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木工芸家、中川周士(なかがわしゅうじ)による木桶スツール。

ki-oke stool




日本の伝統的な木工技術を使った素晴らしい作品が制作されました。海外で「ki-oke stool」と呼ばれ、絶賛されているその作品は日本の木工芸家、中川周士(なかがわしゅうじ)氏による、手作りの作品です。

木工芸家とは木を使い伝統工芸品を制作する人のことをいいます。指物、彫物、曲物(まげもの)、挽物(ひきもの)など地域ごとにつたわる様々な技法を使い、職人がひとつひとつ手作りで形にしていくその技法は日本が誇る伝統文化のひとつであることには違いありません。

木桶の歴史は古くは鎌倉時代にまでさかのぼると言われています。それが人々の間に、日本全国に普及したのが室町時代、そして江戸時代には生産技術の向上によって爆発的に普及し、昭和40年代頃には一家に20個も30個も使われていました。

数百年の時を経て技術の向上がはかられてきましたが、プラスチック製品などの工業製品の対等により今その技術が失われつつあります。

古きものが新しきものに生まれ変わり取って代わっていくのは時代の流れによる淘汰ゆえ仕方のないことなのかもしれませんが、仕方のないことではすまされないほど美しく輝く技術が木工芸品には含まれています。

数百年の時を得て継承されてきたその技術、精神、文化、それは淘汰ではすまされない日本人そのものの哲学が生きているといえるかもしれません。

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「ki-oke stool」を制作した中川周士(なかがわしゅうじ)氏は人間国宝(重要無形文化財保持者)である父、中川清司をもち、父に師事し、桶、指物(さしもの)、刳物(くりもの)、ろくろなどの技術を学びました。

父である中川清司氏が59歳の時に重要無形文化財に認定されたのをきっかけに2003年、中川周士(なかがわしゅうじ)氏は自身の工房「中川木工芸 比良工房」を滋賀県滋賀郡志賀町(現大津市)に開いたそうです。

そんな中川周士(なかがわしゅうじ)氏の工房には、まず正面の壁に300種類ほどの並べられた鉋(かんな)が並べられており、作品により使い分けられ制作されます。

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鉋で削り形を整えていく技法は単純な工程ながら作品の善し悪しを決める最も大事な職人技術のひとつ。鉋(かんな)で荒削りをした後、竹釘(たけくぎ)と続飯(そっくい=ごはんでつくる糊)などで、滑らかな円になるようにつなげていき、桶の形になったものを、仮止めして乾燥させます。

仕上げに底板を張ることで制作は終了となりますが、すべてが手作業のため、1日に2・3個つくるのが精一杯だそうです。

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整合性を高め、ゆがみがないように何度も何度も調整していきます。中川周士(なかがわしゅうじ)氏による丸みを帯びたシャープな曲線はこうして生まれます。

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中川周士(なかがわしゅうじ)氏の、この技術は代々受け継がれてきたもの。「柾目」を「寄せて」「合わせる」技術である「柾合わせ」という技法を編み出した重要無形文化財に認定された父である中川清司氏により、継承され、今もなお高められていっています。

 

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そんな中生まれたのが、この 「木桶スツール(ki-oke stool)」。デンマークのデザインスタジオOeOによってデザインされ、中川周士(なかがわしゅうじ)氏により制作されました。

西洋の感性と、京都の伝統的な技法を融合させることで完成した素晴らしい芸術品です。

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制作は2種類。サワラをつかったものと、水中・土中にうずもれて長い年月を経過した杉材であり、青黒く、木目が細かく美しい神代杉をつかったものです。

なお、神代杉は2000年ものを使用しているそうです。

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こちらが神代杉をしようした「木桶スツール(ki-oke stool)」。青黒い素材が特徴的な杉です。

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こちらはサワラを使用した「木桶スツール(ki-oke stool)」。神代杉とは対照的な若い色あいをかもし出しています。

ki-oke stool

これらは木桶の技術で制作されているのですが、丸みを帯びたシャープなラインが繋ぎあわせて制作されているとは思えないほど美しい作品となっています。

スツールは購入頂けませんが、中川木工芸 比良工房の作品は以下のオンラインショップからでも購入頂けるようです。

木工品 > 中川木工芸比良工房 – 作家物の手づくり器、おひつ、桶をご紹介します

日本の伝統技術である木工技術。時代錯誤により、新しきものに移りかわる傾向があるとはいえ日本人として後世に語り継がなければ技術のひとつだと考えます。

制作:中川木工芸 比良工房

参考:

中川木工芸 比良工房: 職人紹介

Nakagawa Mokkougei Hirakoubou: KI-OKE

中川木工芸 比良工房: 工房について

中川木工芸 比良工房: 職人紹介

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