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髪の毛の400分の1という細さの原糸を用いて作られたアルカンターラを利用し、スエードの摩擦力で自然と傾斜にくっつく鳥小屋「non-slip birdhouse」




自動車内装用として広く使われているスエード調人造皮革アルカンターラ。断面積比で髪の毛の400分の1という細さの原糸を用いて作られており、耐久性や耐光性・難燃性が極めて優れ、通常の本革スウェードや合成皮革と比較しても手入れに手がかからないことが特徴としてあげられます。

もともとは東洋レーヨンが開発していたブランドで、開発当初、日本ではエクセーヌというブランド名で展開しファッション業界にて注目を集めていました。

ヨーロッパ現地でアルカンターラ社を設立したことにより現地生産を開始、アルカンターラブランドとして自動車業界に進出したことにより、ブランドイメージを確立。日本でもトヨタや日産等が使用したことにより、スエード調人造皮革アルカンターラとしてブランドが確立していきました。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋

そんな歴史を持つスエード調人造皮革アルカンターラですが、日本のデザインオフィスnendoが車内のシートなどに使われることでドライバーの安定性を確保している「表面の滑りにくさ」という要素に着目し、スエードの摩擦力で傾斜にくっつく「鳥小屋」をデザインしました。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋2

接触する2つの物体の表面がスエード調に起毛していることにより接着剤や金具を一切使うことなく、鳥小屋を壁に触れたときの摩擦力のみで固定できるようになっており、より鮮明にアルカンターラの魅力を表現しています。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋3

アルカンターラで出来た実際の鳥小屋は上の写真。もちろん接着剤や釘等の金具は一切使用していません。起毛による接触のみで壁に貼り付いています。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋4

表面にスエード調人造皮革アルカンターラを使用しているものであればある一定の重さまでのものならどんどんくっつけることが出来ます。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく「鳥小屋」は、素材としての魅力や、面白さを全面に押し出し、そして活かした非常に優れたデザインだと思います。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋5

接着剤等を使用しなくても、どんどん鳥小屋を設置することが出来ます。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋6

ご覧の通り一枚のアルカンターラのシートの上にこの鳥小屋は存在しています。

起毛によりかべにくっついていると思うとなんだか不思議な感じがしてきませんか?

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋7

表面が滑りにくい化学繊維アルカンターラ。この鳥小屋をみていると断面積比で髪の毛の400分の1という細さの原糸を用いて作られていることが実感できます。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋8

アルカンターラは、これからもいろんな分野で大活躍しそうな素材ですね。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋9

起毛による表面の暖かさも大きなポイントのひとつ。より優しい色合いで私たちの生活をしっかりと支えてくれています。

スエードの摩擦力で傾斜にくっつく 鳥小屋10

ちなみにスエードの摩擦力で傾斜にくっつく「鳥小屋」は、佐藤オオキ氏率いるnendoを含む10組のデザイナーがローマの国立21世紀美術館(MAXXI)にて展示を行う「Can You Imagine?」展の出展作品としてデザインされたものです。

▼参考:(外部サイト)

・non-slip birdhouse | nendo(http://www.nendo.jp/jp/works/non-slip-birdhouse/?release)

nendo: ALCANTARA® non slip birdhouse at the MAXXI




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