿命に大きく関わってくるからです。

2000年4月以降に建てられた家は品格法※により外壁通気工法が標準工法として取り入れられています。そのため2000年以降は外壁通気工法が主流となっています。

※品確法とは・・・国土交通省が定めた住宅の品質確保の促進等に関する法律のことです。

代表的な4種類のサイディングボード

サイディングは、素材により主に4種類にわけられておりそれぞれ、「窯業系サイディング」「金属系サイディング」「木質系サイディング」「樹脂系サイディング」があります。

それではここから、代表的な4種類のサイディングの特徴や注意点、メリット、デメリットなどについて詳しく解説していきたいと思います。

窯業系サイディング(ようぎょうけい さいでぃんぐ)

窯業系サイディングとは

外壁材として使用される、サイディングの中でも現在最も人気が高いのが窯業系(ようぎょうけい)サイディングです。

窯業系サイディングは主にセメントと繊維質を原料として工場で板状に成形し養生・硬化させた外壁材のことです。

窯業系サイディングは成形する際の型や塗装により、意匠を凝らしたタイル風や石積み風にすることが可能で、4種類のサイディングの中でも特にデザイン上、汎用性が高いサイディングとなっています。

窯業系サイディングの価格相場

窯業系サイディングは薄い方が価格が安くなります(JIS規格により厚さは14mm以上と定められています)。ただし、窯業系サイディングは、厚みがあるほど、高級感が増し、価格が安く薄くなるほど、外観上の安っぽさが増す特徴があります。

理由としては、例えば14mmと16mmでは、当然16mm以上の厚みがあるサイディングを使用した方が、厚みがある分、凹凸がつけやすくなり、意匠性を高めることが出来るため、重厚感や見た目の風合いは増していきます。

厚みを持たせることで、見た目や風合いに重厚感が出てくるので、ものによっては見た目はほとんど本物と変わらないような質感や風合いを持たせることが出来ます。

厚みを持たせることで、どれくらい窯業系サイディングの価格が変わるのかというと、目安として、40坪程度の家であるならば14mmから16mmに変更すると全体で100万ほど価格が上がると思ってください(外壁材の価格は、素材、厚み、塗装、その他住宅環境により変動するのであくあまで目安としての話です)。

※厚みや塗装により、価格は大きく異なりますが、一般的な窯業系サイディングの価格相場は約3,000〜10,000円/㎡です。

窯業系サイディングの特徴

窯業系サイディングは日本の新築住宅の約70%〜80%のシェアを占める外壁材で、デザイン性の豊富さや、施工性の高さなどからメリットの多い外壁材として様々なメーカーから販売されています。

ただし窯業系サイディングはメンテナンスを前提とした外壁材ですので、時間の経過と共に劣化がおとずれるので(経年劣化)その都度、適切にメンテナンスを行なうことが必要です。

そこでここでは、窯業系サイディングの特徴をはじめ、窯業系サイディングを選択するにあたっての注意点やメンテナンス方法、窯業系サイディングは家の壁にどのように張り付けられていくのかなどの施工方法に至るまで細かく見ていくこととします。

窯業系サイディングの主原料と特徴

冒頭でもお話しましたが、窯業系サイディングの主原料はセメントです。比率で言うと約80%はセメントで、残りの20%程度が繊維質や増量剤で出来ています。

窯業系サイディングは工場で板状に成形し、養生、硬化させるので一度に大量に生産できることから工期を短くする事ができ、施工性の良さや、豊富なデザイン性から人気が高く、現在日本の新築住宅の約80%ほどを占めているサイディングボードと言われています。

ただし、窯業系サイディングの原料の80%はセメントで出来ているため、特性はセメントに依存します。

例えば窯業系サイディング自体には防水機能がありません。そのままの状態ですと水分を吸い込み次第に劣化していきます。

そのため工場で生産する際に塗料をふきつけることで防水機能を持たせています。

窯業系サイディングを選択する上での注意点

窯業系サイディングの場合、一定の形で成形され、色をつけるための塗装は工場で行なわれます。

現場ではそれを張り付けていくわけですが、サイズの関係で、角の部分には必ず継ぎ目ができてしまいます。

サイディングに使われる役物

そのため、角が多い家の場合、入隅(凹の部分)と出隅(凸の部分)に継ぎ目が出来てしまい、外壁に注意しないと、見た目の外観を著しく損ねる恐れがあります(ただし一般的に、角には役物(やくもの)が入ります)。

もちろんこういった現象は、窯業系サイディングに限りませんが、サイディングボードは、基本的に壁に外装材を張り付けていく方式をとるため、時間が経つにつれて隙間など様々な部分から劣化が現れやすくなります。

窯業系サイディングの劣化現象とメンテナンス方法

何もせずに放っておくと、塗装がはげたりする見た目の変化(劣化)はもちろん、定期的なメンテナンスを怠ると性能の劣化までもおとずれます。

例えば、窯業系サイディングはもともと防水機能が備わっていないため、表面を塗装することで防水機能を持たせているサイディングホードです。

そのため再塗装などせずに放っておくと、表面の塗料が剥がれてしまい、外壁材としての機能を著しく損なってしまうことになります。

ちなみに、窯業系サイディングボードの塗り替えの目安としては5〜10年くらいと言われています。

また、メンテナンスを怠っていると、外装材を張り付けた目地(主にシーリング)から水が浸入してしてしまうこともあります。

サイディングボード間の繋ぎ目に入れられている目地(シーリング)から水が入り込むのを防ぐ為に使われるシーリング剤※(継ぎ目やすきまに注入して、水漏れや空気漏れを防ぐ)は、窯業系サイディングンボードの塗膜よりも早く劣化が進行すると言われており、どんなに長くても10年ほどと言われています。

よって寿命がおとずれるタイミングでメンテナンスによる張り替えが必要となります(住宅環境により取り替えまでの期間は変動します)。

ボードを繋ぎ合わせている、シーリング剤が劣化してしまうと、シーリング自体にヒビ割れなどの不具合が生じ、隙間から雨水が浸入することで、建物自体を著しく傷めてしまいますので「増し打ち」もしくは「打ち換え」を行なうことが大事です。

補足:シーリング材とは、建物の防水性、気密性を保持するため繋ぎ目や隙間に用いる材料のことをいいます。シーリング材が劣化することで雨水が浸入し、壁から建物を劣化させる恐れがあります。またシーリング材はコーキング材ともよばれます。

親水性サイディングと光触媒サイディングの違いとは

窯業系サイディングの劣化を防ぐ方法として、サイディングボード表面をコーティング処理する方法があります。

コーティング処理されたサイディングボードは、親水性サイディングとよばれるものと、光触媒でコーティングされたサイディングがありますが、どちらも機能や性能は同じで、共通する目的は「汚れ落とし」です。

親水性サイディングとは

親水性サイディングとは、サイディングボードの表面にシリカやフッ素など水蒸気を吸着する物質でコーティングすることで、サイディングボード表面を常に水の薄い膜で覆われるようにし、静電気の発生、ならびに、汚れをつきにくくし、綺麗な状態をたもつことが出来るように施されたサイディングのことを言います。

メーカーにより商品名称は違い、代表的なものでいうとパナソニックは「親水セラ」、ニチハは「マイクロガード」、INAXは「ナノ親水」、旭トシステム外装は「セルフッ素コート」「セルクリンコート」「セルクリンコート・ライト」などと呼ばれます。

光触媒サイディングは太陽の紫外線が必要ですが、親水性サイディングは太陽の光を必要としないため、太陽があたらない北側や隣家に近い外壁に使用されます。

※親水性とは・・・
部材の表面に水が広がる性質のことです。親水性能が高いほど、静電気が起きにくくなるため、空気中の塵や埃(ほこり)を寄せ付けにくくなります(汚れが付いても落ちやすくなります)。

光触媒サイディングとは

光触媒サイディングとはサイディングボードの表面に酸化チタンなどを敷き、紫外線を吸収したとき、酸化還元作用や親水作用を引き起こし、汚れをつきにくくし、綺麗な状態をたもつことが出来るようにされたサイディングのことを言います。

メーカーにより商品名称は違いパナソニックは「光セラ」、TOTOは「ハイドロテクトコート」などと呼ばれます。

光触媒サイディングには、光(紫外線)が触れると、有機物を分解させる効果があり、油汚れを防いだり、苔の発生を抑えたりする効果がありますが、光がない(紫外線)場所では十分に効果が発揮できません。

光がないと効果が期待できないことから、光が当たる場所限定で使用されます。

価格は親水性サイディングの2倍ほどします。

窯業系サイディングの劣化状況によるメンテナンスの目安

続いて劣化状況によるメンテナンスの目安について話していきます。

1:シーリングの割れやひび割れ塗装の剥がれ、塗膜の膨らみの場合

壁の塗装が色褪せていたり、ひび割れが起きていたり、表面塗膜が剥がれていたり、表面の塗膜がふくれていたりチョーキングなどの現象が現れたらメンテナンスによる塗り替えが必要な時期と考えてください。

※チョーキングとは塗膜の劣化により、塗料に含まれる成分が変化し粉状になって表面に出てくる現象です。手で触ると粉のようなものがつきます。

また、サイディングボード自体にヒビ割れが発生している場合塗装の他にヒビ割れ補修が必要となります。

サイディングボードの塗り替えにかかる費用は塗料のグレードにより大きく異なりますが、資材代、足場代、施工費、人件費など合わせて、一般的な住宅(塗り面積200㎡程度の2階建て住宅を想定)で60万円〜150万円ほどです。

2:サイディングボードの亀裂や反り、一部が滑落

またサイディングボードに亀裂や穴が出来ていたり、反りが起こったり、サイディングボードの一部が滑落しているような状況になったら重ね塗りや張り替えが必要な時期と考えてください。

張り替えは既存のものを取り除いてからサイディングボードを新たに張る方法と、既存のものの上にサイディングボードを張る方法の2通りあります。

当然既存のものの上から新たにサイディングボードを張っていく方法の方が、既存のサイディングボードを撤去する費用が必要ないため、費用を安く抑えることが出来ます。ものにより価格の幅に開きがありますが大体の目安で、一般的な家庭ですと150万円〜210万円ほどだと考えてください。

既存のサイディングボードを取り除いて新たに張る方法ですと180万円〜240万円ほどです。

3:シーリングの破断、凹み、ひび割れ

さらに、サイディングボードをつなぐシーリングが凹んできたり痩せてきたり、シーリングの破断、またはシーリングのヒビ割れなどがおきたらシーリングの「打ち換え」が必要となります。

シーリングの「打ち換え」とは、古いシーリングを取り除き、新たに新しいシーリングを塗り、入れ替えることです。

シーリングの劣化による、メンテナンンス費用は、打ち換えの場合、一般的な住宅で20万円~40万円(700円〜1,200円/m)程度です。

シーリングの打ち換え以外に「打ち増し」という方法もあります。

シーリングの「打ち増し」とは言葉通りで今あるシーリングを取り除くことなく新たにその上からシーリング剤を塗り重ねていく方法です。

今あるものの上に塗り重ねていくことになるので、メンテナンス費用を抑える事ができ約15万円~30万円(500円~900円/m)と安くなりますが、今あるものとのシーリング剤の相性が悪いと、シーリングを「打ち換え」るよりも不具合が生じる可能性が高くなります。

ですのであまりお勧めしません(状況により臨機応変に対応することは大事ですが・・・)。

打ち増しをお勧めしない理由としては、サイディングボードをつなぐシーリングのひび割れなど、劣化の進行したシーリングの上から打ち増しをしても、応急処置程度のものしかならず、統計的に、すぐにひび割れなどの症状が現れることが多いので、基本的には劣化の症状が出たら打ち換えることが必要だと考えてください。

最後に、サイディングボードが上記のような状況になった時に放っておくと状況が悪化し、さらなる劣化を招くことになるので早めにメンテナンスを行なうようにしてください。

続いてサイディングボードそのものの劣化の進行具合について少しお話します。

窯業系サイディングのサイディングボードそのものの劣化の進行具合

窯業系サイディングボードの劣化の進行具合は、一概には言えませんが、まず、シーリング剤の割れや剥がれがが生じてきます。

次に、劣化が進行してくると色があせてきたり、触れると手に粉がついたり、ひび割れが起こったり、塗装が剥がれてきます。

最終的には大きな亀裂が入ったり、サイディングボードに反りやうねりが生じたり破断してしまったり張り替えや重ね張りが必要となってしまいます。

張り替えが必要となれば費用もかさんでしまいますので、何事も早めの処置が必要となります。はやめに処置を施せば工事範囲が狭くて済むので工事費用を抑えることが出来ます。

サイディングの種類によって変わるので、一概には言えませんが張り替えが必要な場合は、資材代(サイディングボード費など)、足場代、施工費、人件費などがかかりますので、一般的な家庭でも安くても200万円前後の費用が必要となります。

窯業系サイディングの施工方法

窯業系サイディングの施工方法は主に2つです。

1:釘留め工法

窯業系サイディングの釘留め工法は、専用の釘を使い下地に窯業系サイディングボードを直接止めつける方法です。釘留め工法は厚さ14mmの薄い窯業系サイディングボードで使われます。

釘留め工法のメリットは施工が容易で施工コストを抑えられる点にあります。ただし施工が容易である分、釘自体の耐久性は弱いため、釘の部分から錆が生じ、外壁自体に傷みが生じる可能性があります。

また釘留め工法は、施工が容易ではあるものの手間がかかります。下穴を開けてからくぎを打つことになることや、くぎを打った後に「頭隠し」という釘をうった部分を目立たなくすることが必要となります。

さらに釘留め工法では、正しい施工をしないとサイディングボードが割れる恐れもあり、施工の善し悪しが大きく分かれます。

2:金具留め工法

窯業系サイディングに用いられる金具留め工法はステンレス金具をビスで固定し下地をつくり、ステンレス金具に引っ掛けながらボードをはっていく方法です。金具留め工法は厚さ15mm以上の厚みのある窯業系サイディングボードで使われます。

※ちなみにサイディングボードの厚みが14mmから16mmになると、一般的に定価は1.5倍以上に膨らみます(ものによります)。

特徴としては釘の頭が表面に現れず隠れているので外壁面の意匠性が高まるところにあります(金具が使用できない部分、例えば開口部周りなどでは表面からの釘留め、またはねじ留めになります)。

釘の「頭隠し」などがいらないため釘留め工法よりも工期を短くすることが出来ますが、釘留め工法よりも金具留め工法の方が、トータルの金額は高くなります。

ただし、住宅環境によりますが、長い目で見た場合のコストパフォーマンスは釘留め工法よりも金具留め工法の方が良くなります。

家づくりの工法と構造について詳しく知りたい方は「家づくりで知っておきたい3つの構造と6つの工法のメリットとデメリット」をご覧下さい。木造住宅、鉄骨住宅、RC造の特徴や違いから、各工法の違いなどについてわかりやすく記事にしています。

窯業系サイディングのメリット

続いて窯業系サイディングにすることでのメリットとデメリットを見ていきます。まずは窯業系サイディングのメリットから解説します。

窯業系サイディングのメリット1:デザインが豊富

窯業系サイディングのデザインは多岐にわたります。本物のレンガのように見えたりするなど、本物そっくりの見た目の窯業系サイディングも存在します。

窯業系サイディングは、成形する際の型や塗装により変化を加えることが出来るので、意匠を凝らしたタイル風や石積み風、木目風やレンガ風など様々なデザインのバリエーションから選択することが可能です。

窯業系サイディングのメリット2:品質が安定しており工期が短い

窯業系サイディングは、多くの場合、工場で塗装まで済まされるため工事の際に天候や温度に左右されることがほとんどありません。そのため一定の品質を保っているほか、施工性が良いため工期を短くすることができます。

窯業系サイディングの中でも現場塗装のものもありますが、9割型は工場で塗装まで済まされます。

窯業系サイディングのメリット3:防火性と耐震性が高く遮音性も高い

窯業系サイディングの主原料はセメントですので防火性や遮音性に優れています(ものによりますが、窯業系サイディングは基本的には密度が高いためです)。

また、金属系サイディングのように軽量のものと比べると建物にかかる負担が大きいですが、一般的には耐震性も高いと言われていることも窯業系サイディングのメリットのひとつです。

窯業系サイディングのデメリット

つづいて窯業系サイディングのデメリットについて解説していきます。

窯業系サイディングのデメリット1:防水機能がない

窯業系サイディングは主原料がセメントで出来ているため、防水機能がありません。窯業系サイディングにどのように防水機能を持たせているのかというと、工場出荷時に塗装をすることで防水機能を持たせています。

ですから、窯業系サイディングは時間が経つにつれ防水機能の性能は落ちていくので定期的に塗り替えるなどのメンテナンスが必要となります。

また、窯業系サイディングはセメントが主原料の焼物なので性質として水分を吸収しやすく、湿潤と乾燥を繰り返すことでひび割れが生じることがあります。

窯業系サイディングのデメリット2:定期的なメンテナンスが必須

窯業系サイディングの塗膜寿命は、住宅環境によっても大きく異なってきますが、早くて5年、長くても10年程度と言われています。

窯業系サイディングの防水機能が落ちると、水の侵入を招き、外壁のひび割れをはじめ様々な部分で建物の傷みが生じてきます。

また、サイディングボードの塗り替えなどのメンテナンスを怠っていると、建物自体の劣化を早めることになるので注意が必要となります。

ただし窯業系サイディングのサイディングボード自体の耐用年数は約30年程度と言われています(あくまでメーカー側の主張です)。

窯業系サイディングのデメリット3:蓄熱性が高い

窯業系サイディングボードは主原料がセメントということもあり、非常に熱を溜め込みやすい性質をもっています。

特に濃い色のサイディングボードを使用していると外壁の表面温度が60度以上に達することもあると言われており、その分室内の温度も上昇してしまいます。

また、それが繰り返されることによって塗料が劣化し、防水機能などの機能性が失われることもあるので注意が必要です。

窯業系サイディングの使用事例

ここからは、窯業系サイディングを使用した住宅の事例を紹介していきます。

こちらは和風の住宅に窯業系サイディングを使用した家です。窯業系サイディングの質感と和風の佇まいが非常に調和しています。

こちらの住宅では白い外壁部分が窯業系サイディングが使われています。黒い外壁は金属系サイディングが使われており、黒い金属の質感と、窯業系サイディングの柔らかい質感が映え、モダンな外観となっています。

写真のように異種のサイディングを使用するとそれがアクセントとなり面白い外観がうまれることもあります。

金属系サイディング

金属系サイディングとは

金属系サイディングは、金属板(アルミやスチール(鋼))と断熱材を裏打ちし貼り合わせたサイディングのことをさします。

金属系サイディングは、工場で金属板を成形し表面や接続部に加工を施してつくられます。表面材には塗装ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板などが使われ、裏面材には断熱効果のあるしん材で構成されています。

つまり金属系サイディングは、金属板、しん材、裏面材などで構成されています。

金属系サイディングの特徴

金属系サイディングは、外壁材に使われる素材の中でも特に軽量のため、建物への負担が少なく、施工時の取扱いが比較的容易であり、ひび割れや凍害にも強く耐水性(防水性)、条件さえそろえば耐久性にすぐれているという特徴があります。

また、金属系サイディングはデザインもバリエーションも非常に豊富でレンガ調やタイル調、石目調に至るまで取り揃っています。

ただし金属系サイディングは、凹凸を大きくすることが難しいのでタイル調や石目調の金属系サイディングは、どうしても安っぽい印象になってしまいます。

使い方を間違えると安っぽい印象に仕上がってしまう可能性がある一方で、金属系サイディングを適切に使用すると建物にモダンな印象を持たせることが出来たりと、意匠性に富み、比較的デザイン性にも優れている外壁として好んで使用されます。

釘などをうった後もほとんど目立たずシンプルな金属系サイディングを外壁材に使用しても、外観上、綺麗に仕上げることも可能です。

さらに金属系サイディングは、他のサイディングよりもコストパフォーマンスが優れています(もちろん素材やモノにもよります)。

新築で注文住宅を建てる際、価格を抑えつつ性能もある程度期待できるのが金属系サイディングのメリットですが、メンテナンス費用などを含めたトータルな金額で換算すると、微妙なところでもあります(あらゆるところから錆を貰ったりなど、扱いが少々難しいため)。

また、金属系サイディングは水分を吸収しないので耐凍害性にも優れています。水分が吸収される素材だと、吸湿と放湿、凍結と溶解を繰り返し著しく素材を痛める恐れがありますが、金属系サイディングにはそれがありません。そのため金属系サイディングは寒冷地では多用される傾向があります。

金属の木材の性質の違いとしては、金属は暑い夏場には膨張し伸び、寒くなると縮む現象がおきます。対して木材は暑い夏場には乾燥により縮みが生じ、冬場には伸びる性質を持っています。

金属系サイディングの赤錆

金属系サイディングの最大のデメリットは、金属系サイディングは表面のメッキが腐食したり、表面の傷などにより、錆が生じてしまい、著しく劣化してしまう恐れがあることです。そのため金属系サイディングは、表面を塗り直すなど定期的なメンテナンスが必要となります。

また詳しくは後ほどお話しますが、金属系サイディングは壁にものを接触させないことや壁にモノを立てかけないなど、取扱いにも注意する必要があります。

さらに、金属はちょっとしたことで錆びやすいという性質があるため、塩害などに弱く、金属系サイディングは海の近くの家には向いていません。

金属系サイディングのメリット

金属系サイディングには一般的に、ガルバリウム鋼板やアルミ合金で出来ているもの、素材がステンレスのものなどありますが、ここでは金属系サイディング全般のメリットを記載していきます。

細かい違いについては各項目で解説していきます。

金属系サイディングのメリット1:一般的には断熱性があると言われている

金属系サイディングは裏面が硬質プラスチックフォームなどの断熱材で構成されています。一般的にこの断熱材の影響により外の気温に左右されず、部屋の温度を外に逃がさない機能を高めているため、室内の温度を一定で快適な温度にたもつことが出来るとされています。

夏は涼しく、冬は暖かい室内環境をたもつことが出来るので電気代の節約にも繋がるといわれています。

※「されています」と書いているのは私の見解は異なるからです。ここではあくまで一般的に言われていることを記載しています。ちなみに私の意見をいわせてもらうと、「断熱性能はそこまで期待できない」です(あることにはあると思います)。主な理由は、素材自体の薄さによるものと、通気工法により建物とサイディングの間に通気胴縁(空気層)がつくられているからです。断熱性についての意見を言わせてもらえば、ようは金属系サイディングに断熱性を期待するのではなく、家の壁そのものに良い断熱材が入っているかどうかの問題だと考えています。

金属系サイディングのメリット2:優れた耐凍害性があり凍害に強い

また、金属系サイディングは耐凍害性にもすぐれています。

凍害は水が浸入し、凍結、膨張を繰り返すことで外壁材が劣化していく現象を指しますが、金属系サイディングは、金属のため、内部に水分が侵入しづらいため凍害を防げるというメリットがあります。

金属系サイディングのメリット3:揺れやひび割れに強い耐震性がある

金属系サイディングは軽量のため建物に掛かる負荷が軽いため、地震による影響を受けにくいメリットがあります。

金属系サイディングボードの厚みにもよりますが、一般的なサイディングボードで比べると窯業系サイディングの約1/4、モルタルの約1/10ほどの重量と言われています。

金属系サイディングのメリット4:軽量であり短期間で施工できる

金属系サイディングのメリットとしては、やはり窯業系サイディングよりも軽量であるため、短期間で工事が完了できるところにあると思います。

一般的な窯業系サイディングと金属系サイディングを比べると、金属系サイディングは窯業系サイディングの1/4程度の重量しかありません(モノにより異なります)。

また外壁リフォームの際には既存の外壁の上から金属系サイディングを張り付けることも可能なことから工期を短くすることが出来ます。

金属系サイディングのメリット5:傷がつかなければ水に強い

金属系サイディングには防水性があります。防水処理を施している他、金属自体に水をはじく性質があるので、基本的にはサイディングの内部にまで水がしみ込むことはありません。

ただし、傷がつくとそこから劣化が進行し穴があいてしまうこともあるので注意が必要です。

金属系サイディングのデメリット

つづいて金属系サイディング全般のデメリットについて解説していきます。金属系サイディングにはガルバリウム鋼板やアルミ合金、ステンレスなどがあり素材により細かな違いはありますが、それについては各項目でご確認下さい。

金属系サイディングのデメリット1:錆が発生しやすい

金属系サイディングの一番の欠点は錆が生じることです。

金属系サイディングの表面に傷がつき、水や空気に触れることで錆が発生します。気がつかないうちに表面についた傷や凹みから錆が生じることがほとんどですので、定期的な確認作業やメンテナンスが必要となります。

また設置の際の角の切り口から劣化が進行することもあるので注意が必要です。

金属系サイディングはメンテナンスが必要ないと言われる方がいますが、それは大きな間違いです。どのようなサイディングでも施工した時点から劣化ははじまるので定期的に洗ったり表面の塗料の塗り替えが必要となります。

金属系サイディングのデメリット2:表面に傷がつきやすい

金属系サイディングは、材質が金属のため傷がつきやすいという性質をもっています。モノが当たることで凹みが生じたり、かたいものがこすれることで表面が傷付くこともあります。

また金属は、尖ったものや鋭いものでこすると傷がつきます。

例えば、細かい石などの飛来によって表面が傷付き、塗膜が劣化、そこから雨が侵入し、錆が生じ劣化を招くこともあります。

金属系サイディングのデメリット3:塩害や酸性雨による被害を受けやすい

金属系サイディングは塩害の被害を受けやすい欠点を持っています。

金属は塩分を大量に含む潮風を浴びると劣化の進行を早めます。また金属は酸に弱く酸に触れることでも著しく劣化を早めますので、酸性雨にも注意が必要です。ただし酸性雨に強い金属系サイディングや塩害に強い金属系サイディングもあります。

金属系サイディングのデメリット4:乾湿調整機能がない

金属系サイディングは、防水性にすぐれ水分を吸収しない性質をもっているため凍害に優れている一方で、太陽光による温度の上昇を防ぐことが出来ません。

また木材のように湿気を吸ったり、乾燥したりする機能がないため、乾湿調整をすることができません。

そのため、侵入した水分を乾燥させるための、水分の逃げ道をつくってあげないと湿気がちになり思わぬところから劣化を招くことになります。

窯業系サイディングと金属系サイディングの違いと特徴

現在日本で新築される住宅で使われる外壁材(サイディングボード)のほとんどが「窯業系サイディング」か「金属系サイディング」でまかなわれています。

そこで、ここでは窯業系サイディングと金属系サイディングの特徴について比較していこうと思います。

窯業系サイディングと金属系サイディングの違いと特徴1:素材による違い

窯業系サイディングは主成分がセメント(成分の80%)です。そしてセメント自体に防水性がないため、サイディング表面を塗装によりコーティングすることで防水性をカバーしています。

そのため、窯業系サイディングは定期的なメンテナンスが必須で、表面の塗装が剥がれることで劣化を進行させてしまいます。

対して、金属系サイディングは金属で出来ているためそのもの自体に防水性があります。ただし傷がつきやすく、傷から雨水が浸入することで錆が生じ、著しく劣化させてしまう恐れがあります。

金属系サイディングも定期的なメンテナンスは必要で、表面に傷がつくことで劣化を進行させてしまいます。また塗膜がはがれることでも同じように劣化が進行します。

窯業系サイディングと金属系サイディングの違いと特徴2:外観の違い(デザイン性)

窯業系サイディングはバリエーションが多く、成形する際の型や塗装により、凹凸を自由につけられるので、例えばレンガ風ややタイル調などのように暖かい雰囲気や、本物と見間違えるような素材にすることが可能です。

デザインのバリエーションや色や質感の自由度でいうと窯業系サイディングにかなうサイディングはありません。

対して金属系サイディングは、金属の質感を最大限に生かし、モダンでシンプルなデザインに映えます。特に黒系の金属系サイディングは、窯業系サイディングでは表現できない、直感的でモダンかつ重厚な外観を表現することが出来ます。

窯業系サイディングと金属系サイディングの違いと特徴3:費用の違い

窯業系サイディングは、一般的に金属系サイディングよりも高くつきます。

対して、金属系サイディングは厚さによって価格は違いますが比較的安価に仕上げることが出来ます。金属系サイディングに限った話ではありませんが、厚みや機能性が増すほど価格は高くなるので窯業系サイディングよりも高くつくこともあります。

窯業系サイディングと金属系サイディングの違いと特徴4:機能性による違い

窯業系サイディングは、硬質で密度が高く耐震性や遮音性に優れる半面、大半の原料がセメントなので熱を溜め込みやすい性質を持っています。そのため、夏場は熱を吸収し表面温度が上昇し、室内の温度も高くなってしまうデメリットがあります

ただし窯業系サイディングは燃えにくいため、耐火性に優れているという機能的特徴も合わせもっています。

対して、金属系サイディングは裏打ちされた断熱材(硬質プラスチックフォームなど)により熱を通さない性質を持っているためモノ自体は断熱性に優れています(もちろん、モノによります。というかモノによって大幅に違います)。

一般的に外壁材は、湿気や水分が侵入し乾燥や湿潤、また凍結や溶解を繰り返すことで外壁材の劣化を招きますが、金属系サイディングでは水分吸収量が少ないため、被害を最小限に防ぐことが出来ます(耐凍害性)。

ただし金属系サイディングのデメリットとして、温度変化が激しいと変形を起こしてしまうほか、モノが当たったり衝撃を加えることで凹みが生じたり、傷を付けたりすることで雨が侵入し、錆が生じやすい性質を持っています。

特に海岸沿いでは塩害の影響を大きく受けるので錆びてしまい著しく劣化を招く恐れがあります。

金属系サイディングで使われる主な素材の種類

続いて金属系サイディングで使用される主な素材の種類についてお話していきます。ここではスチール系のガルバリウム鋼板、アルミ系のアルミニウム、ステンレス系のステンレス鋼板についてお話します。

スチール系

ガルバリウム鋼板

金属系サイディングの中で最も一般的なサイディングボードが、ガルバリウム鋼板です。

ガルバリウム鋼板とは鉄の表面にメッキで塗装が施された金属のことで、ガルバリウム鋼板の特徴として、表面をメッキで覆うことで、雨などによる錆を防ぎ、耐久性を高めているところにあります。

亜鉛だけで塗装が施されているトタンと違い、ガルバリウム鋼板はアルミニウムがおよそ55%、亜鉛が43.4%、シリコンが1.6%の比率で出来ています。

そのためトタンが錆びやすい素材であるのに対して、トタンと比べるとガルバリウム鋼板は錆びにくい素材になっています。

ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウム鋼板は、鉄にメッキが施されることで錆びにくいなどの耐久性を高めている他、セメントが主原料の外壁材は重いため家の骨組みなどに負担をかけてしまいますが、ガルバリウム鋼板は金属系サイディングの軽いという特徴を兼ね備えているので家に大きな負担をかけることがありません。

ガルバリウム鋼板が金属なのになぜ軽いのかというと、ガルバリウム鋼板は金属の薄い板でできており、厚さが1mmほどしかないからです。ガルバリウム鋼板自体の厚さは、厚くても2mmから3mmほどです。

ガルバリウム鋼板を使った家はモダンな雰囲気に仕上げることが可能で、例えば黒のガルバリウム鋼板を外壁材として使うと、黒さが際立ち、外観が非常にスタイリッシュで引き締まって見える作用があります。

また窯業系サイディングに見られるような、角の繋ぎ目など、見た目をカバーすることが出来るので外観を整えることが出来ます。

ガルバリウム鋼板の注意点

見た目には目立たないものの、ガルバリウム鋼板も他の外壁材と同じように繋ぎ目はあります。ガルバリウム鋼板は耐久性が高いのが特徴のひとつとして上げられますが、繋ぎ目はどうしても劣化しやすくなっています。

特に注意すべき点はガルバリウム鋼板を設置する際の角の切り口です。角の切り口は塗装がされていないため非常に弱くなってしまっています。

またガルバリウム鋼板は鉄の表面をメッキで塗装することで、耐久性を高めてはいるものの、もの自体は鉄で出来ています。ですから、表面に傷がつきメッキによる塗装がはがれてしまうと、そこから錆などが発生し劣化を招く恐れがあります。

もちろん、ガルバリウム鋼板の耐久性を高くしたものがメーカーにより出ていますが、素材はあくまで鉄だということは変わりありませんので注意が必要です。

また金属はある程度力を加えると凹むことに加え、一度凹むとそこが目立ちやすくなってしまう傾向があります。ガルバリウム鋼板は錆に強い素材ではありますが、ガルバリウム鋼板も定期的なメンテナンスは欠かせないことには変わりありません。

ガルバリウム鋼板の劣化現象

ガルバリウム鋼板は、定期的なメンテナンスを怠っていると表面に傷が出来ていることに気がつかず、そこから錆びてしまい素材の劣化を招いてしまいます。

定期的なメンテナンスを怠っていると錆に気がつかず劣化のスピードが速くなってしまいますのでサイディング表面の塗料の効果を十分に発揮するためにも定期的に再塗装するなどの対策が必要です。

ガルバリウム鋼板を長持ちさせるコツ

また金属系サイディングは、少なくとも半年に一度くらいは外壁を洗うなどして綺麗に保つようにしていると長持ちさせることが出来ます。

洗うときは研磨剤入りの洗剤を使うと表面の塗装を剥がすことに繋がりかねませんので、使用しないように注意しましょう。高圧洗浄機もいけません。

表面に傷がつかないように慎重に優しく洗う必要はありませんが、表面の塗装を剥がす恐れのある行為は避けるべきです。

ガルバリウム鋼板に生じる錆の種類

赤い錆

ガルバリウム鋼板が傷付くことにより赤錆は発生します。例えば細かい石などの飛来物により表面が傷付いたり、鋭利なものでこすってしまったり、車などで小石が飛び傷付いてしまったなど、些細なことが原因で雨などが付着することで赤錆は生じます。

もらい錆

例えば錆びたネジなど、錆びたものがガルバリウム鋼板に接触したことにより貰ってしまう錆です。考えの及ばない、意外なところから錆を貰うことがあります。

例えば電車の線路の近くだと、線路の上を走った電車により削られた鉄粉が壁につくことによっても錆が生じると言われています。

接触による錆

錆びていない金属がガルバリウム鋼板に接触することでも錆が生じます。この現象を電食(異種金属接触腐食)といい、金属だけではなく木材に含有されている酢酸(木酢液)などもガルバリウム鋼板に錆を生じさせます。

白い錆

潮風などがあたったり高温多湿な環境下でガルバリウム鋼板表面の亜鉛が酸化しておきる白いはんてんのようなものが白錆です。白錆を防ぐには出来るだけ濡らさないことや、通風をよくすること、雨が降った後などはキレイに拭き取りすみやかに乾燥させることが大事になりますが、大変な労力を生じるのでおそらく防止するのは難しいと思います。

白い錆は、赤い錆のように広がり穴があいてしまうような腐食の仕方はしませんが外観を著しく損なってしまいます。

ガルバリウム鋼板の錆を防止する方法

ガルバリウム鋼板の錆を防ぐ方法としては、できるだけ壁にものを立てかけないことです。ガルバリウム鋼板は、ささいなことから傷がついたり、錆を貰ったり、接触により錆が生じてしまいます。

また家の周りにも他の金属がないかを注意する必要があります。錆びていない金属でも、錆びた金属でもガルバリウム鋼板にはあまり好ましくありません。

ガルバリウム鋼板の耐久性

住宅環境や種類により差はあるものの、一般的に公称ではガルバリウム鋼板は耐用年数が20年ほどあると言われており、メンテナンスをしっかり行なうことにより、長期間使用することが出来るとされています。

ただし住宅環境により耐久性は、大幅に変わり、5年程度しかもたなかったり、もらい錆をし10年で穴があいてしまったりと、扱いがなにかと難しい素材でもあります。

ガルバリウム鋼板を長持ちさせるために

ガルバリウム鋼板はメンテナンスが入らないという話をたまにききますが、それは真っ赤な嘘です。以上のことから、ガルバリウム鋼板は特にメンテナンスが必要な外壁材です。

ホースなどを使い、綺麗に水で流してあげたり、壁についた汚れを取ってあげたり定期的に点検などをし不具合がないかの確認をする必要があります。

ガルバリウム鋼板自体にはそこまで断熱性が期待できない

ガルバリウム鋼板は、先にお話したように非常に薄い素材で出来ています。

ガルバリウム鋼板自体が薄いので、言われているほど断熱効果が期待できないという点と、また、ガルバリウム鋼板に限った話ではありませんが、様々な理由から建物との間に空気層をつくることが必須となるので、外壁材自体に断熱性を求めるよりも、建物自体の断熱性を高めた方が余程効果があると考えています。

アルミ系

アルミサイディング(アルミ合金)

金属系サイディングの中でも、アルミニウム合金を主原料として構成されているサイディングボードがアルミサイディングです。アルミサイディングの一番の特徴は「軽量」であることです。

素材が軽いため建物に負担をかけることなく建物を守ることが出来ます。

デザインのバリエーションも豊富で、洋風、和洋風、欧風など様々なデザインのアルミサイディングがあります。

またアルミニウム合金は、モノによって耐久性や性質が大きく異なりますので注意が必要です。

またそれに伴い価格も変動します。例えば日本で主流の品番3000番系と、それよりも高強度、高耐蝕の品番5000番系を比較すると、素材の差だけで3倍以上の開きがあります。

※アルミニウム合金は、合金となっている金属によって品番が1000番系から8000番系でわかれています。

アルミニウム合金3000番系の特徴

日本のアルミサイディングの8割から9割型使用されているアルミサイディングが3000番系です。一般的にアルミサイディングというと、この3000番系のアルミサイディングのことを言います。

3000番系の特徴としては素材が安価であることがあげられます。また鉄よりも耐久性があり重量が軽いメリットがある半面、へこみやすく傷付きやすいなど強度はおとり、酸に弱い性質があります。

価格は5000番系よりも安価です。

アルミニウム合金5000番系の特徴

5000番系のアルミ合金を素材としたアルミサイディングは3000番系よりも耐久性と強度をもっています。3000番系よりもへこみにくく傷付きにくい素材です。

5000番系はもともとは船舶用に開発されたアルミ合金ということもあり、潮風に含まれる塩分による塩害などにも強い耐久性があると言われています。

また金属は傷が付き外気の酸素に触れることにより酸化し、腐食していきますが、5000番系のアルミ合金では酸化しても自己補修機能により、酸化皮膜ができ腐食を防ぐことができると言われています。

価格は3000番系よりも非常に高価です。

アルミサイディングのメリット

アルミサイディングのメリットを以下に解説していきます。

アルミサイディングのメリット1:軽量性

アルミサイディングを外壁に使用することの一番のメリットはアルミならではの軽量性です。

窯業系サイディングと比較すると1/8程度の重さしかありません(使用される素材により異なります)。またアルミサイディングは軽量であるので建物への負担が軽く、地震などの揺れが生じても順応することが出来ます。

アルミサイディングのメリット2:耐震性

アルミサイディングは軽量のため、地震の際に建物にかかる負担を軽くすることが出来ます。

アルミサイディングのメリット3:耐凍害性

アルミサイディングは水分をはじき、また水分が内部に侵入することがほとんどないため、溶解と凍結が繰り返されることによるひび割れや凍害の心配がないサイディングです。

ただし金属ですので熱により膨張したり縮んだりはします。

アルミサイディングのメリット4:意匠性

アルミサイディングは金属の質感でシンプルモダンな雰囲気を外観に持たせることが出来ます。また金属系サイディングは窯業系サイディングの次に、バリエーションも豊富です。

アルミサイディングのメリット5:耐久性

アルミサイディングの耐久性は、素材にもよりますが一般的にはガルバリウム鋼板よりも高いとされています。

アルミサイディングのメリット6:錆びにくい

アルミサイディングは同じ金属系サイディングのガルバリウム鋼板と比べて錆びにくい性質を持っています。

アルミサイディングのデメリット

続いてアルミサイディングのデメリットを以下に解説していきます。アルミサイディングは金属系サイディングですので「金属系サイディングのメリット」と「金属系サイディングのデメリット」も合わせて読んでください。

アルミサイディングのデメリット1:傷付きやすい

アルミサイディングは金属系サイディングですから、傷付きやすい性質を持っています。焼付塗装により性能を高めていますが、塗装が剥がれてしまえば、性能は期待できなくなります。

またアルミサイディングの傷のついた箇所を放っておくと傷から錆が発生することもあります。

アルミサイディングのデメリット2:へこみやすい

アルミサイディングは加工により衝撃に対する耐久性を強化してはいるものの、素材の主原料はアルミですので、強い力が加わると凹んでしまいます。

アルミサイディングのデメリット3:ガルバリウム鋼板よりも高くつく

アルミサイディングは、一般的に、同じ金属系サイディングのガルバリウム鋼板よりもコストが高くなります。

アルミサイディングのデメリット4:金属系のものと接触してはいけない

金属系のものと長期間接触することで貰い錆などを貰い、劣化が生じます。アルミサイディングの場合、ガルバリウム鋼板のように穴があくことはよっぽどのことがない限り生じないと思いますが、症状がひどくなると錆が広がり性能が著しく劣化します。

アルミサイディングのデメリット5:アルミの性質を理解する必要がある

アルミサイディングは、合金だと言っても素材はアルミです。そのためアルミの性質を良く理解する必要があります。アルミは一般的に酸やアルカリに弱く溶ける性質を持っています。

塗装によりコーティングされている状態ならまだしも、例えば、傷付いた部分からこれらの成分が入るとアルミサイディングの耐久性を著しく劣化させることになるので注意が必要です。

アルミサイディングのデメリット6:定期的なメンテナンスが必要

アルミサイディングも定期的なメンテナンスは必要です。アルミサイディングはメンテナンスの必要がないという方も中にはいますが、メンテナンスをすることでアルミサイディングを長持ちさせることが出来ます。

また繰り返しますが、基本的にメンテナンスの必要のない外壁材はありません。

ステンレス系

ステンレス鋼板

ステンレス製のサイディングは住宅市場にはあまり出回っていません。注文住宅における、ステンレス系のサイディングボードで有名なのは日新製鋼建材のステンレスサイディングだと思いますが、私自身、注文住宅の外壁でステンレスを使用した例があまりなく、専門外の素材であるためここでは割愛させて頂きます。

ただし具体的に明記することは避けさせてもらいますが、様々なことを鑑みるに、注文住宅の外壁材としてはあまり適さない素材なのではないかと思います。

金属系サイディングの使用事例

次に注文住宅で役に立つ、金属系サイディングを使用した住宅の外観事例をみていきます。

黒い配色を施した金属系サイディングを使用すると、モダンな印象を与えることが出来ます。金属ならではの冷たい印象とシンプルな色合いは非常に相性がいいと言って問題ないと思います。

また金属系サイディングの外壁は、少し変わったデザインの家など、独特な佇まいの家に非常にマッチします。個性的な家と金属の質感が何とも言えない意匠性をもたらします。

金属系サイディングを利用することでシャープな印象を与えることが出来ます。

木質系サイディング

木質系サイディングとは

木質系サイディングとは、天然の木に加工と塗装をしてつくられた外壁材で断熱性にすぐれたサイディングボードです。

外壁材に使われる木質系サイディングボードは、天然木に「防火性」や「耐久性」を高める表面処理を施しています。天然木を使用しているので、天然木特有の暖かみがあり木目がそのままデザインとなるため、同じ材質を外壁に使用しても、全く同じデザインになることがないのが大きな特徴です。

木質系サイディングの張り方は、縦張りや横張りなど、好みによって選択することも出来ます。

木質系サイディングの特徴

また木質系サイディングは、ログハウスのように外観上柔らかい印象を与えることが出来ます。ただし、使い方を間違えると山小屋のような外観になってしまうので注意が必要です。

ただし欠点として、木質系サイディングは塗装により保護されているとはいえ天然木であるので水分に弱く、湿気の多い地域や気候などで、長期間水が溜まったまま乾燥しない日が続くと腐食などにより劣化してしまいます。

ですので湿気の多い地域では木質系サイディングはあまり使用することをお勧めしません。

木質系サイディングは天然木を使用しているので、木材の性質を良く理解する必要があります。もちろん、表面の塗膜により、耐久性を高めてはいますが、素材自体は天然木であることには変わりないので、定期的なメンテナンスが必要となります。

※木質系サイディングは、「表面を炭化したもの」と「表面に塗装を施したもの」があり、表面を塗装すると被膜をつくってしまい木の呼吸を止めてしまうのであまり好ましくありません。

木質系サイディングのメリット

木質系サイディングの最大のメリットは天然木ならではの風合いからくる意匠性です。ここではそんな木質系サイディングならではのメリットを解説していきます。

木質系サイディングのメリット1:優しく暖かみのある外観になる

木質系サイディングの最大のメリットはやはり、天然木特有の風合いにあると思います。

木質サイディングにしか出せない天然木特有の「木目」や「風合い」「色味」などは他の外壁材では決して真似の出来ないものです。

天然木であるがゆえに、同じ木目は二つとして存在しないので、同じ天然木を使用していても世界にひとつだけの趣のある外壁にできます。

木質系サイディングのメリット2:断熱性が高い

木質系サイディングは天然木を使用しているので断熱性能にすぐれています。

木質系サイディングのメリット3:冬は暖かく、夏は涼しい

木材は梅雨場の湿気が多い時期は空気中の水分を吸収し、冬場の乾燥している時期は水分を放出してくれます。そうした天然木ならではの湿度調整機能などの恩恵を預かることが出来ます。

※木は暑い夏場には程よく湿気を吸ってくれ、冬には乾燥をさせすぎない効果があります

木質系サイディングのデメリット

木質系サイディングは、天然木特有のメリットが際立つ反面、デメリットも非常に多く扱いが難しいサイディングです。以下に木質系サイディングのデメリットを解説していきます。

木質系サイディングのデメリット1:水に弱い

木質系サイディングの一番のデメリットはやはり水に弱い点にあると思います。木質系サイディングは素材が木材なので水に弱い性質があります。

木質系サイディングは、塗装によりある程度の防水性を備えてはいますが、表面の塗装が剥がれるとそこから水が浸入し、腐食したりするなど著しく劣化が進む場合があるので注意が必要な外壁材です。

また、木質系サイディングは極端に湿気を嫌うため、長期間濡れた状態が続いていると腐朽が進んでしまいますので注意が必要です。

木質系サイディングのデメリット2:メンテナンスが悪いと劣化が早い

木質系サイディングは特にメンテナンスが必要なサイディングです。

こまめに表面の塗り替えをしないと寿命も短くなってしまう恐れがあるので定期的にメンテナンスをすることは必須です。(防腐処理は必須です)

またメンテナンスを怠ると色味が悪く、次第に灰色になっていきます。

表面の塗膜が剥がれると、そこから劣化が進み大幅に寿命が短くなるのも木質系サイディングの特徴のひとつです。メンテナンスを怠り腐食が進むと、外壁を張り替えるしか対処できなくなることもあります。

木質系サイディングのデメリット3:木材の質が上がるとコストが跳ね上がる

木質系サイディングに限りませんが、質が上がるとそれだけコストも跳ね上がります。個人的な意見ですが、木質系サイディングは特にその影響を受けやすいように思います。

木質系サイディングのデメリット4:取扱いをしている会社が少ない

木質系サイディングはある種特殊な外壁材で、取扱いをしている会社はそんなに多くありません。ですのではじめから木質系サイディングを希望されている方は、そもそも住宅会社で取り扱っているのかを確認する必要があります。

木質系サイディングのデメリット5:材料選びに専門性が必要

木質系サイディングは天然木を使用しているため、表面上は同じ木材に見えても、材質が均一ではありません。

そのため材質選びにはある種の専門性が必要になります。それに加え、木質系サイディングを得意とする業者に工事などを依頼する必要もあり、施工業者選びも大事になります。

木質系サイディングの注意点

木質系サイディングを選択する際の注意点として、そもそも建築基準法により木が使えない地域もあるので注意してください。

制限は地域によって異なり、外壁材に木自体の使用が許可されていなかったり、認定をとっている木質系サイディングなら許可をしていたり様々です。

ただし特殊な木質系サイディングは、費用が高額になる場合がほとんどです。

木質系サイディングの劣化現象

また木質系サイディングは天然木であるがゆえに放っておくと、著しく劣化して色味が悪くなってしまいます(公園のベンチのように灰色に退色していきます)。

色味が悪くなるだけでなく、素材の耐久性も劣化してしまうので、定期的なメンテナンスが必要となります。

こうした劣化をできるだけ防ぐ方法としては、なるべく腐りにくい木を使ったり水はけをよくしていくことが大事となりますが、それだけ外壁材の選択肢が狭まってしまいます。

またこうした劣化を了承した上で経年劣化を楽しむのもひとつの選択肢としてあるかと思いますが、それでも機能性の劣化は免れないので定期的なメンテナンスはやはり必要となります。

木質系サイディングの使用事例

つづいて木質系サイディングを使用した住宅の例をみていきます。

やはり木質系サイディングの一番の特徴は、天然木特有の柔らかい雰囲気です。また貼り合わせ方によって独特な濃淡を外観に持たせることができるのは、木質系サイディングの天然木ならではの質感と言えます。

また、写真のように、部分的に木質系サイディングを使用することで外観にコントラストをもたらすことも出来ます。

写真のように、上下に異なる種類のサイディングを使用すると非常に個性的な印象を持たせることも可能です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングとは

樹脂系サイディングボードとは、塩化ビニール樹脂を原料としてつくられた耐久性の高い外壁材です。

日本での普及率はそれほど高くありませんが、樹脂系サイディングの発祥であるアメリカでは、外壁材の半分のシェアを誇っていると言われています。※ただしアメリカではシェアが高いとは言え日本とアメリカでは住宅環境が大きく異なるので注意が必要な外壁材でもあります。

樹脂系サイディングの最大の機能的特徴は、劣化しにくい材質のため、塩害、凍害などの耐候性にすぐれている点にあります(その特徴から東北地方や北海道で普及が進んでいます)。

またシーリングを使わないので目地の補修が必要ないことや、例外はありますが、非常に軽量のため、既存の壁の上に取り付けることも可能な点にあります。

樹脂系サイディングは、変形や変色にも耐性を持ち合わせており、変化がしづらい素材です。

さらに樹脂系サイディングは塩化ビニール樹脂が主原料のため撥水性があり水分を吸収しづらいため水による影響をあまり受けません。

樹脂系サイディングは、メンテナンスの必要がほとんどなく耐用年数も30年とされています。さらに保証もついているため外壁材としてみると非常に優れている外壁材となります。

ただし、樹脂系サイディングは機能性は優れていますが、カラーバリエーションが少なく、遮音性も低く、見た目も安っぽくなります。

また樹脂系サイディングは地域によっては使用することが難しい場合もあります。

樹脂系サイディングの特徴

樹脂系サイディングの特徴1:軽量

樹脂系サイディングは軽量であり運搬しやすく、また施工が簡単なため工期も短くすることが出来ます。

樹脂系サイディングは主原料が塩化ビニールのため一般的な窯業系サイディングの1/10程度の重さしかありません。

樹脂系サイディングの特徴2:撥水性

樹脂系サイディングは素材が塩化ビニールのため、撥水性に優れており、金属などのように錆を生じることはありません。

樹脂系サイディングの特徴3:塗装

樹脂系サイディングは表面を塗装しているのではなく、顔料を使用し、色自体がサイディング内部に練り込まれています。

樹脂系サイディングは表面塗装ではないため、色あせがしづらく変形や変色に強い素材です。

樹脂系サイディングの特徴4:張り替え

樹脂系サイディングが破損した際、その部分のみを張り替えることが可能です。

樹脂系サイディングの施工法

樹脂系サイディングは窯業系サイディングや、金属系サイディングと違いシーリング材を使う必要がないのでオープンジョイント工法という重ね張りで施工されます。

一般的な外壁材には繋ぎ目が必要で、その隙間をシーリング材で埋めることによって雨水の浸入を防いでいます。ただし、この工法ですとシーリング材で密閉してしまうことになるので、内外に気圧差が生じてしまいます。

内外に気圧差が生じることによりシーリングの劣化と共に高い気圧の表側(外側)から低い気圧の裏側(壁側)に雨水が浸入しやすくなってしまいます。

オープンジョイント工法はシーリング材を使用せずに施工するので、本体の間に自然に空気が流れ込み、内外との気圧差を発生させなくしています。

つまり、オープンジョイント工法の特徴としては、外装材の内外で気圧差が発生しないため外壁から壁の内部に雨水が容易に侵入づらい仕組みとなっており、雨水がほとんど浸入しないことがあります。

※オープンジョイント工法は雨水が入りにくい工法ですが、雨が全く侵入しないわけではないので下地に防水シートを張ることが必要になります。

※また、どの工法にも言えることですが、職人の技術がないとうまくメリットを持たせることが出来ず、欠点が目立ってしまいます。樹脂系サイディングの特徴を良く理解している業者に頼むようにしてください。

樹脂系サイディングは雨漏りに強い

樹脂系サイディングは撥水性により水をはじく機能があるため雨に強い外壁材です。また樹脂系サイディングは重ね合わせて張っていくので、繋ぎ目にゴム製のシーリング材を使用しません。

シーリング材を使用すると、内外に気圧差がうまれシーリング材の劣化などからくるひび割れにより、気圧の高い外から、気圧の低い内に水が浸入しやすくなりますが、樹脂系サイディングは内と外を密閉することがないので気圧差はありません。

樹脂系サイディングの隙間から水が裏側にまわったとしても、空気の層や防水シートを設けているので雨水が建物に染み込む前に乾燥させたり、底から水を排出する仕様になっています。

また樹脂系サイディングの主原料である塩化ビニ−ルには撥水性があり、水や湿気をほとんど吸いません。対して、例えば窯業系サイディングでは、取り付ける際の入隅(いりずみ)や出隅(でずみ)に生じる角の切り口や、裏側から素材自体に雨水が染み込みますが(毛細管現象)、樹脂系サイディングではそれがありません。

(写真:A窯業系サイディング B樹脂系サイディング)

樹脂系サイディングは紫外線に強く丈夫で長持ち

実は、樹脂系サイディングは金属系サイディングよりも紫外線劣化が起きにくい素材です。

樹脂系サイディングは塩化ビニールで出来たプラスチックです。プラスチックときくと紫外線などに弱く劣化の進行が早いと思われがちですが、樹脂系サイディングでは劣化がしにくいタイプの高いグレードの樹脂を使用しています(樹脂系サイディングには、耐候性のある特別な顔料を練り込んでいます)。

雨樋なども同じ塩化ビニールを原料として使用していますが、一般的な雨樋は表面塗装をしており、素材自体に耐候性のある特別な顔料を練り込んでいません。そのため雨樋は劣化が進行すると、割れが生じたり、パキッと破断が生じてきます。

それに対して樹脂系サイディングは、グレードの高い塩化ビニールを素材自体に練り込んでいるのでそういった劣化を出来るだけ遅くしたり、防ぐ役割を果たしています。

樹脂系サイディングのメリット

ここからはまず樹脂系サイディングのメリットについて解説していきます。

樹脂系サイディングのメリット1:耐久性が高い

樹脂系サイディングは非常に耐久性が高い素材です。耐久性が高く素材自体の寿命も長いため外壁材として非常に優れた素材と言われています。

塗装ではなく素材自体に、特殊な配合をした成分を練り込み、様々な機能性を高めることが可能なため、例えば経年劣化によるひび割れや退色がおきるなどを、ある程度防ぐことが出来ます。

そのため樹脂系サイディングは強度が低下することがほとんどないと言われています。

樹脂系サイディングのメリット2:塗り替えの必要がない

一般的な塗料は表面を塗ることで膜をつくっていますが、樹脂系サイディングは材料の表面に塗装するのではなく、材料自体に顔料が練りこまれています。

そのため樹脂系サイディングでは長期間、使用しても表面の色が剥がれるということはありません。また紫外線による変色を防止するために特殊な成分が練り込まれているため色落ちもしにくい特徴があります。

樹脂系サイディングのメリット3:汚れに強くメンテナンスしやすい

樹脂系サイディングは、汚れに強くちょっとした汚れがついたとしても水で洗い流すことで、綺麗になります。

樹脂系サイディングは表面塗装ではないので、強くこすったとしても、金属系サイディングのように表面の塗装が剥がれることで、外壁材としての性能が落ちてしまうようなことはありません。

樹脂系サイディングのメリット4:錆びない

樹脂系サイディングは、原料が樹脂のため、錆びることはありません。

そのため窯業系サイディングのように塩害により表面のツヤが損なわれることもありませんし、また金属系サイディングのように、塩害による被害や錆による腐食の心配がありません。

樹脂系サイディングのメリット5:軽量である

樹脂系サイディングは、プラスチックのため非常に軽量です。そのため建物に対する負荷が少なく済み、地震による振り幅も少なくなるので、影響を最小限に抑えることが出来ます。

樹脂系サイディングは外壁材の中でも最も軽量であり、一般的な窯業系サイディングの重さの10分の1程度しかありません。

樹脂系サイディングのメリット6:延年を防げる

樹脂系サイディングの原料である塩化ビニールの自己着火温度は454度です。木材や紙の200度から250度に比べると燃えにくい素材です。

また塩化ビニール樹脂は自己消化性といって他の可燃物の炎と接触しなければ燃え続けることはなく、勝手に消えてしまう性質を持っています。

ですから、樹脂系サイディングに使われる、塩化ビニール樹脂は木材などに比べ延年しづらい材質といえます。

樹脂系サイディングのメリット7:遮熱性能が高い

樹脂系サイディングに使われている塩化ビニールは熱伝導率がアルミの1/1000しかありません。金属系サイディングはそれだけ熱伝導率が高いため裏打ち材などで断熱性を高めることが必要となっていますが、樹脂系サイディングは素材そのものが断熱性、遮熱性をもっています。

樹脂系サイディングのメリット8:破損部分だけを交換できる

樹脂系サイディングでは、外壁が破損した場合は、破損した部分だけを交換することが可能です。

窯業系サイディングや金属系サイディングと比べて手間や費用をかけることなく補修工事をすることが出来ます。

樹脂系サイディングのメリット9:衝撃やへこみに強い

樹脂系サイディングに使われる塩化ビニールはグレードの高い樹脂を使用しているため強度が高い素材ですが、ゴム成分である耐衝撃強化材を練り込むことにより弾力性を持たせることが出来るので割れにくく、へこみにくい性質をもっています。

樹脂系サイディングの欠点

つづいて樹脂系サイディングの3つの欠点について話していこうと思います。

樹脂系サイディングのデメリット1:デザインバリエーションが少ない

樹脂系サイディングはデザインのバリエーションが少ないです。

窯業系サイディングや、金属系サイディングと比べるとデザインのバリエーションが非常に少ないために、デザイン重視の外観を考える方にとってはもの足りなく感じるでしょう。

またモノにより非常に安っぽくなってしまう樹脂系サイディングもあります。

樹脂系サイディングのデメリット2:価格が高い

樹脂系サイディングは初期費用が高くつくことがあります。ただし建ててからのメンテナンスなど長期的なスパンで見るとトータル的にはコストを抑えることが出来るといわれています。

樹脂系サイディングのデメリット3:安っぽいイメージがある

樹脂系サイディングの主原料は樹脂であり、プラスチックです。プラスチックということもあり、薄くて非常に安っぽい印象が先にあがります。

樹脂系サイディングの機能性や性質よりもイメージが先行してしまい導入を妨げる方も多い気がします。

樹脂系サイディングのデメリット4:遮音性が低い

密度と厚み、重量などで防音性は決まりますが、樹脂系サイディングは以上のことから遮音性が期待できない素材です。

樹脂系サイディングのデメリット5:表面がテカテカする

ものにもよりますが、プラスチックのため、テカテカして安っぽい樹脂系サイディングもあります。そのため外観上、建物との相性が難しくなる場面も多々見られます。

樹脂系サイディングの注意点

樹脂系サイディングを使用した外壁構造は、耐火性が低い等の理由から建築基準法により規制されています。

準防火地域(防火地域に隣接する中規模建築物や住居が密集している区域)、または22条区域での使用は、各メーカーが個別に認定を取得した商品を使用する必要があります。

※防火規制区分の中で学校や病院、ビルなどの大規模建築物などの重要な施設がある区域は防火地域のため樹脂系サイディングを使用することはできません。

認定に関しては国土交通省の「建築:構造方法等の認定に係る帳簿 – 国土交通省」に詳しく記載されていますので気になる方は参照してください。樹脂系サイディングは塩化ビニールが主原料のため、他の素材と比べると燃えやすい性質を持っています。

ただし自己着火温度は紙や木が200度から250度に対して塩化ビニールは454度ですから、一般的に燃えやすいと考えられているほど燃えやすい素材ではないことがわかります。

樹脂系サイディングのメンテナンス方法

樹脂系サイディングはシーリングを使わないのでそもそも目地の劣化によるメンテナンスは必要ありません。また樹脂系サイディングは、表面塗装されていないので汚れた場合は水洗い、汚れがしつこい場合は中性洗剤などで洗い流すことが出来ます。

ただし、酸性、アルカリ性の洗浄材(硫酸、塩酸、苛性ソーダ)は素材を痛めますので使わないようにしてください。またシンナーなどの有機溶剤は変色の原因となるので使うのを避けてください。

樹脂系サイディングの使用事例

最後に樹脂系サイディングを利用した家の外観をみていきます。

樹脂系サイディングは、外観をシンプルな佇まいな印象に持たせることが出来ます。デザイン上は、特にアメリカンな家に非常にマッチします。

上の写真のようにオールドアメリカンな雰囲気の外観の家にも、樹脂系サイディングの外壁は非常にマッチします。ちなみに上の写真は、オーソリティホームズが手がけたアメリカンなライフスタイルを反映した海辺のサーファーズハウスです。

新築の注文住宅の外観で失敗しないためのサイディングのまとめ

注文住宅は、長い期間をかけて打ち合わせをし、ようやく出来上がります。

新築の注文住宅で家づくりをする以上、内装にお金と時間をかけるだけではなく、外から見て、誰が見ても映える失敗のない外観をつくりたいものです。外壁にサイディングを使用するのなら、そのために気をつけなければいけないこと、注意すべきこと、たくさんあります。

適当な情報に振り回されていると、建ててから必ず後悔します。特にネットでは、ことサイディングに関しては、かなり適当な情報がゴロゴロしています。

金属系サイディングはその最たる例で、メンテナンスフリーであると堂々とうたっている業者の方もいます。しかし、一般的に言って金属は必ず錆びるわけですからそんなことがないはずがわかります。

一般的な知識をもって判断すれば、当たり前にわかることなのに、家づくりはほとんどの人が素材から何まで初めての経験だらけで担当者や営業マンの言いなりになってしまう傾向があります。

ですから、まずはきちんとした知識を身につけることが遠回りのようで実は家づくりの近道です。

また家づくりは建てることがゴールではありません。家を建ててから住み心地や快適性、メンテナンスなど様々な問題が必ず生じてきます。

それをできるだけ防ぐためにも、施主の方もお任せするのではなく、今回のようなきちんとした知識をベースとして持っておくことが大事です。

注文住宅で失敗しないために・・・

注文住宅で失敗しないためには、担当者の言うことを鵜呑みにせずに、ご自身できちんと調べることも大事なことです。

ネットは偏った情報が多いこともあるので、出来れば市販されている書籍などと照らし合わせたりなどして調べた方が良いと思います。

住宅業界だけに限りませんが、住宅会社の担当者は基本的に良いことしか言いませんので、それを自らの頭で判断する必要があります。

例えば今回の記事に書かせて頂いた、金属系サイディングのように、施主に本当のことを伝えずに、不利益になることは隠し、家を建ててから時間の経過と共に明らかになることもあります。

そして気がついた時には遅く、担当者からは経年劣化だと説明を受け、なくなくメンテナンスが必要になり、その度にお金を支払う・・・そんなことは避けるべきです。

もちろんそのような会社ばかりではありませんが、住宅業界に置いてはそれが色濃く反映されている印象を受けます。

さて、話を変わりますが、これから注文住宅で家を建てられる方は、まず一度、注文住宅相談サービスを利用してみるのも一つの手です。

希望や要望を伝えれば、建てる土地にあった、間取り作成、資金計画、家づくりにかかる費用などコスト面での相談に乗ってもらうことが可能です(土地がなければ土地探しの相談にも応じてくれます)。

ご自身で気に入った、いくつかの住宅会社に同時に提案してもらうことも可能ですので、各住宅会社を比較できるのも大きな利点です。

費用がかかるのはお互いが納得し、話が進んだ場合のみですので安心して利用してみると良いと思います。

>>>注文住宅相談サービスはこちらから

また、新築の注文住宅ではなく、外壁塗装のリフォームや、見積もりをご希望の方は、こちらで一括して見積もり比較できますので、必要な方はご利用ください。

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