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若狭塗の伝統的な技術を継承している箸蔵まつかんとnendoが協業してうまれたおしゃれな箸「chopsticks collection 」

rassen 互いに巻きつく、1本の箸




江戸時代初期に「若狭塗」と命名されて以来、日本一堅牢優美な塗箸として賞され、現在では国内生産塗箸の80%以上を占めている福井県小浜市の伝統的な若狭塗箸。

その若狭塗の伝統的な技術を現在もなお継承している箸蔵まつかんと佐藤オオキ氏率いる日本のデザインスタジオnendoが協業してうまれたのが今回紹介する「chopsticks collection」です。

新しいデザインの箸がデザインスタジオnendoとの協業によって6個デザインされているのですが、そのどれもが、いままでありそうでなかった素晴らしいデザインの箸としてデザインされており、非常にユニークな箸となっています。

手に優しい「花」の形をした箸-nendo

▲ 「hanataba」 手に優しい「花」の形をした箸

まず始めに紹介するのは「hanataba」と名付けられたタイプのお箸。その名の通り箸の頭の部分が「花束」にデザインされています。

もちろんこの「花束」の形にはきちんとした意味があり、箸を持つ人のことをしっかりと考えられてつくられた箸となっています。

手に優しい「花」の形をした箸-nendo

上のラフスケッチのように丸い箸はその美しさと裏腹に、滑りやすいという性質を備えています。しかしながら角ばった箸は持ち心地が悪くなってしまう。

いかにして手に触れる表面積を増やしもち心地を良くするのか・・・そこで考えだされたのが「ヒダ」のような断面形状。

手に優しい「花」の形をした箸-nendo

もち心地を追求してうまれた箸が「habataba」です。

手に優しい「花」の形をした箸-nendo

また、複数の箸がコップの中などにたてられると美しい「花束」のようにみることもできるのもこの箸の大きな特徴です。

jikaoki テーブルに直に置ける箸

▲ 「jikaoki」テーブルに直に置ける箸

続いて紹介するのはこちらの箸「jikaoki」。その名の通り箸置きを使わなくても、テーブルに直に置くことができる特徴を兼ね備えている箸です。

職人の高い技術力により先端部分だけを細く削り込まれているため、テーブルに直に置いても机を汚すことなく置くことが出来るのが大きな特徴です。

jikaoki テーブルに直に置ける箸

遠目で見ると一般的な箸となんら変わらないように見えますが・・・。

jikaoki テーブルに直に置ける箸

先端部分をアップしてみると先端部分だけが職人の高い技術力によって細く削り取られていることがわかります。

どの面を下にしても箸がテーブルにつかないように削り取られています。

jikaoki テーブルに直に置ける箸

こちらはグレーの色の「jikaoki」。

jikaoki テーブルに直に置ける箸

いろいろな色があるので家族で使うことも出来そうです。

sukima 隙間をデザインした箸

▲ 「sukima」隙間をデザインした箸

続いて「sukima」と呼ばれる箸。箸そのものにデザインを施すのではなく、二本の箸が対になった時だけその箸の間「隙間」から柄が浮かび上がるというユニークな箸となっています。

sukima 隙間をデザインした箸

全体の印象としては一般的な多くの箸と全く変わりませんが・・・。

sukima 隙間をデザインした箸-1

箸の「隙間」の部分に実は秘密があります。

sukima 隙間をデザインした箸

こちらの箸の隙間に描かれたのは「ハート」 。描かれている柄の種類にはトランプの柄である「ハート」「スペード」「ダイヤ」「クローバー」の4柄が描かれています。

sukima 隙間をデザインした箸

こちらは「ダイヤ」。ちなみに、「ダイヤ」の片方を「スペード」の上半分や、「ハート」の下半分などに使うなどの工夫をすることで、4種類の形の箸で全4柄を実現したそうです。

sukima 隙間をデザインした箸

こちらは「スペード」。この模様部分はあまりにも形状が細かいため、木では強度がたりなくなることから素材としてアルミを削り取ったハーツを木に埋め込んでいます。

sukima 隙間をデザインした箸

最後にこちらは「クローバー」。

kamiai ひっくり返すと磁石で固定される箸

▲ 「kamiai」ひっくり返すと磁石で固定される箸

続いて「kamiai」と名前がつけられた箸。四角形の箸の片面に溝を入れて磁石を埋め込むことで、片方の箸をひっくり返して「噛み合った」ときに1つに固定されるようにデザインされたとてもユニークな箸です。

kamiai ひっくり返すと磁石で固定される箸

上の写真が「kamiai」。上が側面からみたもの。下の方が「噛み合う」部分を上にしたものです。独特な形状をしていることがわかります。

kamiai ひっくり返すと磁石で固定される箸

こちらた噛み合った状態。ふたつがひとつになる面白さがあることや、ひとつになることでコンパクトになるなどの特徴があります。

磁石の位置を中心からずらしておくことで使用中にそれぞれの箸が引き付け合うことがないよう工夫されています。

kamiai ひっくり返すと磁石で固定される箸

こちらが白、黒それぞれの「kamiai」。

udukuri 木目をそのまま柄にした箸

▲「udukuri」木目をそのまま柄にした箸

こちらは素材本来の味を活かした箸「udukuri」。ラフスケッチをご覧頂ければわかりますが、木の表面を金ブラシで削ることで固い木目部分だけが残る「うづくり加工」を用いて、その上から漆を塗ってからさらに磨くことで、木目が柄となって浮かび上がった箸となっています。

udukuri 木目をそのまま柄にした箸

独特な柄は世界でひとつだけのもの。

貝や卵の殻、金箔などを漆と一緒に塗り込み、磨くことで柄を浮かび上がらさせる「研ぎ出し」と呼ばれる若狭塗の特徴的な技法を応用したものだそうで、人の手によって描かれたものとは違い、自然が生み出したパターンをそのまま生かした表現となっています。

udukuri 木目をそのまま柄にした箸

非常に面白いデザインですね。

udukuri 木目をそのまま柄にした箸

傷を隠すことなく、逆にそれを活かすという発想。素晴らしいです。

rassen 互いに巻きつく、1本の箸

▲「rassen」互いに巻きつく、1本の箸

最後に紹介するのは「rasen」。本来は「2本」である箸を「1本」にするという発想からうまれた、「螺旋状」の箸です。

rassen 互いに巻きつく、1本の箸

上の写真が「rasen」 。使用時には半分に切り離し、使わないときには互いに「絡み付く」ことで再び1本となるようにデザインされています。

rassen 互いに巻きつく、1本の箸

こちらが「二本」にした状態の「rasen」。職人の手仕事と、デジタル制御された多軸切削機を組み合わせることでこの形が実現したそうです。

rassen 互いに巻きつく、1本の箸

螺旋部分をアップにしてみると軽い切れ込みが入っていることがわかります。

rassen 互いに巻きつく、1本の箸

こちらが二本にした状態。美しい螺旋模様を描いているのがわかりますね。

素晴らしい。

ありそうでなかったをデザインする佐藤オオキ氏。世界20か国を超える企業からオファーがあり、1年の半分近くを海外で飛び回っているそうす。

「人を幸せにするのが、デザイン」と言う言葉に支えられ日々新たなデザインに取り組んでいるとのことです。

参考:

nendo partners with hashikura matsukan on chopstick designs

chopsticks collection | nendo

箸蔵まつかん

佐藤オオキ(2013年11月25日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

若狭塗 – Wikipedia